ブレーキのジャダーは治まり、フィーリングも元に戻った。 レースの直前練習は避けているのだが、流石に制動装置の不具合解消が出来ているかは確認が必要。 珍しくレース開催の週に筑波サーキットへと出向いた。
レース当日の天候は前日からの雨が降り続き、自宅を出るときは傘なしでは歩けない程度の本降り。 憂鬱な気分のまま大泉から外環道に乗り、東に向かっていくと雨は小降りとなり、東北道をすぎる頃には完全に止んだ。 常磐道を北上していくと、朝焼けが見られたほど。
しかし、予選の時刻が近づくに連れ空は暗くなり、今にも雨が降り出しそうな空模様。 開幕戦が残念な雨模様だっただけに、今回はドライで走りたい。 気温がこの時期としては過ごしやすいのは有り難いが、雨のレースは誰も喜ばない。
予選
タイヤを温めながらの慎重なアウトラップ、私らのような計量車にネオバを履いた場合は大抵2周目か3周目にベストなコンディションとなる。 その時にクリアラップを取れないと非常に厳しいことになる。 アウトラップを終えてアタックに入るとフロントウインドウに水滴。
ラジエターから水漏れか、と焦ったが、とうとう降り出してしまったらしい。
天候のことも有り、これは早めにベストラップを出さねばと気合を入れたものの、ベストタイムを刻んでいるときに遅い車に阻まれて万事休す。 その後は雨脚が強まりタイム向上は断念せざるを得なかった。
決勝
またしても悪い癖が露呈し、スタート失敗。 1コーナーイン側から19号車・44号車・そして私の73号車の並び、スリーワイドで1コーナーに進入、しかし出口では私の居場所が無く成り、これまた万事休す。
順位を一つ落として3位のポジションで1コーナーを立ち上がる。
同クラスの44号車に着いていこうとするが今日の44号車はアウトラップが異様に速い。 直線加速も速く、裏のストレートではスリップストリームに入ることすら出来ない。 それとも3位にポジションダウンしたことで私の気合が削がれてしまったのか。
今日は終わったかなと落胆した2周目、少し冷静に走ってみると、インフィールドと最終コーナーは私のほうが少し早いかもしれない。
最終コーナーを頑張り、1コーナーでインを刺す。 だが、一度目は不発。 このような事は一度で決めなければ相手に手の内を読まれて警戒されてしまう。 思考力の劣る私は次の周も恥ずかしながら同じ走り方。 何とか今回は綺麗にインに入れたから良いものの、前走車が勝ちに拘ればブロックしてくる可能性も大いに有る。
ジェントルな走りをしてくれた44号車に感謝。
私らのような草レース(クラブマンレース)は、44号車のようなクリーンな走り方が正しいと思っている。 前に出たら絶対に譲らない走り、勝ちに拘わるための姑息な手段などは使うべきではないと思う。 同じようなことを何度も書いていて申し訳ないが、後方から迫ってくる車両がいるということは、前を走る車両より速いということ。 お互いに得意なところが異なり、それ故に付いたり離れたりは良いのだが、明らかに走りのレベルが違うのであればスポーツマンシップを見せるべきと思う。
私も初心者の頃は勝ちに拘って酷い走りをしたことがあり、私の師匠に激しく叱られた。 そして、回りをよく見ろとも教え込まれた。 回りを見る余裕がなければ、インを刺されてもアウトに並ばれても並走できる走り方をしろ、と。 それは守っているつもり。 並走している車両に想定外なブレーキ操作をさせてはいけないのだ。
さて、格上の19号車を追いかけよう。 だが、既に随分と先行されてしまった、これは追いつかないか。 予選タイムでは負けてしまったが、私もタラレバならば19号車と同様のタイムが出ていた。 今回19号車は新品タイヤを使用しており、予選で美味しいところを使っていれば私に勝機が訪れる可能性はある。
アドレナリンが出たのだろうか、2秒差ほど有ると思われたが、何とか19号車に追いついた。
実は19号車も同じ主治医の所にお世話になってるクルマ、相手の車がどのような状態なのかはお互いに百も承知。
今回19号車はクワイフのシーケンシャルミッションで武装。 ギヤレシオが筑波に丁度良いようで、加速力が今まで私の知る19号車では無い。 それでも私が得意とするインフィールドや最終コーナーを頑張ると、お尻を間近に見るところまでは迫れた。
しかし、コーナーの立ち上がりは装着されているスーパーチャージャーが炸裂。 私の姿をバックミラー一杯に移すところまでは出来たが、抜くまでには至らず。 私のクルマが得意としている所を封印する巧みな走り方をされてしまい、昨年の富士スピードウェイと同様の何とも悔しい結果と成った。 尤も、元々19号車は格上のクラスのため今回の結果が妥当では有るのだが。
外から見ていた方々は楽しめたと話されていたので、興味有る方は動画を御覧いただきたい。
私は月に2度ほどサーキットを走らないと走行感覚が鈍る。 111cupの第2戦は走り込みが不足して凋落した可能性が否定できない事から、平日に休みを取得し筑波サーキットへと向かった。
平日の比較的空いている枠で梅雨の晴れ間、その割に気温も低くベストコンディション。 これは気持ちよく走れそうだ。
走行時間と成り、走行台数が少ない割にクリアラップが取れずに焦っていると、なんだか少し焦げる匂いがする。 前を走行しているロータリー車のオイル消費が多いのだろうかと思いつつ、此方のほうがラップタイムが速いようなのでパスさせていただいた。
だが、それでも匂いは続いた。 この匂いは私の車両からだ。 直ぐさま減速してコースアウト。
エンジンフードから僅かに煙が出ている。 エンジンフードを開けて確認すると、エンジン周りに黒いグリスが飛び散っている。 アンダーパネルからは何も下に滴って居ない。 コースを汚す事はなかったようだ、此れは不幸中の幸い。
鋭い方は画像からお解りと思うが、右側ドライブシャフトのデフ側、其処に有るブーツが劣化して中のグリスが飛び散ってしまった。
私の車両はBタイプなので2番のシャフト。 その赤丸部分は下にエキマニが走っており、高熱による経年劣化でブーツが破損してしまった。 数え切れないほどホイールの脱着をしているのに、このような初歩的なメンテが出来ていなかった事に自己嫌悪。
勿論、走行はその時点で終了。 走行から戻ってきた車両のうち、私の回りで走行していた方々に事の次第を説明すると共に謝罪。 幸いにしてコースにダメージは無かったが、車両からグリスの焼ける匂いを発していた事から、私の車両に何が起きていたのかを皆さんに伝える必要があると思ったので。