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2011.07




エリーゼ仲間達と一緒に長野のビーナスラインを走った
思って居たより路面は荒れていたが、快晴で気分最高

自宅で行う簡易アライメント調整

ウエット路面が大嫌いな私は梅雨時のエリーゼ出場回数は格段に減るのだが、梅雨の晴れ間を狙って自宅で出来る簡易アライメント調整を実施してみた。 参考に成れば幸いだ。

アライメントテスターに乗せてお金を払えば正確なアライメントが取れるのは百も承知だが、其処は限られたお小遣いで細々と趣味を続けるオトーサンには節約の努力も必要と言う事で、今回は皆さんも手軽に行える水糸を利用したアライメント調整法に挑戦した。

と、偉そうに言っても実は正確な方法など知らないので私なりに考えてみた。 そのためには、先ずエリーゼの車体について幾つか確認しなければならない。

ご存知のようにエリーゼは前後のタイヤサイズが異なり、更に前後のトレッドも異なる。 簡単に言えば左右のドアが並行ではないボディ形状ということ。 ここは簡単に図面を書いて見るのが解り易いだろう。

これでは見難いと思うので、データが必要な方は上の図をクリックするとCADで起こしたデータとPDFを同梱圧縮しておいたので必要に応じて参考にして戴ければと思う。 (※ホイールの直径は実測だが、リムの外寸幅は計算値なので実際は異なる場合が有る事をお断りしておく)

この作図から得られた数値で注目するのは、一番上に書かれた白線。 この白線が車体と平行になれば、タイヤとの離れ寸法を計測すればトーが計測出来る。 しかし、この平行線を作るのが一番苦労するところで、例えば車の中心線から左右のトレッド幅が異なることも十分あるだろう。

そうなると平行線を出したつもりでも異なる基準から計測することになり、全く意味が無くなる。 ということを頭の隅に置きつつ、平行線を作成するための前後トレッドの差を算出してみると、今回はタイヤではなくホイールの外側にパイプを貼り付けて計測するので約30ミリの差が前後で生じていることになった。

ということで、外寸直径30ミリと60ミリのパイプが有れば大凡の平行線が作れる筈。 解りにくいかも知れないが、上の図にはそんな事が書かれている。

さて、ここまで解ればパイプを入手して水糸を張れば計測が出来る。

現場で30φと60φの塩ビパイプを物色したのだが、塩ビパイプに私の欲しい適当なサイズが無く、重量も思ったより有るようなので現場に無理を言ってアルミパイプを探して戴いた。 そして入手したのが下のパイプ。

パイプではなく手摺の支柱と手摺子に使用する型材を綺麗にカットしてくれたようだ。 が、少し残念なのはサイズが50φと25φということ。 そう、これでは前後で5ミリの差が生じてしまうのだ。

では実際にこのパイプを装着するとどうなるか。 これも机上で作図してみると、前後とも大凡1ミリずつ誤差が生じているようだ。 そうと解れば、それを頭に入れて計測すれば良いだろう。 折角用意してくれた好意を無礙にすることなど私には出来ない、これで行くことにする。

では実測。

今回アルミパイプ以外に用意したのは三脚と水糸、そしてパジャマなどに使うパンツのゴムと下げ降り(サゲフリ)。 あとは計算機と計測のためのスケール(定規)だ。

先ずは簡単なキャンバーから計測。

キャンバー角度θを出すには、ホイールの直径とその上下差を測定すれば良いので、高校の時に習った三角関数を思い出して欲しい。
θ=atan(上下差数値/ホイール外径(15吋412mm))*(180度/π)
※正確にはホイール外径ではなく垂線の直線距離だが、無視しても良いかと...

フロントはθ=atan(1/412)*(180/π) = 0.139067153
リヤはθ=atan(1/440)*(180/π)   = 0.130217457

上記式から
15インチのフロントは上下差1mmの違いで約0.14度変化
16インチのリヤは同じく上下差1mmで約0.13度変化
ということが解ってしまえば簡単、計測した上下差の数値にコノ係数を乗ずれば良い。

恥ずかしいことに計算で使用する定数を前後で間違って使ってしまった。 このような愚かな初歩的ミスをするのは私だけとは思うが、貴兄が計算するときは使用する係数を間違えないように。(計算機を叩いたときにオカシイナとは思って居たのだが..)

少しフロントのキャンバーが足りないような気がするが、大凡左右合っているのは解った。 フロントのシムは1mm1枚で約0.25度変化するので、あとはコーナリング時のフィーリングとタイヤのアタリ面を見ながら抜き差しすれば良いだろう。

リヤは今までの経験から2.5度付近にしているのだが、シム1枚で0.3度も変化してしまうので注意が必要。 現状でタイヤの発熱も減り方も良い塩梅なので此は此で悪くは無いと思って居る。

言う迄もないが、計測は平坦なところで行わなければ信用出来るデータとは成らないので注意が必要。 それと下げ降りが軽いと僅かな風で揺らいでしまい、計測時にイライラする。 以前は釣りで使用する鉛のオモリを使用していたが、どうにも勝手が悪いので安物の下げ降りを購入した。

この下げ降り、ピンからキリまであり高級品だと驚くような価格になるが、やはり高級品は様々な仕掛けが施してあって風が吹いても安定したり、先端が針のようになっていて路面にマーキングする際に重宝するので懐具合と相談して欲しい。

さて、次はトーを計測しよう。

まずは計測器のセットから。 前述したアルミパイプをホイールの外側に養生テープなどを使用して貼り付けるのだが、この時に机上でセットしたとおりにならないことが発覚。

パイプの一番外側の部分をリムの外端に固定するのは不可能に近いのだ。 下の画像の通り、タイヤのリムガードとリムの端部に被さるようにしかセット出来ない。 つまり前後差は30ミリなのだが、リムの最端部にセットすることは不可能なので作図通りには成らないことが解った。

前後差約1.5ミリ、タイヤだとイン側に約4ミリ

前後差約1ミリなので、ほぼトーゼロ。

こちらも前後差1ミリなので同様にトーゼロ。

これも反対側と同じくインに1.5ミリなのでタイヤ端でインに4ミリ。

リヤのトーは少しインに付きすぎているかもしれない。 これでは走行抵抗になるのは解って居るが、私はこの程度付いている方がリヤのブレイクがマイルドになるので割と大きめに付けている。 しかし、これがコーナーのアプローチでアンダーになる原因と成っているとしたら巧くない。

非常に大雑把な数値だが、リヤのトーは角度的に0.1度でタイヤ端で1ミリ。 現状ではトーはイン側に0.4度程度と成っているようだ。 糸であと0.5ミリ減らすとトーインは0.3度で3ミリのインになる筈。 テールの安定性は手放したくないが走行抵抗は芳しくないので、様子を見て調整してみよう。

と、こんな感じで自分の基準を作ってしまえば今後は難しくない。 出来ればコンピューター式のアライメントテスターで計測した直後に糸で計測し、その値をデータとして取っておけば更に信用出来るオリジナルデータと成って蓄積されていくはずである。

因みに、フロントのトー0.1ミリは0.0099644832933゚なので0.01度
リヤのトーも0.1ミリで0.009454749゚なので此方も0.01度と覚えておくと良い。

なお、フロントのトー調整はロッドを1/6回転させることで1.0mmの変化、30度で0.5ミリ
リヤのトー調整はロッドを1/4回転させることで2mm変化、つまり30度で0.66ミリ動く。

トー調整は前後とも僅かにロッドを回転させるだけで驚くほど角度が変動するので、微妙な調整には向いていないが仕方ない。 コンピューターアライメントでトーゼロに拘ると、リフトアップさせるだけで数値が動いてしまうので、あまりに神経質になって数値調整を依頼するとショップに嫌な顔をされるだろう。

0.1ミリ違いが生じたところでフィーリングを感じることは無いだろう。 感じるとしたら相当な腕の持ち主だろうから、是非その才能を生かして追求して戴きたい。

それと一つ注意して欲しいのだが、以前某ショップでコンピューターアライメントを依頼して上がってきた状態を見て吃驚。 目で見て解るほどトーが左右でずれているのに、そのショップは頑として此方の意見を聞く耳を持たなかった。

あまりに機械を信用するのも考えものだ。 人間の目というのは実はとても優秀で、機械で読み取れないような僅かな最差を感じ取ってしまう能力を持っているのだ。

もう一つ注意事項が有った。 調整時にジャッキアップやリフトアップをすると思うのだが、着地させたら少し車を動かしてタイヤの撓みを取ると共に、バネを定位置に座らせた後に計測しないと正確な値と成らないので注意すること。 キャンバーが付いているダブルウイッシュボーンの宿命でもある。

 

雑記

1000円高速が無くなる直前に、長野のビーナスラインを走るイベントがあると言う話を某所で聞いた。 またの名を裏EMWとか言うらしい。 私はコノ手の集まりにはあまり顔を出さないのだが、今回はワインディング走行主体の集まりで、私としては一度走ってみたかったビーナスラインを走れるというので渡りに船だった。

夜明け前の4時半に東京の自宅を出発。 まだ新聞配達や牛乳屋さんしか動いていない町を走り出したが、マフラーは今までで一番静かな仕様になっているので気兼ねなくアクセルを踏める。

今月は7月号なので暑い時期に喘いでいるが、この日はオープンでも少し肌寒いと感じるような気候だった。 諏訪インターで降りてから県道40号線に入ったのだが、諏訪インターから来た道は有り得ないほどの勾配。

そんな所を地元の中学生は必至にチャリンコのペダルを踊りながら踏んで登っていたが、あれは足に良い筋肉つく筈。

路面が荒れていて所々バンピー、これはペースを上げると顎を擦りそうだ。 到着した霧ヶ峰、流石避暑地で寒い。 途中で見た外気温時計は8度とか書かれていた気がする。 上着を持ってきて正解だった。

霧ヶ峰の道の駅駐車場に地元ナンバーS1の方がいらっしゃったので暫し談笑していると、前日に連絡を取り合ったAさんが軽井沢から合流。 しかし、その他の方々は現れないようなので35GTRの方が先導で美ヶ原まで。

やはり知らない道は走り辛い。 それに此処も路面が割と荒れてて段差も結構ある。 途中でS1の方が先導になったのだが、急に進路変更したと思ったら橋の所に酷い段差があり激しい衝撃が来た。 なるほど。

やがて美ヶ原高原美術館の駐車場へ。 ここで更に2台が加わって再び霧ヶ峰の道の駅まで。 ここでは白い111Rが先導。 これが何とも劇速で、途中で後追い断念。 久しぶりに敗北感。

霧ヶ峰の駐車場に戻ると、其処には大量のエリーゼ。 実はこういうのが苦手だったりする。 しかし111cupに参加されていた方も二人ほど居たので、話が弾んで助かった。

ここからは又々劇速のS1スタンダードが先導で女神湖まで、しかし此方も途中で後追い断念。 皆さん速すぎ。 レースに出場しても十分上位で戦える筈。

その後、女神湖から麦草峠に向かう途中でイタリアンランチ。 こんなオシャレな休日ランチは久しぶり。 其処では名古屋からいらした方々と談笑。

麦草峠でデザートのアイスクリームを食べてから私は単独行動。 というか、帰宅。 しかしカーナビの言うまま走るとセンターラインのない細い道へ案内され、轍が酷くて自作ストレーキ擦りまくりで、終いには遂に顎をガリッと路面に擦ってしまった。

中央道は10分程僅かに渋滞したけど、概ね順調。 本当は柳沢峠から奥多摩経由で戻ろうと思ったが、どなたかが青梅街道は土砂崩れで通行止めだったはずと聞いたので。

この方の情報無かったら酷い事に成っていたはず。 感謝感謝。 今回は全行程で500キロほど走ったがリッター15キロも走ってくれて、最後の高速1000円のお陰で楽しくリーズナブルな一日だった。

が、一つ我慢成らないことがある。 先日交換したサブサイレンサー、非常に静かなのは良いのだがパワーがガタ落ち。 スタンダードのエリーゼに加速で置いて行かれるのは悲しすぎる。 ということで、帰宅してから僅か2ヶ月で元のマフラーに戻してしまった。


 今月の整備記録

エンジンオイル&エレメント交換 2011.06.26 121,200km SUNOCO BRILL 12.5w-40

■ ベストラップタイムの記録
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分4秒498(2006.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 新コース
2分03秒127(2008.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分16秒808(2009.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+ノーマルマフラー
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分34秒157(2010.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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