先月にお伝えしたVTECへの換装だが、何をするにもワンオフのオンパレード。 主治医には私の車を積極的に進めて欲しいのだが、私の思惑通りには進んでくれない。 それでも少しは進んでいるので、今迄に撮りためた画像を備忘録的に掲載してみることにする。
まずは購入したエンジンのオーバーホールに使用したパーツ。
バルブ関係はフェレア。
ポートに突出す部分のステムが細くなっている。 これ、純正品をチマチマと研磨する方法もあると思うが、16本全てを同じ状態にするのは気が遠くなる。 品質の良い製品として販売されているので、ありがたく使用させていただく。
リテーナーは軽量なチタン製。
ポートは段付き修正程度。 形状変更などは行っていない。 主治医曰く、「ノーマルエンジンのオーバーホール」。 元々の素性が素晴らしいので今回のオーバーホールは主要部品の交換のみとなり、チューニングの類には該当しないらしい。
今回、シートカットとバルブの摺合せは内燃機屋さんが丁寧に仕上げて下さった。 頭でっかちになった素人の知識で、「外当たりで目一杯細く」、おそらく10年前であれば、そのような注文を入れただろうが、全面的に主治医に任せ、どのようにしたかだけを後からお聞きしている。
勿論、私に拘りがある部分については話し合いを行い、どうしても譲れなければ私の責任で仕事をしていただく。 大抵はプロの知見で事を進めたほうが良いのだが、私にも多少は拘りがあるので。
今回、このようにマジマジとホンダのVTECを見ることになったのだが、私が今まで見たエンジンとはレベルが違う。 生粋のレーシングエンジンは見たことがないのでレベルの低い話の上なのだが、燃焼室にしてもポートにしても量産エンジンとは思えないクオリティ。 クランクやコンロッドなどは強化品かと思うような作りで、見ていて惚れ惚れする。 そのようなことからエンジン自体には手を入れず、主治医は単なるオーバーホールと言うのだろう。
トヨタの2ZRはエリーゼに過給器付きで搭載されているが、機会がありエンジン内部を拝見したが、このクランクとコンロッドでK20Aと同じ220馬力に対応できるのかと思うほど華奢で驚いた。 元々過給器を想定していないエンジンだから当然かも知れないが、乾いた雑巾を更に絞りあげるトヨタの本質を垣間見た気がする。 久しぶりに巷を賑わしているGRヤリスは異なるのだろうけど。
念の為にコンロッドは交換。 ピストンは某社のハイコンプ品、圧縮比12.5程度の物に交換。 その他諸々強化品に交換したが、排気量は111CUPのレギュレーションを遵守、2リッターを超えないようにしている。 K20Aは2.1リッターの超高回転仕様250馬力オーバーや、2.4リッターの300馬力を狙える仕様も可能なのだが、あくまで今回はオーバーホール。
CL7のK20Aにはバランサーが振動対策のためについているが、エンジン出力の妨げになるので今回撤去。 それに伴い、オイルパンもFD2のバッフル付きオイルパンに変更した。
ミッションが6速になることから、今迄使用していた純正のシフトゲートは使用できない。 ホンダのシフトゲートはFFの車両なので反転パターンになってしまうので、それも使用できない。
今回は主治医がロータスの6速ミッション用を加工してくれた。 画像は加工中のもので最終形ではないが、主治医が苦労して加工した箇所は気が引けるので掲載は行わない、ご容赦を。
ミッション側のリンケージはブラケットなど多岐に渡ってワンオフ。 最初の仮仕様ではストロークが気に入らなかったので再加工して頂いた。 どうしても気になる方は、そのうちサーキットに出没するようになるので、その際に覗いていただければ「なるほど」と頷いていただけるだろう。
マフラーは消音器のみ再利用。 公認車検を受けるので触媒付きで作成していただいた。 これがまた大変な作業なのだが、整備性を検討した結果、このようなシンプルな納まりに落ち着いた。 レイアウト的には、最初からこのような作りだと思わせる形状がベストだと思う。
エキマニは少し手直しをしていただいた。 どうしても1番の取回しに気になる所があり、最終形が此の形。
純正のオイルヒーターは撤去。 オイルエレメントも、純正の位置では交換が辛いので移設をお願いした。 純正の位置ではエレメント交換時にオイルがドラシャに掛かるし、何しろスペースが狭くて整備性が良くない。 これについては私の拘りが有ることから、下から作業しやすく、脱着時にオイルの受けが容易い所に取付けていただいた。
冷却水の配管も作り直し。 これは仮配置の画像で、此の後、アルミパイプを溶接して水路は概ね完成。
インマニは4スロも考えたが、定期的な清掃やメンテナンス性を考慮し、まずはビッグスロットルで構築。 CL7の純正インマニはDC5に比べれば上等なのだが、室内隔壁とのクリアランスが全く確保できなかったのも有り、Skunk2のインマニにスロットルもSkunk2の70mmを選択。
このインマニ、注文してから2ヶ月待たされた。 しかもその間、先方からは何も返答なし。 何度も催促して漸く届いたのだが、それが私的には酷い仕上がりで驚嘆。 何度も催促したものだから先方を怒らせたのか、日本人を舐めているのか解らないが、不良箇所にマーキングされている酷い物を送りつけてきた。
某サイトによると現在品切れで制作待ちとなっているとのことから、そのような邪推をしたのだが、マーキングされている箇所は主治医にリューターで加工していただき、使用できる状態に仕上げていただいた。
一方、スロットルはビレットのとても美しい仕上げに惚れ惚れ。 ただ、私的に少し気になるのがスロットルの重さ。 彼の国のガタイが大きい方たちには丁度良い重さなのかも知れないが、華奢な私にはスロットルが少し重い。
重いといえばCL7のフライホイールは重たいものが付いているので、軽量フライホイールに変更。 クラッチもそれなりのものに変更したのだが、可成りの踏応えが有るようになった。 尤も、今までのローバーエンジンではクラッチカバーにノーマルを使用していたからだと思うが、今回は少しパワーが有るので強化品を入れたのも有るのだろう。 しかし、レースカーとしては軽い部類、街乗りでは少し重い程度なので、暫く乗ってみて辛いようであれば、マスター容量を大きいものに変更しよう。
これは以前に紹介済みだが、トヨタ車のハブベアリングに交換。 はいそうですかと簡単な代物ではなく、ロアアームの加工など可成りの大掛かりな事になった。 ちなみに上の画像は加工前。
此方が加工後。 何処が変わったか解る貴方はエンスージアスト(病気)。
ホイールもヤフオクの激しい戦いに競り勝ち、現在では入手できない廃盤オフセットのTE37を入手。 競り合ってしまったので高く付いたが、やはりTE37は軽くて良い。 いつかはTE37と思い続けてきたが、苦節20年。 リヤだけだが、TE37を履くことが出来そうだ。
更に、1セットでは足りないので特注サイズのTE37も2セット入手。 かなりお高い価格でしたが仕方有りません。
これで大物の加工は概ね終了。 あと新たに構築するものはインテーク関係、そしてECUと配線だ。
肝心要のエンジンマネジメントユニットはHaltechを選択。 MoTeCが良いのは百も承知だが、私の財力では導入できない。 他のECUも検討したが、最終的には私の要望により主治医に頼んで日本の代理店から購入していただいた。 HaltechでK20Aを動かしている事例は多数あり、基本となるマップも入手可能という点と価格を重視した。
しかし、この配線数は気が遠くなる。 ここは是非とも主治医に奮闘していただいて、少しでも早く完成することを楽しみにしている。
先月号で私が三年間全開で使用した18KVVCエンジン改を売却したいと記載したが、少し反響はあったものの、私が欲をかいて高額に設定したものだから売れ残ってしまった。 皆さんが適切だと思う価格に変更するので、是非とも再考いただければと思う。