バルタイと燃料調整は主治医と再度相談して見ようと思う、もう少し改善できそうな領域があると思うので。
と、先月号に記載した。
せっかちな私は主治医の居るライドモーターワークスへ連絡もせず、袖ヶ浦フォレストレースウェイ走行後に直撃。 「えー、今やるんですか」、と渋る主治医にコウベを垂れて懇願。 パワーバンドをもう500回転下げたい。 今は6,500rpmからパンチが出るのだが、これでは些か苦しい場面が有る。
ということで、無理矢理お願いしてクルマを工場に入れてジャッキアップ。 タイミングベルトカバーを外してバーニアカムプーリーを調整、私には浅い理解しかないのだが 「インテーク側を2度遅らせてくれ」、などと解ったような口ぶりで依頼。
すると主治医は、「もっと下に振ったほうが良いですよ」 と。 此処でいつも口論になる。 彼曰くローバーエンジンは回して乗るのではなくトルクで乗るもの。 コーナーの立ち上がりなど、どこからでもアクセルに素早くついてくるレスポンスを重視すべきという。
一方の私はと言うと街乗りはどうでも良く、低速トルクは勿論、中速もソコソコで良いから高回転の出力が欲しいと言うから意見が合うはずがない。 サーキットで使用するのは5,000rpmから上、ヘアピンなどでは4,000rpmも使用するが、その時のギヤは2速。 2サイクルのエンジンではないので、2速ならば何とか成ると思っている。
アイドリングも安定していなければならないというのが彼の考え。 流石に1,500rpmでバッバッバとしかアイドリングが出来ない単車のレース仕様のようなのでは困るが、1,000rpmで多少の不整脈がある程度ならば私は許容範囲。 サーキットを走るのに徹したクルマであっても、公道も移動できる程度ならば私は問題ないのだ。
文句を言われながらも夕方からバルタイを調整して頂いたのだが、素人の私に調整方法を教えてくれた。 ダイヤルゲージなしでも既に基準を出してあるこみとから、運転席側だけジャッキアップしてインナーフェンダーを外し、先程のタイミングベルトカバーを外せば現れるバーニアカムプーリーのみの調整でバルタイを素早く変更可能なのだ。
極端かもしれないが、六角レンチと17ミリのメガネレンチ、そしてクランクを回すため22ミリのボックスレンチが有ればサーキットでの変更も可能だ。
翌日、再び袖ヶ浦フォレストレースウェイを走行。 もう四半世紀ほど前の話だが、毎週末のように箱根の峠道を走っていた時期があり、その時の友人と四半世紀ぶりにサーキットで遭遇。 あの時の連中、色々なリザルトで名前を見る事があったのだが、あの場所を走っていた連中は皆それなりの腕が有ったんだなと今更ながら思う。
と、そんな昔話に花を咲かせて一緒にコースイン。 ポルシェのケイマンGT4クラブスポーツという高級車を恐る恐る扱うかと思いきや、やはり血は熱かった。 直ぐに私のタイムなど追い越してしまうだろう。
さて私のクルマ、中速からのトルクは素晴らしいが残念ながら7,500rpmで頭打ち。 一緒に走った38号車のVVCエンジンを追い越せない。 これでは駄目だ。 失意のまま自宅に帰宅し、作業ツナギに着替える。 そして昨日主治医が行ったのと同様の作業を早速行う。
バーニアカムプーリーを留めているヘックスのボルトを緩めるまでは問題なかったが、角度調整が動かせない。 あれこれ考えても解らなかったので主治医に電話。 先程既に答えは記載しているのだが、17mmのメガネレンチでカムを回すのだ。 昨日、確りと作業を見ていない事が発覚してしまった。 いつもいい加減で申し訳ない。
試してみたい角度にインテークもエキゾーストも調整。 しかしこの角度調整、非常に微妙で繊細な作業な上に、バーニアカムプーリーの目盛りが私には厳しかった。 回りの同年代の殆どが老眼鏡を使用しているが、私は必要ないのが自慢だった。 だが、仕方なくルーペを持ち出して凝視。 暗いところでの細かい目盛りは中年には厳しかった。
このバルタイ調整、難しくはないのだが実際に全開で走らねば解らないのが辛い所。 一般道を引け目感じつつアクセルを床まで踏んづけただけでは解らないのだ。 いや、分かる人には解るのかもしれないが、鈍感な私はサーキットを全開走行しなければ解らない。
今回主治医がセットした状態、街中では非常に乗りやすいし加速感も申し分なかったのだが、サーキットを全開走行すると高回転でのパワーが明らかに劣って気持ちよくない。 音も弾けるような炸裂音がしないし。
今シーズン戦ったバルタイよりインテークが4度遅らせてあったが、2度ほど戻してみた。 さて、これで先ずはサーキットを走ってみますかね。 ある程度思うようなフィーリングに成ったら、マージンを取って有ると言っていた燃調と点火時期を見てもらおうかと思っている。