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2011.11



何度かテスト走行に行った際の1枚がこの画像
このままにしておけば良かったのかも知れない

一体何が起きているのか?

これで完治してくれれば有難いのだが...と、先々月に記載してから2ヶ月。 いまだに完治処か悪化させている。 その間に何をしていたかと言うと、余りに愚かすぎて自己嫌悪になるので書きたくないのだが、失敗談は貴兄の糧になると信じ、恥を忍んで書き綴ることにする。

まず何をしたかというと、高回転の肝であるVVCユニットを電気的+機械的に制御している油圧コントロールソレノイドユニットを手持ちのストックと交換してみた。

黒い個体2つが12ボルトが来ている所謂電磁石。 ここに電流を流すことによって、シャフト内のオリフィスが動いて可変カムを変化させる。 変化というのはカムの作用角が変わるようなVTECとは違い、比較的作用角の大きなカムのオーバーラップを広げて、ハイカムのような作動をさせるという仕組みだ。

これが動かなければタダの眠たいエンジン。

油温が高いとコントロールユニットが作用角を制御して出力を上げなくなるのだが、そもそもこのユニットがスラッジなどで正常に動いていない可能性も考えられたので、今回交換してみた。

だが、変化無し。

次に確認したのは点火コイル。 端子が腐食して失火した事があるので、2006.06に交換した。 その際、コイルの端子部分は緑青に覆われて形状が崩れるほど酷い事に成っていた。

VVCのインマニはスタンダードに比べると大きく、華奢な私の腕を以てしても目標物への透間に届かせるのは厳しい。 だが、上の画像のようにインマニ上部が分割出来る仕組みになっているので、此処は面倒がらずに取り外した方が得策だと思う。

その際、普段は清掃出来ない箇所も多々あるので、パーツクリーナーを準備して作業に取りかかることをお薦めする。 特にインマニのフランジ部分には窪みがあり、ゴミが溜まりやすい形状をしているのだ。

もうひとつ注意点。

これから外そうとしている点火コイルはボルト2本で取り付けられているのだが、このボルト派はコイルに接続されている全ての配線を外してから行うこと。 そうしなければ、狭い空間でコネクターを外さねば成らず非常にに苦労する事になる。

可能であれば下に潜って作業することをお薦めする。 両腕が使用出来るスペースがあるので作業効率は格段によい。

取り外したコイルは右側。 これから取り付けるのは左側のコイル。 左のコイルも端子が腐食して粉を吹いていたが、真鍮ブラシで丹念に磨いて金属光沢を復活させた。

しかし、このコイルから点火プラグコードを外したときは吃驚した。 キャップを外した瞬間、眼前には煙が立ち上ったのだ。 何が起こったのか直ぐには理解出来ず、何処かに触れてショートさせてしまったのかと思ったくらいだ。

それほどまでに腐食は進行しており、非常に劣悪な状態と成っていた。 1番のキャップを外したときが特に酷かったのだが、画像では其程でもないように見えるだろう。 それは私が指で拭ってしまったからだ。 その前の状態はインマニの下に居たので見ていないが、想像するに3番よりも酷い物だった筈。

ここはVVCのエンジンにしか存在しない箇所だが、スタンダードにも形は異なるが点火コイルは存在するので、どの車種も雨の入り込むミッドシップの運命と諦めて、年に一度くらいは状態を確認する習慣をつけておくと良いだろう。

もう随分前になるが、エリーゼのフロアマットにも警鐘を鳴らしたのを覚えているだろうか。 フロアマットの下に敷かれている黒いゴムマットがクセモノ。 これを装着したままだと、熱伝導率の良いアルミは簡単に結露して、雨漏りが無くとも濡れてしまう。

すると空気の流れが悪く腐食の理想的な状況となり、穴が開くまで腐食は続くのだ。 腐食を止めるにはゴムマットを撤去して通気性を良くするか、完全に空気と接触しないようにシート状のものを張ってしまうしかない。 塗装は避けるべきだろう。 操作することで摺れて剥がれるのがオチだ。

これは初期オーナーの間では常識として広く知られているが、最近オーナーになった貴兄には知らない方も居るかと思い、今回の件とは関係ないが書かせて戴いた。 忘れてしまっている貴兄も含め、是非是非フロアマットの下を確認して欲しい。

と、この点火コイルを交換して山奥に散歩に赴いたのだが、残念ながら高回転のパワーは戻ってこなかった。 但し、ピックアップは改善されたので効果が有ったのは事実。 それとプラグコードも交換しようと思ったのだが、借りてきた純正コードでは能力不足だったことも書き加えておく。

能力不足というより、劣化していて使用不可だった。

プラグコードの劣化は必ずやってくる。 最終的には端子部分が腐食するか、コードが劣化してリークするのだ。 リークすると酷い物になると、夜間にエンジンフードを開けるとプラグコードの回りにスパークが見える。 こうなっては末期的症状だが、そうなる前に抵抗値を計測して4本にバラツキが現れたら寿命だと思った方が良い。

太いコードやアーシングして安心している人に限って、一旦装着すると見なくなるもの。 見栄えのするエンジンルームにするのは勝手だが、性能を維持させるのが抑もの目的であることを忘れる事勿れ。

さて、この点火コイルだが磨いたままで装着するのでは芸がない。 師匠お薦めのケイグ(CAIG)が良いのは百も承知だが、サンデーメカニックが手を出すのには気が引ける商品だ。

ということで小遣いで購入出来るモノを探してみると、現場で仲良くしている電気屋さんが防爆工事に使用するという接点グリスと言うモノを教えてくれた。 パーマテックスというメーカーの製品だが、これはアストロプロダクツやファクトリーギヤでも見たことがある。

私が彼から貰ったのは81150という製品。 しかしこれも扱い方を間違うと厄介な事に成るとは、この時思いもしなかった。 この製品の名誉のために書くが、これは大電流が流れるところには非常に有用。 今回のような点火コイルやバッテリー端子、オルタなどには問題なく使用出来る。

私はロクに説明書も読まず、良かれと思って綿棒に塗布してECUの端子に丁寧に塗りつけてしまった。 そしてコネクターを装着してしまったのだ。 これは微弱な電流には抵抗に成るので使用してはイケナイらしい。 私はそのイケナイ事をしてしまった。

それが原因かは解らないが、ECUが正常に働かなくなってしまったのだ。

と、その前にインジェクターと燃圧レギュレーターの交換も行ってみたのだが、これも赤面モノの愚行をしでかしてしまった。

下の画像の上側にあるインジェクター、ゴムパッキンの所に四角いサークリップのようなものが装着されているのが解るだろうか。 これでデリバリーパイプにインジェクターを固定するのだが、その刺さりが余りに浅く、さらにクリップ溝が2本有るのが混乱を招いた。

私は深く差し込むモノだと勝手に思い込んだのだ。 事実として、2番から4番までは奥まで差し込めてサークリップも綺麗に納まる。 が、しかし、1番だけはレギュレーターに当たってしまって奥まで挿入出来ないのだ。

何度も何度も脱着して悩んでいたら、取付口が変形してしまった。 あとから解ったのだが、ここは奥まで差さずに手前のクリップ溝で良いらしい。 私はここに数時間費やしてしまった。

外す前に写真でも撮っておけば、元に戻すのに躊躇無く作業出来たのにと思うと悔しくて堪らない。 もし、同じような作業を考えているプライベーターが居られたら、鷺用は遅くなるかも知れないが、1工程毎に画像記録を取っておくことを勧める。

私と同じ轍は踏まないで欲しい。

さて、この問題も解決したのでエンジン始動させよう。 と、そのまえに色々と脱着したのでスロポジのリセットも施工しておこう。 例のイグニッションをオンにしてアクセルを全開まで3度踏み、15秒後にイグニッションをオフにするという呪いだ。

さて、セルモーターを回そう。

「キュルキュル、バスン」

え?

....嫌な予感。

もう一度。

「キュル、バスン」

掛からないぞ。

少しアクセルを踏んでセルを回す。

「キュル、バッバッ、バーーン」

この掛かり方はセーフモード。

電動ファンは回っていない。

ということは水温センサー系のトラブルではない。

スロポジを揺する、と、一瞬正常に戻った。

が、再び1,500rpmで一定。

ここで手持ちのスロポジに変更。

が、状況変わらず。

ECUのコネクター接触が良くないのかと思い、再びECUを外してピンを起こす。 これが拙った元凶かもしれない。 ピンを起こしすぎたようで、コネクターがECUに嵌らなくなった。

何度か弄っているウチに装着できたが、その時には既にECUのハズレ止めノッチは削り落ちていた。

なんてことをしてしまったんだ。

この日はロータスデイ。

主治医もBSKの信用出来るメカさんも留守。

主治医の携帯に繋がったので、明朝一番でセーフモードのまま車を持って行くことにした。 只でさえ厄介な客なのに、今回は更に厄介な状態で車を持ち込むことになってしまった。

ロータススキャンでスキャニングすると、怪しかったスロポジはアース抵抗も問題なく、スロットルの開度に合わせて抵抗電圧を返してくれている。 だが、問題はスロットルの開度だ。 全閉なのにスロットルがオープンだと表示されている。

このECUを他の正常な車両にロータススキャンを介して装着してみたが、私のECUを装着するとスロットルオープンという状態になる。 ということで、どうやら私はECUを破壊してしまったらしい。

もともと危うい状態だったのか、今回の愚行で破壊したのかは定かではないが、壊れているのだけは確実。

現在ECUは師匠の手元にあるが、回路の解読と壊れている箇所を見つけるのは難しいという。 それはそうだろう。

読者の中にVVCのECUと対になっているセキュリティユニット(メーターの中に有るグレーのユニット)を貸してやる、若しくは売却しても良いという方が居られたら是非助けて戴きたい。

VVCのECUはセキュリティが掛かっており、メーター内のユニットと一緒に交換しないと燃料が供給されない仕組みになっている。 ということで、セキュリティを殺すにも一旦は正常なセキュリティユニットと通信させてコードを解読する必要があるのだ。

こんなシステムなど付いていなければ問題は簡単だったのにと、悔やんでも仕方ない。 全て自分で蒔いた種。 最悪の状態になったら小遣いを貯めてECUをロータス本国からセキュリティユニットと共に購入することになるのだが、それには莫大なお金が掛かるらしい。

 

 

 今月の整備記録

   
消耗品交換パーツリスト(エクセルデータ)
    http://enthusiast.eos111.com/ELISE phase1 PartsList.xls

VVCソレノイドユニット 2011.10.09 124,300km
点火コイル交換 2011.10.16 124,450km
エアクリーナー清掃 2011.10.16 124,450km
   

■ ベストラップタイムの記録
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分4秒498(2006.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 新コース
2分03秒127(2008.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分16秒808(2009.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+ノーマルマフラー
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分34秒157(2010.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー
スポーツランド菅生 1分44秒200(2011.07 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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