10月も走りまわった。
子供の頃から私の一番好きな季節は夏だったのだが、エリーゼに乗るようになり過酷な車内環境から夏が少し嫌いに成りかけていたが、再びオートバイに乗るように成ると、やはり私は夏が好きなんだと再認識。
しかし、既に季節は秋。 私の好きな高原は既に朝晩は真冬装備で行かなければ凍えてしまう。 渋峠に向かう際、浅間山付近の二度上峠で夜明けを迎えた時は気温4度で、走りながら空冷エンジンに手を当てて暖を取った。 この感触は久しぶり、嘗てゼットツーに乗っていた時、冬はシリンダーに手を当てて暖を取ったな。
さて、今回も山が中心だが、友人と伊豆半島一周ハイペースツーリングも行った。 毎度代わり映えしない記録で申し訳ないが、関東の彼方此方を走り回って、私のお気に入りは何処なのかを探っている。 愚息達や家内と連れ立って紅葉を見に行く時が来るかもしれないし、ふと思い立って高原に行きたく成った時、時間と距離、そして季節を考慮してお気に入りのルートを幾つか持っていたいのでね。
そのうち北海道にも行きたいし、山陰にも行きたい。 九州も四国も走ってみたい。 沖縄は御存知の通りレンタルバイクで少し回った。 元はといえば沖縄をW800でショートツーリングしたことが大型バイク復活の発端だったりするので沖縄には感謝している。 あの気持ちよさが私を目覚めさせた。
10/ 1 二度上峠、嬬恋パノラマライン、草津・白根・渋峠 10時間 430キロ
10/ 4 諏訪湖、高ボッチ高原、美ヶ原北面、立科、霧ヶ峰、ビーナスライン 11時間 490キロ
10/10 安達太良山、磐梯吾妻スカイライン、磐梯吾妻レークライン、磐梯山ゴールドライン 14時間 680キロ
10/12 伊豆半島一周、沼津 12時間 460キロ(そのうち高速道路100キロ)
10/21 水上、奥利根ゆけむり街道、日本ロマンチック街道、薗原湖、赤城山東面(県道62)、東国文化歴史街道 10時間 375キロ
10月は2400キロ、9月に比べると少ないが現時点でのオドメーターは9700キロ。 7月末に納車して3ヶ月、リヤタイヤにスリップサインが出たよ、と、購入したバイク屋に持って行ったら驚かれた。 こんなに走る人は居ないって。
さて、彼方此方彷徨って秋を感じに行ったのだが、その中では磐梯吾妻スカイラインと奥利根ゆけむり街道は紅葉を楽しむならお勧めできる。 今の季節限定、関東から日帰りで楽しむならイチオシだ。 磐梯吾妻スカイラインはダイナミックな景色で赤と黄色が楽しめ、奥利根ゆけむり街道は鮮やかな黄色が綺麗な紅葉。
何方も優劣つけがたい。 紅葉が美しいということは、その地域にはこれから厳しい冬が来るということ。 是非、貴兄も日本の美しい四季、秋を堪能していただきたい。
■ 10/1 二度上峠、嬬恋パノラマライン、草津・白根・渋峠 10時間 430キロ
9月にも草津・白根には行ったのだが、スマホナビに電波が届かなくなり道を間違えてしまい渋峠には到着しなかった。 そのリベンジに都民の日、創業記念日を利用して平日に行ってきた。
この日は夕方から天気が崩れるという予報なので朝日が昇るのを山の上で拝むというタイムスケジュールで行動。 二度上峠という県道を経由して嬬恋パノラマラインを目指したのだが、兎に角寒い。 途中で気温4度という表示を見て驚いた、寒いはずだわ。
ウエットスーツ素材のグローブをしていたのだが、寒さに強いという評判で購入したにも関わらず、冷える一方。 仕方なく途中からは念のためにと忍ばせておいた遥か昔に購入したスキー用グローブを取り出した。 ポカポカとは言わないが、先程まで使用していたグローブよりは数倍マシ。 インナー付きなのだが、これを先ほどまで使用していたモノを中に入れると運転はし難いが手は冷えなくなる。
この峠で暫し朝日を見ていたら、タイヤの軋むスキール音が近づいてくる。 だが、その音はサーキットで聞くよりは遥かにか細い。 いったい何が峠を攻めているのだろう。 と、興味津々で待っていると現れたのは軽トラ。 これには驚嘆。 まさか軽トラがドリフトしながら峠を走ってくるなんて、漫画の中での出来事のようだった。
さて、気を取り直して出発。 次に目指すのは嬬恋パノラマライン。 北軽井沢の小洒落た町を通り過ぎると突然視界が広がり、まさにパノラミック。 キャベツ畑が遥か先まで広がっている。 見たこともないような大きなトラクターが朝早くから動き、彼方此方で農家の人達も収穫で忙しそうだった。 この手の知識がなくて申し訳ないが、高原キャベツは今が収穫時なのだろうか。
その収穫したキャベツの箱をギッシリと積んだ大型トラックが沢山走っている。 そう、此処は広域農道なのだ。
この嬬恋パノラマラインには南ルートと北ルートがあり、私はその両方を走ったのだが、何方も素晴らしい風景が待っている。 広大な高原を感じることが出来るだろう。 この辺りは電線がないことから空が広く感じる。
北ルートの終端には愛妻の丘というのがある。 家内に愛を叫ぶのをテレビで見たことが有る。 少し興味があったので登ってみるとメルヘンチックな場所で、とても私には似合わない所だと痛感。 取り敢えずゴマスリ写真を感謝の言葉とともにカミサンに送り、日頃の償いを少々。
さて、次は草津・白根なのだが、このパノラマラインで草津に抜けられるはずが、またしても電波が無くなってナビが使い物にならず、仕方ないのでメジャーな道を使って嬬恋村役場の方へと遠回りしてしまった。
白根山のあたりへ前回来た時は休日だったが、まだ紅葉には早かったので観光客はそれほど多くなかった。 しかし今日は平日なのにリタイヤしたと思われる方々が大挙して来ており、その一挙手一投足がノンビリしており苛々。 ブラインドコーナーでもお構いなしに駐車してるし。 もしかしたら、路肩の注意書きに中国語とハングルが書かれていたので大陸の方々や、半島の方々で常識が通用しないのかもしれない。
まだ紅葉を楽しむには時期尚早だったが、高原の気持ちが良い空気を吸うことが出来たので良しとしよう。 但し、夕方から雨という予報にもかかわらず、2時頃から降りだしてしまい、シッカリと雨男ぶりを露呈してしまったが。
■ 10/ 4 諏訪湖、高ボッチ高原、美ヶ原北面、立科、霧ヶ峰、ビーナスライン 11時間 490キロ
ビーナスラインが気持ち良いのは解った。 何度行っても彼処は楽しめる。 だが、同じルートばかりでは脳がないので、違う方向から立科へ向かってみた。 まず諏訪湖だが、いつもは国道20を使って諏訪湖を通過するのだが、此の日は諏訪湖の南岸を走ってみた。
思った通り、通行量が少なく湖の真横を走れて満足。 景色も悪くない。
次に少しマイナーな高ボッチ高原というところを目指してみた。 塩尻の町が一望でき、夜景が綺麗で有名らしい。 道も高ボッチスカイラインと書いてあったので期待したが、あまりに細い道で入口を見落としたほど。 車同士のすれ違いが困難な道といえば解るだろうか。
そして、到着したが私的には期待はずれ。 もっと広大な景色があると思っていた。
気を取り直して美ヶ原の北面を東に進む。 決してメジャーなところではないのだが、風景の其れは信州の景色だ。 やはり私は信州の道が好きだ。 自分のペースで走れるし、空の広さが好きだ。
■ 10/10 安達太良山、磐梯吾妻スカイライン、磐梯吾妻レークライン、磐梯山ゴールドライン 14時間 680キロ
福島は関東地方ではないのだが、日帰りで行ける範囲でなら私は何処へにでも行く。
NHKのニュースで磐梯吾妻スカイラインの紅葉が見頃だと言っていた。 この道、有名だが私は一度も走ったことがない。 尤も、私が行った所など限られており、それらを旅するためにバイクを買ったのだ。
磐梯吾妻スカイラインは路肩が崩れて通行止めになっていたのだが、10月の頭に一方通行ながら解除に成った。 地元としても紅葉の時期に通行止めのままでは観光収入が激減するので死活問題だったはず。 なんにせよ、一方通行でも開通したのは嬉しい。 少し辺鄙なほうが旅情も盛り上がるし、福島側からの一通ならば交通量も減って、私的には一石二鳥。
となれば少し早起きして暗い内に関東を抜け出したい。 7時から開門と聞いたので、其れに合わせて出かけたのだが、少し出発が遅かったのと、安達太良山の風景が綺麗で、此処に少し立ち寄ってしまったので少し予定より遅延気味に成ってしまった。 まぁでも気ままな一人旅なので、自分の都合で時間を使えるのが良い。 基本的に私は一人ぼっちが好きなので。
なんとも清々しい景色。 私の高原好きは、このような景色がを楽しめるからだ。 東北の方ならば、このような風景は彼方此方に有るのは知っているが、如何せん遠い。 本来であれば一泊して満喫したい所だが、私はこうみえて枕が変わると熟睡できず逆に疲れてしまうので一泊は避けており、どうせ泊まるなら2泊3日からとしている。 が、バイクでのキャンプツーリングならば1泊でも良いかな。
そういえば愚息達が小さい頃はオートキャンプに嵌り、関東にある目ぼしいキャンプ場には何度も足を運んだ。 子供たちは子どもと呼べない年となり、一緒にキャンプに行かなくなり道具類は不要と判断し全て廃棄した。 車によるキャンプのため、コンパクトさよりも快適性を主眼においており、何れにしてもバイクに積むようなものは無いとは思うが、クッカー類とガソリンコンロはとっておけばよかったか。
北海道へ行くのであれば夏、そしてキャンプツーリングにしたい。 その準備編として、来年、若しくは再来年には東北地方か山陰地方の少し寂れた所をバイクでキャンプツーリングに行こうと思っている。 北海道はその次だな、などと妄想は膨らんでいる。
磐梯吾妻スカイラインに入ると直ぐに景色は一変。 ダケカンバ、楓系、ナナカマド、そしてブナが多いのか、綺麗に色付いた木々が目白押し。 有名なつばくろ谷、此処は確かに心を奪われた。 ほんとうに綺麗だった。
■ 10/12 伊豆半島一周、沼津 12時間 460キロ(そのうち高速道路100キロ)
以前から一緒に走ろうと誘ってくれていた年下の友人、磐梯吾妻スカイラインの翌々日だが一緒に走ることにした。
西湘バイパスのパーキングで待ち合わせ。 30分前に到着したので、当然ながら小田原あたりに住んでいる奴ならギリギリの時間に来るだろうと思っていたが、私が駐めた隣に奴は佇んでいた。 あらま、随分と早いお着きで、律儀なやつだ。
では早速出発。 私は後ろを着いて行く。
いやー、飛ばす飛ばす。 私も少し早いペースで走るタイプなのだが、私がノリノリで走っている時のペースが常用域。 奴のバイクは国内仕様とはいえ1,300cc、こちらは800ccだが僅か48馬力。 どう逆立ちしてもかなわない動力性能差。 奴がアクセルをひねると、アッという間に視界から居なくなるが、差が広がりすぎると待っててくれる可愛い所が有る。
そんな走りをしていると、奴のマフラーが揺れていることに気付いた。 信号待ちで、こんなに揺れるのかと聞いたら、ステーのボルトが吹っ飛んでいた。 このまま一日走ったら、高価なチタンマフラーが折れるか変形してしまう。 慌ててコンビニに飛び込み、少しやんちゃな方法で補修完了。 私のアイデアに感謝だな。
西湘バイパスのパーキングで視線を感じたのだが、私と同じW800がいた。 そして私らがコンビニで悪巧みをしている時に、そのW800は通過していった。 高価なチタンマフラーを装着していたが、非常に紳士的なマフラーなので殆ど排気音は聞こえなかった。
そしてこの休憩時に彼らはやって来て、私に声をかけてきた。 「最高の音がしていました」と。 ふふふ、勿論だよ。 そのために大和ステンレスのスタンダードを選択したのだから。
今回の休憩ポイントは殆ど奴が選定、この恋人岬も奴の選定。 数えきれないほど此の辺りを走っているというだけのことは有る。 確かに絶景ポイントを心得ているのは流石だ。
したの富士山が見える橋も有名なところらしいが、これほどクッキリと見えるのは珍しいらしい。 冒頭にも書いているが、この前日に初冠雪が有り、季節の変わり目を感じさせると共に快晴なのが素晴らしい。
と、富士山を堪能していると腹が減った。 定番の沼津の漁港へ行ったのだが、完全に時間をずらして遅らせたつもりだったが、何処もかしこも長蛇の列。 既に腹ペコなので待つのは辛い。 仕方ないので駅前へ行くことにした。
何処か目ぼしいところはないかとキョロキョロしていたら、なんとなく良さ気な店を発見。 調べてみると、地元の人には割と良い評価を得てる。 では、と入ると、只今満席ですと。 待つのは懲りたのだが、もう動くのも面倒なので待つことに。
海鮮丼と鰻の肝焼きを注文。 ネタは新鮮で中々美味しかった。 昼間から飲んでいる人が居たが、私も地元なら間違いなく飲むね。
■ 10/21 水上、奥利根ゆけむり街道、日本ロマンチック街道、薗原湖、赤城山東面(県道62)、
東国文化歴史街道 10時間 375キロ
とあるサイトで奥利根ゆけむり街道の紅葉が見頃だと知った。 先日の磐梯吾妻スカイラインが見事だったので、大きな期待はせずに行ったのだが、なになに此方も負けず劣らず素晴らしかった。 磐梯吾妻スカイラインは赤が綺麗だったが、此方は黄金色とでも言おうか、黄色系が綺麗だ。
少しマイナーな所を選択したので割りと走りやすいが、道は其程良くない。 途中から道幅も狭くなるが、大型観光バスも引っ切り無しに走っているので屡々渋滞が起こる。 そして例によって高齢者のマナーの悪さには辟易した。 走りも酷い、ブラインドコーナーなのにセンターライン割って走ってくるし、しかも異常に遅い。 遅いから安全だとでも思っているのだろうか、後ろに長蛇の列ができているのに一項に譲る気配なし。
制限速度を守っているから正しいと思っているのだろうか。 反対側の車線に逆向き駐車もお構いなし。 とにかく甚だ迷惑である。
現時点で9,800km、よく走ったと思う。
しかし、1万キロ目前でタイヤにスリップサインが出てしまったのは誤算だった。
ということでタイヤ交換。 余り近代的なタイヤパターンは似合わないと思いつつ、本当はブリヂストンのBT45Vにする筈だったが、去年に発売された新しいタイヤにしてみた。 実際に見てみると断面が結構シャープでコーナリング性能の向上は確実だろう。 一方でハイグリップは摩耗が早いわけで、私はツーリングが主目的のため消しゴムのように磨り減ってもらっては困る。
カタログによると多少はロングライフにも気を使ったモデルのようなのだが、W800でのレポートが見つからないので相性は不明。 またしても私が人柱か。 試行錯誤するのはエリーゼだけで腹一杯なのだがね。 というほど大逸れたチャレンジではないか。 私としてはウエットで怖くなく、ライフが長くてコーナリングもソツナクこなしてくれれば文句なし。
リヤのドラムブレーキはシューの残りに全く問題なし。 その他、チェーンの状態もスプロケットの状態もパーフェクト。 そりゃそうだよな、まだ2ヶ月半、1万キロだぜ。
しかし、ちいとばかしW800には過剰なタイヤかも。 街乗りだけだが、思ったよりもバイクが勝手に寝てしまう。 もっと速く曲がれよ、もっと倒し込めよと言わんばかりに。