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2010.05




結局、ミッションは降ろしてフルオーバーホール

  2010 ADVAN Lotus111cup Rd.2

開幕戦とは打って変わっての快晴。

朝の内は昨日の冷気が少し残っていたが日が昇るにつれて暖かくなり、決勝時間帯には半袖でも居られるほどの気温と成った。

今回は新品タイヤを投入したのだが、皮剥き無しの本当の新品。 予選のコースイン後はズルズルで「やはり新品は駄目か」と思ったが、3周目辺りから急激にグリップ回復。 これなら行けそう。

セッティングが出ていない車で自己ベストなんぞ出る訳がないのだが、最後の最後で久しぶりの4秒台。 しかし、なんとこの渾身のラップは計測されず。 タワーの電光掲示板を見ると私のゼッケン73は4番手。 トップは11号車で2番手は37号車と納得の布陣。 しかし3番手の58号車は何方?

パドックに戻ると37号車が一足先に戻っていたのだが、エンジンフードを開けて難しい顔つき。 残念ながらエンジントラブルらしい。

さて、先程の58号車はと確認すると、スーパーチャージャー付きの211ではないか。 なるほど。 そして後方は99号車の340R。 しかもタイムは瞬きの間もない1/100程度の差。 これは両者ともノーマルとは言え、動力性能が違うのでスタートでミスると勝機無しだ。

ということで決勝は4番グリッドからのスタート。 2番タイムの37号車がリタイヤしたため前方には車両無し。 しかし何度やっても上手く行かないスタートは私にとって鬼門。 フォーメーションラップで目一杯タイヤとブレーキを作ったモノの、相変わらず私の小さい心臓はバクバクで、サイドブレーキレバーを引き上げてロック、そしてクラッチペダルを踏んでいるとソノ足がピクピクと震えて来るほど。

今回のスタート、上手ではないが何とかストールせず。 そして抜かれもせずに1コーナーに2番手で進入出来たので私としては上出来かと。 これは偏にレース慣れしていないお二人だったからなのは言う迄もない。 そんな私の前を行くのは予選で4秒1を出して居る11号車。 クラスは違うけど何処まで行けるかと考えていたらアドレナリンが沸々と。

2周目の1コーナーでテールツーノーズになったら俄然ヤル気満々となったが、これは相手もアドレナリン噴出したようで車の様子が一変。 僅かなカウンターステアを当てながら突き進む姿はワクワクさせてくれる。

これに応えなければ男じゃない。 ありがたいことにライバル視してくれているというので、予選の時よりも集中して全力で追いかけるモノの、残念ながら追いつく事は出来なかったがソレなりに頑張ったつもり。

※車載動画はイツモの所からご覧下さい

 

  ミッションオーバーホール

先月御報告したミッションオイルの漏れ、結局ミッションを降ろすことにした。

肉眼の目視だけではクラックは発見出来ないので、降ろしたケースを洗浄してレッドチェックすると...僅かなクラックを発見。 街乗りでは出ずサーキットを走った時にだけ滲んでくるミッションオイルは、この僅かなクラックから出てきた模様。

となると、このケースは廃棄処分。 幸いなことに以前にエンジンを購入した際にミッションも一緒に付いてきていたので、そのケースを使うことにした。 が、ギヤ比以外は全く同じだと思って居たローバー200iのミッション、実は細かいトコロが違っていて後で泣く羽目に。

非常に解りづらい画像で申し訳ないが、下から2枚目のギヤが問題の2速ギヤ。 下に見える1速と比べて右側の歯先にアタリ傷が付いているのが解るだろうか。 使えない訳ではないが、これを見てしまったら交換したくなるのが心情。

ではと純正クロスの2速ギヤとインプットシャフトを発注。 しかし、これが新品パーツとしては国内に無いことが判明。 ローバーが倒産してから数年。 各種消耗パーツやオイルシールなどの品質が悪くなったことを嘆いたが、パーツ自体の供給状況がここまで悪いとは思わなかった。

このとき既にレース1週間前を切った状態。

英国から取り寄せるには時間がない。 では中古ミッションを購入して載せ替えか? でも、国内に内部が綺麗なことが確認出来る中古ミッションなど存在するのか?

レース参加を半ば諦めかけたとき、ネットで書き込みをしたのはご存知の通り。 そしてそれに応えてくれたのは東北の友人。 彼に助けて貰ったのはコレで何回目だろう。 彼がストックしていたギヤを安価に譲ってくれるという。 助かった。

届いたギヤを確認し、問題ないことが解ったので早速コンバート開始。 彼から譲って戴いたギヤとインプットシャフト、そして私のギヤの良いとこ取りでニコイチミッションとなった。 いやケースも交換したから3個イチか。 そしてシンクロはヘタっていた1速と2速を新品に交換。 このシンクロはまだ新品が入手可能なようだ。

ということで本格的なオーバーホールとなったので、デフの中身などもチェック。 するとサイドベアリングに異音が出ているので交換と成ったが、1つ酷いものが有って吃驚した。

左側も音が出ていたが、右側は更に酷くガタが出ていた。 そのガタの原因はというと、ベアリングの1つが虫食い状態となっていたのだ。

これに気がついただけでもチェックの甲斐があったというもの。 アクセルオフでミッションからガラガラ言っていたのはこれが原因だったようで、交換後はアクセルオフでも静かになった。 何が原因かは定かでないが、こんなハズレもあるから恐ろしい。

これで無事完成かと思ったのだが、再度バラす羽目に。 それは何故かというと、消耗していたシフトフォークを前述のローバーのミッションに付いていたモノと交換してしまったからだ。

右がローバー200で左がエリーゼのもの。

この部分が摩耗していたので交換することにしたのだが、まさか細かい箇所が異なっているとは思わずに組んで戴いたらシフトチェンジ出来ず。 これはオカシイと言う事で再度降ろして確認して解った次第。

幸いにしてこれも中古パーツが入手出来たので交換出来たが、今後ミッションのオーバーホールを予定している人は英国からパーツを取った方が安上がりだ。 しかし、それもパーツ供給が心許ないので、長く乗ろうとしているユーザーは今の内からパーツをストックしておくことを勧める。

結局、漸くミッションが組み上がったのはレースの前々日。 しかも前日は都内でも雪が降る可能性があると言うことで、店長さんに無理を言って3日前に引き取りに行った。 というのも、前日に各部のチェックをして不具合があるかの確認をしておきたいからだ。

折角組んで戴いたのに、フィーリングが合わなかったり自分の好みに合わないとタイムに響くのだ。

まず初乗りの印象だが、ミッションが渋い。 そしてギヤの位置が遠く、シートを1ノッチ下げているような感触だ。

15キロほどしか乗っていないが、明らかに2・4・Rギヤ、つまり手前に引く側が全て引っかかるのだ。 ダブルクラッチを踏んでも変わらない。 2とRは以前から渋いのだが、4速は今まで支障なかったのだから何かの調整が悪いのだろう。

帰宅して早々、もう日付が変わりそうだったのでダビデさんにはメールで状況を報告。 土曜朝に調整のため伺うと書いたのだが...

なんと翌日は雪。 観測史上最も遅いタイ記録だとか。 なにも、よりによってレース前に降ってくれなくても。 しかし天候は急速に改善し、10時頃には日も差してきたので慌てて出動。

状況は伝えてあるので早速調整作業。 リンケージの調整でニュートラルのシフトレバーイチは以前と同じような位置に修正終了。 あとは2・4・Rの渋さ解消が問題だが、これは今まで使用していたインプットシャフトでは無いことと、シンクロ交換もあるのでアタリが付くまでは渋いとのこと。

では仕方ない、当たりを付けてやろう。 時間がないので新車時の慣らしのようには行かないが、頻繁に丁寧なギヤチェンジをしてみた。 2時間ほど左手が辛くなる位のシフトチェンジを繰り返し、信号待ちでもクラッチを何度も踏みながら2速のゲートに優しく入れてやったところ、明らかにフィーリングが向上。

やはりミッションオイルはニューテックの相性が良い。 これだは戦いに支障が出ると思ったミッションだが、3時間目には殆ど気にならないほど引っかかりは減少した。 エンジンの慣らしもさることながら、ミッションの慣らしも重要だと再確認した。

今回のオーバーホールで交換したパーツを忘れないために羅列しておこう。
1.セカンドギヤ
2.インプットシャフト
3.1・2速シンクロ
4.シフトフォーク
5.ベアリング類全て
6.ベアリングレース
7.クレブスピン
8.ミッションケース
9.クラッチレリーズブラケット
10.クラッチレリーズベアリング

そうだ、ブラケットのことを書かなくてはならないが、その前にベアリングレースとクレブスピンの画像を載せて置こう。

レース、使えないことはないが完全なオーバーホールということで、この際だから交換することにした。 クレブスピンは10万キロの酷使で変形摩耗していたので交換。

さて、クラッチのレリーズブラケットだが、ここのが弱いというのは有名な話。 勿論、私のブラケットも補強は入れてあったので安心していたのだが、御覧の有様。

補強プレートを装着した上にアングル材も追加して溶接していたのにも拘わらず、パックリ逝ってしまっていた。 しかもこの錆からしてクラックが入ったのは最近では無さそうだ。 なぜこんなブラケットを装着しているのかと思ったが、元々のミッションはワイヤー式のクラッチレリーズなので、ロータス系はブラケットを装着するしか無かったようだ。

アルミの削りだしでワンオフと言う手もあるが、何しろレースが迫ってきているので新品パーツに補強で対処することにした。 ということは再び逝ってしまう可能性大なので、ここは頻繁にチェックしておきたい。

先程、アルミの削りだしと書いたが、形状的に削り出しは難しそうだ。 何か良い方法はないだろうか。

エリーゼに搭載しているPG1タイプのローバーミッションが解るサイトを教えて戴いたので掲載しておく。
http://wiki.seloc.org/a/Rover_PG1_gearbox

このギヤボックス、海外でも評判は良くないようだが、Texaco MTF94というミッションオイルが良い(というか純正指定だ)という事が彼方此方に書かれている事が気になる。 しかもこれがホンダMTF-Vと同じだとか。 どなたか試した事があるだろうか。 そのフィーリングを知りたいところだ。

 

  雑記

先月交換したエンジンオイル、なんとなく毛嫌いしていたメーカーというのはSUNOCO。 あまり量販店に置いていないのは構わないのだが、ショップ直売形式を重要視しているようだ。 高価格ではないのだが闇カルテルがあるような...勘ぐりすぎだろうか。

諸元表を見ているだけでは解らないのでサーキットでテスト、やはりこれに勝るモノはない。 それにしても世の中にエンジンオイルは沢山あり、安い物はMonotaROの4リッター千円以下から1リッターで四千円もするものまで。

なにをして良いか悪いかの判断は区々だと思うが、熱が入っても油圧の落ちないエンジンオイルが私にとっては安心材料。 これから書くことは流行っている0W-20は怖くて入れられないオッサンの感覚ということでご判断戴きたい。

搭載しているエンジンはラッシュアジャスター機能のあるものだから、レスポンスやパワーよりもエンジンの油圧確保と保護を一番に考えたいと思っている。(※私の動画で解るとおり、無謀なシフトダウンはオーバーレヴ多発なので)

そんな私のエリーゼ、既にエンジン3基目。 クリアランスの大きなピストンと、柔らかめなピストンリングでフリクションロスは低いのかも知れないが、ロングストロークということで首を振りやすく、且つヘンテコなスリーブがヘッドガスケットを均一な力で締め付けることを妨げている。 開けたエンジンは全てライナーが楕円形に摩耗してオイル上がりしていた。

ところで、愛用していた並行モチュールが入手し辛く成って以来、巷の並行モチュールの価格は高騰。 一番安い時期はリッター辺り\1,500程度で入手出来ていたのだが...

そんなこんなで今回はWAKO'Sと並んで嫌いなブランドであるSUNOCOを入れてみた。 なぜワコーズが嫌いなのかは多くを語るのは止めておくが、それと似たようなの理由でスノコが嫌いだったというのも有り、昔から名前は知っているが使ったことは一度も無い。

と、ここまで勿体ぶった感想はと言うと、モチュールと感触が同一。 まずエンジン始動時の油圧、一気に5キロぐらい掛かる。 これは今までオイルポンプにワッシャー噛ませて、リリーフバルブに無茶させて以来の最高値。 因みに使用したのは12.w-40という聞き慣れないグレード。

レースの予選決勝とも油圧は4キロ以上をキープし、油温は最高で100度。 御存知かと思うが、私の車両はミッドシップというレイアウトでありながらオイルクーラーは空冷の物をフロントの開口部まで持ってきている。 確かホースの長さは5メートルだったかと。

それでこの油圧なら安心。 あとはオイル消費だが、先日のレースだけ言うと消費量は解らない程度。 ということで第一印象は悪くないので、もう暫く使ってみることにする。 このオイル、ネットの通販で購入しているのだが、4リッター缶が送料込み7千円程度。 リッター辺り1750円なら曾ての通販並行モチュールと比べても同等だろう。

 

 今月の整備記録

エンジンオイル&エレメント交換 2010.04.15 109,400km SUNOCO BRILL 12.5W-40
ミッションオイル交換 2010.04.15 109,400km NUTEC NC-70 75W-90
ミッション フルオーバーホール 2010.04.15 109,400km 各種パーツ交換
ミッションオイル交換 2010.04.25 109,650km NUTEC NC-70 75W-90
   

■ ベストラップタイムの記録
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分4秒498(2006.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 新コース
2分03秒127(2008.01 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分16秒808(2009.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォース
ダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+ノーマルマフラー

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