我家に発生している諸事情は未だ解決していない。
なのにだ、また一つ問題が増えてしまった。 左手に問題が発生して腫れてしまい、物が握りづらくて握力が出ないのだ。 近いうちに精密検査を受けなければ成らないかも知れないが、左手が自由に動かないので不自由極まりない。 単車のクラッチは何とか握れる程度の握力はあるが、長距離走行は困難。
マニュアルシフトの動作は不可能。 なのでエリーゼのギヤチェンジも不可能。 足車ゴルフのギヤセレクターも右手のアシストが無いとトリガーが引けないという始末。
ただでさえ諸事情により心労があるのに、身体にも問題が発生してかなり落ち込んでいる。 諸事情が解決しても、このままではエリーゼに乗ることができない。 乗れたとしてもサーキット走行は無理だろう。
だが、塞ぎ込んでばかりいてはダメだ。 先ずは体力維持。 とりあえず、日課の早朝7キロランニングは継続。 それ以外でも、時間が有れば極力自転車での移動を心がけている。 単車はクラッチ操作をサボって、アクセルタイミングだけで乗れば可能だが、前述のように長距離や大荷物を積んでの行動は難しい。
ということで、今年のゴールデンウイークは初となる車での泊りがけ。 五年前に回れなかった開聞岳、九州最南端の駅周辺と、もう一度行きたい阿蘇周辺、それと修学旅行で行ったはずなのに記憶が全くない長崎周辺を中心に巡りたいと思い、二泊五日で九州を縦横無尽に走ってきた。
下の画像、見づらくて申し訳ないが初日が青線と薄青線、二日目が紫、三日目が緑。 初日は途中で日付が変わり、最終日も日付が変わってから帰宅となったことから、二泊五日となる。
抑々、二泊五日という行動が無謀だとは思うが、単車とは異なり車なら悪天候でも問題ないし、何処でも寝られるという安心感が強い。 いつもなら雨が必ず降るのだが、車で行動すると雨が降らないという不思議さ。 とにかく走りまくったが一度も雨に降られることがなかった。
2022のGW、関東は晴れ間が続かず、天気予報を何度も睨み「此処だ」と思ったのが4/30の午後からの天候。 このタイミングなら雨に降られずに九州に辿り着けるはず。
初日は4/30の昼過ぎ。 朝の渋滞を嫌って、午後もだいぶ過ぎたあたりからユックリと行動開始。 流石に高速道路は使用。 都内を抜けるのに少し手こずってガソリンを無駄に消費したが、20リッターの携行缶にもガソリンを満タンにしてあるので、これで九州まで辿り着けるはず。
東京インターから高速道路に上がったが、思っていたより交通量はある。 流れは制限速度プラスα程度なので、まぁ許せる範囲。 だが、下手くそが多くて辟易。 追い越し車線を制限速度以下で走るクルマのなんと多いことか。 しかも追いつかれても退かない。 これで左側から追い越すと「左側追い越し」で御用になるから質が悪い。
一昔前ならパッシングしていたのだが、今どきはパッシングすると煽り行為とみなされる場合があるため、おいそれとはパッシングできない。 幸いにして「追い抜き」は許されているので、左側車線が暫く開いている所を上手く使って追い抜くしか無い。
新東名の120キロ区間、ここで100キロをキープして追い越し車線を走られると殺意が湧く。 そのような人に限って、変な正義感を持っているから更に厄介。 ま、関わらないのが一番なのは言うまでもない。
名古屋の辺りまで行くと、走りは一変。 地元ナンバーの人達は追いつくと左に寄ってくれるし、走りもキビキビ。 せっかちな私には名古屋走りが合ってるのかもしれない。 このあたりから少し日が陰ってきて、大阪に着く頃には辺りは完全に日が暮れた。 帰宅する人達の混雑タイムだったようで、チョコチョコと渋滞。
今回の相棒はゴルフGTIのオートマチックなので渋滞走行は楽チン。 アクセルを踏みこまなければ、燃費も16キロ程度。 サーキットを走ると大食いになるのは仕方ないが、高速道路の移動は得意分野らしい。 直進性も素晴らしい。
ただ、風切り音だけはダメだ。 半ドアなのかと思うような風切り音が常時発生している。 初めて高速に乗ったときにはドアが開いているのかと全てのドアを確認したほど。 足は少し突き上げがあるが、ペースを上げると素晴らしく躾けられており、安心してハイペースで疾走できる。
単調に走っていると睡魔が来るので、様々なことを考えながら大阪まで来たが、まだ半分も走っていない。 岡山あたりで漸く半分。 このあたりで少し腹が減ったが、ここで食べると眠くなるかと我慢。 だが、どうしても腹が減ってしまったので広島あたりで休憩と軽い食事。
心配した通り、食事後に走っていると睡魔が襲ってきた。 時刻は22時を過ぎている。 いつもなら、そろそろ寝る時間だ。 私は毎朝3時には起床するのだが、寝るのは早いと21時。 22時には大抵、床に入る。 あまりに眠くなると危険なので、何処ぞのパーキングエリアで仮眠。
気がつくと、いつも起きる時刻になっていた。
車中泊、結構行けるかもしれない。 セミバケットシートなので、結構辛い姿勢しかとれないし、国産と違ってリヤシートもフラットに成らない。 なのに熟睡できたので安心した。
さて、しっかりと睡眠を取って眠気もなくなったので先を急ぐ。 さすがにこの時間帯は空いていて走りやすい。
九州に入った頃には明るくなってきた。 まずは別府から由布岳経由で阿蘇山を目指そうと思う。
五年前、単車で九州を回ったのだが、由布岳の美しさ、阿蘇周辺の美しさは格別だった。 なので、今回も絶対に外せないと思っている。 しかし、別府のあたりから周囲は無情にも霧のなか。 何とか由布岳にはたどり着いたのだが、、、
何とも残念な天候である。 私らしいと言えば、そうであるが。
だが、もっと残念なのは、くじゅう連山。 山は全く見えない。 何とか天候が回復しないかと、周囲を彷徨ったが、時間がもったいない。 翌日にリベンジすることにして、九州最南端の駅に向かった。
西大仙駅、ここが九州最南端の駅。 小さな駅だが人はそれなりに居る。 例によって人混みが苦手なのだが、奇跡的に人が捌けたタイミングがあり、慌てて駆け寄ってパチリ。
幸せの黄色いポストというらしい。 奥に見える形の良い山は開聞岳。 青空でないのは残念だが、霧の中の阿蘇よりはマシ。
丸一日走っていたので少し疲れが出てきた。 温泉の多い九州に来たからには温泉に入らねばならない。 ここは指宿のすぐ近く。 指宿を目指そうかと思ったが、あまりに有名な温泉地で、人混みが嫌いな私が行けるところなど有る筈がない。
少し調べたら近くに鰻池という池があり、そこに鰻温泉とやらが有るらしい。 区営で評判も上々、価格も安くて気持ち良いと書いてある言葉を信じて訪問。
この鄙びた感じが最高。
ご覧のように、私だけの貸し切り。 暫くして地元の年配の方が来られたが、挨拶をして一緒に入浴。 身体に硫黄臭が染みるほど浸かってから外に出た。 極楽極楽。 手の痛みも温泉で少し和らいだような。
温泉卵、晩酌のお供にしようと購入。 番台のおばさんに購入の意思を伝えると、何個欲しいかと問われ、五個下さいと伝えると。 何個でも良いのよ、と仰る。 では、お言葉に甘えて二個でも良いですかと問うと、笑顔で応えて下さった。
すぐに食べようかと思ったが、しっかりと包んで下さったので、シュラフの中に突っ込んで保温。
さて、今宵は何処で野営するかね。
悩みに悩んで曽木発電所遺構展望公園へ。 時間は午後の七時。 近くのコンビニでビール500を二本と焼酎のボトル、そしてツマミ兼用の晩飯を適当に購入。 翌日の朝食も購入。 車だと積載は全く問題がないので、食材や酒類が好きなだけ購入できるのが良い。
上の画像は翌朝に撮影。 夜が明ける頃に撮ったので光量不足でノイズが出まくっているが、ご容赦を。
公園を選んだ理由は水洗便所があること。 便所内に照明はないが、身障者便所の屋根にトップライトがついており、公園を照らす照明の明かりで真っ暗闇ではない。 公園には私一人、綺麗な芝生がありテントを張ろうかとも思ったが、左手のこともあり車中泊とした。
ゴルフ7のGTIはセミバケットタイプのシートなので、寝返りは思うように出来ないが、1,500キロ近く走った疲れとお酒の酔で直ぐに眠りに落ちた。 そうそう、温泉卵はシュラフに包んだお陰でまだ温かく、大変美味しく戴けた。
現地二日目、さて、何処に行こうかと前日に某所で呟いたら、生月サンセットウェイを薦めてくれたので、先ずは阿蘇山に立ち寄ってから向かうことにする。
やはり、阿蘇山は最高。 前日とは異なり、天気も最高だが人が少ないのが良い。 それと、都内のノロノロ運転とは異なり、ご高齢の運転手もキビキビと運転してくださる。 後ろから追いつくと譲ってくださるし。
一昔前は、これが当たり前だった。
さて、では生月島に向かおう。
基本的に高速道路を使わないのが私流。 ゆっくり走る訳では無いが、高速道路はどうも好きになれない。 勿論、九州に来るまでは流石に高速道路を使ったが。
九州の道は山道が多いが、道幅がわりと広いのでとても走りやすい。 最近になって九州に帰られたエリーゼ乗りの方に、そんな話と前述のペースとマナーも含めて「九州は良いね」と褒めたら喜んでくれた。
サンセットウェイに到着したが、夕日の時間帯でないと感動しないのかもしれない。 悪くはないが、感動的とまでは行かなかった。
ここでふと、私が死ぬまでに絶対に見ておきたいところのリストにある軍艦島のことを思い出し、急遽向かうこととした。 時間的に日が落ちる時間帯になるのは解っていたが、ここは九州。 東京よりは日が沈むのは遅いはず。 あまり大きな声では言えない速度で疾走して何とか到着。
良いね。 実に良い。 来てよかった。
この写真は少し明るめに撮っているが、このあと30分もしない内に日が暮れた。 夕暮れのマジックアワーに綺麗な写真を狙っていたのだが、腕がなくて良い写真が撮れなかったのが悔やまれる。
日が暮れてしまうと移動する気になれず、どうしたものかと地図を検索。 長崎のとあるキャンプ場は夜明けが美しいと何処かで目にしたことを思い出し、長崎市民の森キャンプ場の近くで野営することにした。
寝る所を決めたら次は風呂だ。 軍艦島から近いところに風呂はないかと調べたら、長崎市の健康づくりセンターが有るのを見つけた。 此処も地元の方が多いように感じたが、なんとなくカタギでは無い方が多数入られている気がした。
紋紋が有るわけではないが、立ち居振る舞いが任侠の世界で生きている方たちのように感じた。 だが、もしかしたら九州という修羅の国はこのような感じなのかもしれない。
長崎の中心地を初めてクルマで通ったのだが、本当に坂が多くて驚いた。 高校生の時に来たはずだったが、自由行動だったのでロクに観光もせずに悪い友達と遊んでいたことを、今になって後悔している。 さすがに観光地、夜でも人が多く、とてもフラフラと歩く気にはなれなかったが。
さて、キャンプ場に到着したが予約はしていないのでテントは張れない。 駐車場もキャンプ場利用者専用だろう。 キャンプ場より少し下ったところに公園のようなところがあり、汲取式だがトイレも有る。 よし、ここにしよう。
前日に続き、誰もいない所で車中泊。
この日も沢山走ったが、何故かビールを二本のんでも目が冴えて眠くならないので、いも焼酎を啜りながらiPadでネットを徘徊。 単車だとiPadなど持参する気に成らないが、クルマだとセルラーモデルのiPadはナビにも使えるし中々使い勝手が良かった。
現地三日目
噂通り、朝焼けが素晴らしい。 キャンプ場から眺める雲仙の方角がとても美しかった。
さて、今日は帰る日なのだが、そのまま真っすぐ帰ると高速道路の割引が使えない時間帯に到着してしまう。 どこかで寄り道をしてから東京に向かいたい。
私はカルスト台地が好きなのだが、九州のカルスト台地、平尾台は今まで訪れたことがなかったのを思い出した。 さきほども思い出したと記載したが、今回のように気ままに行き先を決めずに旅をするのも面白いと思った。
カルスト台地は山口県の秋吉台も、愛媛県の姫鶴平も絶景で素晴らしかったが、九州のカルストは規模が前述の2つと比較すると小規模なので、死ぬまでに絶対に見ておきたいリストには入っていなかったが、近くに来たら見ておくリストには入っている。
九州のカルスト平尾台も、それなりには楽しめたので良しとしよう。 ここに到着するまでの道が少々退屈だったのが、マイナス要素になったかもしれない。
これで五年前に回ったのと合わせると概ね九州を一周出来たように思う。
死ぬまでに絶対に見ておきたい国内リストに残っているのも、あと僅か。 リストに幾つも名を連ねている北海道には近いうちに行っておきたいと思っている。 特に帆立貝で出来ている白い道。 宗谷丘陵は宗谷岬には行っているのに立ち寄らなかったことを後悔している。
マイルドセブンの丘、とても綺麗だったが観光客のマナーが悪くて木を切ってしまったとか。 他にも木を切ってしまった有名所があるとは聞いている。 そうだ、タウシュベツ川橋梁は近いうちに崩壊すると聞いているので、水没していない時に見ておきたい。 オトンルイの風力発電は来年には取り壊しだとか。