■ VTEC
K20Aのヘッド加工は慎重に2
先月号で「新たなヘッドを入手して作り直しか」と記載したが、やはり作り直しに成ってしまった。 なんとか再利用できないかと検討していただいたが、私が妥協したくない旨を伝えたところ、店主自身も納得できるエンジンとするためには、彼が拘りを持つ自ら掘ったポートでなければ駄目だということ。

これはノーマルのK20A。 ホンダのエンジニアは様々なスペシャルNAエンジンを世に出してきてくれたが、実質的にこのK20Aが最後のホンダ魂を注入されたNAエンジン。 B18のタイプRに掘ってあるメーカーの手彫りポートには敵わないが、このヘッドも魂を注入すればタイプR化するらしい。 だが、勿論それには熟練が必要だそうだ。

一般的には段付修正、インマニ側ならばサージタンクに、エキマニ側はエキマニの口径に合わせるのがセオリーだと思っていたが、このエンジンはそう簡単な話ではないとか。
私が持込んだエンジンは、そのあたりの加工が宜しくないらしく、そのためにダイナパックに載せてセッティングしても理想的な出力特性にならないと嘆いていた。

インテーク側の燃焼室に近い部分の加工が終わると、このような状況に仕上げられる。 ポート加工の細かな話は私には解らないが、ノーマルのポートと比較すると何とも美しい状況に激変。 ビッグバルブに加工した訳では無いが、それにしてもバルブサイズはボアのサイズに対して随分攻めたサイズと成っているなと、改めてホンダDNAを感じた。

鬼門となるエキゾースト側の加工。 何をどうすれば良いのか解らないが、闇雲に広げてはいけないということだけは知識として知っていた。

排気の流れを想像しながら掘るのだろうか、それともセオリーがあって、あえてスムーズな形状にはしないのだろうか。
いくつものK20Aに携わった店主、当初は一般的な加工をしてセッティングしてみたところ、どうしても納得できるパワーカーブが描かれなかったらしく、幾つものヘッドが廃棄処分になったという。
私が持込んだヘッドも残念ながら廃棄処分になるのだろう。



ポート加工完成。
このエンジン、どのようなパワーカーブを描いてくれるのか。 既に店主の頭の中には描かれているらしい。 そして、そのためにこのようなポートの仕上を行い、このヘッドを活かすためのエキマニとストレートマフラーが制作され、更に4スロとファンネルが装着されてエンジンは完成となる。
一切の妥協はしないで制作して欲しいとお伝えしたこのエンジン、一体どんなフィーリングを与えてくれるのだろうか。 過給器付エンジンを搭載したエリーゼ・エクシージを追いかけ回す事ができるだろうか。 いや、それどころか更に格上の私が憧れているようなクルマ達に迫る事ができるのかも知れない。
兎にも角にも、非常に楽しみで待ち遠しい。
■ サスペンションの試作とテスト

エンジンと制御系は徐々に仕上がってきたが、クルマをサーキットで速く走らせるためにはサスペンションが仕上がっていなければならない。 友人には申し訳ないのだが、またしても彼のクルマを使わせていただいてサスペンションのテスト第二弾を行ってきた。
場所は筑波サーキット。 だが、コース2000の方は天候の良い日に走行枠が無く、この日は不得意な1000を走ってきた。 1000の方は私のエリーゼでは一度だけ、少し前にスーパーセブンをお借りして2回ほど走行。 ということで、最近の走行経験的には僅か3回。 遥か昔のロードスターのときを含めても片手の回数程度しかない。
その遥か昔にロードスターで走行したときに、何をどうやっても上手に走れず、私のクルマを借りて走った知人にタイム差を付けられて撃沈。 それ以来筑波1000は苦手意識が心に根付いてしまっており、避けるようにしていた。 タイムが出ないくせに、ショートコースは爽快感が乏しいから好きではない、とか抜かして。
先々月にスーパーセブンで走行した時は41秒フラットだったので、スタンダードなエリーゼでも41秒が出れば御の字かなと思いつつコースイン。

そうそう、この日のテストはバネレートと車高の変更だった。 走り出すと頭が空っぽになってしまう癖を抑え、タイムよりもテストがメインであることを忘れないようにしなくては。
詳しいデータは控えさせていただくが、バネレートを下げて臨んだのだが、これが全くダンパーに合っておらず、ダンパーの縮み減衰だけで走っているような感じとなり、初期応答が悪くロールも多くて非常に走りづらい。 外から見ていた友人に「物凄いロールだったし、クルマの動きが大きすぎるよ」と言われる始末。
車高も前回より前下がりを抑えてみたのだが、これも裏目。 アンダーステアが強く、フロントに荷重を多く掛ける必要が出てしまい、その姿勢制御がタイムロスとなり、とてももどかしい。

私の腕では41秒フラットが精々。 走行台数が少なかった訳では無いが、とてもマナーの良いドライバーばかりで、とても走りやすかった。 そのような中で何とか40秒を出したくて必死になったのだが、必死になればなるほど逆に力が入りすぎて遅くなるという情けなさ。 久しぶりにとっ散らかってハーフスピンしかかったし、ドライビングスキルの劣化が著しくて悲しくなってしまった。
セクタータイムのタラレバを行うと、40.3だったかな。 40前半で纏めるのは無理だとしても、40台は出しておきたかった。
ということで、次のテストは既に店主に伝えているが、ダンパーの根本的な変更も依頼した。 次回は前回装着したバネレートに戻すか、私が購入しておいたハイパコを装着するか迷っているが、店主は非常に多忙な人なので直ぐには出来ないだろう。
そうそう、前回引き摺っていたフロント左のブレーキは、OHしていただいて完治していた事は忘れないように伝えなくては。 そして、なんとかS1エリーゼ用のサスペンションを私のエリーゼが戻って来る前までに完成させておきたい。
■ 雑記
実は少し前から私のW800の具合が芳しくなかった。
始動性は悪くないのだが、アイドリングがラフ。 アイドリングでウインカーを付けると、ウインカーの点滅に伴ってアイドリングが更にラフになってエンストしそうになる。 それだけではない、まるで昔の原付きバイクのように、アイドリングでヘッドライトがチカチカと点滅するし、なんだかエンジンにパンチがない。
これは発電に異常があるのでは、と思い、先ずはアイドリングでバッテリーにテスターをあてて電圧がどのような状況下を見てみた。
アイドリングで13.2V、回転を上げると少し電圧が上昇。 エンジンを止めて電圧を計っても13.2V。 これはおかしい。
アイドリングでウインカーを作動させて電圧を計ると、目まぐるしく電圧が変動して計測できない。 その状態で回転数を上げてみると13.4V程度で安定した。 これらのことから、発電機能は動作しており、過充電にもならないのでレギュレーターも正常なようだ。
うむ、そうなるとリチウムバッテリーが怪しいのだろうか。

とりあえず、いちばん簡単なバッテリー交換をしてみた。 交換したのは安心と信頼の国産、鉛バッテリー。
そしてテスト走行。

どうせテストするなら、気持ちの良いところへ行きたいのでビーナスラインへ。
まず始動性が違う。 セルも気持ちよく回るし、アイドリングも安定。
ウインカーを付けてもアイドリングは安定。 アイドリングの回転を少し上げ気味にしてもチカチカと点滅しがちだったニュートラルランプも安定。 アイドリングは800回転あたりでも問題なく安定、そして更にトルクが少し増えて排気音にもパンチがある。 絶好調に戻った。
使用していたリチウムバッテリーは2年ほど使用。 このバッテリー、私の周りでも使用している人は結構多く、一番長く使っている人は7年も同じリチウムバッテリーを使用しているが、全く問題がないという。
そして、彼らは次もこのリチウムバッテリーを使うと言っているし、私のエリーゼにも、このメーカーのバッテリーを入れているのだが、此方は今のところ問題ない。
私のバイクはノンストップで長距離を走るロングツーリングが比較的多い。 W800は空冷エンジンなのだが、非常に発熱が多く、発熱の多いエンジンの後ろにバッテリーが積まれている。 この熱で壊れたのだろうか。
頻繁に乗る訳では無いことから、バッテリーを上げてしまわないようにカットオフスイッチは信頼できるものを付けている。 なので、鉛バッテリーでも簡単には上がらないはず。
故障の原因はあくまで私の邪推だが、これで安心してツーリングに行けるように成ったようなので良しとしよう。 あ、その前に9年目の車検が迫っているのだが、今回もユーザー車検で通そうと思っている。
距離はまだ8万キロ、まだまだ頑張ってもらうつもりだ。 (ハーレーのショベル、ローライダーには興味があるが)
■ 今月の整備記録
消耗品交換パーツリスト(エクセルデータ)
http://enthusiast.eos111.com/ELISE
phase1 PartsList.xls
W800 バッテリー交換 |
GSユアサ YTX-12BS 80,000km |
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■ ベストラップタイムの記録
筑波サーキット
コース2000
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1分1秒020(2019.02 エリーゼ
Sr.1 111S改の公認記録)
F195/50R15 R225/45R16 A052
ライドモーターワークスによるチューンエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
GTウイング+自作スプリッター
EMERALD K3 コンピューター
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筑波サーキット
コース1000 |
41秒709(2002.05
ロードスターNA8Cでの公認記録)
215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
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| 日光サーキット |
44秒129(2001.03
ロードスターNA8Cでの公認記録)
205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
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富士スピードウェイ
旧コース |
1分55秒28(2002.04
ロードスターNA8Cでの非公認記録)
215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
1928ccエンジン+ソレックス
44 足廻り改 ※手計測データ
1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
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富士スピードウェイ
レーシングコース |
2分00秒101(2018.07
エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
F195/50R15 R225/45R16 AD08R
ライドモーターワークスによるチューンエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
GTウイング+自作スプリッター
EMERALD K3 コンピューター
|
富士スピードウェイ
ショートコース |
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
195/50−15・225/45−16 Neova
AD07
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
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ツインリンクもてぎ
フルコース |
2分16秒479(2004.11
エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
|
ツインリンクもてぎ
東コース |
1分52秒006(2003.10
エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
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エビスサーキット
東コース |
1分09秒228(2003.10
エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
195/50−15・225/45−16 RE−01
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
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袖ケ浦
フォレスト
レースウェイ |
1分11秒643(2019.03
エリーゼ Sr.1 111S改の非公認記録)
F195/50R15 R225/45R16 A052
ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
GTウイング+自作スプリッター
EMERALD K3 コンピューター
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鈴鹿サーキット
フルコース |
2分25秒179(2018.12
エリーゼ Sr.1 111S改の非公認記録)
F195/50R15 R225/45R16 AD08R
ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
GTウイング+自作スプリッター
EMERALD K3 コンピューター
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| スポーツランド菅生 |
1分44秒200(2011.07
エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
195/50−15・225/45−16 Neova
AD08
フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
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