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2015.09



エリーゼを所有して13年、月に一度も乗らなかったのは初めて

そのかわり、コイツには4200キロ乗った

 またまた不具合発生

上の扉画像にあるように、先月は一度もエリーゼに乗らなかった。 クランクのオイルシールから発生していたオイル漏れは直ったようだが、他の箇所からの軽いオイル漏れは残っている。 これは然程問題としていないが、現在頭を抱えているのは先月号でも書いた始動時の不具合と走行時の息つき。

この2つの現象は相関関係が有ると睨んでいるが、盆前は暑くて問題解決のための調査をする気に成れず、盆が終わったら今度は梅雨時のような寒い雨が続いて青空駐車場の私は作業ができない。 関東地方はお盆で夏が終わってしまったようだ。 

実は以前、同じような症状に陥ったことが有った。 その時の原因は燃圧レギュレーター。 燃料のデリバリーパイプ末端に付いているアクチュエーターのような形をしたヤツ、あれが正常に機能しなくなっており、燃圧不足を起こして高回転でのパワーが無くなり、アクセルの急激なオープンに対して息つき症状を起こしていた。

またこれが微妙な燃圧不足で、規定値より僅かに下がっているために街乗りでは不具合は生じず、エンジン始動時にもエラーが起きないことからロータススキャンでも不具合が記録されないという厄介なものだった。 昨今、私の車に厄介でない不具合は無いのだが、これは本当に問題を見つけるのに苦労した。

だが、今回は少し様子が違うのである。 まだ完全に症状を把握していないが、著しいのはエンジン始動時の掛かり方。 いつもなら軽やかに1500回転以上に上がるのが、糞詰まったように重く掛かってしまう。 まるでセーフモードのような掛かり方なので、これはスロポジのリセットかなと、何度もリセットしたが症状は変わらず。

実は前回のレース時にもこの症状は起きていたのだが、レースでは何とか最後まで戦うことが出来た。 これが不思議な所で、燃料が足りないのであれば、富士のストレートのような負荷が最大限に掛かる箇所で走れたというのが良く解らない。 もしかしたら微妙に燃料が足りていなかったのかも知れないが、真夏のレースということで、必要な量が出ていなくても気温的に何とか成ってしまったという可能性はある。

一応、予備の燃圧レギュレーターは用意してあるので交換することは容易いのだが、まずは今の状態で燃圧を測定してみなければならない。 兎にも角にも1つずつデータを記録して潰していく他に道はないのだ。 偶々直ったとしても、原因が想定出来るだけで確定と確証が得られない。 もう何度も酷い目に合わされているので、例証を明確に記録しておきたい。 また何時起きるとも限らないし、貴兄の参考にも成りたいし。

ということで、レースは今月の20日に迫ってきているが、今の天候では主治医の所に持って行きたくない。 私は雨天走行が大嫌いなのだ。

 

 W800

新車で購入したKAWASAKI W800、残念ながら少し不具合が生じた。 不具合と言ってもエリーゼの深刻な彼是に比べればネタにも成らないような軽微なことなのだが、これは無いだろというような事なので既にW800のオーナーに成っている方々(が、このホームページを見ているとは思わないが)のために成ればと。

気に食わない箇所はチェンジペダル。

本体側にギヤチェンジのためのシャフトが突き出しており、其処にスプラインが切ってあるのだが、これに会うようにペダル側にも加工がされていて、M6のボルトによって緊結されるように成っている。

ところが、このM6のボルト位置がシャフトの切欠きに対して位置が浅くてボルトを入れただけではガタガタ。 ではと強くボルトを閉め込んでみたものの、ボルトの強度が足りずにスプラインが噛み込まない。 少しオーバートルクで閉め込んでも結果は変わらず、以下の動画の状態である。

 

動画の解説にも憤りを書いたが、精度が悪いのと設計が良くないと思う。 新品を販売店から貰ったが、どうしても我慢できなかったので加工をして確実な取付となるようにした。 旅先でチェンジペダルを失ったり、スプラインにガタが出てしまってからでは遅すぎるので。

自宅では工具がなくて加工できないため、主治医のところでボール盤を使ってネジ山をサラって貰った。 そしてヤワなM6ではなく強固なM6に交換し、貫通させてナットで締め込むことにした。 この際にM8を試みたが、シャフト側の切欠きを加工せねば入らないことが解ったのでM6としたが、インチネジを使用してもうワンサイズアップとしたほうが締込トルクが増すので、材料が容易に入る環境であればお勧めしておく。

純正部品のネジ山が私のは少し偏心していたようで、ボルトが垂直に入らず負担が掛かって不具合が起きていたのも有るが、チェンジペダルの部材が硬い事から貫通ボルトで確実に締込むことによってシッカリと固定することが出来た。 固定後は微動だにせず満足の行く状態になったのは言うまでもない。

 

その他、W800に手を入れたのは2つ。 1つは書くまでもないことだがUSB端子取付で、もう1つはマフラーの加工だ。

先ずはUSBからだが、バイクにスマホナビを運用するためには電源は必須。 今時の電源は5Vの2A以上が無いと充電が間に合わない。 そして、ここが見落としがちなのだが、充電には充電用の専用ケーブルを用いないと急速充電に成らないのでケーブル選びも重要だ。 勿論、充電専用ケーブルなのでパソコンと接続しても通信は出来ない。

今回はAmazonで購入したのだが、コメント欄に「通信ができないので☆1つです」と書いてあり笑わせてもらった。 充電専用のUSBケーブルは充電時間が倍ぐらい違うので充電時間が長いと思ってる貴兄は充電専用ケーブルを買い足すことをお薦めする。 送料込みでも数百円だ。(私はアンドロイド使用なのでiPhoneは知らない、悪しからず)

モノはキジマUSBポートKIT 304-622、USBx2 DC5V/2.1A ハンドルクランプ式。 この製品は電源のスイッチがないので、自分で作るかアクセサリー電源から電源を供給する必要がある。 私は使用する度にスイッチを入れるのは面倒だし、切り忘れてバッテリーを上げたくないのでアクセサリー電源から供給することにした。

配線図は持ち合わせていない事からネットを検索したが、W800に関する技術的な情報は少なかった。 ツーリングの記録などはそれなりにヒットしたが、モディファイに関しては少なくて苦労した。 やはりこの手のバイクはノーマルで大人しく乗る人が大多数なのだろう。

ということで数少ない情報から、テールライトに接続されている配線がシート下に敷設されており、それがアクセサリー代わりに使用できる事が解ったので、そこから戴くことに。

ケーブルをみると4線入っており、どれがイグニッションオンで導通するのか不明なので調べてみた。 こういう時は電気の師匠が施していたマチバリ挿しこみ法。 ケーブルにマチバリを挿して、其処にテスターを当てて計測するのだ。 もし違っていても刺し傷は修復しなくとも支障なし。

すると、まぁ妥当なことに赤線が該当のようなので被覆を剥がしてカシメることにした。 本当はハンダゴテでシッカリと接続するのがベストなのだろうけど、私の腕は稚拙なので電工ペンチで安易な方法とした。

勿論、該当の箇所には絶縁テープで保護。 この絶縁テープも師匠の真似をしてビニルテープではなく、布のテープを使用。 これだと長期使用時にベタベタすることが少なくなるので。

念の為にテスターでチェック。

先月号で紹介したミノウラのスマホホルダーの直近にセットすることで100mmのケーブルで接続する事が可能。 大は小を兼ねるが、ケーブルは短いのがベストと思っているので。

さて、ここまで上手く行ったので先月報告済みのBluetoothシステムとのペアリング、そしてナビと音楽を流しながら急速充電が追いつくのかテストが必要。 当然ながらGPSも稼働させることになるのでスマホとしては過酷な電源消費となるだろう。 スマホ自体の温度もどの程度上昇するのか確認しておきたい。

真夏の炎天下で道に迷ったところで加熱によるシステムダウンはシャレにならない。

テスト日は盆前で予想気温は殺人的な36度。 テストには好都合だが人間が辛い。 かといって長時間のテストをしなければ実用できるか確認ができない。 結果的には丸一日高速道路を音楽を流しつつ、スマホナビを使用して約1000キロ走り回ったが問題無し。 あとは雨だけだな。

 

マフラーの方だが、装着後にエンジンを夜間の自宅前で始動した時の爆音に驚いた。 この私が数秒でエンジンを止めたといえば解って貰えるだろうか。 早朝に表通りまで押していき、エンジンを掛けた時も近隣の知らない方からクレームが付いた。

歯切れのよい音なのだが、余りに歯切れが良すぎて確かに迷惑な音がする。 これでは今まで上手くやって来た近隣との関係が悪化しかねない。 ということで、マフラーを大和ステンレスに送り戻して中音仕様に加工していただいた。

その週の内に戻ってきたマフラー、仕事が速いのは気持ちが良い。 早速、装着してエンジン始動。 ...うむ、此れなら常識的な時間帯ならば自宅前で始動はできる。 だが、深夜早朝は無理だな。 マフラーの中を覗くと、茶漉しのようなものが内部に装着されているのが解った。 これは排気効率が低下するな。 

実際に走ってみると、中低速トルクは増した。 だが、高回転での回り方が少し苦しそうだ。 茶漉しが抵抗に成っているのは間違いない。 1週間使用したがスタンダードに戻すことにした。 だが、それでは自宅で始動出来ないので、インナーバッフルを装着することにした。 これも大和ステンレスの加工である。

インナーバッフル、脱着するためにはM6のナットを外すために10ミリのメガネレンチが必要になる。 これをいつも持ち歩くのは面倒だ。 ということで、ステンレス製のM6サイズ蝶ナットで装着することにした。 此れによって手軽に工具なしでバッフルを脱着できる。

気になる音だが、バッフルを装着しても始動時の音は大きい。 やはり深夜早朝は表通りではなく、大通りの新青梅街道まで押していかねば無理だ。 だが、バッフルなしの状態よりはマシなので常識的な時間帯なら自宅前での始動も許される範囲だろう。

いやはや、エリーゼより遥かに少ない排気量なのに、1つのピストンで400ccも無いのに暖気時の音の大きさに驚いた。 マフラー自体はエリーゼに装着しているのと大差無いように思うが、こんなにも存在感の有るマフラーは初めてだ。 暖気が済んでしまえば静かにアイドリングしてくれるだけに、その差が大きい。

 

 雑記

■慣らし運転

カワサキのバイクは1600キロのブレークインをしろと取説に明記してある。

800キロまでは4000回転、1600キロまでは6000回転だそうだ。 私のW800はレッドゾーンが7000回転からと、バイクエンジンの中ではエンジンが最も回らない部類だろう。 久しぶりの新車、エリーゼではエンジンは何度も積み替えて慣らし運転はしているが、やはり完全な新車なのでエンジンだけでなく丁寧に走って車体全てにアタリを付けてやりたいと思う。

今回のブレークイン・ライディングは上図のようなコースを選択した。 まず自宅から少し一般道を走り、中央高速の調布インターから高速道路へ上がった。 私は高速道路が好きではないのだが、真夏に渋滞に嵌まりたくないのと、負荷の掛かる峠道は避けたいのだが、そうなると高速道路が慣らしには適切だと思ったからだ。

此以後のことは既に落書帳に記載しているので余り重複することを書いても仕方ないので簡潔に書くこととする。

前述のようにエンジンに負担が掛からないよう、速度は控えめ。 殆ど左側の車線を走った。 あまり低速で回しても負荷がかかるので、2500から3000回転程度を中心にして車の流れを妨げないように走行。 此の日は予想最高気温が36度と殺人的な気温なのだが、流石に早朝に出発したのでジャッケットは必須だった。

朝食をとって出発したのが効いたのか、淡々と同じような景色が流れる高速道路だからだろうか、バイクなのに強烈な眠気が襲ってきて耐えられなく成り、甲府を過ぎた辺だっただろうか、某バス停で仮眠。 一般車両は入ってはいけないという標識が掲げられていたが、身の危険を感じたので許して頂きたい。

15分ほどウトウトしただろうか、するとバス停の待合小屋にアジア系の外人女性二人、暫くして派手な出で立ちの女性が二人、此方は親子のようだ。 そんな人達だから当然のように騒然としてくる。 大きな声で聞いていられないような低俗な話をする親子と中国語を話すアジア系の女性たち。

とても居られなく成り、眠気も飛んだので再出発。 少し日が高くなった。

岡谷ジャンクションで中央自動車道から長野自動車道へと進路を変え、山間を走る道となった。 確か、この道を走るのは2度めのはず。 道は全く覚えていないが、横を向くと長閑な風景が広がってきた。 高速道路でなければ、このあたりでバイクを止めて景色を眺めるのだけど仕方ない。 交通量が少ないのが幸いだ、60キロ位の速度でゆっくりと走ってみた。

此のバイク、トップギヤの5速のまま50キロ位から使えるので、高速道路では殆どギヤチェンジが必要ない。 急いで追い越す時以外はシフトダウンは不要だ。 70キロも出ていれば最大トルクの2500回転あたりなので、アクセルを開ければ歯切れのよい360度クランクのバーチカルツイン独特の音を奏でながら力強く路面を蹴ってくれる。 その際に鼓動感が有るのが嬉しい。 ミラーが振動でブレるのはご愛嬌だ。

100キロ+α程度も出してみたが、カウルが無く全ての走行風が身体に当たるため、風圧で結構疲れる。 ヘルメットがフルフェイスではなく、ジェット型ヘルメットというのも有るだろうか。 ライディングポジションが僅かな前傾だけなのも有るだろう。 試しに肘を曲げて前傾姿勢を強くしたら少し楽だった。

そんなことから、コイツは60キロから80キロの速度が快適で、トルクも太く排気音も歯切れ良くて楽しい領域のようだ。 スーパースポーツと呼ばれるリッタークラスのフルカウルを纏ったバイクたちが、追い越し車線を快音を響かせながらスッ飛んでいくのとは対照的。 彼らはあの速度域が快適なのだと思う。 ところがハーレーたちも結構な速度でジャケットをはためかせながら走っていくので驚いた。

ハーレー乗りには色々な種類があるらしい。

話は変わるが、今回はヘルメットの中で私の好きなジャズがBGMとして流れていて、それが非常に快適だった。 私の使用しているジェットヘルメットは古いタイプで風切音も強く、走行中は排気音が聞けて楽しい一方で、今回のような高速道路では騒がしいのだが、BGMが有るだけでこんなにも走行が快適になるとは思わなかった。 勿論、ナビの音声も音楽が消音されて喋ってくれるので聞き取れるし、オープンエア式のスピーカーなので、周りの音も十分に耳に入ってくる。 常識的な音量にしておけば、安全で楽しいツーリングが出来る事がわかった。

さて、道は長野自動車道から北陸自動車道に入り、柏崎の手前辺りで左手に日本海が見えるように成った。 今回のルートも時計回り。 海が見えるように時計回りを選んのは正解だったな。 長岡ジャンクションからは未知の領域。 昨年、スーパーカブで寺泊には行ったが、そこから北は足を踏み入れたことのない地域なのだ。 時刻はまだ9時を過ぎたあたり、時間には余裕がある。

新潟が近づくとさすが米どころ、田圃が多くなった。 新潟からは此れまた走ったことのない磐越自動車道へと進路を変える。 時刻は10時半だ。 この磐越道、所々道が1車線となり一般道のように対向車線が直ぐ右側となる。 そんな時に限って大型車両が一生懸命走っていてペースが落ちる。 まぁ慌てることもない。 時刻は11時半に近くなったので猪苗代湖のところで昼食をとった。

因みにガソリンだが、コイツはレギュラーガソリン仕様なのは以前書いた通りで、高速道路の燃費はリッター27キロ辺りだろうか。 タンク容量が14リッターだが、10リッターを切ると警告が出るので、そのあたりを目安に入れてきた。 そういえば新潟のところで、次のスタンドは120キロ先だとか書いてあって慌てて入れたのを思い出した。

磐越道、じつはもう少し景色が良いかと期待していたのだが、思っていたより淡々とした景色が続いて期待はずれだった。 やはり高速道路は面白く無いね。 もう完全に飽きてきた。 朝の4時過ぎから行動しているから8時間走ったのか。 郡山インターから東北道に入ったのだが、この東北道が一番楽しくなかった。 先ず暑い。 路面からの熱が非常に強く、他の道路より確実に辛かった。

そのまま帰ろうかとも思ったが、このままでは1000キロには足りないので少し遠回り。 栃木の岩舟ジャンクションから北関東自動車道へとルートを変え高崎へ向かった。 高崎からは関越道で鶴ヶ島まで走り、其処からは圏央道へと移動し、バイクも大好きなエリーゼに乗る友人宅の有るあきる野市で高速道路を降りた。

スマホナビシステムのテストも兼ねた慣らし走行、昼間の灼熱に晒されてもシステムダウンすることもなく、充電も消費量より上回っているようで、途中からはずっと100%。 一般道に降りて友人宅に立ち寄った帰りに少し雨に降られたが、その時に雨粒で画面が反応してしまったので、その対策さえしておけばUSB電源への雨水侵入対策も付属の蓋を上からあてがうだけで何とか成ったので、余程の大雨でなければ根本的な対策はしなくて済みそうだ。

これで無事に約1000キロ走行完了。 となればオイルとエレメントの交換。 バイクのメンテは楽なんだよね、と思っていたらフィルターに石跳ね防止のカバーが装着されていた。

これが中々の曲者で、取るのに苦労した。 こんな苦労するもの不要なので今回撤去。 これ、エレメントを保護する物なのだろうけど、エレメントに穴が空くほどのダメージはオンロードでは考えにくいので撤去することで少しでも冷えて欲しい。 夏場に渋滞に嵌るとエンジンが苦しそうなので。 しかし、このカバーにネジロック剤を塗布しているとは思わなかったので、外す際にネジを折損するのではとビクビクしながら外した。

フィルターはユニオンのMC-560、これは各社に共通のエレメントらしい。 国産バイク用だし、小さいから安いだろうと思ったら何の何の、車用よりヘタすると高い。 自宅近くには2輪館とかナップスというバイク用品店が有るのだが、ここらで買うとエリーゼのよりも高かったりする。 こんな消耗品にお金は掛けられないので通販で安いところを探して纏め買い。

 

 

■夏旅その1

毎年、私は夏になると旅に出たくなる。 子供の頃は林間学校にワクワクし、家族旅行にも父親の車で彼方此方連れて行って貰った。 それが有るからか、夏になると旅に出たく成る。 私は海外には余り興味がなく、美しい日本を回って行きたいと思っている。

実はまだ私が踏み入れたことのない県は沢山ある。 足を踏み入れたことの有る道府県でも行きたい所は沢山あるし、関東近県でさえ沢山ある。 既に私の行動は貴兄ならご存知と思うが、深夜早朝に出て夜明けを迎えるのが好きだ。 風光明媚な所は好きだが人が沢山集まるザ・観光地は得意ではない。

マスツーリングというらしいが、沢山の人達で一緒に目的地に向かうのも嫌いではないが私は我儘なので、皆さんに迷惑をかける事になるだろうから単独ツーリングが多い。 尤も一般道で長距離を走るのが好きなので、こんな物好きに付き合ってくれる人など居ないというのが本当のところ。

慣らしの初期は上記の通り済んでいるので、今度は少し負荷をかけた中速域と私自身の慣らし、ワインディングロードへ行こと思うが、先ずは手始めに関東近県の一般道、日帰りで600キロ程度を走ってみた。

コースは以下のとおり。

今回は常識的な時間帯に自宅を出発、国道17を只管北上する。 新潟県の魚沼から国道252へとルートを変えるが、昨年スーパーカブでこの辺りに来るまでとは安楽さが全く違う。 排気量が10倍、パワーも10倍近く違うのだから当たり前だが、余裕が有って何をするにも楽だ。 但し、取り回しの楽さはカブには敵わない。 流れていく景色の楽しみ方もカブとW800では異なるのだが、どちらにも良さが有るのが嬉しいところだ。

国道252、走り始めて直ぐに景色が変わってくる。 この道はJRの只見線とほぼ同じルートなのだが、この只見線は絶景で知られている路線なのだ。 特に冬は道路が閉鎖されて鉄道だけが動くのだが、その厳冬期の景色は興味があれば画像で検索してみて欲しい。 車では決して味わえない深みが有る。

と、そんな絶景なルートなのだが、夏場は夏で綺麗な景色が出迎えてくれる。

単線の電化されていない只見線がなんとも言えない旅情を醸し出している。 高度も上がってくるので山が険しい。 此の日の都内は37度だったが、こちらは25度。 道も割りと荒れていなくて車も少なく気持ちよく走れる。 非常に心地よい一日を満喫できた。

ところで私のW800のリヤシートに積んでいるバッグ、今まではデイパックを背負って走っていたのだが、ライディングの邪魔になるし肩がこる。 前回の1000キロツーリングでは合羽やら何やらを詰め込んで重かったので、走行後に背中が痛くなった。

日帰りや1泊ツーリングであれば、あまり大きいバッグだと格好良くないと思い、TANAX モトフィズ(Moto Fizz) ミニフィールドシートバッグ(ブラック)MFK-100というのを今回購入したのだが、概ね満足している。 此れ以上大きいと嵩張るし、此れより小さいと使いものにならない。 大きさ的にはデイパックとほぼ同等。 デイパックで入る荷物なら全て入るだろう。 中々使い勝手は良いと思う。

 

■夏旅その2

今年の夏休みは青森の大間に行くと決めていた。 私は地図上の突端部が好きで、岬のように飛び出した所に行きたく成るという習性を持っている。 これは私だけかと思っていたら、結構な数の人達が同じような行動をしているようだ。 なので日本には「何とか最北端」とか言う所が多く、そこには先端好きの人達がやって来る。

ルートは迷った。 田沢湖と十和田湖も立ち寄りたいところだが、初日にあまり多く詰め込むとその日の内に辿り着かない可能性がある。 当初私が考えたルートだと900キロを少し超えていた。 勿論、今回も一般道で行くことにしているので、途中の交通状況によって大きく左右される。

そんなことから行き道は真っ直ぐ大間を目指すことにした。 それでも800キロ以上ある。 

グーグルによると17時間掛かるという。 宿のチェックインが有るので、夕方には到着したい。 仕事から帰宅し、直ぐにでも出かけたかったが、雨雲レーダーによると、栃木や福島は結構な雨量が降っている。 雲の予想では私が今から出ては雨雲に直撃する。 さすがに初日から雨は嫌なのでギリギリまで時間を遅らせた。

出発は前日の午後10時半。 遅くまで仕事をして帰宅を急ぐ方達の走っている車列に混じった。 それにしても都内は車が多い。 そうか、皆さん私と同様に8/11の夜から夏休みの行動か。

国道4号のバイパスに入ると激しくペースアップ、本当に此処の道は昼間でも自動車専用道路なみなのに、夜になると高速道路なみの速度で皆さん走ってる。 私だけ遅く走ると流れを乱すので、皆さんのペースに合わせることに。 このハイペースのおかげで後々の余裕に繋がるんだけどね。

バイパスが終わる頃、シールドにポツリ。 

マジデスカ。

絶対に認めたくない雨男説だが、やはり私は...

仕方なく路肩にW800を止めてイグニッションオフ。 シートバッグから使いたくなかった雨具を取り出す。 着替えている内に雨脚は強くなる一方。 スマホでレーダーを見ようかと思ったけど、グローブをしていると反応しないので、面倒になってやめた。 グローブ無しでも操作できるペンを用意するべきかな。

せっかく磨いてきたのに既にドロドロ。 一気にテンションが下がった。 憂鬱な気分で走行再開。

夜が明ける頃、名取市のあたりで朝食。 その後、直ぐに走りだしたが9時頃に激しい睡魔。 このまま走るのは危険なのでコンビニの駐車場でフェンスに寄りかかって仮眠。 車と違ってバイクは仮眠をとるのが困難なのだが、睡魔が勝ってアスファルトの上で30分も眠ってしまった。

しかし、その睡眠はとても効果的で、その後は景色が良いことも手伝ってペースが上がった。 岩手県は心をとても癒してくれる風景が続き、気持ちが良い。 このあたりは雪が降ることを考慮してか赤白の積雪量と道幅を示すバーが付いており、除雪のためか道幅が広くて走りやすい。

青森県に入り、野辺地町からはまなすベイラインに入ると藍色の海が見え隠れ。 路面もアップダウンが激しく、厳しい自然が産んだ地形を実感しながら進む。 こんな時も相棒のW800は頼もしい。 バーチカルツインの豊かな中低速トルクで2500rpmからアクセルを開けるとドコドコッという心地よい音と共に後ろから路面をグイグイと押してくれ、殆どトップギヤのままでギヤを変える必要もなく運転が楽しめる。

一方で少し重たい車重と大きいタイヤによってタイトターンは不得意。 目を三角にしてコーナーをクリアするのではなく、3000rpm辺りで立ち上がれる程度の速度で鼓動を楽しむのが合っている。 そんな走りをして峠を越えると津軽海峡に出た。 あと少しで本州最北端だ。

周りの風景は徐々に漁村らしくなってきた。

やがて大間の町に入ったが、此処で少し嫌な思いをした。 赤信号で停まっている黒いベタベタなセルシオの左側が大きく開いていたので、何の気なしにセルシオの左側で停車、信号が青に変わったのでセルシオの前へ出ると後ろからクラクション鳴らしながら猛追してくるセルシオ。

私の単車に何か問題が起きているのかと減速すると、そのセルシオは対向車線に来て窓を開け「止まれ」と怒鳴っている。 運転手は絵に描いたようなヤンチャな若者でV字に開いたシャツからは刺青が見える。 面倒なことになったなと思いつつ単車を止めて話を聞くと、先程の信号で私が先に行ったことが気に食わないらしい。

この行為、以前白バイの隊員に聞いた事があり、信号で停まっている車の左側を通って前へ出るのは違法ではないと聞いている。
そんな事をこの若者に話しても通じないだろう。 また面倒なことに、相手はもう1台つるんでいる。 ここは謝罪して先に進んだが
まだ後ろについてきてクラクションを鳴らしている。

其処は既に本州最北端の場所、土産物屋が沢山あるところで皆が此方を見ている。 皆さんの迷惑にもなるので、仕方なく停止。
すると横に止まって窓が空いた。 「他所から来て生意気な運転をするな」と再び。 先程謝罪したんだけどなぁと思いつつ、再度謝罪。 すると、急加速して行ってしまった。

一緒につるんでいたワインレッドのセフィーロ、車から降りもせず窓も開けず暫く止まっていたが、いつのまにか居なくなった。

取り敢えず最北端の証拠写真。 が、人が多くて辟易。 私はやはり人が多い所はダメだな。

私のW800、メッキと黒というコントラストが激しい色使いなので、私の腕では綺麗な写真が難しい。 特にこのように晴れた空の下では綺麗に撮れない。 もっと露出アンダーで撮れば良いのだろうか。 でも既に黒が潰れているし、メッキの部分は白く飛んでるし。

それにしても思ったよりも早く着いたのは良かった。 ここまで830キロで15時間。 一般道としては出来すぎかも。 車だったらムリだろうね。

暫く本州最北端に佇んだが、人が多いので漁港に移動することにした。 さすがに漁港には観光客は居ない。 どれがマグロ釣りの漁船かは解らないが、小さな漁船と比較的大きい漁船とが居る。 キャビンは小さく、正に戦う船だな。

そうそう、到着したのは13時ごろだったが、先程のヤンチャなセルシオの一件で昼食のことをスッカリ忘れていた。 取り敢えず15時からのチェックインには早いけど、本日の宿に行ってみよう。 そして食事のオススメの店を教えてもらおう。

ということで、素泊まり民宿「うみかぜ」に到着。 が、宿主不在。 しかしまぁ何とも素朴な建物だな。 と思っていると宿主が現れた。 どうやら裏手に有るのが自宅らしい。

本日お世話になる早川ですと名乗ると、「あぁ東京の人ね」と笑顔で迎えてくれた。

先程の嫌なことを話すと、とても親身になっていただき、「この地元の大間で観光客に嫌がらせをするのは許せん」といって警察に電話。 すると直ぐに警察がやってきて事情聴取。 パトカーが何台も来てビビったが、この宿主、交通安全委員会の会長を務めているそうで、それで警察も直ぐに対応したらしい。

警察の交通係の方に事の顛末を言うと、ツーリングライダーと車のトラブルが多いらしい。 特に多いのが危険な追い越しだとか。
私のケースも有るとのこと。 東京のルールは通じないのかな。

セルシオのナンバーは1番ということだけ覚えていたので話すと、大間のヤンチャな奴では無いらしい。 この交通係の人、地元の出身で大間の観光には地元の安全が絶対だと仰り、申し訳ないと何度も私に謝ってくれた。

すると、先程の宿主が再び登場し、黒のシャコタンセルシオ、ナンバーが1の奴は、妹さんの働いているところの職人さんが同じように嫌がらせを受け、隣町まで追いかけられたと話だした。

なんでも先程の私の話を妹さんに話した所、つい先日、そんなことが有ったと聞いたとかで、自宅から再び慌てて舞い戻ってきたそうな。 すると交通係の人、今日は巡回警備を強化してセルシオを見つけだすとのこと。 

これで大間を嫌いにならないでくださいね、と、お二人。 つくづく、いい人達だなぁ。 気分を入れ替えるために昼食をと思ったが、事情聴取が長引いて2時を過ぎてしまった。

食事、何処が良いですかと宿主に伺うと、オススメのお店は「おおま温泉 海峡保養センター」らしい。 スマホで場所を確認すると、少し離れた所に有るが、観光客狙いで高い料理を少しだけ出す店とは違い、ここは良心的だという。
http://cld1.worldcom.ne.jp/~omaonsen/

少しコンビニでツマミ食いなどをしつつ散策して時間を潰し、16時に入店。 ホームページには高価な料理が並んでいたが、実際に行ってみると「中落丼」が800円。 恐る恐る失礼ながら地元で捕れたマグロなのかを聞くと、そうだとのこと。 ならば此れでしょう。

出てきたものを見て吃驚。 丼にドッサリと中落ちが載せてある。 実は私、それほどマグロは好きではないのだが、ひとくち食べて納得。 これは美味い。 バイクで来ているのでビールが飲めないのが残念だが仕方ない。 これで800円とは素晴らしい。

帰りにコンビニでビールを買い込み宿へ向かう。 部屋の鍵は預かっていたので部屋にはいると少し暑い。 エアコンをつけようと探すが、部屋にエアコンがない。 これには驚いたが、確かに窓を開けると心地よい風が入ってきてエアコンは要らないかな。 暫し、窓から見える津軽海峡を眺めながら、先程のマグロの味を思い出しながらビールを呑んでいたら海に日が沈んだ。

日が暮れると急激に涼しくなった。 昨夜は少し仮眠だけで睡眠が取れていないのもあり、早々と睡魔が襲ってきた。 8時を過ぎた頃だろうか、寝落ちしたのは。

 

2日目、大間の海を少し見てから仙台の友人宅へ、十和田湖と田沢湖を経由して向かうルートだ。

翌朝、午前4時。 いつもの私の起床時間である。 まだ外は薄暗い。 東京よりは東経が少し東寄りなので夜明けは少しだけ早いはずだが、どうやら空が曇っているためらしい。 おかしいなぁ、週の初めではお盆休みは概ね晴れのはずだったのに。

雨雲レーダーで状況を見ると、本日目指す十和田湖の手前は雨が降っているらしい。 だが、其処から田沢湖の辺りは降っていない。 本日の宿泊地、仙台あたりは雨が降っている。 私は雨男らしいので仕方ない、5時頃に宿を出発。 すると間もなくポツリポツリ。 おいおい、それは想定外だぞ。

20分も走らずに合羽を着こむ。 まぁ少し肌寒かったから丁度良いか。 昨日走ったはずの道だが、反対側の車線からだと風景が違う。 寂れた漁村ではあるが、より海岸線に近いので浜の様子がよく見える。 ゴツゴツした岩が多いようだ。 そしてやはり昨日走行した「はまなすベイライン」をアップダウンしながら走ると、岩手ナンバーの元気がよい真っ赤なワゴンRが走行している。

センスの良いベタベタ車高に耳障りの良いマフラー。 いい感じで手が入っている。 前方に遅い一般車両が入っているので法定速度以下で走っている。 センターラインは白線なので、ワゴンRが合法的に追い越しをかけたのに続き、私も数台を抜いた。

驚いたのは、その加速。 こっちは単車、それも800もある単車なので車の加速如きには楽勝と思っていたが、なんとトップギヤから変えずに加速したのでは徐々に離される始末。 こんな性能に仕上げているとは思いもしなかったので一層驚いた。 ワゴンRの走行ペースは素晴らしいので、付かず離れずで後追いさせていただく。 

暫く良い感じで走っていると、再び遅い集団。 追い越す際に親指をグッと上を向けて挨拶。 此処は先に行かせていただく。 と、暫くしたら後ろから赤いワゴンR。 どうやら彼もどこかで遅い集団を追い越して来たらしい。 彼を先に行かせて再びランデブー。 こういうのは良いよね。 雨が降っているが気持よく走れた。

どこかの街中に入り、車が多くなったので再び前へ行かせて頂いた。 ありがとう、ワゴンR。 この辺りの人はペースの早い人と遅い人が両極端。 早い人は法定速度+α+β+γで、遅い人は法定速度以下。 私の単車でもトップギヤに入れられない速度は辛い。

十和田の町から十和田湖を目指し始めると、先ほどまでの弱い雨から、本格的な雨に変わった。 防水型の筈の安全靴にも雨が入って中に溜まってきた。 非常に心地悪いし寒い。 道路脇に表示されている温度計によると気温17度とか。 楓類など少し色づき始めているし、初秋の雰囲気だ。

嫌になりかけた頃、漸く十和田湖に到着。 すると湖の辺りは雨雲がかかっていない。 どうやら、山の東側と北側だけ雨らしい。 十和田湖に東側から登っていく道は素晴らしかった。 川が路面に近く、その清流は素晴らしい。 残念ながら天候が悪くて止める気に成らなかったが、今思えば、もっと停車して写真を撮っておくべきだった。

鬱蒼とした森のなかに続く道、十和田湖の辺りは概ねそんな感じだ。 雨が降っていないだけで幸せな気分になる。

次に目指すのは田沢湖。 日本で一番深い湖らしい。 私は秋田県も足を踏み入れたことのない所。 なのでどうしても秋田県には立ち寄りたかった。 アスピーテラインというのもオススメらしいのだが、少し走ったらガソリン警告ランプが点灯し、残り3リッターということで田沢湖までギリギリの残量。 秋田八幡平スキー場でUターン。 国道341号に戻った。

うむ、景色が良い所だと聞いていたので残念だが仕方ない。 今日は曇りだし、次回、天気の良い時に必ず通り抜けよう。 

先を進むと完全に晴天となった。 暖かくなり心地よい。 夏に暖かくなりという表現も変だが、此の時はそう思った。 東北の夏、山間部の冷えをナメていたな。 路肩に単車を停め、暫し雄大な景色に浸った。

山道をクネクネと曲がっていたら、突然、眼前が開けた。 スケールの大きい景色だ。 
この雄大な景色を好まない人は居ないだろう。

田沢湖、ついてみると素っ気なかった。 たつこの像とやらが有名らしいが、やはり私は人が多い所は駄目だ。 なんだか気分が乗らずに行かなかった。 だが、天気はまずまず。 それだけで嬉しい。 しかし、持ってきた服を全て重ね着して丁度良いのには参った。 しかもジャケット以外は全て風通しの良い服ばかり。 まぁ、最悪の時は合羽を着こめばよいのだが。

田沢湖を西に下り、さて、どのルートで仙台を目指そうかと思っていた時、路肩に農家のそば屋という看板が見えた。 時刻は12時少し前だが営業中らしい。 少し行ったところでUターン。

素朴な感じの佇まいの店に入ろうとしたが入口がわからない。 外に切り出した丸太で作った椅子とテーブルが有る。 その場所へ行ってみると、どうやら反対側に入口があるらしい。 これは完全に店は後から作った感じだ。 元々は単なる農家の居間だったと思われる場所を簡易的に店にしたようだ。 こういう所は少し期待できる。

これまた素朴な感じの店主が出てきて「いらっしゃいませ」とだけ言った。 私がオススメはなんですかと聞くと、「ぶっかけ」がオススメという。

それをお願いして暫し、出てきたのは田舎そばだったが、歯ごたえも香りも強くて新鮮な感じ、私は好きだね。

この「農家のそば屋」、一助でググったら直ぐに出てきた。 やはり皆さん、おすすめのぶっかけを頼んでいるらしい。 それはそうと、ここの店主のお父さんに当たる人かな、私のW800を興味津々の目で見ており、私が食べ終わるとすぐに私の所へ来て「これはダブワンに似てるけど650なのか」、と。

「これは嘗てのダブワンの復刻版でW800と云います」と言うと、「そうか800なのか、ちょっとエンジンかけてくれないか。 昔ダブワンにのっててのぅ、懐かしいわ。」...みたいなことを地元の言葉で仰っていました、たぶん。

そして、エンジンを掛けると、「うーん、いい感じだけど迫力がダブワンほどは無いな」と。 それで満足したようで、味のある甚兵衛を着てフーガでお出掛けされた。 実はこの時、中音量マフラーに加工しており、私自身も少し物足りないなと思っていた次第で、やはり、スタンダードに戻すべきだと確信した瞬間だった。


それから暫し淡々と走り、横手市のあたりで再びシャコタンの黒いセルシオ。 信号から急加速したかと思うと、ユックリと走り始めたので、ウインカー出して追い越そうとするとブロック。 なんなんだよ全く。 訳がわからん。

次の信号で斜めに止まったと思うと、フルスモークの窓が開き、「・・・・・・・ねーぞっ」、...あの、なんて言ったかわからないんですけど。 ヘルメットに手をあて「なんですか?」というゼスチャー。 すると、「調子に乗ってんじゃねーぞ」ということらしい。 黒いシャコタンのセルシオってロクなの居ないな。

ツーリングライダーが余程嫌いなのか、バーチカルツインの音が嫌いなのか知らないけど、私は黒いセルシオから嫌われているらしい。 因みにそのセルシオ、パチンコ屋に入って行ってしまった。

なんだか益々気が乗らなくなったので、まっすぐに仙台を目指すことにし、国道398で南下。 すると明らかに天候が怪しくなり
ポツリポツリからザーザーに。 靴の中は完全に浸水し気持ち悪い。 一刻も早く到着したい気持ちだけに成ってしまい、国道4号に出た時はホッとした。 15時頃に仙台の友人宅にズブ濡れで到着。 本日の走行10時間、530キロ。


最終日、2時頃に大雨の音で目が覚め、レーダーをチェックすると確かに大雨。 まだ出るのには早いと2度寝。 いつもの4時に起きて排泄を済ませつつレーダーチェック。 どうやら今なら雨に合わずに行けそうだ。 そのためには福島まで1時間で抜けなければ
次の雨雲に捕まる。

が、甘かった。 5時過ぎに仙台を出て、南下したのだがペースが上がらない。 またもやポツリポツリと降ってきて、福島県に入る頃にはザーザー降り。 またもや靴の中はズブ濡れで心が折れた。 朝食も取らずに淡々と走り、今日は燃費狙いで法定速度+α。 おそらく、リッター30キロは走っていると思うが、もっとペースを上げて時間短縮をすればよかったが後の祭り。 福島県内はほぼ雨に祟られた。

栃木に入ると雨はやんでくれたが気温が低い。 こんな涼しい夏は久しぶり。 というか、私が単車に乗る時に限って涼しくなくても。 すると、またしても出ましたシャコタンの黒いセルシオ。 2度あることは3度ある。 またしても速度を上げたり下げたり、威嚇的な走行ではないけど不審な動き。

前に車を1台入れて様子を見ていたが、前車が曲がっていってしまったので背後についてしまった。 センターラインが黄色いので追い越しが出来ない。 信号で前に出るか迷ったが辞めておいた。 これは辛い。 すると、このセルシオはホームセンターへ入っていった。 追い越し際に車の中を見ると、ケバい女性だった。 黒いシャコタンセルシオには近づかないに限る。

栃木からは東京ルール、バイクはみんな左側から信号で先頭に立つ。 しかも国道4号のバイパスは+α+β+γなんて当たり前。 高速道路かと思うようなペースで皆が走っている。 途中でパトカーが居たが、それでも75キロ程度で周囲とともに走っている。 法定速度+15キロまでは黙認なのか?

そんなハイペースなのに、10時頃になると睡魔がやって来た。 腹も減っていたのでラーメンを食べて睡魔を追い払い、淡々と走って練馬まで。 

総行程1765キロ。 平均燃費27キロ。

 

■あゝ野麦峠

若い頃から興味のあった野麦峠、今回は其処に行ってみることにした。

ネットで調べると映画の「あゝ野麦峠」ばかりがヒットし、肝心の峠の状況や景色は今ひとつ良く解らない。 ま、とにかく行ってみよう。 とは言っても片道300キロ弱。 往復で580キロあるのでチョット其処までという訳にはいかない。 だが、新しい相棒は長距離が得意でライダーの疲労度は少ない。 勿論、其れが沖縄の試乗で解ったから購入したのだけど。

概ね500キロ程度の一般道日帰りツーリングならば12時間という感じ。 尤も道の状態が良くなかったり渋滞が多かったり、曲がりくねっていたりすると時間は加算しなければならない。 だが、車ではこうは行かない。 よほど早朝に出て、というか前夜に出て、夜明け頃には現地着で、朝食食べたら帰ってくるというパターンでないと少なくとも関東圏では無理だろう。

そんなことも有り、私はバイクで一般道を使って旅に出る。 基本的に高速道路は最低限しか使用しない。 気に入った所があれば邪魔に成らない様に考えて路肩に止められるし、通常の道幅であればUターンも気軽にできる。 欠点は悪天候と気温の変化に弱いこと、眠くなった時に横になれないこと。 荷物が多く詰めないことなどだろうか。 特に私は雨男で....

今回はロングツーリングではないのでイツモの4時起き。 ガソリンは前日に満タンにしておいた。 さて、出発だ。 だがマフラーを爆音仕様に戻したので、大通りまで息を切らしながら押していく。 いつもながら私の荷物は多い。 リヤシートに括りつけたツーリングバッグがパンパンだ。 使いたくないカッパ上下とレイングローブ、そして折りたたみの長靴も入っており、これらだけで2/3は容量を使いきっているような気がする。

今回のルートは何度も通っているので面白みがない。 特に諏訪湖あたりまでは単調で景色も良くない。 かと言って国道4号のように走りやすいわけでもなく、出来れば選択したくないルートだ。 ルート的には松本からの国道158が景色が良いので好きだ。 しかし此処は上高地や高山市へのルートとして有名すぎるのでバスが多い。 上手く時間帯を選べば気持ちが良いが相当早起きしないと無理だろう。

と、少し楽しみにしていたルートなのだが向かう先の空は雨雲で覆われている。 私と同様、このルートを楽しみにしていたライダーは多いようで、バイクを見る頻度が高くなった。

前を走るZX10R、パワーは150馬力。 私のより100馬力も多い。 後ろから見るとノーマルの極太マフラーが物凄い威圧感を出している。 しかし20キロほど軽いせいか、タイトなコーナーをヒラリヒラリと進んでいく。 後ろをついていくと、着かれるのが嫌なようで激しくペースアップ。 綺麗に曲がっていくが軽さだけではないな、これは腕の差だ。 とても着いて行けないペースに成ったので速度を落とすと、遂にポツリと来た。

野麦峠へは途中のトンネル内で分岐する、とても珍しい構造の道だ。 ズブ濡れのトンネルを進んで外へ出ると霧が濃い。 シールドが雨粒で覆われて視界が悪い。 ウェアも濡れてきたので路肩に止めて合羽を着る。 今回もカッパ着用か。 霧が多くて視界が悪く景色が楽しめない。

道も徐々に狭くなりセンターラインが無くなった。 苦手なタイトターンも多くなり、モチベーションも大きく下がった11時頃に到着。 6時間半か。

空は真っ白で雲の中にいるようだ。 気温は19度。 合羽を含む持ってきたもの全てを着込んで何とか寒さは凌げている。 バイクは雨でドロドロ。 写真を撮る気分ではないが証拠にパチリ。

走行中に飽きないよう、ヘルメットの中に仕込んだスピーカーからネットの音楽を流し続けているのだが、此処は電波が入らない×がスマホに表示されているのに何故か音楽は流れている。 ナビの方は予めルートを読み込んでいるのか、GPSで拾った位置情報は表示され曲がる所も案内してくれる。 因みに使用しているアプリはヤフーのカーナビ。 これはオービスの位置も記録されていて通知してくれる優れもの。

知らない街を走るのには適していると思うが、些かルート選択には疑問。 遠回りのルートを選択したり、旧道を走らせたりする事がある。 予めルートの確認はしておくべきだろう。 私はグーグルマップと比較し、ルートの修正をして保管している。 そうそう、ヤフーのカーナビはルートを保管できるのだ。

グーグルマップのは最新版は知らないが、私のバージョンでは保管できない。 ルート選択はグーグルのほうが優れているのだが仕方ない。 何れにしても便利な世の中に成ったものだ。 Bluetoothとヘルメット組込みスピーカー、スマホナビでツーリングが変わった。

帰りのルートは木曽街道、国道361を選択。 野麦街道は楽しくないのでね。 岐阜県から長野県に入った辺りで天候が回復。
路肩にコスモスが沢山揺れている。 少し気分が良くなったのでパチリ。

木曽町には蕎麦屋の看板が多く有るが、どれも観光客向けで入る気にならない。 検索して探せば良いところも有るとは思うが。 

もう何度も書いたがW800の低速トルクは逞しい。 流石に低速コーナーで40キロ程度の速度ではギヤを落とさねばならないが
たいていのコーナーはギヤを変えずに太いトルクでギヤを変えずに走ってくれる。 クラッチ操作を軽減できるのもツーリングで疲れない要素の1つだろう。 もう少しシートの幅と厚みが有れば言うことなしなのだが、足つき性を優先したらしい。

伊那市からは国道152を選択したが、これは気持ちが良かった。 ツーリングライダーたちも多く、対向車線から何度も手を振ってもらった。 雨の時はアレ、元気が出るね。

 

 今月の整備記録

   消耗品交換パーツリスト(エクセルデータ)
    http://enthusiast.eos111.com/ELISE phase1 PartsList.xls
エリーゼ なし
   
KAWASAKI W800 エンジンオイル&エレメント 1,200km タクマイン匠10W-40、ユニオンMC-560
  4,200km タクマイン匠10W-40、ユニオンMC-560
   

■ ベストラップタイムの記録
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分3秒599(2015.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 レーシングコース
2分02秒674(2015.05 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分13秒482(2014.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 AD08R
 ナイトロンダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
 GTウイング
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分34秒157(2010.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
スポーツランド菅生 1分44秒200(2011.07 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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