諸事情が解決し、漸くエリーゼでのサーキット走行再開に向けて、行動を再開できるように成ったのはホームページの扉に記載した通り。
私のエリーゼ、初期は111Sの個体にクァンタムのサスペンションと給排気と冷却能力追加のみのライトチューン。
これが第一期
これにGTウイングとアンダーパネルを装着して空力武装して111cupのE2クラス上限で戦ったが、上のE1クラスは食えるものの、過給器付きのE0クラスには歯が立たず。
これが第二期
VVCエンジンのビッグバルブを生かしながら、VVCエンジン対応のハイカムを入れ、ハイコンプピストンと4スロにより戦闘能力向上。およそ180馬力しか無いが、軽量ボディを生かせばスーパーチャージャーに何とか挑めるように成った。
これが第三期
だが、やはり富士スピードウェイや鈴鹿サーキットを走らせると、どうしてもパワーが足りない。 世の中の流れ的にガソリンで走る官能的なNAエンジンが今後新たに出ることは困難となり、ロータスもエリーゼ・エクシージのライトウェイトなラインナップも終了。 もう二度とNAエンジンのライトウェイトマシンは出てこないことが概ね確定してしまった。
NAエンジンの最高傑作と思っているポルシェのGT系エンジンとBMWのM系エンジン、そしてホンダのVTEC。 フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンは余りに私の生活とは乖離しているので除外するとして、この内の一つにも乗らずに私のクルマ趣味を終わらせて良いのかと自問自答。
老い先が見えているので老後の資金も構築する必要があるが、老後に生活できる程度の資金はギリギリ残しておくことを心に誓いつつ、家内に内緒で少し使って私のエリーゼにVTECエンジンを搭載して公認車検も取得することを決意。
これが第四期なのだが、思ったような仕上がりに至らないところで諸事情が発生。
そして今月、漸く諸事情が解決して第四期の再スタートとなった次第。
もう完全に腕は錆びついているので、焦らずに少しずつ再開に向けて用意を開始したいと思っているが、悲しいかな、もう私に残された時間は先が見えており、視力も体力も落ちてきているのを実感している今日このごろ。
腕で劣るのであれば、車の性能だけは何とかしたい。 この相棒には最後まで連れ添って貰いたいし、今後、このようなクルマが世に現れることも望めない。 コイツとはもう20年以上連れ添ったが、最後に気持ちよく走れる官能的なエンジンが欲しい。
そう思って、VTECを積む決心をしたわけだが、結果は御存知の通り。
これは一年ほど前にパワーチェックした際のデータ。
この時、VTEC K20Aに戸田のハイコンプピストンを入れ、カムも戸田の定番A3に交換、スロットルは70mmのシングルにスカンク2のインマニ。 だとすると、目標馬力は250PSでトルクは22kgmというところか。
だが、期待を大きく下回る結果に愕然。 その時は愕然としたことを表に出さないように苦心したが、非常に落胆したのは言うまでもない。 (漸く、今になって気持ちを吐露する事ができるように成った)
「何かがおかしい」
「何かがおかしい」そう思ってはいたが、それを素直に伝える事ができない状況だった。 このままでは駄目だ、サーキット走行を再開するためにはクルマを納得出来る状態にしたい。 と、なると、それを叶えてくれる人に頼むしか無い。
そのようなことから、今、私のエリーゼは今までとは違うアプローチで某所に預けている。 ご存知の方も居るかも知れないが、先方にご迷惑をお掛けしたくないので、どうか、ご内密に。
その方に色々と調べていただいたところ、根本的なところにミスが有ったという。(今までお世話になっていたところには、とても良くしていただいて居たので、怒り・恨みなどは一切ないことは書いておきたい)
その方が公開しているブログにコメントが記載されており、情報に強い貴兄は既にその記事を既に読まれたかもしれない。 因みに、記事を読んだ某氏から直ぐにダイレクトメールが送られてきて驚いた。 私如きが隠しても仕方ないかも知れないが、先程も記載した通り現時点ではショップ名は非公開にしておこうと思う。
その方がセッティングしたのが、表紙のデータ。
基本セッティングは前回のまま、根本的なミスのみ払拭してダイナパックを回した結果が緑の線。 この時のパワーは220PS、トルクは20kgm、両方とも概ね1割のアップ。 だが、これは給排気に手を入れたノーマルK20Aのレベル。
ここからがチューナーの腕の見せ所、ピンクの線はリニアに出力することに拘ったセッティングだろうか。 パワーとトルク、両方とも二次曲線的な出力特性と成っている。 これは実戦では扱いやすい特性ではないかと素人ながら邪推しているが、最終的には246PSの22kgm。 これで概ね想定している数値が出たが、空燃比は13台となりインジェクターが足りなくて非常に危ない状態だという。
一方で、7000rpmに谷があり、高回転域ではパワーの頭打ちが見られる。 これはエキマニとマフラーが原因だという。 それを改善すればパワーの谷がなくなり、更にパワーも上乗せが出来るらしい。 但し、エキマニの形状を良くするためにはトランクを少し犠牲にしなければ成らないという。
どうするか。
ここまで来たら給排気とも理想的な状況にし、インジェクターも交換してエンジンの実力を発揮させてやりたい。 ということで、トランクの加工に加えて4スロも入れることにして依頼。 そして、もうこうなったら後悔したくないので徹底的に、ということで、エンジンも開けていただき、ヘッドもシッカリと作り直すことにした。
もしかしたら、その他にも更に手を入れるかもしれないが、「全てお任せ」することにしてしまった。
そのような経緯があり、行動は再開したが、エンジンはバラして組み直すことにしていただいたので、手元にエリーゼが戻ってくるのは、もう暫く待たねばならない。 ならばと、何度も壊れたドラシャもオーバーホールしていただき、加工と実績のある特殊なグリスを入れていただくように追加でお願いをした。
うむ、愈々終のクルマだな、そうなってくると足も変更したくなる。
ということで、某所に相談に行ってきた。
私、予てからダンパーの縮み減衰はバネが適切なレートであれば殆ど効かなくて良いと思っており、現在装着している3ウェイのダンパーも伸び側しか弄らず、2ウェイとか3ウェイなど、私には宝の持ち腐れになるのは見えているので、伸び側だけ減衰調整があれば良い。
車高調整は先端の首のところで行うのではなく、ケースにネジ切りを設けて、ケースの部分で車高調整が出来るのがベストと思っている。 通称「別タン」、ダンパーの追加タンクも取り付けが面倒になるだけなので、オイル容量が必要なだけ稼げていれば別タンは無しで良い。
バネは細かくレートが分かれている内径2.25インチ(57.15mm)のフォーミュラに使うバネが良いと思っているが、アイバッハもハイパコも入手が困難だったり時間が掛かったりするのが難点。 私に知識がないだけで、他にも良いメーカーがあれば余り拘りはないが、あのメーカーだけは動きが変だしヘタリが早いので嫌だ。
などと長い話をしてきてしまった訳だが、嬉しいことにワンオフを快諾していただけた。 クルマが仕上がってきたら工場入りさせていただき採寸し、ダンパーメーカーに発注するらしい。 だが制作期間は2ヶ月とのこと。 ここまできたらトコトンやるしか無い、もちろん了承。 2ヶ月で理想的なものが出来るなら万々歳である。
そして、もう一つ。
それは冷却系。
私の車両を見たことある人であれば、特徴的な導風板が付いた空冷式オイルクーラーが装着されているのをご存知かと思う。 そして、それはダウンフォースを失う方向に向けて取り付けてあるだけでなく、アンダーパネルに排熱口があるために、フロントのダウンフォースがダブルで抜けてしまうのだ。
冷却性能は抜群なのだが、ダウンフォースが無くなるというトレードオフは今となっては失敗だと思っている。 これに対処するために、アンダーパネルを延長して今どきの出っ歯なエアロフォルムにしているのだが、私は流行りで装着したのではなく、アンダーステアをどうにかして消そうと思って四苦八苦した結果である。
今回の計画ではアンダーパネルの排熱口を塞ぎ、クラムシェルに設けた開口部も塞いでしまい、勿論、導風板も撤去。 ラジエターとオイルクーラーを一体式にした物をワンオフ作成したいと伝えた所、廃棄されたラジエターを直ぐに持ってきて下さり、私が計画していた案を廃棄ラジエターに直書き。
(10番のホースに必要なコアの段数を確保+下側をラジエター、という案)
それをラジエター屋さんにそのまま提示するのだろう。 ラジエター屋さん、これは解りやすい筈。 私の仕事分野と同じで、仕事ができる人は先ずスケッチなどで大まかな完成形を記載して表現。 そしてそれを元に双方の意見を集約しながら、問題点などを確認。 彼は仕事ができる人の典型、解りやすく伝えるのも技術だと思う。
ということで費用は嵩むが、積年の悩みが一気に解決しそうで年甲斐もなくワクワクしている。
あ、一つ言い忘れた事を思い出した。
その内容を備忘録として記載しておこうと思う。
私のエリーゼに装着している燃料タンクは、エリーゼパーツで購入したアルミタンクを装着しているのだが、燃料の偏り防止構造が正しく機能しておらず、燃料計が急に増えたり減ったりする。 あるとき、帰宅時にRefillと液晶パネルに表示されて、あと10リッターかと思っていたのだが、次の日に自宅でエンジンが掛からずレッカーを呼んだことが有る。
結果は、なんとガス欠だった。
もしかしたら、燃料計の内部ゲージに原因があるのかも知れないが、気に入らないので交換してしまおうと思っている。 既にエリーゼパーツのバスケットには入れているので、納車時期とポンドの為替を見ながら発注したいと思う。