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2016.10



シルバーウィークを利用して北海道へソロキャンプツーリング

 北海道ソロキャンプツーリング

今月は以前から計画していた北海道ソロキャンプツーリングに全力を注いだのでエリーゼには触っていない。 尤も、東京地方の9月は晴れが記録的に少なく数日のみ、乗りたくても乗れない状態だった。 

2016.09.17-23、シルバーウィークに以前から行きたいと思っていた北海道ソロキャンプツーリングを敢行。 

往復とも青森まで一般道を使って津軽海峡のみフェリーを使って渡道というのが最も経済的なのだが、流石に其処まで節約して体力を消耗させたくない。

仕事の遣繰りをしてシルバーウィークを丸々休暇とした時点では、大洗発の苫小牧行きフェリーは既にオートバイの枠が満席。残されたのは仙台発と青森発だが、仙台発は金曜の仕事を終わらせた後では常軌を逸した速度域で走り続け無い限り間に合わない。

となると、残された道は東北道を自走して深夜枠の青森発フェリーしか無い。幸いなことに青森発のフェリーは2社が運航しており、私の乗りたかった午前2時発のフェリーは予約できなかったが、2時40分発のフェリーは予約できた。 尤も、当日に予約無しで午前2時のフェリーでも行けるとは思うが、乗れないかも知れないという不安な気持ちで延々とひた走るのは小心者の私には無理。 心配性の私は次の午前4時発の予約も入れてあったりする。

帰りは体力には比較的自信のある私でも流石に自走する元気は残っていないと思うので、苫小牧から大洗港行のフェリーを予約して於いた。 共に一ヶ月以上前から予約したのだが、オートバイの枠だけは直ぐに埋まるようで、残り枠は僅かだった。

シルバーウィーク全てを旅に使うのは些か無謀と思い、最後の土日は自宅で休養出来るようにしつつ、更に全体的な行程にも一日余裕を持たせておきたい。 一週間のロングツーリングは今までに経験がないし、九月とはいえ後半の北海道は東京とは気候が違うだろうから、体調が優れなくなった際の行動も一応見込んでおきたい。 そのような事を大まかに考えつつ、行く場所の候補リストを作成するところから始めて見た。

私は旅の宿を確定せずに出掛けるのが好きなのだが、以前福井に行った際に宿が現地で確保できずに仕方なく強行軍で日帰りとなった苦い経験から、キャンプ道具を積んで気ままに出掛けるのが私の定番となった。 とは言うのものの、やはり宿泊場所でハズレを引くと面白くないので、行く場所リストに宿泊候補地のリストも入れて作成した。

ありがたいことに私のようなツーリストに具合の良いサイトが幾つかあり、そのサイトの口コミや書き込みを読んで目星を付けている。特に利用しているのが「はちの巣」と「辛口キャンプ場ガイド」だ。 これらのサイトは私のようなファミリーキャンパーやグループキャンパーを避けて行動する変わり者が多数利用しており、ソロキャンプツーリスト向けの目線で作られているので具合がよい。

静かな夜に遠くで鹿の鳴き声を聞き、焼酎のお湯割りを啜りながら星空を見つめ、パチパチと弾ける焚火に木をくべる。というのが理想なのだが、音楽をガンガン掛けながら大きな声で馬鹿騒ぎするグループキャンパーや、耳に刺さるような子供の泣き声やわめき声、いつまでもキャンプ場の中を大光量懐中電灯で照らしながら走り回る子供を放置したまま親同士も深夜まで大宴会などを隣でやられた日には堪らない。

そのような事から私は便利ではないキャンプ場、人里から遠く離れたキャンプ場を選ぶようになった。 その傾向は訪れる地にも少し現れており、余りにも観光地化された箇所は遠慮するようになってきた。 但し、素晴らしい景色は見たいので、一般観光客が訪れる時間の前に訪問するなど私なりの方法で対応している。

立ち寄りたい場所と候補となるキャンプ場をグーグルマップに保存。 その作業を数年前から続けていたのだが、それらはマップ上で☆印が付けられるので☆と☆を結びながらルートを作成していく。 具合が良いことに距離と時間も表示されるのでツーリングルートを作成するには非常に扱いやすい。

但し、これがスマホのグーグルマップを使用したナビには反映されないのが辛いところ。 パソコンのマップ機能のままナビと連携できれば非常に利便性が上がると思うのだが残念だ。 そんな緻密なルートを制作しても思うように行かないのが旅である。 嘗て、余りに緻密に作成したのだが天候に翻弄されて走り回っただけという事も経験している。

天候が良くないとオートバイでの旅は辛いモノになってしまう。 なにせ身体を曝しながら風を切って進んでいく乗り物なので、天候が悪ければ単なる苦行。 暑さ寒さはある程度装備で賄えるが、雨だけはオールシーズン辛い。

今回の旅では台風が来る可能性があったので、もし上陸するような事態や日程の殆どが雨天ならば中止することも視野に入れていた。また、大まかにだが、時計回りで行くか反時計回りで行くかを週間天気予報を睨みながら当日までどうするか考えていた。

ログデータに依るルートは以下のとおり
https://drive.google.com/open?id=1I3coe9L8fdy65rDIAuLV5ESC5co&usp=sharing&pageId=113893383431514410760

 

 

■2016.09.16
仕事を定時で上がり、W800に跨って東北道を只管700km北上。 途中で睡魔に襲われたので、PAのベンチで仮眠など取りながら午前1時頃に青森に到着。

 

■2016.09.17
津軽海峡フェリーにて午前2時40分出港、6時半頃函館に到着。 生憎の空模様のなかソロキャンプツーリング開始。

函館→神威岬→エルム高原家族旅行村(赤平市)にて幕営
420km 8時間半

函館に着くまでの間、既に書いたが直前まで時計回りで行くか反時計回りで巡るか考えたが、前半は道東の天候が道北と比較するとあまり良くない事から、今回の旅は時計回りで左に海を見ながら巡ることにした。

津軽海峡フェリーは酔い止めのお陰もあるが、比較的波が穏やかで揺れも少なく体調を崩すこともなく函館に到着したが、思っていたより船内の温度が低く、寒がりの私は足冷えて辛かった。 津軽海峡フェリーは枕だけは有るが毛布などは用意されていないので、寒がりの人はしっかりと防寒対策と耳栓をお忘れ無く。

函館に到着し再度雨雲の様子を確認、残念ながら雨量の多い事を示す濃い色の表示が直ぐ近くに迫ってきているので、下半身だけレインウェアを着込んで出発。 上着は撥水加工がしてあり、今までのツーリングでは合羽要らずだった事から信用することにした。

R227を進んでいくと、進む先には黒く垂れ込める雲が更に存在感を増してきている。 と思っているとポツリポツリと来る前に路面が先に濡れてきた。 すると程なくポツリポツリ、それは直ぐさまザーザーに代わり撥水加工が施してあるはずの手袋の中に容赦なく進入してきた。と同時にワークブーツの中にも進入し、ブーツの中には水が溜まって不快この上ない。

レーダーによると雨の地域は狭く、1時間もしない内に通過できる筈。 それを信じて進むが、やはり浸水したグローブとブーツが著しく不快である。 そして信頼していた上着も水が浸透しはじめた。 これは合羽を上下とも纏わなければ駄目だなと思う頃、雨は小降りになり青空も見えてきた。

丁度その頃、道央道のインターが近づきつつあり、一般道を進むのは少し億劫になって居たので有料道路を選択した。 その頃には天候は完全に晴天となり、お日様の力で黒いウェアは順調に乾いていった。 但し、完全に浸水したグローブは諦めて予備グローブに交換、ブーツは排水のみ行ったが内部が濡れていたのは乾かせないので不快なまま走行。

道央道は追い越し車線が殆ど無いので低速走行車が居るとカルガモ親子のように行列をなして走行するしかないが、北海道の方々はバイク慣れしてるというか譲り合い精神を持ち合わせており、追い越し車線が無くても左によって追い越し出来るように配慮して下さるのが嬉しい。

これは是非とも全国的に広がって欲しいところだ。 勿論、こちらも先方に敬意を表して挨拶するのは言うまでもない。 お互いに気持ちよく進むし素晴らしいと思う。

そのような感じで気持ちよく走っていたのだが、思っていたより流れる風景が北海道らしくない。 30年前にカミサンと北海道を一周したときは車だったが、北海道を走り始めて直ぐに北海道らしい風景と、空気の色が違うことに感動したモノだ。

あのときはまだ東京からフェリーがあり、車だけフェリーで苫小牧に送り、私とカミサンは飛行機で千歳に向かった。 あのときのフェリーは東京湾を出て関東を離れるまでだけでも一日掛かってしまい、とても時間を要する事が嫌だった。 だが、そんなことも有ってか今は航路がない。

などと昔のことを思い出しながら走っていたのだが、自然の残る北海道とはいえ、30年も経つと変わるモノだと実感。

長万部を過ぎ黒松内というところからは再びR5に戻って北上。 羊蹄山回りで北上しようかとも思ったが、最短距離で積丹半島の神威岬を目指す事にした。 だが雷電国道と呼ばれるR229、比較的静かな海沿いを気持ちよく走っていたが海沿いは海沿い、やはり微少な潮飛沫が舞っていたとみえて、後から走行動画をみて落胆。 レンズが潮飛沫でぼやけていた。

これは帰宅して動画を見るまで気が付かなかったので、海沿いの走行動画は悉く全滅。 酷い映像しか記録されていない。 今後、海沿いを走る際はこまめにレンズ清掃を行おう。

海沿いを延々と走行して到着した神威岬、駐車場はいかにも観光地。 これは長居できる雰囲気では無いと感じたので足早に岬まで歩いたのだが、案の定、声の大きい大陸系の人たちや半島系の人達が下品な振る舞いをしていてテンションがた落ち。 どうしてもっと上品な行動が出来ないのだろうか。 身障者用駐車場に平然とレンタカーを停めるし、菓子袋などゴミを撒き散らす。 そんな人達ばかりでは無いと思うが、余りにも目に付くのだ。

撮影に適したと思うポイントで撮影していたら、私のレンズの前に入ってきて自撮りを始める始末。 決して私は品行方正では無いが、もう少しは常識を弁えているつもり。 景色は綺麗だったが、余りに外国人観光客が酷い振る舞いをしていたので早々に立ち去ることにした。

次に余市の方面へと東へ進むが、気分が乗らないので恐らく観光化されていると思われるウヰスキー工場の見学はパス。 小樽の運河もウンザリするほど観光客でごった返しており、道路から眺めただけでオナカイッパイ。 やはり有名な観光地は深夜早朝に限る。

時間も昼を大きく過ぎているし、昼食も取らずに走り続けている。 そろそろ本日の宿を決めて食材の確保なども行わねばならない。だが、札幌の近くにあるキャンプ場は何処もファミリーキャンパーが多く私に向いていない。

このまま北上してしまえば評判の良いキャンプ場は沢山あるのだが、そうすると明日回ろうと思っている富良野や美瑛までの道程が遠くなる。 少し悩んだが、エルム家族旅行村というキャンプ場を目指すことにした。 此処は名前からして家族向きなのだが、駐車場から離れたところに停めればファミリーキャンパーからも離れられるらしいので。

現地はモノの見事にファミリーキャンパーが多かったが、2・3名のソロツーリストが居り、彼らはやはり距離を取って設営していた。 私はといえば、駐車場の一番離れたところにポツンと設営。 絶対に誰も来ない場所と思っていたのだが、キャンピングカーが私の目の前に止まって設営。 既に私は設営済みで食事中だったので諦めた。 初日は余り良いこと無かったな。

■2016.09.18
エルム高原家族旅行村→富良野の千望峠→ジェットコースターの路→美瑛の「青い池」→マイルドセブンの丘→オロロンライン
→オトンルイ風力発電→サロベツ原野→宗谷岬→エサヌカ線→オホーツクライン→クッチャロ湖キャンプ場
490km 8時間半

いつものように三時半に起床。 先ずは付近を散歩してから用を足し、朝日を拝んでから撤収開始。 そして、ある程度撤収したら朝食。 何が有ろうと朝食は必ずとる事にしている。

6時半頃に出発、R38にて富良野へ向かうが、途中から脇道に逸れて千望峠に向かう。 この千望峠を過ぎて少し行くと眼前が開け、漸く北海道らしい風景を拝めた。

私が待っていたのはこの様な風景なのだ。 北海道は農地も美しい。 平坦ではない決して楽ではないはずの農地を耕しているからこそ美しいのだと思う。 それがパッチワークのような表情を見せたり、目印のために残されたと思われる木々がアクセントになって得も言われぬ風景を作り出している。

実は人工的なのだが、自然との絶妙なバランスが美しい。 とても希有なシチュエーションだと思う。

ジェットコースターの路、此処は観光地化されているのかも知れないがと思いつつ訪れてみたが、此処を訪れるのはライダーだけなのか、時間帯も早く殆ど独り占め。 肝心の風景の方は今ひとつだったが、空いていたので良しとしよう。

次は台風で濁ってしまった青い池、私が渡道する直前に復活したと聞いたので、これは行くしかないと楽しみにしていた場所だ。 此処は余りにも有名な観光地なのだが、一時期濁ってしまった事で少し観光客の足も向かなくなった事を期待して行ったのだが、見事に的中。

観光客は疎らで、青い池の美しさを堪能できた。 駐車場も単なる駐車場で観光地化されておらず好印象。 天候は曇りで青さが輝きを発揮できていなかったかも知れないが、私は十分に満足した。

次に向かったのはマイルドセブンの丘。 此処も有名地なのだが、なんだか此の日は自転車のイベントが開催されていたようで、老若男女問わずに多数の人がペダルを漕いでいた。 タイムを計っているのかは解らないが、私同様に写真を撮っている方も居たので緩いイベントなのかも知れない。 勿論、中にはハイペースで突き進んでいる方々も居た。

マイルドセブンの丘、此処は綺麗で私的には非常に良かった。 また、その付近の様子もとても気持ちがよい景色が続き、何処で写真を撮っても「ザ・北海道」という構図が撮れると思えるほど。 その後にセブンスターの木と呼ばれる箇所も訪れたが、マイルドセブンの丘には敵わなかった。

此の後は旭川まで進み、其処で名寄や美深などの内陸を進むか留萌からオロロンラインを進むか暫し考え、天候が良いので今日は海沿いを走って距離を稼ごうという事にした。 ということで旭川からは少し遠回りして留萌からオロロンラインを延々と北上、やがて利尻島が近づいてくると次の目的地であるオトンルイ風力発電に到着。

此処もオロロンラインの定番スポット。 クルマもバイクも立ち止まって思い思いに写真の構図を考えていたが、歩いている人まで居たのには驚いた。 そしてこの風力発電の長いこと。 あっと言う間に通り過ぎるかと思いきや、通過するまで数分掛かった。

その次の目的地はサロベツ原野なのだが、底に向かう途中の牧草地にトイレットペーパーのような巻物が多々転がっていた。 牧場もう冬支度に備えて刈り取った牧草をロール状にして居るのだと思うが、その光景もまた私には美しく映った。

サロベツ原野は写真には納めていないので、是非とも動画をご覧頂きたい。 とは言っても、何もない原野を駆け抜けているだけなのだが、その空の広さを感じて頂ければと。

此処から稚内の防波堤ドームと宗谷丘陵にも立ち寄りたかったのだが、刻々と夕暮れの時間が迫ってきており、今回の旅ではパスすることとした。 次回の来道時には是非とも立ち寄りたいと思っている。

余りにベタだが、日本最北端の宗谷岬は矢張り押さえておきたい。 バイク乗りだけではないと思うが、突端に位置する地には足跡を残しておきたくなるのだ。 此処で隠居して旅をしているご高齢の方と話をしたのだが、昨日までの道東は酷い悪天候で、知床の遊覧船は運休になって悔しい思いをしたらしい。 その方の説明で、サハリンが見えると教えて頂いた。 残念ながら人が多すぎて写真は撮らなかったが、肉眼でクッキリと見えるとは思っていなかったので新鮮で複雑な気分だった。

此処からはオホーツクラインを南下することになるのだが、南下し始めた瞬間から風が強くて真っ直ぐ走れず斜めになりながら直進という非常に疲れる走りを強いられた。 と同時に首にも負担が掛かり、夕暮れが迫ってきていたので海沿いのキャンプ場でも良いかと思っていたが、風が強いと休まらないと思い、もう少し頑張ってクッチャロ湖のキャンプ場まで走行することにした。

と、その前に此れまたベタだが、エサヌカ線を走らない手はない。 30年前には知らなくて通過してしまったが、ライダーの間では有名な何もない直線路だ。

しかし、此の時には既にヘルメットマウントしているカメラは風で運ばれた潮が付着し、見るに耐えない映像を記録し続けていたのが残念である。

夕方前には何とかキャンプ場に到着し、テントも設営が完了したので遅い昼食を摂るために買い出しに出掛けたのだが、そんな時に限って雨男炸裂。 まさか雨が降るとは思っていなかったのでテントのフライシートを一部めくって出て来てしまったので、中まで雨が侵入してしまった。

しかし、その後に虹と綺麗な夕日が見られたので良しとしよう。 このクッチャロ湖キャンプ場は利用料格安な上に風呂も場内に有り、ゴミの処分も無料と良い事づくめ。 ライダー達もそれを解っているので数十台のライダーがキャンプ地に選んでいた。 そして辺鄙な所にあることからファミリーキャンパーも馬鹿騒ぎする若造もいなくて実に居心地が良かった。 オススメである。



■2016.09.19
クッチャロ湖キャンプ場→オホーツクライン→サロマ湖(通過)→神の子池→国設知床野営場
360km 6時間半

本日は殆ど移動日。 オホーツクライン只管南下して国設知床野営場を目指すが、神の子池とオシンコシンの滝は押さえておきたい。 網走の刑務所は観光地化されすぎているのでパス。

オホーツクライン南下していると、海岸では一人で何本もの竿を使って投釣り人を多く見かけた。 多い人は10本以上。 テントを張ってアタリが来るのを待っているようだった。 テントを見ると年季が入っており、常設しているのではと思われるものも多々目にした。 もしかしたら素人の釣りではなく、生活のために竿を出しているのかも知れない。

おかげさまで昨日のような強風はなく、走行は単調だった。

が、網走の手前から少し内地に入った辺りから天候が急変。 と思う間もなく路面はウエット。 結局、毎日のように雨に祟られているのは雨男だからだろうか。 だが、宗谷岬で聞いたような豪雨ではないだけマシか。

私はこの手の自然モノが大好きなので、見に行ってよかった。 雨の池もオツなものだ。 だが、此処への道がダートなので、雨が降ったことに依ってバイクはドロドロ。 単なる雨汚れでなく、泥汚れなので気が滅入った。 私は汚れたバイクは大嫌いなので。

結局、キャンプ場までずっと降雨で身体も冷えてしまったので、到着して直ぐに温泉に浸かった。 というのも、走っている途中から顔が火照り、水のように流れる鼻水とくしゃみが止まらず少し寒気もしていたので、温泉でジックリと身体を温めてきた。

キャンプ場に戻ると突然激しい排気音。 L型のフルチューンのようなアイドリングが直ぐ近くから聞こえる。 そして軈て回転数が上がってくると風切音が聞こえてきた。 そう、このキャンプ場の裏はヘリポートに成っているのだ。 そして其の横はお墓。 また、海側は漁港で此方からも勇ましいエンジン音が轟く。 私はこの手の音が嫌いではないので良いが、一般人には耐え難いかもしれない。

漁港の朝は早い。 私も三時半と早いのだが、だいたい同じような時刻にエンジン始動が始まる。 神経質な人は寝ていられないのでは無いだろうか。 前日は大事を取って午後7時半には焼酎のお湯割りも聞いて床に入ったので睡眠時間は十分。 元気に出て行く漁船を何となく眺めていた。

まだ此の時間だとお月様も空に高々と輝いていた。


■2016.09.20
国設知床野営場→知床峠→野付半島→納沙布岬(鈴木食堂のサンマ丼)→北19号→開陽台→多和平展望台(キャンプ場)
380km 7時間半

道東の観光地を巡る今回メインのルートは今回の旅で一番天候に恵まれた日でも有った。 此処は是非とも皆さんにも訪れて頂きたい場所。 自然も豊かで、知床峠を登って行くと道端に野生の雌鹿が居たのだが、私のマフラー音に臆することなく平然と草を食んでいた。 真横を通っても微動だにしないのには此方が慄いた。

羅臼岳は男らしい迫力があるのだが、その麓は高さの有る木が少ないのが特徴的だった。 それともスケール感が狂っていて、とてつもなく大きな山なので樹木が草木のように見えているだけなのかも知れない。 また、峠からオホーツク海を臨むと、北方領土が直ぐ其処に有る。 最近は見る機会が少なくなった「返せ北方領土」というポスターが彼方此方に張ってあり、2島だけでもあの時返還してもらうべきだったな、などと考えさせられた。

次は不思議な形の野付半島。 地図で見ると非常に細長く、厳しい北の海に侵食されて水没してしまうのではと心配になるほどだ。 そして、そのこの世の果てと形容される立ち枯れのトドワラは既に殆ど失われてきて居るそうで、新たな見所のナラワラは確かに物悲しい風景だった。 やがて、此等も年月が経つと失われていくのだろう。

派手さがないからか、此処も観光客は疎らで私的には安心していられた。 だが、此のつぎに訪れるのは根室半島の納沙布岬。 納沙布岬と言えば鈴木食堂、鈴木食堂と言えばさんま丼。 時として売り切れてしまう時もあるというので、11時を目標にしていたのだが、丁度予定時刻に到着することが出来た。 そして、此処で働いている兄さんが偶々W650に乗っており親切にしていただいた。

このさんま丼、絶品だと思う。 惜しむらくはバイクなのでビールが飲めないこと。 だが、そう思わせるほど脂が乗って旨かった。 丁度さんまの季節に訪れて大正解。

さて、次の目的地は開陽台。 360度の地平線が見えるという観光地だ。 私が少年の頃、此処が脚光を浴びたのだが、あれから35年。 観光地化されすぎているという噂は聞いていたので期待しないで向かうことにした。

その前にお約束の北19号。 望遠レンズで撮らなかったので迫力に欠ける失敗写真。 次から次へと写真を撮りに来る人が訪れるので、ジックリと構図を決めることが出来なかったのが敗因である。

開陽台の展望台は観光客でごった返していそうだったので、その手前にある丘からパチリ。 開陽台を目指す人達には、コイツこんな所で写真撮ってどうするんだ、という冷たい視線を浴びながら。 私は此処で良いの。 皆さんの所から撮ると疲れてしまうので。

でも、思っていたより良かった。 此処も来るべき所に入れて良いのでは。

お次は本日の宿泊地でも有る多和平展望台。 此処は開陽台と比べると少しマイナーだけど、此処も確りと360度地平線が見渡せる所。 難点は買い出しする店が遠いことと風呂も近くに無いこと。 でも、そんな所だからこそソロツーリストが安心してテントを張れる。



■2016.09.21
多和平展望台→摩周湖(通過)→藻琴山→美幌峠→コタン温泉(定休日)→亀乃湯→コッタロ湿原展望台→多和平展望台
230km 7時間

多和平展望台、気に入ったので連泊することにした。 行程も1日前倒しで行動しているので余裕が有ったので。

此処から先はノープラン、さてどうしますかねと前日夜に検討していると、日本一周しているという若者と話をすることが出来た。 彼に聞くと一番良かったのは三国峠だという。 三国峠は通行止めではと思ったが、峠の駐車場までは行けるらしい。 ではそれは明日のタウシュベツ橋梁へ行く際に立ち寄ることにしよう。

昨日は風呂に入れなかったのでコタン温泉は外せない。 後に定休日で思いっきり落胆することに成るのだが、此の時はそんなことは夢にも思っていなかった。 美幌峠も美しかったと聞いたので、予定には無かったが本日のルートに入れた。 美幌峠に行くのにピストン運行では面白く無いので、藻事山ルートで回ることにした。

と、その前に地平線から登ってくる朝日を拝まなくては此処に来た意味が無い。

残念ながら下の方に雲があり、雲から出てくる格好となった。 それでも放牧された牛達と相まって少し幻想的な写真は撮れたかな。

実はこの前に靴下を炊事場で洗濯していて、その途中で靴下も石鹸も置いたまま展望台に上がったのだが、戻ってみると炊事場にカラスが沢山集まっている。 これはヤバイと思ったが後の祭り。 水没して悪臭を放っている靴下と、食べることの出来ない石鹸を持って行かれた。

奴等は食べられなくても悪戯することが出来れば満足なのだろうか。 

藻琴山からの屈斜路湖、これは此れでアリだと思う。

そして、楽しみにしていたコタン温泉は定休日。

此処で諦めたら負けなので、近くにある天然温泉で手頃な価格にて入れる所を検索。 すると割と近くに良さ気なのを発見。 ナビをセットして向かうことにした。

現在の女将で3代目という昭和の共同浴場。 私が入った時は誰も居らず、営業していないのかと思ったほど。 そして此処で大失敗。 カラスに石鹸を持って行かれたことをスッカリ失念しており、思い出した時は素っ裸。 仕方ないのでお湯にタオルを浸してゴシゴシと身体を洗って頭も湯洗いをしたが、ヌメリけの有る温泉のためスッキリ感皆無。 失念した私が悪いので諦めるしか無いと思っていたが、此処で天の助け。

地元のご高齢の方が入ってこられたので、ダメ元で石鹸を使わせて戴けないかとお願いしたら快諾して戴けた。 それだけでなく、シャンプーも使わせて戴きサッパリ。 こんな事が有るから旅は面白い。

此処まで来たら湿原も見ておこうかと思ったのだが、釧路湿原はベタすぎるし何度か行ったことがあるので、コッタロ湿原展望台とやらに向かってみた。

とても鬱蒼とした山道を歩いて展望台へと行くのだが、余りにマイナーで私だけ。 しかも彼方此方にクマ出没注意と書いてある。 バイクでなら大きい音が出せるので熊にも聞こえると思うが、こんな鬱蒼とした山をハアハア言いながら歩いていて熊に遭ったら万事休す。 いや、安房峠で実際に遭ってるし。 ヘタクソな歌を大声で唸りながら山登り、なにやってんだろ私。

此処からの帰り道、これまたマイナーな道を通ったら野生のシカが目の前を横断。 クマでなくて良かった。

が、受難はこの後だった。

食材を購入するため町のスーパーに寄ったのだが、買い物を終えて出てみると私のW800が横転している。 誰かの嫌がらせか、当て逃げかと頭に血が上ったが、近づいてみるとサイドスタンドがアスファルトにめり込んでいる。 ああそうだ、北海道ではサイドスタンドの下に板切れを敷かないといけない事を忘れていた。

ヘルメットが下敷きに成り、サイドカバーがベッコリ。 私の心も大きく凹んだ。 今まで新車購入後、一切傷つけずに大事に乗ってきたのに、こんな不注意で傷つけてしまうなんて。

キャンプ場に戻っても暫く放心状態。 天然温泉で心も身体も温まったのに、すっかり冷めてしまった。 こんな時は豊かな自然を見て心を慰めるしか無い。

地平線へと沈んでいく太陽を眺め、沈んだ後も何となく眺めていた。 幾重にも折り重なっている丘や山々が美しい。

夕暮れの中、牛達も牛舎へと戻っていく。



■2016.09.22
多和平展望台→オンネトー→タウシュベツ橋梁(水没中)→三国峠→苫小牧
450km 7時間

夜明け前の雲海が幻想的。

今朝は地平線から出てくれた。

夜露が降りたキャンプ場に、私の足跡。 少し秋の雰囲気。

オンネトーにも秋の雰囲気。

タウシュベツ橋梁は水没中で見られなかったが、国鉄時代の士幌線跡は彼方此方で朽ちていく姿を見ることが出来た。 堅牢に見えるコンクリート製の構造物も厳しい自然の中では脆いものなのだと実感。 そして、これらを維持するのは大変な努力とお金がかかることも実感。 観光目的で来たのだが、考えさせられてしまった。

自然の中では朽ちていった跡に新しい命が芽吹いたりするわけで。

この構築物も何れ朽ち果ててしまうのだろうか。

 

 今月の整備記録

   消耗品交換パーツリスト(エクセルデータ)
    http://enthusiast.eos111.com/ELISE phase1 PartsList.xls
エリーゼ

なし
バイク  
W800
リヤタイヤ交換

25,200km ブリヂストン BT-45 120/80-18

■ ベストラップタイムの記録
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分3秒599(2015.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 レーシングコース
2分02秒674(2015.05 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分13秒482(2014.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分34秒157(2010.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
スポーツランド菅生 1分44秒200(2011.07 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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