例によってテルテル坊主に願いを掛け、雨樋を付けた「雨天仕様」で筑波へ向かうが、サーキット手前の深い水溜まりに勢いよく進入してしまったらフロント左の泥よけがモゲてしまった。 そう、其程に強い雨脚なのだ。
サーキットに到着するとゲートが開いていたのでパドックの指定位置に車を駐めた。 外は雨なので、コンビニで購入した弁当を一人ポツンと車の中で食べていると車のガラスは直ぐに曇って真っ白に。
雨は大嫌い、憂鬱。
スタッフが準備を開始したが雨脚は変わらず。 もう何度もスマホでチェックしている雨雲レーターを再びチェック。 台風の影響か、通常は西から東へと流れてくる雨雲が、今日は東から西へと流れている。
少し肌寒い。 一旦は車外に出ていたが寒いので車の中で待つことにしよう。 6時半頃になって漸く仲間がゲートから入場してきて賑やかになった。
弄る人・弄られる人、いつもながら正に和気藹々。 冗談を交えながらも目は真剣にライバルの車を備にチェックする人。 ふふふ、私はこの時間が大好きだ。
そんな楽しい時間を過ごしていたら、少し雨脚が収まってきた。 路面も所々少し乾き始めてハーフウェットだ。 もう何度チェックしたか解らない雨雲レーダーによると、雨雲の固まりは少し外れてくれそうな気配。
こうなるとエントラント達が動き出す。 そう、雨用の空気圧からハーフウェット用の空気圧に下げるのだ。 或る者は減衰まで弄りだしたようだ。
私はどうしようか、さすがに冷間2キロは高すぎだろう。 悩みつつも1.8に下げてみた。
此処で誘導員からピットレーンへ並べと指示。
■予選
例によって1番乗りの特権でコースインは先頭。 レーン末の信号が変わるのを待つ。 が、ここで突然の豪雨。 もうフルハーネスを締め付けているので助手席の窓に手が届かない。
そう、其方側の窓を全開にしていたのだ。 容赦なく雨が入って来ているので閉めないと。 このまま走り出してしまったら車内は水浸しになってしまう。
その時、近くに主治医が居るのが見えた。 気づいて貰うためにホーンを鳴らして手を挙げる。 良かった、気づいてくれた。
完全に閉めてしまうと暑くて敵わないので8分ほどに調整して貰った。
豪雨からは少し雨脚が弱まったところでシグナルが変わってコースイン。
タイヤの空気圧を抜いたのは裏目に出てしまった。 ワイパーを最強にして恐る恐る操作するが、やはりグリップ感が乏しい。 腫れ物に触るように慎重に、慎重に。
ダンロップ下と80Rが特に滑るようだ。 この2箇所とも動画で見て戴くと解り易いが、路面改修の際に部分的に補修されているのだが見事にグリップしない。 NIPPOさんが元々舗装していたと記憶しているが、補修部分もサーキット用の特殊舗装にしているのだろうか。
ダンロップ下は明らかに凸凹しているし部分的に水溜まりもある。 80Rは特に酷くて水捌けが悪くて鏡面のようにツルツルだ。 この辺りでステアリング操作とアクセル操作を誤ると、エリーゼのような軽量車は簡単にトラクションを失ってスピンする。
両箇所ともヨーが残っている所で、アクセルは全開にしたいところなので質が悪い。 更に悪いことに80Rは出口部分に段差が生じてしまっているので、足が決まっていない私のような車だと簡単に横っ飛びしてしまう。
今日のようなコンディションでは赤旗中断も十分にあり得るので、路面状況が良くなる時を見計らってとかクリアラップを狙ってなどと悠長なことは考えない。 幸いにして先頭でコースインしているので今のところは視界良好だ。
が、視界良好なのは最初の2周だけだった。 皆さん慎重に走っているのか、クリアラップを探しているのかのどちらからしい。 鶏のような思考力しかない私は前進するのみ。 余計なことは考えずに、体が感じたインフォメーションを頼りに操作する。
いつもなら引き上げてしまうこともある5周ほどが経った。 いつだったか、同じく雨でも更に劣悪な環境だった時に比較すると少しはマシな路面状況に感じる。 タイヤのグリップ感も少し出てきた。 そうか、雨脚が鈍って路面コンディションが上がったのか。
スマホに表示されるGPSLapsのラップタイムも少しずつ上がってきている。 メインポスト横のタワーに表示される順位、私の番号は有るがクリアラップが取れない周回では下に沈んでしまう。 最後まで走って路面状況の向上に合わせ、少しずつラップタイムを詰めないと駄目だ。
そして路面コンディションの上がった最終周、上手いことにクリアラップが取れて全体のポールポジションを取れた。 これは幸運だった。
■決勝
天候は相変わらず目まぐるしく変化している。 レーダーも見たが雨雲が点在していて流れを読めない。 路面はウェットでタイヤの空気圧設定に悩む。
路面状況は好転しないと目論んで予選のままコースイン。 が、それはフォーメーションラップで失敗だった事を実感。 路面の所々が乾き始めている。 やはり夏の路面は少しでも雨が止めば気温によって好転するようだ。
苦手なスタートをなんとかこなして路面コンディションが悪い内に後続を引き離して先行逃げ切りが出来れば勝機が有るが、この状況では厳しそうだ。 グリッドに着くと、正面には青空が見えてきた。 くそっ。
スタートは例によって大失敗。 2番手の11号車のノーズが1コーナー入り口で横に見えたが、根性でイン側をキープしてアクセル全開。
2周目、少し後続が離れてきた。 11号車の後ろに戦闘意思がメラメラと燃えている33号車が見えているので、このまま先行逃げ切りとしたい。
最初の3周は路面コンディションがウェット気味だったので、高めの空気圧で出走してしまった私に分があり、思ったよりも後続を引き離せたが...
4周目、1コーナーで痛恨のブレーキングミス。 ロックさせて大アンダー。
下手な考え休むに似たり。 ドライなところでは既にタイヤの空気圧が悪さを始めたか。 いや違う、これは単に私が下手なだけ。
これでスタートダッシュのアドバンテージは吹飛んでしまい、バックミラーの中で小さく写っていた後方の11号車が大きく写し出される。
レコードラインは殆どドライだ。
アンダー出しまくりというか、私の拙い腕によって進入で向きを変えることが出来ない1コーナーで後方から煽られる。 これでは青旗を出されても文句は言えない。
後方からこれだけの勢いでこられたら譲るしかない。
となると次の展開は33号車。
やはりこうなる訳で。
と思って居たら最終コーナーで周回遅れに引っかかってしまい、立上りの加速が思うように行かなくなってダンゴ状態で1コーナーへ。
格好悪い大名行列を暫し作ってしまった挙げ句、44号車に1コーナーでパスされ、バックストレートでは37号車に進路を譲って総合4番手。 場内放送でお姉さんがどのように喋っていたか知らないが、一時はトップを快走していたのにズルズルと後退する様は惨め極まりない。
そして、ヤハリこうなる訳で。 最後に至っては全くラップのペースが上がらず、あと1周有ったら確実に33号車にパスされたかと。
最近はダンロップのディレッツァZ2で走っていたからか、それとも元々のセッティングが間違っているのか、私の車はいつもアンダー気味だが今回は特にアンダーが強く、路面がウェットからドライに成るにつれ酷い状況になっていた。
尤も、フロントタイヤの空気圧を抜いて撓ませたり、キャンバーを少し立てればグリップするような気もするので、次回までに少し考えようと思う。
■ボディカバー
私はラッパーズというショップのボディカバーを愛用しているが、実はコレ、ロードスター時代の物だから優に15年は経っている。 でも、持っているのはビニールを被せているから。
ビニールと書いたが、ついこの前までは土間コンクリート下に敷く通称土間シート、ポリエチレンシートt0.15mmという代物。 これはその上にコンクリートを打設して紫外線には当たらなくなるので長年に渡って使用出来るが、紫外線に当たるといとも簡単に劣化して破損してしまう。
大凡2年といったところだろうか。 現場から戴いて来た土間シートのロールも在庫が無くなり、いま担当している現場の竹中工務店さんからかフジタさんのどちらかから戴こうかと画策していたが、竹中さんの現場はコンクリート工事は終わってしまったし、フジタさんの工事のコンクリート打設は11月。
ということでセコイ考えをしていたが、今回は自腹で購入することにした。 自腹で購入するなら耐久性の高い物を仕入れたい。 ということで調べてみた。 やはり農業用のビニールハウスに使用する物が耐久性が高い。 が価格も高い。
一巻き購入する方が遙かにお買い得だが、次にいつ使うか解らない(と信じたい)ので割高だが通販で5mだけ切り売りしているところを見つけたので発注してみた。 ものはMKVドリーム株式会社のME-459という品。 厚さ0.15mm
長さ100m 幅230cmで¥64,160もする代物だ。
今までのポリエチレンシートと違って重たい重たい。 でも、耐久性が良いはずなので期待している。 そうそう、私のように青空駐車をしている場合、ラッパーズやアルカディアのカバーの最高級品を奢っても精々1年しか防水機能は維持出来ないので、裏地が優しいタイプを購入して、表はこのようにビニールを被せて養生テープで貼り付けてしまう方が確実。
これはお薦め出来るので是非実施して欲しい。 我々の車には雨漏りは標準装備なのだが、この手法を取れば確実に雨は防げる。 一つ注意点。 全部をカバーしてくるんでしまうと湿気が抜けないので幅は少し短めをお薦めする。 私は2.3m幅を愛用しているが、もう少し広くても良い。
■KUMHO V700
ラジアルタイヤ最強との呼び声が聞こえるタイヤを試したくなった。 冬に鈴鹿で開催される走行会にも申込んだが、それにはコレで走ろうかと思って居る。 そのタイヤとは貴兄は既にご存知だと思うがKUMHOのV700だ。
やけに角張ったタイヤだが、その分トレッド面は広い。 特にダンロップと比べると確実に1サイズアップかと思うようなヤル気満々な面構えだ。
だが画像で見ても解るように浅溝だ。 BSから嘗て売られていた520Sというタイヤも浅溝で驚いたが、コイツも溝が浅い。 どの位浅いか計測してみた。
メインの2本は5ミリで、センターに至っては僅か3ミリ。 一般的な7ミリ溝と比べると半分以下、一番深いところでも7分山といった感じである。
これで価格が安くて長持ちすれば良いのだが、現状ではそう安くはない。 またダンロップのように最後の最後まで使えるならば見方も変わるが、この溝形状ではウェット路面が怖そうだ。 何故かウェット路面での戦いが多い111cupでコレを使うのは危険かも知れない。
しかしFSWで行われているロードスターカップはクムホを履かないと勝てないという声さえ聞こえてきたが、彼らは雨でもクムホを履いているという。 一時期は雨ならR1Rと言われていたが、今時はそうでも無いらしい。
ということで前回のタイヤテストのように袖ケ浦フォレストレースウェイで、今回もライバル33号車と共に試してきた。
そうそう、袖森スポーツ走行のためにサブサイレンサーを装着したのだが、エリーゼパーツで購入したサイレンサーはパイプが太くて出力特性が著しく変化してパワーが落ちた。 しかしそれがどうにも我慢出来ず、久しぶりにアローレーシングのおやっさんに協力して頂き、50φのパンチングメタル管をサイレンサーの中に仕込んで貰った。
これで出口まで太さ変化のないマフラーが構築できたが、このサブサイレンサーに装着したパンチングメタルが予想外に仕事をしすぎて殆どノーマル並の排気音量になってしまった。 世間的には喜ばしいことだが、育ちが良くない私にはこの排気音では余りに静か過ぎ、全開時の高揚感が削がれてしまった。
パワーに関してはサーキットで全開にしないと解らないが、2重のパンチングメタルでこんなにも消音出来るとは思わなかった。
ということでタイヤテストへと袖森へと今回も33号車と共に行ってきた。
と、その前に先ずは一般公道でのファーストインプレッションから。 完全に真っ新なタイヤのためかも知れないが、冷えてるとインフォメーションが少なく、早朝特有の速い流れの首都高では安心感が無い。
直進安定性につては台風が近づいてきている日のテストのため、少しチョロチョロしたのは風による影響なのかも知れないがビシッとした感触はない。 タイヤノイズはマフラーが静かでも車がポンコツでガタピシと煩いのでイツモの如く判断出来ず。(というか私は気にしないので悪しからず)
さてさて、いよいよコースインだが、この日のコースインは私から。
冷間空気圧はリヤ1.65、フロント1.75からスタートしてみた。 やはりタイヤからのインフォメーションが少ないが、ショルダーのケーシング剛性は有るように感じる。 ディレッツァのように腰が柔らかい感じは皆無。
タイヤが角張っているのだが、キャンバーが大きく付けられているのが災いしてグリップが得られないような気がしたので一旦ピットイン、空気圧を落としてみたのだが落とすと更にグリップしなかった。
1本目、30分経過
2本目、1時間経過
3本目、1時間半経過
4本目、2時間経過するとセンター溝は元々3ミリだったのだが1ミリしか残っていない。 スリップサインまであと僅か。 と、2時間走行での摩耗はこんな感じ。
どうにもアンダーが酷いので私の2本目(全体で3本目)を走る前の昼休みにフロントのキャンバーを立ててみたが、それでもアンダー。 どうやら根本的に車のセッティングを変えねばならないらしい。 そんな状態にも拘わらず、タイムは悪くない。 私の自己ベストを1秒縮めた。
だが美味しい状態は長く続かないようで、コンスタントにタイムを刻むことは出来なかった。 美味しいのは3周〜5周といった所か? 但し、それを過ぎてもアベレージタイムは今まで履いたどのラジアルタイヤよりも確実に上回っているので、タイムは出るタイヤと断言出来る。 そのかわりタイヤの減りは早い。 30分×4で4分山、いや3分山か。
個人的な感想だが、タイヤを綺麗に使わないとベストタイムは刻めないように感じる。 コジってもタイムは出ないばかりでなく、タイヤが偏摩耗してしまう。 そして限界を超えたときの挙動は優しくない。
一発タイムを競うのではない111cupでは、初心者にも安定・安心の性能と懐が深いタイヤ、そして財布に優しい事が望まれるので向いていないのではと思った次第。
因みに私は温間2.2キロ程度が扱いやすかった。 あまり空気圧を落とすと限界が極端に落ちたのだが、空気圧を下げる行為によりタイヤが冷えてグリップが落ちたのかも知れない。 そのあたりは各自で感じて戴ければと。
■黒部ダム
私が産まれた年に完成したこのダム、実は一度も見たことがない。 その日の朝は前日に続いて早くに目が覚めたのだが、前日の奥多摩散歩は工事まるけな上に降雨で退散だったので今日は充実させたい。
連休初日ということで何処も気持ち良い散歩は望み薄なので単車で。 やはりツーリングは単車に限る。 高速を敢えて使わずに国道20号線を淡々と北上したのだが、此処辺りを走るのは私が高校3年の時以来。 あれから30年かぁ...あの時は青木湖でキャンプだったな。
今日のパートナーはスーパーカブ、と思ったが、山道が多いので登坂能力が乏しいカブ君では些か心許ない。 ということでスカイウェーブという250ccのスクーターで行ってきた。
夜明け前から走り出したので空いてて気持ちよいのだが、寒い。 暑いと思い込んでメッシュシャツなど着てきたのは大誤算。 あとは河童と薄手のウィンドブレーカーしかない。 ウィンドブレーカーを着て走ったが、それでもブルブルと震えた。 夏でも単車はフル装備が基本って事をスッカリ忘れていた。
それでも6時間ほど掛けて黒部ダムに到着。 私は時々「馬鹿馬鹿しいこと」をしたくなるのだが今日がその日。 単車で行ってきたのだが全て下道。 高速道路は一切使わずに行ってきたのだ。 しかも日帰り。 こういう一件無謀に思える行為をサラッとこなすのが自己満足。
それが大馬鹿者たる所以。
ということで黒部ダムだが、此処は麓の駅からトロリーバスに乗らねばならない。
私が幼少の頃に日本から姿を消したトロリーバスだが、
唯一此処だけに残っている。
バスの一番前に座れたのでデジカメで動画を撮ってみた。 ま、ダラダラと長いだけで面白くないのだが、車内放送のガイドが以外と良かった。 それと駅には有名なオジサンが居るのでトロリーバス乗り場には早めに行くと「ニヤッ」と出来るかも。
さてさて黒部ダムといえば放水。
これが見たくて来たのだ。
走行:550キロ(全て下道)
5時半出発、20時20分帰還。
途中休憩3回、内一回はダム見学などで合計2時間
平均時速42キロ程度 ←コレはバイクだから出来る業(^^;