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2011.03




酷いアンダーステアだ

111cup開幕戦

今年も111cupが開幕したが、今シーズンはスーパーテックの自然吸気車両クラスで抜群の成績を残している手練れの猛者が私の参戦しているE2クラスの刺客としてやって来るとの噂を聞いていた。

なんとSタイヤで筑波を2秒2。 これがどの位のタイムかは貴兄ならご理解頂けると思うが、私には想像もつかないタイムである。 よく言われているラジアルとSタイヤのタイム差では、1.5秒〜2.0秒と言われるのでネオバでも4秒を切る勢いであることは間違いないだろう。

大っぴらにはしていないが、私はネオバで3秒台などという巫山戯た目標を実は持っていたりする。 が、現実的にはアクマデ夢のタイムである。

初めてお会いして会話をさせていただいたが、とても気さくな方で且つ紳士。 私とは大違いだ。(自分が卑屈になってしまい自己嫌悪)  そんな彼は横浜のリアルディレクションで手を入れていると仰っていた。

 

ところで今回の私、レース前日まで車はドック入りしており、一時は完全に出場を諦めていたのだが、主治医の執念で何とか間に合った。 しかしレースで走ってみないと直っているかどうかは解らないのが実情と言う事で、あまり気が進まなかったのだが、主治医の熱意に応えるためにも頑張ってみようと言う気になった。

しかし最近はレース前日に車が出来上がるパターンばかりで、以前から取り組みたいと思って居た各種セッティングを何一つ出来ていない。 取り敢えずバネ交換だけはしたが、以前から苦しんでいるアンダーを消し去るところまでは到達していない。

それとダンパーのセッティングも訳が解らないのが本音で、今は折角の3ウェイを全く使いこなして居らず、縮み側は全解放でバネ任せにして伸び側減衰と車高だけを弄っている有様。

車の動きが扱いやすくなった暁には縮み側の減衰調整を弄ろうと思って居るが、イツになる事やら。

 

ところでレース当日はイツモのように早朝から始まる。 出発する4時半時の自宅外気温は1度で、今朝は冷え込んでいる。 筑波はもっと寒いだろう。 世間迷惑なアイドリングはソコソコに静まっている街に車を走らせる。

トラブルが起きていたときは冷えているとクラッチを踏んでも無理をして叩き込まないと1速に入れることが出来なかったのだが、今朝はスムーズに入ってくれた。 だが油断は禁物。 前回の時もクラッチとフライホイールの交換直後はスムーズに動いてくれたのだ。

だが、この動きなら今日のレースは持つだろう。 まだ水温計が60度にしか届いて居ないので、ミッションオイルはそれ以下の筈だが、冷えていると渋いタッチのニューテックがギアチェンジを受け付けてくれている。

 

筑波に到着。 111cup関係者では私が一番乗りのようだ。 まだ時刻は5時45分。 昨夜一人で赤ワインを1本開けてしまった為か、今朝はどうにも腹の具合が芳しくない。 筑波もゲート前の便所にウォシュレット、いや、せめてウォームレットを装着してくれると嬉しいのだが、真冬に樹脂便座に座るのは覚悟が必要でソレが更に腹の具合を悪くするような気がする。

と、寒さと腹痛に耐えていると友人達が到着。 今日は予選時刻が遅めなので受付時間には余裕がある。 私のように予選命のような阿呆は殆ど居ないようだ。

しかし寒い。 余りに寒いので車外で歓談していたのだが耐えられず、車の中に入ってエンジン始動。 とてもでは無いが、動かずに外にいられるような気温ではない。

 

ブリーフィングで伝えられた路面温度は4度で外気温は5.4度。 これは暫く走らないとグリップしてくれそうにない温度域だ。 では空気圧はどうする。 いつも悩むのだが、今回は少し高めで出走してみよう。

ほぼ定刻に予選開始。 2周ほど走ってもグリップ感が乏しい。 当然、タイムも出ない。 しかし今回は殆ど練習らしい練習をしていないので車に慣れることに先ずは専念しよう。

以前のバネレートよりは車の動きがよいが、それでもアンダーが強い。 ネオバは何キロのバネまで使えるのだろう。 一番最初に組んだクァンタムはF6キロ+R8キロ。 その後、オーバーステアに悩んでリアを7.5キロに落としたが、徐々に前後ともレートは上がっていき、今はF8.5キロ+R10キロ。

これでも切り返しの時にフワッとした嫌な動きが有るので、次はF9+R11を試そうかと思って居る。 コーナリング中にロールが戻ってくるような事は無いので大丈夫だと思う。 今のレートは以前試したときに上手にバネが潰せなくて荷重移動が出来なかったのだが、今は割と良い動きをすると感じているから不思議なモノだ。

などと考えていたら少しグリップ感が出てきた。 とは言ってもタイムは5秒前半。 これでは歯が立たない。 1ヘアへの進入で4速まで使うと忙しいので3速で誤魔化していたが、これではタイムなど出る訳がない。 4速まで使うようにするとタイムアップ。 あとは最終コーナーの入口で減速しすぎないようにするのが精一杯。

最後の最後で出したタイムが4秒7。 旧タイプのAD07ネオバで出せた4秒4というタイムが未だに更新出来ないのは不甲斐なさ過ぎる。

 

決勝は5番手の内側グリッド。 昨日交換したばかりのノーマルクラッチカバーでレーシングスタートをするのは忍びない。 躊躇してもいけないしスパッと繋ぐのも気が引ける。

イツモの如く4500回転付近でクラッチミート。 やはりノーマルカバーなのでヌルッとした繋がり方だったが、それほど悪くないスタートが切れた。

が、ゼッケン11の青いエク1がイツモのようなロケットスタートではない。 左前の53番白エク2は素晴らしいスタートを決めた。 やはりこの人は只者ではないと再認識。

一方11番の青エク1は1コーナーで失速。 此方はアクセル踏みたいのに踏めない生殺し状態。 後ろでは虎視眈々とライバルが狙っているので、此処での行動が大切な鍵となるのは言う迄もない。

一瞬悩んだが外側から強引に行くことに決定。 苦しいラインで走る11号車。 中速トルクだけは彼の車より優位な私の車、ここで勝負しなければ勝機はない。 S字はお互いに一歩も引かず併走。 しかしイン側の私に勝機有り。

一方、前方ではポールの211が作戦なのかインフィールドをユックリと走っている。 背後に居る37号車はベストラインを塞がれて苦しい展開。 みるみるウチに53号車が迫り揺さぶりを掛けそうな勢いだ。

そんなバトル状態は此方としては大歓迎。 なんとか2ヘアの進入で53号車に追いついた。

が、さすが190馬力+クロスミッション。 直線では見る見るうちに差が開き、短い筑波のバックストレートでも30メートル以上の差が付いてしまう。

それでも何とか食らいついて行こうとアドレナリン噴出。 最終コーナーで53号車がギアの選択ミスをしたのか、コーナリングスピードが遅いときがあった。 ここぞとばかりにイン側を全開で立ち上がったがホームストレートの加速で勝負あり。

もう少し早めにアクセルを入れられれば横に並んで1コーナーに入れたかも知れない。 やはり今のアンダーセッティングでは話に成らない。 まずはニュートラルで粘るセットアップをしないと土俵にも上がらせて貰えないと痛感。 チェッカー貰った時には1コーナーに消えかけているほどの大差が付いていた。

彼にライバルと呼んで頂けるように精進します。
※動画はいつもの動画室に置いてあります。

 

社外パーツ

エンジンのオイル漏れはオイルポンプがある側のクランクオイルシールが原因だった。 街乗りや散歩では漏れないのに、サーキットを走るとオイルが漏れる。 これも2度目だ。 最近はトラブル完治に時間とお金が掛かって嫌気が差している。

ギアが入らないトラブルはかなり深刻だ。

クラッチとフライホイール、そしてクラッチ板を交換すると直る。 しかし一ヶ月もしないうちに再びギアが入らなくなる。 おかしい、これはミッションではないクラッチだ。

中々原因が掴めず、都合3回もフライホイールとクラッチ関係を交換した私は大馬鹿者。 レリーズシリンダーも2回交換したし、マスターシリンダーも交換した。

だが、その都度調子は良くなるのだ。 クラッチも問題なく切れてミッションもスパスパと入る。 サーキット走行でも問題ない。

年末に鈴鹿サーキットへ向かった。 其の月に走った111cup最終戦は全く問題なし。 長いストレートでも5速にスパッと入る。 だが、鈴鹿のバックストーレートで5速ギアは悲鳴を上げた。

それから状態は徐々に悪化し、冷えているとギアが入らなくなった。

バラして見てみると、フライホイールもクラッチ板もカバーさえも外周しか当たっていない。

一体何が起きているんだ?

前々から疑っていたのはフライホイールだが、カバーが怪しいのかも知れない。 フライホイールが弱くて反ったのか、カバーが反ったのかは解らない。 であれば問題追及するより怪しいパーツを交換しよう。

しかし腑に落ちないのは両方とも有名メーカーだと言う事だ。 PTPもAPも英国のパーツメーカーとしては著名なのだ。 特にAPは世界に名を馳せていると言っても過言ではない。

最終的に私が取った手段は以下の通り。

01.PTPのフライホイールは使用しない
   → エリーゼパーツのオリジナルフライホイールを選択

02.クラッチ板はAPの強化品を新品で使用

03.APのクラッチカバーは使用しない
   → ロータス純正のノーマルを使用

04.ノーマルレリーズベアリングは使用しない
   → エリーゼパーツで販売している強化品を使用

ノーマルは通常信頼出来るはずなのだが、其処は日本車と違うところ。 ロータス純正というかローバーの純正フライホイールはクラックが入る事があるので却下。 実は私の車も微細なクラックが入っていたのだ。

悲しいことに費用が嵩んで懐具合が極端に悪いので、何処かにノーマルのフライホイールとクラッチカバーが廃棄品として転がっていれば戴こうと思って居たが、ノーマルのフライホイールは信用出来ないし、なにより軽量フライホイールのレスポンスに慣れてしまった今では使用したくないと言うのも本音だ。

このエリパーフライホイール、比べてみると明らかにPTP製の方が質が高い。 クロモリでもないし、普通の鉄板を切り出しただけの様にも見える。 ふと不安が過ぎったが、今の私に余り選択肢は無い。

クラッチ板はノーマルではレーシングスタート時に臭くなるし、スベリ気味になるのも経験済み。 なのでコレは仕方ないのでAP社のモノを使うことにしたが、カバーだけは使いたくないのでトラブルが起きたという話を聞いたことがないノーマルをチョイス。

反発力が弱いのは承知しているが、どうもコイツが悪さの根源のような気がしている。

レリーズベアリングはAPのクラッチキットを購入したらアップグレード版のレリーズベアリングが添付されたていたので使用することにした。 そう、今回も性懲りもなくAPのクラッチキットを購入していたので使えそうなモノは使わないと勿体ないのだ。

さて、これで組み上がったクラッチだが、状況は今のところ問題ない。 が、これは今までも直後は問題が出ていないので来月号までに問題が出なければ、フライホイールかクラッチカバーのどちらかが問題商品と言う事に成る。

某氏からこんな話を聞いた。

>クラッチ関係はエリに限らずPでもS2Kでも同じような症状出ます
>私もGT2用カバーにザックスRacingクラッチ&フライホイール入れたら
>マスターがしょっちゅう飛びました
>今はノーマルカバーに上記クラッチ&特注フライ入れて走ってます
>友人のS2Kも最終的にカバーはノーマルですね
>そうじゃないと必ず違う所が壊れるようですので

世の中に強化パーツと呼ばれるモノは多々あるが、クラッチはヒューズと捉えて摩耗・消耗することを前提としておかねば成らないのかも知れない。 過去にBNR32のGT-Rをブーストアップで楽しく乗っていたら高速道路でクラッチが滑った。

これはパワーに対して耐えられなくなったのでOSのツインを入れて凌いだが、メーカーもプッシュ式のクラッチをマイナーチェンジでプル式にして対策してきたのは有名な話。 これをヒューズとして捉えれば、ミッションを壊す前にクラッチが警告を発すると思って良いのかも知れない。

因みにレース後の私のクラッチとミッションはレース前に比べて馴染みが付いたのか、とてもスムーズに成ったことを付け加えておく。

 

 今月の整備記録

オイルポンプガスケット、オイルシール再交換 2011.02.26 117,500km ロータス純正
クラッチマスターシリンダー交換 2011.02.26 117,500km ロータス純正
クラッチレリーズシリンダー交換 2011.02.26 117,500km ロータス純正
フライホイール交換 2011.02.26 117,500km エリーゼパーツ
クラッチプレート交換 2011.02.26 117,500km AP強化
クラッチカバー交換 2011.02.26 117,500km ロータス純正ノーマル
レリーズベアリング交換 2011.02.26 117,500km エリーゼパーツ強化品

■ ベストラップタイムの記録
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分4秒498(2006.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 新コース
2分03秒127(2008.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分16秒808(2009.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+ノーマルマフラー
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分34秒157(2010.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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