シェイクダウンを迎えた正直な感想を言うならば、「かなり落胆している」としか言えない。 あれほど楽しみにしていたシェイクダウンで奈落の底に落とされた気分。
まずはパワーが全く出ていなかった。 以前載せていたローバーエンジンと殆ど変わらないのではないかと思う。 セッティングを実施したショップではダイノパックを使用するので、必然的にパワーチェックとなるのだが、ノーマルのK20Aよりもパワーが出ていないのだ。 何かの間違いかと思ってシェイクダウンに向かったのだが、グラフ通りのフィーリングに愕然とした。
補正無しで約200馬力、トルク19キロ。 大いに期待していただけに愕然としてしまった。 これでは車両が重くなった分で相殺、戦闘力は上がっていない。 密かに楽しみにしていた筑波をラジアルタイヤで分切り、これではとても出来そうにない。
これは書いておかねば成らないので書いておくが、エンジン内部のパーツ選択は私。 コンピューターの選択も私。 CL7のエンジンとミッションをベースにする判断をしたのも私。 主治医がノーマルエンジンで走り込んで、情報集めた後にステップアップというのを拒んで今回の仕様にしたのも私。
国内某社の製品が好きなので、コンロッド・ピストン・カム・チェーンテンショナー、VTCコントローラーなど殆どのパーツを国内製品にしたのだが、バルブ周りだけは米国製にしたのがいけなかったか。 メタル類は純正にしたのが拙かったのか、圧縮比を稼ぎたくて0.3のガスケットを入れたのが拙かったのだろうか。 ちなみにポートは殆ど弄っていない。 スロットルはシングルの70ミリにK&Nのエアクリを付けた。
マフラーは以前から使用しているエリパー。 エキマニはポン付けできるのがなく、加工品。 これと言って大外ししているとは思わないのだが、海外製の更に尖ったピストンを入れるべきだったのか、H断面コンロッドにするべきだったのか、ボーリングしてワンサイズ大きなピストンを入れるべきだったのか。
だが、それより遥かに重症だったのが駆動系。 シリーズ1のアキレス腱であるハブベアリングを払拭するべく、シリーズ2以降のハブベアリングにアップライトを含めて入れ替えたのだが、その際にドライブシャフトの長さが合わないため、合うように調整していただいたつもりだったが、履きたいホイールのために少し無理したのが仇になった。
これは左のドライブシャフト、ご覧のように齧られたような跡がわかると思う。 走行25分ほどで外側のジョイントが焼付いた。 サーキットに行くまでの間にも、加速時に少し嫌な振動を感じていたのだが、それはエンジンマウントなのかとも思っていたが、あれはドラシャに負担が掛かることによる振動だったのだろう。
当初、主治医が最初のセット時に、もう少し長くアーム類をセットしていたのだが、それが正解だったと思う。 現在装着しているホイールは一般市販品ではないオフセット40の特注タイプ。 いまのTE37のラインナップでは丁度よいサイズが無いので、この程度なら大丈夫だろうと思い、ホイールに合わせてみたらこの始末。 これ以上深いオフセットはTE37には存在しない。
エンジンパワーは納得が行かない数値だが、このエンジンでも走ることは出来るので、パワーを取り戻すのは次のステップとして、まずは遅くても良いから心配なくサーキットを走り回れる状態にしたい。 幸いにも、主治医がなんとかしますよと言ってくれているのが唯一の救い。 今まで、何度となく何とかして貰っているので縋るしかない。
ちなみに、シェイクダウンは袖ヶ浦フォレストレースウェイだったのだが、30分の走行枠のうち、チェッカーフラッグ直前の27分頃に駆動系の振動を感じて走行中止とした。 その際までの水温・油温・油圧・燃圧は全く問題なし。 オイル消費なし、オイル漏れ・滲みなし、水漏れ・滲みなし。
遅いのに少し騒音規制を超えたと言われてオレンジボールを振られて、更に落胆。 私的には煩いとは思わないのだが、9000rpmまで回すと駄目なのだろうか。
ブレーキは後ろが重くなって少し前に押される感じがするものの、容量的には間に合っていると思う。 重量配分が変わったことで、前後の車高バランスは少し前下がりを多くして、トーは前後とも以前と同じ値。 これで走行してみたのだが、コーナリング性能はどうかと言うと、概ね問題なし。 あとは慣れの問題だと思う。
ギヤ比は大きく変わってしまって、戸惑った。 この日は迷ったら一つ上のギヤで走行したのだが、あとからロガーで見ると迷ったところは一つ下のギヤで走るべきというのが解ったので、次回はそのような走り方をしてみようと思う。
ギヤ比の問題もあるが、5速に入れる際のフィーリングが良くない。 リンケージの取り回しが複雑になったことにより、純正のようなフィーリングは望めないとは思っていたが、5速と6速へのシフトチェンジが芳しくない。 これ以上の改善は難しいと主治医から言われていたので、S1の狭いスペースではのシステムでは難しいのだろう。
今回のギヤ比は全体的にローギヤードになったのとクロスしていることから忙しいのだが、袖森程度のストレートで5速を使うことが必要になり、相当に忙しいしタイムロスが馬鹿にならない。 因みに、5速を使うからと言って、スピードが出ているわけではない。
そして最高速は残念ながらローバーエンジンと殆どおなじ。 この日は最高速が出る部分に大きく土が出てしまっていたので、それを避けて少しスローダウンしていたのも有ることから、もしかすると少しはローバーより早いかもしれない。
今までのネオバを履いた過去ベストからコンマ6秒程度遅いラップタイムでしか走れていないが、そんな事よりも先ずは問題なくサーキットを走り回りたい。 先程も記載したが、私にはどうすることも出来ないので主治医の腕に委ねている。
スピードメーターが三割ほど遅い数値しか表示されないので、友人に修正モジュールを作っていただいた。 私は電子工作が不得意(というか、何をやらせても下手くそ)なので主治医に付けて貰ったのだが、残念なことに、それを装着するとメーターが動かなくなるらしい。 らしい、というのは私が実際に実施したのではなく、主治医が取り付けた結果がそうだったと伺っている。
これは私の知識ではどうにも成らないので、他の不具合が片付いた後に、このモジュールを作っていただいた友人に見ていただこうと思っている。 最近、私の行動が傍若無人になっているので、友人が愛想を尽かしていなければ、だが。
エンジン載せ替えなどせずに、ローバーエンジンで楽しんでいたほうが良かったのかも知れない。 今回、一年以上サーキットから遠ざかっており、久しぶりにサーキットを本気で走ったのだが、走りにキレが無くなった。 もう少し賞味期限は有ると思っていたが、残念である。 少しオーバースピードで中速コーナーに入ってみたのだが、リカバリーできずにスピンしてしまった。
私は車の調子が良くないと体調が悪くなるのだが、今回の状態により精神的にかなり参っている。 もう潮時、引退なのか。 いや、せっかく載せたNAの最高峰であるVTEC、もう二度と出ることのないホンダの自然吸気エンジン。 官能的だといわれる実力を実感するまでは辞めるわけには行かない。
精神状態が非常に宜しくないので気分転換にW800に乗ろうとエンジンを掛けたのだが、セルの回りが弱々しい。 私のような酷い扱いをする輩に、健気に動いてくれているW800まで駄目になるとダメージが大きすぎる。 バッテリーを交換しよう。
装着しているバッテリーは2015年の7月に新車で購入した時に付いていたものなので6年半使用した事になる。 メイドインチャイナだが、GS-YUASAのバッテリーは良く持ってくれたと思う。
今回選択したのはエリーゼにも入れているSHORAI、電気系の知識がないのでホームページに記載している内容から引用すると、リチウム鉄角柱型セルというものらしい。 スマホなどに用いられているリチウムイオンとは少し違うようだ。
重量は約1kg、一方のユアサは4kg強。 単車で3キロの軽量化は大きい、いや車でも3キロは大きい。
外したユアサの電圧を計測してみると12.2Vだった。 バッテリーメーカーが買い替え時期だと宣っている電圧は12.5Vらしいので、12.2Vは頃合い的には適切だと思う。 7年近く稼働してくれたので十分だろう。
さて、では交換しよう。 過去に乗っていた単車はどれもサイドカバーを外してやればヒューズボックスが現れて、それを外せばバッテリーが外れるはず。
というわけで、引っ張り出そうとしたが出てこない。 どうやらマイナス側に一本分岐線が有るようで、それが引張られて取出せないようだ。
仕方ない、バッテリーの上にあるカバーを外して端子を先に外す必要があるようだ。
黒に黄色の線が入った分岐線が有るのが見えるだろうか。 こいつがマイナス端子と共締になっているから出てこないのか。 マイナス端子を外すのがセオリーだということもあるので、此処を最初に外せという親切設計なのかもしれない。
取付けは簡単、と思っていたが、今まで使われていた端子固定ボルトのサイズが異なり、ワンサイズ小さなボルトでないと端子が留められない。 付属していたボルトでは端子の厚み分ボルトが上に上がって、ナットに僅かに届かない。
狭いスペースなので取り付けるのに少し苦労したが、この程度に苦労と言っては駄目かもしれない。
バッテリーは小さくなり、元の取付場所では隙間が空き過ぎるので、バッテリーに付属されていたスポンジを使用して暴れないようにし、あとは元通りに戻して終了。 30分もあれば誰でも出来る作業だと思う。 因みに、SHORAIの電圧は13.4V有ったので、追加充電はせずにそのまま装着した。
さて、それではセルを回してみるか。
ほほぅ、これは元気にセルが回って気持ちが良い。 さて、それでは次にヘッドライトのバルブを交換するか。
購入したのは怪しい中華製、送料込みで1675円。 以前購入したPIAAのバルブ、やはり青く着色されているのは暗くて見辛いので、切れてはいないが交換することにした。
最近はH4タイプのLEDも性能の良いものが多々出てきているが、冷却ファンがライト内にあるものはライトがファンの送風で汚れてしまうのでNG。 配線の加工が多々必要なのや、元に戻せないのはNG。 私は旅に出ることが有るので、旅先で球切れした際に素早く復帰できるようにハロゲンバルブを装着できるようになっている事も重要。
バルブを留める留め具があるのだが、バルブの形状によっては装着できない場合もあるので、ケツの大きなものはNG。
そんなこんなで調べていたのだが、高価なものを購入して失敗すると悔しいのでダメ元で購入したら、中華製になったという次第。 もうすこし、市場に信用できるものが溢れてきて価格もこなれてきたら購入し直そうと思っている。
ということで、装着には市販品のアダプターを装着した。
配線の色も全く同じで安心していたのだが、端子の雄雌が合わない箇所が有ったので、その部分は手持ちの端子を使用し電工ペンチでサクサクっと加工。 今の所はカットラインも悪くなく、明るさも問題なく利用できているが、全く信頼していないので単車には予備バルブを忍ばせている。