一筋縄では行かない。
残念ながら今年の111cup開幕戦は断念することとなった。
先月は予定通り腰部脊柱管狭窄症(椎間板ヘルニア)の手術で1週間ほど入院、手術は成功した。 悩まされていた腰痛と右足の痛みと痺れは無くなった。 背骨を削って患部を切除する手術ということで全身麻酔を初めて経験したが、あっという間に意識がなくなり、目が醒めた時には手術は終わっていた。 その間、なんと僅か1時間程度。 素晴らしい。
手術当日はICUに入れられ、白い天井を眺めているのみ。 暇だがスタッフに任せている仕事のメールが気になるため、パソコンかスマホを持ってきて欲しいと看護師に依頼したら酷く怒られた。
仕事で病院の設計をしているが、自分が患者となることで色々と得るところが多々あったのは収穫。 オペ室の色合いはもう少し温かみのある色が良いと思う。 それと床の平滑さは必須。 ストレッチャーで運ばれる際、僅かな不陸でも腹立たしい。 上を向いている患者に眩しくない照明が欲しいが、ホコリの溜まらない工夫が必要。 手術廊下のクリーン度は必須条件なので難しいところだ。 今後の仕事に活かそう。
さて、オペが終わって暫くすると患部の痛みと腫れも耐えられる程度になった、これならシェイクダウンを実施出来る。 しかしシェイクダウンの際に幾つかの問題点が発覚、残念ながら私のクルマは再度エンジンを分解して問題点の確認をすることとなった。
今回、ECUを純正から英国のEMERALD社のK6というモノに交換したのだが、サーキットを走行中に不穏な症状が発生した。 主治医がセッティング中にも僅かに発生した気がすると言っていたが、私が主治医の工場から自宅まで行く間は快調。 試しに6,000rpm程度まで踏み込んでみたが、思ったよりも下から使えるエンジンである事に驚いた。
だが、いざサーキットで全開にするとタコメーターの針が落ちる時がある。 動画1分23秒辺りでのタコメーターに注目して欲しい。 これが徐々に頻発し、何とか主治医の工場には辿り着いたのだが、その後はアイドリングさえマトモにしなくなり、エンジンが止まるようになったという。 偶々工場に入っていた車両に付いていた同じECUを借用して試してみると不具合は解消。 ECUは英国のEMERALD社に拙い英語で症状を動画とともに伝えた。 ECUは先方に送り返して調べて頂いている。
一方で、今までの111Sのノーマルと戦闘力に大きな差が感じられない。 メカニカルタペットに変更しバルブスプリングを強化、レブリミットを500回転ほど上にした恩恵は受けられているのだが、これが絶対的なアドバンテージには成っていない。 その他にも幾つかのモディファイを仕込んだのだが、やる気満々の吸気音の割にはラップタイムに差がない。 尤も、私が10ヶ月もサーキットを走っていなかったことから、腕の劣化が著しいのかも知れないと思ったが、111cup仲間の34号車の後ろを追いかけてみると動力性能は互角。 これでは駄目だ。
上の資料は私の袖ヶ浦フォレストレースウェイでのログデータ。 赤線が2014年のクリスマスに出した13秒4、それが自己ベストなのだが、今回のシェイクダウンでは何れも自己ベストに届かず。 なんとか13秒台は出せたのだが、車速の上がり方を示す曲線角度も殆ど変わらず。 コーナーのボトムスピードを上げてみたり、立ち上がりライン重視なと幾つか試したが殆ど変化なし。 レブリミットの上昇分のみのアドバンテージしかない。 だが、これは腕の劣化で併殺。 実際はギヤチェンジの数が減って楽になっている箇所が有るのだが、活かせていない。
そして走行後にはエンジンルーム内に怪しい水漏れの跡があった。 走行中の水温は80度で油温は98度、油圧は5キロ程度と殆ど問題と成る点はないのだが、エンジンを分解して総チェックを行うこととなった。 VVCエンジンがベースではVHPDエンジンに敵わない事は重々承知しているが、もう少し、僅かでも良いのでE1クラスで戦える程度の戦闘力が欲しい。
私がシェイクダウンの様子を見ていた32号車のドライバー、良い音させてると仰って頂いたが、確かに走っていると気分は盛り上がるのだが、回転の上昇具合が思いを馳せていた状況とは裏腹な結果と成ってしまって落胆している。 だが、このまま終わらせるつもりはない。 当初想定していた予算額を超えてしまったが、主治医に協力していただき戦えるクルマにしたいと思う。
それはそうと、久しぶりのエリーゼサーキット全開走行は楽しかった、忘れかけていたものを思い出した。
SEROWのオイル漏れ対応と、W800はショートツーリングをして腰が耐えられるかテスト走行をしてみた。
先ずはSEROW。
セルモーターからのオイル漏れはSEROWの定番不具合の一つ。 形式が古い個体はセルモーターの取り付けボルトがビス形状になっており、頭がプラスの鍋ネジな事からハンマーで叩いたり、ショックドライバーを使用しないと舐めることが有るという嫌な作りだったが、私のSEROWは8ミリのボックスレンチで簡単に取り外し可能。 写真を撮ったりしなければ5分で終了する。
このパーツ、160円と各種ブログには書かれているが大幅に値上がりしたようだ。 それでもエリーゼのパーツに比べたらタダみたいなものだけど。
オイル漏れはこの箇所から。 アンダーパネルからオイルが垂れていて気がついた次第。
外すのはこの2本のボルト。 これが鍋ネジでは辛いだろうな。
Oリングが経年劣化で潰れているのが解る。
サクッと交換。
軽く洗浄して終了。 整備性が良いバイクは楽だ。
W800ショートツーリング 妙義山
私は山が好きなのでツーリングは山へ向かうことが多いのだが、今まで妙義山に行ったことはなかった。 自宅から往復で250キロと余りに近くて路面も良くないと効いていたので食指が動かなかった。
だが、食べず嫌いは良くないということで、リハビリを兼ねて初ツーリング。
妙義山は険しい岩峰の尖った荒々しい山容の奇観から日本三大奇景の一つに数えられており、また国の名勝にも指定されており、日本百景にも選定されている。 途中で路面凍結防止の砂が撒いてある箇所があり、肝を冷やしもしたがソコソコ楽しめる道だった。
だが、私はエリーゼで向かおうとは思わない。 路面にひどい段差があり、何台ものクルマが其処で車体を打っていたし、道幅が狭い。 景色が良い箇所もそれほど多くはないが、奇岩好きなら堪らないだろう。