となると私は特段他の趣味は持ち合わせていないので、バイクに乗るか明るい内から飲酒して廃人のような時を過ごしてしまう。
酒を飲むよりは外に出た方が良いだろうということで、まずは林道へと出掛けたのだが、今までの定番ルートでは面白くない。 かといって、あまりに過酷なルートは私の腕が伴わない。
何時ものルートから少し脇道に逸れるとこんな所に出くわした。 超えていこうかとも思ったが、行き止まりで戻ってくることになる事を考えたら挫折した。 この日は全く乗れていなかったのもあってスゴスゴと退散。
去年も敢行した弾丸ツアーを今夏も計画。 計画と行っても行き先は決めない。 ただ単に下道を淡々と走り、行けるところまで行く。 季節は夏だしバイクにシュラフでも積んでツーリングと行きたかったが、生憎と海の日の3連休の関東地方は雨模様。
今年は私が一度も訪れたことのない能登半島を目指す。 石川県には足を入れたことすらない。 そんな事で深夜0時半に自宅を出発。 旅のお供は何の変哲もないノーマル初期型フィット1300ccだ。
先ずは西東京から南下して国道20号に出る。 やはりトラックが多い。 高速を使わずに空いている深夜の下道を疾走するらしい。 景気が良くなったと言う話がない訳でもないが、やはり皆が良い思いをしている訳ではない事を実感。 尤も私も同類だが。
バイパスを制限速度+α+β+γ程度で疾走するトラック達と共に私も後を付いていくが、八王子辺りで大きな雨粒が落ちて来た。 やはり車で正解。
7月ではあるが、深夜の山沿いは十分に涼しい。 エアコンなど無しで窓を開けて走っていたが、雨が入らない程度に閉めても山沿いなら行ける。
ラブホテル街の現れる昔ながらの20号辺りに来た。 流石に殆ど制限速度までペースが落ちた。 彼らの車ではハイペースで県境の峠を走り抜ける訳には行かない。
と、そんなことを思って居るとFD3SやS15などが屯している懐かしい光景に遭遇。 そうか、まだこういうヤツラは絶滅したのではないのか。 ちょっと嬉しくなった。
前を塞いでいたトラックが前へ行けと合図を出した。 勿論御厚意に甘えてイエローラインを跨ぎつつ追い抜かせていただく。 ちょうど肥料の臭いなのか、とんでもない悪臭が鼻をつく箇所の辺りだ。
暫くすると私の後ろに「走り屋もどき」の車が来たので今度は私が合図をして先に行かせる。 勿論追走。 さて、何処までついて行けるか。 初期型フィットの足、割とよく粘ってくれて懐が深い。 勿論ノーマルの足なので深いロールと少し遅い挙動を見越して操ってやる必要はあるが、これはこれで中々楽しい。
ペースが上がると段々とブレーキが怪しくなってきた。 それと共にフェードしている臭いが漂い始めた。 排熱など殆ど考えられていないテッチンホイールなので仕方有るまい。 前を走る車は相模湖インターへ上がって行ってしまったのでペースダウンしてブレーキを冷やす。
自宅を出て1時間ほどが過ぎただろうか。 50キロ程走った。 割と良いペースだ。 これなら休憩を入れても朝方には白川郷にはつくだろう。 そこで朝食と洒落込もうか。 などと考えながら淡々と山梨県の20号線を突き進む。
フィットはメーター内に簡易燃費計がついているのだが、大体18キロ程度を示している。 ペースの割には悪くない。 殆ど信号に引っかからずストレートもコーナーも一定速度で走っているからか。
やがて諏訪湖畔に来たが、真っ暗で何も見えない。 そのまま進み塩尻へ到着。 トイレに行く序でにコンビニで飲み物を購入。 車を降りると外気温は20度を下回っており、涼しいを超えて寒かった。 バイク出来ていたら後悔していたに違いない。
塩尻からは上高地を目指す。 当然の如く山道だが、割と良い感じの道で走りやすい。 数時間したら観光渋滞で大変なことになるだろうが。 しかしこんな時間に観光バスが何台も走っていたのには驚いた。 安全な所で全て抜かさせて戴いたが。
安房峠を越えたところにあるパーキングで少し休憩。 様々なナンバーの車が止まっており、夜明けを待っているようだった。 睡魔が襲ってきたが、30分ほど仮眠が取れて眼がパッチリ。 さて、飛騨高山へ向かおう。
飛騨高山から白川郷への国道360号、途中から本当に国道なのかと思わせる狭さで驚いた。 もし対向車が来たらどうにもならない。 そしていつしか本気の雨。 一番ハイスピードでワイパーを動かしても辛いほどの雨。 車内が曇ってきたので仕方なくエアコンを入れるがパワーがガタ落ち。 1300では急坂がキツイ、非力な250のスクーターよりはマシだが。 そんな道を延々と走ったが、ここ、帰りは通りたくないな。
8時前頃に白川郷着。 大体予定通りだが朝食を摂るところがないのは想定外だ。 コンビニぐらいはあるかと思って居た。
白川郷に雨は似合う、風情があって良いではないか。
車を降りて傘をさし、人の居ない村を少し散策。
さて、能登半島を目指そう。 朝食は抜きにして昼に地魚の寿司を食べたくなった。 氷見か七尾のどちらが良いかと呟いたら、何人かが七尾が良いと言うので其処を目的地とする。
白川郷ではないが途中で此方も合掌造りの集落があった。 朝靄がよく似合うが、なんだかミニチュア模型のようだ。
そして漸く富山県の氷見に到着。 ここまで全て下道だが、まだ11時少し前。 良いペースだ。
腹は減ったが寿司屋は未だ開店前。 やはり七尾を目指そう。 それにしても天気の変化が目まぐるしい。 降ったり止んだりだけでなく、晴れ間も覗く。
日本海は太平洋とは色が違う気がする。 少し鉛色が入っているような。 私はこの海の色が好きだ。
漸くありつけた念願の寿司は大満足。 ブリは寒ブリが最高だというが私には十分に美味しかった。 光り物もお薦めを聞いて握って貰ったが、どれも甘くて美味。 エンガワを生姜醤油で食べたのは初めてだったが、私は山葵醤油の方が好きだな。
時刻は1時。 さて、どうしようか。 先端まで行って車中泊? 天候がイマイチなのと、海沿いの道路は海面が近く少し恐怖心が出てしまったので一気に帰ることにした。
目標は明るい内に帰宅すること。
帰路は富山市内から高速に入り、上越廻りで午後7時前には丁度1000キロ走破で帰宅。 1日で1000キロ走行、ちょっと癖になるかも。 毎年夏の恒例行事にしても良い。 今度は行ったことのない秋田県と青森県を目指そうか。
ミラーレスの一眼レフを衝動買いした。 物はニコン1 J2ダブルズームキット。 今までとアスペクト比が違うので少し違和感があるが、今後はこのアスペクト比が主流なのだろう。
早速撮ってみたが、マダマダ生かし切れないのでボチボチ行くつもり。