開幕戦ではリアディフューザーなるものをエリパーから通販でポチッ。 が、これが酷い工作でポン付けできない代物。 周囲から英国のキット物は加工が必須だよとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
英国からの送料が1万もするのだが、往復送料だけで購入出来てしまう価格なだけに諦め、少し加工して装着したのは前号で書いたとおり。 だが、懲りずにフロントのチンスポイラー(彼方のサイトではスプリッターと表記)なるものを1週間後にポチッ。
あのとき一緒に発注していれば送料1万浮いたのに、短気は損気とは正に私に向けた言葉だな。
そのディフューザーだが、ドライの某所でテストしてみたところリアのダウンフォースというかトラクションが増えたのを確認出来た。 オシリが引っ張られる感じが強い。 そしてその結果は当然ながらアンダーステアが強くなった。
開幕戦では205サイズのリヤタイヤしか購入に選択肢がなかったことから、リアのトラクションアップのために付け焼き刃的に装着したのだが、これはこれで面白いかも知れないような気がしてきた。
そしてリアタイヤの225/45−16サイズAD08Rが発売されたのに伴い、フロントのダウンフォースを強くし、かねてよりの懸念事項であるアンダーステア対策になれば良いなと考えた訳だ。
私の車両にはフロントカウル下部に空冷のオイルクーラーを装着しているのはご存知だと思うが、その排熱口としてカウル下部に開口部を開けている。 この加工をしてからアンダーステアが強くなっていたのだ。
この僅かな開口部でアンダーステアが産まれるほど下面には負圧が起きていると言う事で、それによってオイルクーラーの熱気は見事に外部へと引きずり出されて冷却性能に文句は無い。 しかし空力というのは微妙なもので、この開口部のためにアンダーステアが解消出来ないで居たのだ。
解消手段としてラジエターとオイルクーラーをドッキングさせたラジエターを特注製作しアンダーパネルの開口部を塞ごうという構想は以前から持っているのだが、誰も行っていないし10番のオイルラインに必要なコアを確保するのが思ったより難しく、圧損を無くすとラジエターの容量が足りなくなりそうだ。 コアを増やしたいがそれもスペース的に難しい。
何れはやりたいと思っているが、それよりも先にやらねばならないことが次々に降り注いでくるため実現までには時間が掛かりそうだ。 誰も行っていないと言う事は問題が多いのかも知れない。 だが油温に水温が引っ張られると...まぁ妄想は程々にしておこう。
最近のレーシングマシンやサーキットでトップタイムを叩き出している車両を見ると、フロントスポイラーの下部にカーボンやアルミ、若しくは合板などでスプリッターと呼ばれる物を装着しているのがデフォルト。 エクシージなどでは純正でもスプリッター状のものが装着されているので、その効能は既に確立された物だと認識している。
ところで英国で開催されているロータストロフィーというレース、この車の故郷である彼方の国でもエリーゼのレースは人気があるようで、エリーゼショップやエリーゼパーツなどでは参戦者用に安価なパーツが今でも売られており空力パーツも僅かながら存在している。
となればそれを装着しない手はないではないか。 YouTubeで見る限りではスタンダード車両には装着率が高くないが、上のクラスになればなるほど装着率は上がっているように見える。(レギュレーションなどを詳しく見た訳ではないので縛りは不明)
ところが日本では殆ど見た事無い。 辛うじて見つけた人のブログ情報によると、その製作精度は酷く手を焼いているようだったが、その装着後の効率までは書かれていないようだった。
ならばやってみよう。 というのが単純な私の思考回路。 エリパーで売られているのはチンスポイラーだが、これにスプリッターを装着すればダウンフォースは得られるはず。
幸いにしてスプリッターの素材は奥多摩散歩で知り合ったFD乗りの看板屋さんから入手。 彼や彼の仲間によると、富士スピードウェイを250キロ程度で走っても問題なかったという。 しかもその効力は絶大だったと言うから期待が持てる。
これは試作品1号。
75ミリほど出っ歯にしてみたのだが、流石にこれはやり過ぎたようで下品極まりない。 と、コッソリと主治医とともに作業をしていたら33号車登場。 なんて鼻がきくヤツだ。 極秘作業が一気に明るみに。 レース当日に驚かして焦りを誘うつもりだったのだが、どうやら私は姑息なことが出来ないらしい。
出を30ミリにしようかと思ったが、どうも根が貧乏性なので50ミリまで削って見た。
これで自宅から富士スピードウェイに向かったのだが、街乗りの法定速度60キロでも効果かが体感出来る。 明らかにステアリングが重く、フロントのトラクションが増えている。 これには驚いた。 こんなにも効く物なのかと。
この画像で少し見えているが、チンスポにリベットでアングルを留めて、純正カウルとはボルトで留めている。 下面留めだけでは激しい風圧が掛かる状態に耐えられそうになかったからだ。 とりあえず3点留めとしているが、これで富士の最高速(220キロ程度)には耐えられた事を報告しておく。
しかしこの状態ではガソリンスタンドも選ばないと入れないし、道路に段差があるとヒヤヒヤする。 実際の所、富士スピードウェイの東ゲート入口にある路面の畝りで摺ってしまったし、ゲート直後にある排水溝の段差にも摺ってしまった。 そして主治医の所から出るときもザリザリと摺った。
幸いなことにサーキット走行時には摺らなかったので助かったが、その効き目には驚いた。 こんなにも効くとは思って居なかったのが本音だ。
コーナーへのアプローチで今まで通りブレーキングで荷重を残しながら進入すると荷重が掛かりすぎる。 その結果がリヤ荷重の抜け。 つまりオーバーステアだ。 ブレーキングの具合を緩めたり調整してみたが、するとストッピングパワーが取り無くなったり進入スピードが遅すぎたりでタイムが向上する気配がない。
これだけ激しいトラクションに釣り合わせるためにはリヤにGTウィングが必要だ。 しかし、今でもドラッグが増えて加速性能が劣っているのに更にドラッグを増やすのはタイム的にどうなのだろうか。 第一に私の主義に反する姿への抵抗がある。
ということで、ダウンフォースが得られることは解ったがスプリッターは取り外すことにしたが、空力というのは非常に有効であることは明確になった。 兎にも角にもタイム向上が命という方にはお薦めしたいが、リヤとのバランスが難しいのと、高速コーナーで発生する激しいダウンフォースはタイトコーナーでは使えないことを頭に入れておくように。
習うより慣れろで走り込みをして体で覚えるしか無いと思うが、今まで通りのアプローチではポンとタイム向上するものでは無さそうだ。 だが、これを味方にすれば強力な味方になることは間違いない。
・111cupの写真
何枚か素晴らしい画像を戴いたので貼り付けておこうと思う。
タイヤを新調したので恒例の車高調整。 私の好みはフロント5ミリ下がりなのだが空気圧を温間時に合わせて計測。
スタートで大失敗し4台に抜かれ、セカンドグループに埋もれてしまう姿が恥ずかしい。 スタート直後の混乱が少なくて安全なローリングスタートは...言う迄もなく却下だな。
・クラッチプラケット
スタートの際にクラッチのミートポイントが安定していない事に気付き、サーキットからの帰路でもシフトチェンジ後の動力伝達に違和感があった。 気に成ったのでレース後に主治医にクラッチを踏んでレリーズの動きを見て貰うと、ブラケットが変な動きをするというので外して見た。
とほほ。 これが原因だったか。
いつから劣化していたか解らないが、溶接して強化した部分が見事に破断している。 完全に破断するまであと僅か。 路上で不動車にならず良かったが、もっと早く気づかなければ駄目だ。 因みに私のは3年で駄目になったようだ。
ここはローバーエンジンエリーゼのウィークポイント。 激しく走らなくても痛むので、貴殿も年に一度は点検すべし。 それと、フルードの交換も年に一度は実施すべし。 エンジンの熱でパッキンが痛むのだ。 痛んだパッキンに同じフルードが動くとシリンダー内部の摩耗が進む。