もう何度書いたか解らない不具合報告だが、今月はイツモに増して盛沢山。
まずは先月号でサラリと書いたエンジンマウントブラケット。 車両から取り外してみると、それは酷いことに成っていた。
これ、エンジン載替時既に起きていた可能性があったのかも知れない。 というのもエンジン載替をして京都まで下道で慣らしの旅に出たとき、発進時にローギアでクラッチミートする際に背後から「カチン」と言う音が発生していたのだ。 この時は何処から音がするのか発生源が解らず、走るのに大きな影響が出る訳でも無かったので放置していたのが間違いの元だった。
私の掲示板にも書き、友人からも言われたのだが、イツモと違う音がしたり好調時とは違う症状が出たときは必ず何か起きている。 「取り敢えず様子を見ましょう」というのが一番ダメだ。 何が起きているのか解らなければ解るように様子を見るなら構わないが、何か起きるまで待ちましょうというのでは駄目なのだ。
私も技術者の端くれ、以後は意識を変えていこうと思う。 僅かな不具合に気がつけるのは持ち主しか居ないのだから。
おっと、話が逸れた。
このマウント交換時に主治医の強いススメがあり、他のマウント類というかブラケットも半ば強制的に交換
することになった。 今までは不具合が起きてから交換するパターンだったが、何度も書いているように私のエリーゼも10万キロオーバーという一つの節目を迎えたので、今後はリフレッシュも視野に入れてメンテしていこうと思う。
これが新品のエンジン下側のブラケット。 実はコレ、知る人ぞ知る壊れやすいパーツで、サーキットで溶接部分が破断してしまった車両を何度も見ている。 壊れる可能性が解っているなら対策するしかない。
加工後がコノ状態。 奥に僅かに見えるのが今まで付けていた加工済みブラケットで、今回もリブの部分に断面がH型鋼材のように成るようフランジを追加することによって強度をアップさせてある。
こういう加工が気軽に出来る工作室が欲しいのだが、流石に溶接は敷居が高い。 と、以前は思って居たのだが、ロドスタ時代にお世話に成った友人は12ボルトのバッテリーを連結させて簡易アーク溶接をしていたのを思い出した。
私もカツテはプライベーターだった。(筈?) 最近は手を汚し時間を掛けて加工することをスッカリ忘れている。 自分の車のコンディションを知る上でも、自分で出来ることは極力行う方針にしよう。 勿論、元々私は弄っているより走っている方が好きなのだが。
さて、これで動力伝達の不具合は解消したはず。 ではレース前にケチってギリギリまで使い込んだブレーキパッドを交換しようか、と、ローターは交換せずにブレーキパッドのみ交換して走ってみると盛大にジャダー発生。
外したパッドを見ると綺麗に均一な摩耗をせずに偏摩耗している。 この時ふと思い立ってキャリパーを外してピストン部分を見ると、ピストンが斜めに出ている
ではないか。 これでは偏摩耗するのも仕方ない。
良いか悪いかは知らぬが、此処で私はウォーターポンププライヤーでピストンをグルリと180度回転。 せめて偏摩耗がこれ以上進行しないようにと思ったのだ。
しかしこれが大失敗。 タッチは悪くなるし、アタリツケをしようと散歩道を少しハイペースで往復していたら以前よりローターに盛大なジャダーが出てしまった。
リアローターの厚さを計測すると23.9ミリでフロントは24.4ミリ。 そして新品は26ミリで使用限界は24.75ミリ。 仕方ないのでローター
を新品に交換することに。
と、此処で更に追い打ち。
ローター交換したらリヤの左だけローターが固着。 何故ここだけ固着しているんだろうと思いながら新品ローターを装着すると据わりが悪い。 よくよく見てみると、ハブプレートの奥に僅かな段差有り。
くっそー、こんな事に気づかず使っていたとは。 だから左のリヤだけキャリパーが駄目に成ってしまったのか。 ということでハブとハブベアリング交換
。
またまた某所へ行って忙しく往復し、アタリツケをしたがジャダーは直らず。 ここで主治医に相談すると、これまた半ば強制的にキャリパーのオーバーホール
となった。
そして更に主治医、もう10万キロ走ったのだからブレーキのマスターシリンダーとホース類も交換した方が良い、と、またまた半強制で交換。
今回はブレーキホースに罅割れが見受けられたし、カシメの所から少し滲みも始まっていたので納得の交換。
しかし一気にこれだけのリフレッシュを行うのは想定外。 今年のメンテ予定額を既に大幅にオーバー。 タイヤも欲しいしパソコンもデジカメも欲しかったのだが、それどころではない。 レース前の練習や週末の散歩ガソリン代やアルコール代も控えなければ成らなくなってしまった。
ところで今まで使っていたラップタイムカウンターのP-LAP2、今年の6月から筑波では周回タイムがセクター計測に移行したことにより使用が出来なくなってしまった。 仕方ないので愛用していた友人の手が入ったP-LAP2改12V仕様はヤフオクに出すことにして、価格の安いLAP-SHOTを購入・取付。
久々に足下の色々なものを外したら、余りの汚れ具合と劣化具合にガッカリ。 10万キロってこういう事なのね。
空調のインパネも劣化して黄ばんできているし、後付けメーターの油温計も暫く前からセンサー故障で動いていない。 なんだか随分ポンコツになった
。
油温計は大森のメーターで、巷では壊れやすいと評判のセンサーだけを交換すれば済む話なのだが、残念ながら大森メーターは倒産していて現在では入手不可能。
偶にヤフオクに出る品物を購入するか他社製品を購入して付け替えるしかない。
買い換えようかとトラスト・HKS・ウルトラなどを検索したが、何とどのメーカーも後付メーターは撤退ムード。 唯一Defiだけが元気なようなのだが、
よりによってDefiは私の好みではないんだよな。 しかしこれほど選択肢がないとは思わなかった、車趣味に人気が無いことや不況をヒシヒシと感じ
てしまった。
LAP-SHOTは元々12ボルト駆動なので今までP-LAP改で使っていた電源が利用できる。 購入したLAP-SHOTはシガライターソケット仕様の
新品なのだが、躊躇うことなく配線をカット。 スッキリとは言い難いが、取敢えず筑波のラップタイムを計測できる状態にはセット出来た。
さぁ、これで筑波サーキットを走るぞ...と思ったらエンジン不調。
またまた恒例のセーフモード。 何が起きたかと主治医のダビデさんの所でロータススキャンに掛けると、スロポジに電気が行ってないらしい。 スロポジが駄目に成ったかと、スロポジを用意してテスター当てて調べてみると
、スロポジ本体ではなくカプラー内部での断線。 仕方ない、カプラー交換だ。
さぁ、これで直ったぞと某所へテストに。 暫く楽しく走っているとアイドリングが100回転高いし燃調も合っていない感じだ。
またかよ。
ダビデさんでロータススキャンに掛けて貰おうと翌朝にエンジン掛けると、掛かり方がイツモと違う。 何だかセルモーターに力がない感じ。 アイドリングは相変わらず100回転高い
。 この日は会社に行く用事があったので事務所に寄ったのだが、車を駐めようとしたときiPodからの音が途切れ途切れになった。
あ、これはバッテリー上がりだ。
仕事を終えて車に戻ってイグニッションをオンに。 よし、まだインパネは表示される。 恐る恐るキーシリンダーをスタート位置に捻ると、「くぅぅ..」 あ、駄目だ。 一旦シリンダーから鍵を抜き、再度セルを回す位置にシリンダーを回転させたが「カチッ」だけで完全に駄目。
不動車になってしまった。 さぁどうする。 主治医のダビデさんは一人でやっているショップで、積車の常備はしていないので緊急出張対応は不可能。
ん、まてよ、そうだココは元地元。 実家が有るじゃないか。 すぐさま実家に電話すると弟の奥さんが応対。 親父とお袋は旅行に出かけて不在らしいが、彼らの車から
彼らにバッテリーを外して持ってきてくれなんて土台無理な話だからアテにはしていない。
アテにしているのは弟。 この日は幸いにして弟は休みで近くの小学校まで野球を見に行っているとのことで、迷うことなく彼の携帯に電話。 斯く斯く然然と話し、彼のステップワゴンからバッテリー
を外して持ってきてくれと依頼。 15分ほど経過するとスクーターに乗った弟登場。
バッテリーを助手席側に置き、こういうコトも有ろうかと常時携行しているジャンプコードでバッテリーを接続しエンジン始動。 よし掛かった。 高田馬場から世田谷のダビデさんまで
行かねばならないが、生憎とこの日は猛暑日で都内は渋滞。 そもそも新宿を抜けて甲州街道+環八というカーナビのお手本ルートのような道が休日の昼間に空いている訳がない。
お手本ルートをストップ&ゴーを繰り返して這っていると、案の定グングンと水温は上昇し90度台後半。 このままでは電動クーリングファンが回って電気を食
ってしまう。 何度か危うくなったが、女神様は見捨てなかったようで何とかファンを回すことなくダビデさんに到着。
「またオルタ、11個目になりそうです」と店主に言いつつ、エンジンを止めずにエンジンフードをオープン。 店主がロータススキャンの準備をしている間、
ついつい癖でオルタの辺りを覗き込む。 見ても直る訳でもないのだが、何げなく見ていたらオルタの横にブラブラしている物を発見。 あらら、端子が折れてるじゃん。
調べてみるとオルタの端子が2つともブラブラ。 なーんだ、エンジンマウント逝ったときの影響で逝ったんだなと、勝手に安堵して修理開始。
それにしても端子がショートしなくて良かった。
修理完了してエンジン再始動。 大丈夫だと思うが念のためにとロータススキャン。 すると何とオルタの発電無し。 そして無情にもオルタから発煙と異音。 慌ててエンジン停止してオルタを触ると異常発熱...
やっぱりオルタは11個目の交換をする羽目に。 自称、世界一エリーゼのオルタを壊す男は健在だった。
しかし笑い事ではない、もういい加減にして欲しい。 その後、主治医と相談して「完璧な遮熱対策」を施すことに。 今月号を執筆している現時点ではオルタが届いて交換は出来たが遮熱の対策
は検討中。 いかにしてエキマニからの熱害を遮断するかが鍵だ。