5月半ばに筑波サーキットのライセンス走行へ行ったのだが、ブレーキのフィーリングが良くない。 どう良くないかというと、先ずはタッチがカッチリしていない、それに加えてジャダーが出る。
今までの経験から、フロントブレーキのローターが熱によって歪んでしまったのだろうと思い込み、フロントのブレーキローターを新品に交換。 アタリ付けのために、私としては珍しく夜の峠道へと出掛けた。 人が住んでいない山奥へ行き、それなりのペースに車速を上げて、徐々にブレーキへの負担を大きくしてローターとパッドのアタリ付けをした。
30分も走れば大抵はアタリ付けは終了するのだが、ブレーキの踏み直しをするとカッチリとしたフィーリングになる。 これはエアが噛んでいる時、もしくはブレーキホースが劣化した時に起きる症状。
4つのブレーキキャリパーを念のためにLEDの懐中電灯で照らして確認すると、リヤ左のトーリンクのジョイント辺りに液体がついており、ホイールにも液体が飛んでいる。 トーリンクを最近新品にした事からグリスが飛び散っているのかと素手で触って確認すると、キシキシとした手触り。、この独特の手触りはブレーキフルードだ。
野生生物が出そうな静まり返った山奥で道路に寝転がり、怪しい所を懐中電灯の明かりを当てて綿密に観察。 ブレーキホースが全体的にフルードまみれに成っている。 ブレーキホースのカシメが駄目なのか。 いずれにしてもタッチが良くないのは此処が原因で間違いない。 もしホースの劣化だとすると、自宅に帰るまでにフルードが抜けきって危険な状態になる事もありえる。
帰路は極力ブレーキに負担を掛けないようにエンジンブレーキを多用し、気休めにしか成らないのは承知の上で、可能な範囲で優しいブレーキングを心掛けた。 漏れている箇所が判別しやすいようにフルードが漏れた状態で走ろうかとも思ったが、帰宅するまでにどの程度漏れるかのほうが重要と思い、積んでいたウエスで漏れ出たフルードを拭き取って走行した。
帰宅と共に直ぐさま怪しい箇所を投光機を当てて照らしてみたが、ブレーキのアタリ付け時の負担とは程遠い扱いをしたからか、目視で確認できるような漏れ出しは発生しなかった。
此処までの経緯を翌朝主治医に報告、レースが近い事から即入庫となった。 実は当日、筑波サーキットの走行を予約していたのだが、この状態では諦めざるを得ない。 そのままだと預け金が不足して手続きが面倒になるため、走行料を支払うためにサーキットへ。
幸いにして筑波職人GPの章典として戴いた無料券が残っていたので、受付のお姉さんにチケットを渡して走行手続き終了。 お姉さん、「勿体無いよ、誰か代わりに走る人居ないかな」「暫く此処でチケット買いに来る人に声がけしたら」と親身になってくれたのが嬉しかった。
翌日、主治医から連絡があり「ブレーキキャリパーからフルード漏れてます」とのこと。 ホースの劣化かと思っていたが、私が装着しているGOODRIDGEのホースはステンメッシュの中にテフロンホースが入っており信頼できるとのこと。 リヤキャリパーはブレンボ純正のリペアキットが存在しない事から社外メーカーのオーバーホールキットを使用することになるのだが、これがあまり信用ならないというのが主治医の見解。 ところが上手いこと事故車の良品が安く入手できたと翌々日に連絡があり、思っていたより早く修理が終わり車が戻ってきた。
実は此処最近、車が直進時に左に曲がっていってしまう症状が出ており困って居たのだが、もしかすると左キャリパーがパッドを引摺って車が左へ行くように成っていたのかも知れない。 念のために主治医にはリヤのアライメントを見て貰ったが特にトーが極端な値になっているわけでもなかった。 サスペンションに問題が有る場合も有るらしいが、まだ検証は出来ていない。 レース前に何処かのサーキットで試してみようと思っている。
GWのソロキャンプツーリングは余りに残念な状況。 その翌々週、日本全国絶好の好天という予報。 どうしようか迷ったが、このような日に単車旅に行かず、いつ行くのだ。
全くの無計画だったが、雨に祟られた白馬を目指すことにした。 荷物は最低限、もし、泊まる気に成ればビジネスホテルでも探すかとも思ったが、私は1日に1,000km走行など苦にならないので、余程のことがない限り帰ってこれるはず。 白馬に行って、それから考えよう。
これだよ、これ。 この風景が見たかったのだ。
動画では安曇野インターから始まるが、それまでの中央道も絶好の晴天。 雲ひとつ無い五月晴れ。 私の記憶では、このような晴天に恵まれたのは記憶にない。 四国のカルスト地形を巡った時も心が洗われるような晴天だったが、僅かに雲が有った。 だが、此の日は本当に雲ひとつ無い。
5月も下旬なため、北アルプスの残雪は少なくなっているが、それでも綺麗だ。
そして、此処で美ヶ原高原の自然保護センターの景色がとても良かったことを思い出し、其処へ行くことにした。 通称、裏ビーナスと呼ばれている道が荒れている所だが、絶景が拝めるのだ。
美ヶ原自然保護センターから頂上までは一般車は通行止めとなっており、自らの足で登らねばならない。 麓の看板には片道25分と記載されていたが、今まで一度も訪れたことがないので今回は登ってみることにした。
するし、途中の登山道で大きなアオダイショウが頭を持ち上げて歓迎してくれた。 アオダイショウ、久しぶりに見た。 こんな自然豊かなところならば、餌は豊富にあるだろう。
右下に見えるのが自然保護センター。 彼処から歩いてきたが、私の足では15分しか掛からなかった。 25分はかなりユックリなペースだと思うので、此処を訪れた際は貴兄も登頂してみては如何だろうか。
この後、ビーナスラインを全て走行したが、白馬と裏ビーナスが良すぎて通過のみ。 距離は600kmほどのツーリングと成った。
久しぶりに単車旅を連続させたが、単車旅は楽しい。 今回、島根県を訪れたことで日本全国全ての都道府県を単車で巡ることが出来た。 日本百名道と呼ばれているところも、ほぼ走破した。 観光地でなく、絶景と思える場所を訪れたい。 ガイドブックに掲載されているところ、ネットで「絶景」と検索してヒットする所は概ね回ってしまったのだが、まだ知られていない絶景は残っているはず。
今年の夏は何処へ行こうか。