誰かが言った、「我々にとって5月5日は大人のためのこどもの日だよね」と。 子供の為で無く自分の為に遊ぶという行為に神様がお怒りになったのかどうかは定かではないが、またしても111cupRd.2
FSWは雨に祟られた。
FISCOがFSWに変わってから通算6回目の111cupだが、今回を含めて雨に降られたのは4回。 2007年は5月20日に開催しておりこどもの日開催ではないので、それを除くと5回の内4回が雨という高確率。 もう、こどもの日には開催しない方が良いのかも知れない。
今年のゴールデンウィークは千円高速のためか各高速道路は大混雑。 普段、余り走らないサンデードライバーが大挙して走っているので、渋滞を助長しているのは間違いないだろう。 以前にも書いた気がするが、彼らの走り方は理解に苦しむ行為が多すぎる。
まず走っているときは直前の車だけを見るのではなく、その先に走っている車両も視野に入れ、減速している様子が見受けられたらブレーキを踏むのではなくアクセルを踏んでいる足を緩めてエンジンブレーキを上手に使って欲しい。
下手なドライバーに限って頻繁にブレーキを踏む。 しかもゆっくりと減速出来るような場合でも必要以上の減速をするものだから、後続車がそれを見て更に急減速。 しかも必要以上に減速するので、減速した直後に加速。 この馬鹿げた行為のために交通の流れにスムーズさが無くなる。
大渋滞になって停車になると更に酷い。 これは街中でも散見されるのだが、前走車が止まるのに合わせて停車するまでは良いが、一旦止まってからノロノロと動き出して前車との間隔を詰めに入る。 そして、前が詰まっていて少ししか動かない事が解っているのに勢いよく加速するから再び強く減速。 こんな走り方を繰り返されては、いくら環境によいと言われている車に乗っていても運転手が環境に良くない。
そんな環境に良くないドライバーを避けるため、楽しく気持ちよくストレスを溜めずに到着したいので早朝に家を出た。 高速道路の深夜早朝割引は6時までにETCゲートを通過する必要があるのだが、前日は6時の時点で既に渋滞開始だった事から、もう少し早い5時15分には東名用賀インターに入った。
交通量はソコソコ。 多くもなく少なくもなく、スムーズに流れている。 これならストレスを感じずに到着することが出来そうだ。 と、いつものように走行車線を流れに逆らわずに流していると、追い越し車線にゼッケン付きエリーゼを発見。 エリーゼは一般車両に比べると極端に車高が低く、更にコンパクトなので目立つのだが解りにくい。
横に並んだ車両は45号車。 追い抜いていく彼の背後に付くが、彼も程なくして走行車線に戻り、渋滞に遭うこともなく淡々と走行。 やがて大井松田インターが近づいたので私は更に左側車線に車線変更したが、彼は直進。 どうやら御殿場まで行く気らしい。
私はいつものように国道246号線でFSWを目指す。 不況のためか相変わらず他府県ナンバーを付けたトラックが下道を沢山走っている。 ご苦労様です。 先程のサンデードライバーと違って彼らは上手い。 大きい車体、中には2連結のトレーラーも居るが、必要のない限り決して車線は割らない。 信号の手前では効果的にエンジンブレーキ(排気ブレーキ)を使用したエコな走行。 走行速度も燃費がよい回転域を使っているのだろう、決して遅くない速度でペースを作っている。
彼らのペースで淡々と走り、FSW近くにあるコンビニに入ろうとしたら対向車線に45号車。 どちらで下りても到着時間は変わらないらしい。 で有れば混むこともあるが、料金が安くて走行距離が少ない大井松田インターの方が私は良いな。
コンビニで朝食を買い込んでからゲートに到着してみると、まだ守衛さんの居るサブゲートが閉まっている。 これほど早朝に到着したことが無かったので知らなかったのだが、6時半にならないと開門しないらしい。 先程の45号車の前には37号車と33号車、彼らは5時頃インターに上がったとか。
これで29号車が揃えば世田谷モンキーズ全員集合なのだが、29号車は毎回ギリギリ。 こんな時間に来るはずもない、などと言う話をしながら時折空を見上げる。 そう、雨が心配なのだ。 去年到着したときは霧が立ちこめ、コースをピットから見ると最終コーナーも1コーナーも濃霧で見えなかった。
今年は濃霧こそ無いが、事前に確認した天気予報では昼から雨。 持参したワンセグ付カーナビのゴリラでNHKのニュースを視聴していると、静岡地方は昼前から雨と言っている。 雨粒が落ちてくるのが少し早まりそうだ。
今年もウエットか...去年の富士は予選はドライで決勝がウェット。 しかもフォーメーションラップに出ようとした所でザーッと大粒の雨にやられ、ドライのセッティングでフルウェットで走るのは恐怖だった。
待ち合わせ場所に車を駐め、荷物を降ろしながら仲間達と楽しい四方山話。 その傍らではウェットを予想して屋根から伝ってくる雨を避けるための雨樋をテープで工作している車両や、曇り止めや撥水材をフロントウィンドウに塗布している車両が何台か。 それを見たエントラントが「雨対策なんてするなよ」とチャチャを入れて居る。
シリーズ2は屋根の形状が多少違うので室内には入りにくいらしく、雨樋を作っている者は殆ど居ないが、シリーズ1は大半のエントラントが雨対策を施工。 雨の日は、雨樋+雨漏り対策+撥水材+曇り止め、そしてタイヤの空気圧調整が必須。
そんな事をしていると29号車登場。 皆んなで「どうしたの?奥さんに追い出された?」と彼に意地悪して聞くが、道路が空いていたからと彼。 そんな話をしていたら顔にポツリ。 とうとう来たか。 「29号車がこんなに早く来るから雨が降るんだ」と仲間達は相変わらず容赦ない。
仕方ない、雨対策をするか。 まずは窓の上に雨樋を製作。 これが無いと屋根に落ちた雨が車内に流れ込んでくるのだ。
製作はイツモのように養生テープ。 ガムテープでも構わないが、直ぐに剥がすしガムテープは糊が残りやすいのだ。 作り方は難しくはないが、拘るとそれなりに時間が掛かる。 そしてこういうのに拘るのが私。 直線部分は皆無と言えるボディ形状のため、雨樋を綺麗に作ろうとすると時間が掛かる。 そんな作業を見ていた33号車のドライバー、私に向かって「まだやってんの?」。
この3日前の5月2日、自宅で久しぶりに足車のオデッセイを洗車していたら腰にグキッと来た。 あぁ、やっちまった。 腰がブローだ。 それも今回はかなり激しくブロー。 やりかけた洗車は愚息二人に命令してワックス掛けまで滞りなく仕上げたが、翌日になっても腰の痛みが一向に引かない。
実は33号車のドライバーは医者。 日曜だが彼に電話して窮状を説明すると、診てくれるという。 ありがたや、ありがたや。 早速、綺麗になったオデッセイで世田谷に向かう。
其処には息子さんと二人で33号車の作業をしている33氏。 どれどれと診察室で見て貰うと、痛み止めの飲み薬とコルセットをしたほうが良いと私に指示。 コルセットを装着するのは初めてだが、これは良い。 まともに歩くことも出来なかったのだが、装着することで何とか歩くことが出来るようになった。 運転も思ったよりしやすい。
ということで、レース当日もコルセット装着でレーシングスーツを着ているのだが、とにかく動作が鈍い。 なので先程の雨樋作りもイツモのキレが無く作業が遅いのだ。
しかし階段の昇降さえキツイのに、アクロバティックな動作で乗り込まなくてはならないエリーゼに乗り込み腰のセンサーを使っての運転は出来るのだろうか。 それとも走り出してしまえばアドレナリンが大噴出してリカバリーしてくれるのだろうか。
などと考えていたら雨脚が強まった。 まだポツポツと降っている程度の時は340Rのみピット内に入れたのだが、こうなってはエンジンフードに開口部のあるエリーゼはプラグホールに雨水が溜まってリークしやすくなる。 見えるはずの富士山も見えなくなった、こうなると富士の雨は止まない。 少し狭いがピットに全車入れようと言う事になった。
111cupは早く来た者順に予選出走開始というルールがあるのだが、今回のピット入りが後から混乱の元になる事に成るとはこの時誰も思わなかった。 次回からはドライバーズミーティングで予選コースイン方法については明確にしておくべきだな。
前日はスーパーGTのレースが有り、いわゆるラバーが乗っている事を期待していた私らを嘲笑うかのように、雨は降ったり止んだりを繰り返しつつドライバーズミーティングをしている間に徐々に路面の色が変わって来た。
そのドラミが終わる頃にはコースは完全にウエット。 予選だけでも何とかドライで走りたかったのだが残念ながら諦めざるを得ない。
予選
さて、ソロソロ準備するかと思っていた予選開始まで20分と言うところで突然「予選開始が早まる」とアナウンス。
皆、慌てて出走準備。 エンジンに火を入れてハーネスを締めていると、もう誘導開始している。 しかも毎回誘導している人と違う人が誘導、つまり状況を把握していない人が誘導したのでルール通りのコースインとならず混乱。
これでは何のために早く来たのか解らない。 先程も書いたが、やはりコースインのルールは明確にしておくべきだな。
ピットレーンに列ぶと直ぐにシグナルがブルーになり、コースイン開始。 さて気を取り直して予選に集中。 ポツポツと雨粒が落ちてくるフロントウィンドウに映るのは最古参の8号車。 恐らく最初の数周は車とコースに慣れるためスローペースの筈。 だがそれに連れられてしまったら美味しい所(時間)は無くなってしまう。
やはり案の定8号車はスローペース。 ヘアピンで前に行かせて戴く。 が、もう前に出ていった3台は随分と先行している。 私もペースを上げて追走するが思ったよりペースが良いし、この位の雨ならたっぷり塗ったレインXも効いてワイパーは要らない。
ウエットとしてはコンディション良いかも、と思ったが、前日にはスーパーGTが開催されており、コースには所謂ラバーが乗った状態なのかも知れない。 そうであればラバーが雨で流されてしまう前に決めておきたい。
ストレート全開でも恐怖心無し。 相変わらず雨粒はフロントウィンドウを叩いているが、これは間違いなくウエットとしては有り得ない好コンディションだ。 ただ、ブレーキングだけは慎重に行かねばならない。 1コーナーへは250m看板から様子を見ながら進入してみた。
まだ詰められそうだ。
コーナーでのグリップも有り得ないほど良い。 トラクションも掛かる。 この日のためにゴールデンウィークの内3日間、1000キロを走ってそれなりのセッティングを探った甲斐が有った。 車は悪くない動きをしてくれている。
最近乗りに乗れている37号車の姿はないが、2周目のシケインで96号車と33号車に追いついた。 最終セクションを登っていくと37号車がチラリと見えた。 まだそんなには離されていないらしい。
96号車はシリーズ2のスタンダードベースの筈なので、ストレートの加速で簡単にパスできると思ったが想像したより随分速い。 手を抜くつもりは全くないが、気をつけていないとパスできないかも知れない。 これは侮れない車両だ。
雨粒が少し大きくなってきた。 雨粒の向こうにいるのはライバルの33号車。 彼もスロースターターなので3周目では彼自体のエンジンは全開ではないかも知れないが、直線では間違いなく全開だ。 彼の車は私の車と同スペック。 今年から111S仕様に成っているのでワンミスが命取りになる。
ストレートでは全く互角、インフィールドでの走り方で勝負が決まる。 先程より1コーナーのブレーキングは少し奥にしてみた。 200m看板でアクセルペダルから足を載せ替えても十分間に合うのを確認。
33号車は1コーナーに慎重なアプローチをしてきた。 というより出口での加速重視ラインだ。 ウエットならそれも有りだろう。 だが、今のコンディションなら私の方法もアリだ。 コカコーラで完全に捉えた。
100Rでペースの上がらないライバルを容赦なく煽り、1ヘアのインから刺させて戴いた。 そして33号車を背後に従え、300Rを下っていくと37号車の影が一瞬見えた。
まだ追えるかも知れない。 私は後追いすると実力以上の走りが出来る。 特に37号車は論理的に走るので、論理も理論も持ち合わせていない私には好都合。 が、残念ながらストレートに入った頃には37号車も全てが全開になっており、とても追いつけそうにない。 その後は一人旅。
大体5秒半ばで周回の一人旅。
何とか4秒代が出ないかと頑張ってみたものの、ペースアップすると何処かでミス。 恐らく安定した走りが出来れば、つまり良いとこ取りしたら4秒半ばかと...などと捕らぬ狸の皮算用をしていたら37号車に追いついた。
雨脚が強くなったので37号車はペースダウンしたようだ。 よし此処でもう少し頑張ってとシケインに向かってハードブレーキング。 が、止まらない....あー、ロックしてしまった。 よりによって彼の目前で醜態を晒してしまうとは。
こういう場面をシッカリと捉えていたNカメラマンにも脱帽。(いつもありがとうございます)
これで萎えては男が廃る。 次の一周は決めてやると思ったが強くなる雨脚には勝てず走行終了。 終わってみれば結局2分5秒3とウェットにしてはマズマズ。 順位は総合2位だが、1位は37号車で4秒フラットと私では話にならず。
今回私はAD08ネオバの冷間空気圧を2キロ程度にして走ったのだが、走行後の温間タイヤ空気圧は2.4キロだった。 走行後のタイヤを覗き込むと、ウェット路面を走ったとは思えないタイヤの溶け方だった。
と、その時に腰に痛みが。 あ、そうか、私は腰を痛めていたんだっけ。
決勝
予選が終わってから1時間しか経っていないがコースは完全ウエット。 予選後半に本降りと成った雨はその後も雨脚を弱めることなく降り続いてしまった。
コースに川が出来ていないだけ去年よりはマシだが、ウォータースクリーンが立ちはだかるのは同じ。 今年はフォーメーションラップ無しになったため、コースインした周回にシッカリ
とブレーキだけを暖めておく。
言われなくとも全車ライトオン。
これが111cupの良い所、まずは安全第一。
FSWのスターティンググリッドはアウト側が奇数。 つまりトップはアウト側スタートという変則式のグリッドに成っているため、私がイン側のフロントロー。
F1方式のシグナル点灯でドキドキ感も頂点、そしてブラックアウト。
ここで出てしまった、スタート大失敗。 最近はスタートの緊張感にも少し慣れて心配していなかったのだが、ウエットということでミート回転数を考えていたら気の迷いが足の動きを狂わせた。
見事にストールしてしまったので再びクラッチを踏み込んで回転を上げたのだが既に遅し、2列目からの刺客達が襲ってきた。 33号車が半車身前だ。 だが此方も引かずに1コーナーのブレーキングまで大マジバトル。
相手が怯まなかったら引くつもりたったが、アッサリと引いたので先行。 しかしこれで33号車のスイッチを入れてしまったようで背後からの気配が物凄い。 そんな気配を感じてか、トップの37号車は1コーナーのインを開けている。
※あとから聞いたら37号車は止まれなかっただけらしい。
アウト側からナナメに進んでいくのは絶好調の37号車、もう既に1.5車身離れてしまった。 そしてAコーナーに差し掛かる頃には2車身ほどに。 あぁ、もう独走態勢かと思っていたらコカコーラで呆気なく37号車がスピン。
幸いにして間が開いていたので余裕を持って対処。
あれれ、もしかして私がトップ? しかし此処でイイ気になると何かしでかしてしまうので慎重に。 と、自分に言い聞かせる。
後ろの33号車を見ると気合い十分、闘志が漲ってる。 これは煽られないように頑張るしかないらしい。
が、2周目のAコーナーから100Rを頑張っていると、バックミラーの中で33号車が踊ってる姿が目に入った。 しかしコッチも結構攻めているため、後ろを凝視してる余裕もなくヘアピンへ。 ここで少し余裕が出来たので、チラッと後ろを見ると誰も居ない。
もしかして一人旅? 腰も痛めているので、今日無理すると明日の仙台ハイランド5時間耐久レース出場が辛くなりそうだな〜、などと考えていると背後からライトを付けた赤い車が猛然と迫って来た。
33号車、もう復活? 「よーしっ」とアドレナリン噴出してみたものの、本降りの雨の中、ウエット走行は苦手なのでペース上がらず。 2分16秒〜17秒がやっと。(ベストは16秒3)
本人はそれなりに頑張っているつもりなのだが、またしても良いとこと悪いとこが混在してて安定感無し。 修行が足りないらしい。
しかし今日はライバルが消えてしまったので誰よりも速くチェッカーを戴けた。
※動画はこちら
大黒埠頭
学生の頃は宛もなく単車で走り回るのが好きだったのだが、このゴールデンウィークは久しぶりにあの時と同じように目的地を決めずに走り出してみた。
何となく海岸沿いを目指したが、三浦半島までは遠い。 取り敢えず海沿いに出ようと走っていたら大黒埠頭に出た。 昔は埠頭の中に入ることは可能だったが、今は関係者以外立ち入り禁止になった。
交番前でドリフト族が暴れたりしたからか、私の知っている大黒埠頭からは随分と風景が変わったな。 レインボーブリッジのスカイタワーなんて昔は無かったし。 と、ウロウロしていたら埠頭の入口がオープンに成っている箇所発見。
イケナイ事とは解っているが、怒られたら謝ればいいやと進入。 近くには海釣り施設が有るのだが、この辺りの海は汚い。 潮の流れが違うから仕方ないかも知れないが、これは酷いな。
でも景色は悪くない。
昔、Z2で来た頃を思い出した。
仙台ハイランド
東北に住む友人の御厚意により、仙台ハイランドの5時間耐久に参加させて戴けることに成った。 レースは5月6日、そう前日の111cupが終わった翌日なのでサーキット走行の各種装備を洗う暇もなく、加齢臭の漂うスーツとヘルメットをオデッセイに詰め込み、午前2時に自宅を出発。
今回出走する車両は友人の111Sということで私の車は出番無しなのだが、耐久参戦車両で無ければ参戦者は30分間のスポーツ走行が可能。 であれば私のエリーゼで行こうかとも思ったが、雨が降っているし例の腰痛でコルセットしたまま片道400キロ×2と耐久参戦を考えるとオデッセイが無難。
ということで殆ど走っている車の居ない東北道を燃費走行。 なにしろ我が家のオデッセイは四駆なので燃費が街乗りで7キロ、高速でも9キロと極悪なのだ。 過去最高燃費を記録するべく、タイヤの空気圧も少し上げ気味にした状態で出発。 80キロ程度の巡航で何処まで伸びてくれるだろうか。
カーナビのお陰で初めて来た町を彷徨うこともなく、予定していた時刻より少し早めに仙台ハイランドの付近まで到着。 まだ時間に余裕がありそうなので、コンビニによって朝食を摂ることに。
が、これが間違いの始まりか、車内でペットボトルをひっくり返してしまい、慌てて取ろうとしたら今度はカツ丼をひっくり返してしまった。 もう散々。 半分しか食べていないカツ丼を処理し、1/3が無くなってしまった1リッターのペットボトルに蓋をして仙台ハイランドを目指す。
が、カーナビの指示するとおりに進むと途中から「らしい車両」が居なくなり、ハイランドへの案内標識もなくなった。 おかしいと思い、カーナビ画面を拡大しても付近の道は細かく載っていない。 やがてナビの案内のまま進むと民家の前で行き止まり。
おいおいミニゴリラ(ナビね)、どうなってんだよ。
あたりに人影無し、こりゃ参ったなと思いつつ引き返そうとしたら農家の婆ちゃん発見。 「おはようございます、仙台ハイランドに行きたいのですが、何処を行けば良いのか教えて下さい」と訪ねると。
「○×▼◇¢...」 な、何を言っているのか訳解らず。 改めて聞いて見るも、やはり日本語とは思えない言語だったので諦めて元の道へ。
参ったな。 どうやら山の北側からアプローチしなければならないところを、ミニゴリラで仙台ハイランドサーキットで検索すると、南側の存在しないルートを案内するらしい。
やられた。
仕方なく戻り始めると、今度は農作業中のオジサン発見。 オジサンなら言葉が通じるかも知れない。 だが、オジサンはエンジン式の草刈り機全開で、私の問いかけが聞こえないらしい。 ありったけの大声でオジサンを呼ぶと、やっと気づいてくれた。
仙台ハイランドサーキットに行きたいと伝えると、このまままっすぐ行って突き当たったら右折して進むとハイランドだと教えてくれた。 やった、こちら側から行けるルートが有るらしい。 お礼と共に深々とお辞儀をして再出発。
ほほぅ、ここを右折だな。
結構良い道じゃないか、と思ったのも束の間、道は林道のような状態に。 ここで対向車が来たら絶対に擦違い出来ないし、それよりオデッセイの幅が既に道幅目一杯。 行き止まりになったらバックで下がるのか?
頭の中が不安で一杯に満たされた頃、ふっと道が開けた。 そして其処はハイランドCCの入口。 その時、ハイランドCCからサーキットへ抜けられるかどうかも解らない私は「取り敢えず人の居るところで道を聞こう」とクラブハウスを目指すことに。
が、途中でサーキットの案内が出て一安心。 一体何処をどう通ってきたか解らないが、何とかサーキットには到着したらしい。
コース図は見てきたが、走ってみないと解らない。 オデッセイで来たことを後悔していると、今日一緒に走って下さるハンバーグ屋さんがご自身のアウディをスポーツ走行に出すから助手席に乗ればと誘ってくれた。
彼はこのコースをエク2(NA)で57秒で走るとか。(後で解ったのだが、サーキット内の掲示板にリザルトが載っており、その一番上に名前が載っていた)
57秒がどのぐらい凄いのか見当が付かない私、かなり失礼な言動をしていたに違いないが、彼は親切に助手席の私にレクチャーしてくれた。 でも距離が思ったより長く、更に似たようなコーナーが幾つもあって鈍い私は覚えていられない。
覚えたのはシケイン手前のブレーキングと1〜3コーナーの抜け方、あとは走りながら体で覚えるしか無い。
ハイランドはニュルに似ているとかで、35GT-Rがテストに来たらしい。 そして此処のセーフティーカーはGT-R、しかも左ハンドルだ。
いよいよスタートだが、スタートから3時間はオーナーさんが走るので私の出番はマダマダ。 スタートして暫くすると、炭火焼肉の準備が整ったので遠慮無く頬張らせて戴く。 食べたら少し眠くなったので自分の車の中で仮眠を取ることに。
なんと私らがトップ。
次に乗るのは私、そして最後に乗るのは激速のハンバーグ屋さん。 プレッシャーが襲いかかって来た。 良いのか、私の走りで良いのか?
そして思って居たより早い時間に私に交代。 ピットレーンはローギヤのみ使用可能というルールに従い、コースイン。 やはり助手席で感じたのとは全然違う。 アップダウンが激しい。
なかなかペースが上がらない。 なにやってんだ、オレ。 もっと冷静になって走らないとダメじゃないか。 でも、周囲の車が私の乗っているエリーゼに道を空けてくれるんだよ、それが余計にプレッシャーなんだ。
とにかく車が多い。 一体何台が一緒にコース上を走っているんだ。
少しずつコースが解ってきたが、相変わらずスローペース。 いかん、私がチームの足を引っ張っている。 と焦っているとクラッシュでコース上で動かなくなった車両が1台。
やがて全コーナーからイエローフラッグが出され、セーフティーカーが入ってきた。
ここで大きく事(運)が良くない方に動いた。 現時点での私らは総合3番手、しかしペースが上がらないしハンバーグ屋さんとのドライバー交代も有る。 しかしピットからドライバー交代のサインはない。 セーフティーカーが入ったままの時間が長い。
まだかと思ったときに制限解除。 この時、何かが私の中で弾けたらしい。 飛躍的にタイムが上がった。 ベストは7秒6、悪くない。 もっともっと走りたいと思った所でタイムアップ。 ピットのサインを見逃して1周多く走ってしまった。 申し訳ない。
そしてドライバーはハンバーグ屋さん。 しかし走り出して暫くしても彼のペースが上がらない。 彼は何か指で後ろを差している。 何だろう。
程なくしてオフィシャルがオレンジボールを出すという報告に来た。 コーナーで白煙を噴いているという。 戻ってきた車両を見るとオイル漏れ。 私が酷使したためか、車が悲鳴を上げてしまった。
10万キロ
2002年の7月に購入してから約7年、購入したときのオドメーターは3000kmだったから正確には9万7千キロだが、何だか一つの節目を迎えたように感じる。 因みに今まで所有してきた車で10万キロを迎えたことはなく、これが初めて。