先月号で7インチ550LBS/inというバネのことを書いた。 結果から言うと、このバネはアリかも知れない。 10キロ近いバネだが、エリーゼにラジアルタイヤを履いていても押しつぶすことが出来るようだ。
もう何度もバネ交換をして居るので交換のコツは少し解った。 私のように倒立別タン(倒立ダンパー+別製タンク)が付いているダンパーの場合は車両から簡単には外せないのでコツが解らないと時間が掛かる。
サーキットなど現地で迅速に交換するためにも、普段から交換作業のポイントを押さえておくと1箇所5分で交換が出来るようになる。 解っている貴兄には価値のない記事だが、初めてバネを交換する人も中には居ると思うので参考のために掲載しておく。
まずはバネのお皿(アッパーシート)を緩める。 何故かというと、ロアシートはCリングで固定されているのだが、ネジ部分のお皿を緩めることでロアシートのCリングを外すことが出来るからだ。 この時、まだロアアーム側のボルトは外してはいけない。 プリロード調整ネジが回せなくなるからだ。
プリロード調整ネジを緩めたらロアシートを外すのだが、そのときはロアアーム側の取り付けボルトは取っても付けていても構わない。
さて、一番の難関はCリング。 Cリングさえ取れてしまえばもう終わったも同然なのだが、このCリング脱着はスナップリングプライヤーのようなプライヤーを使用しないと厄介。
Cリングが外れたらロアシートを外し、ロアアームの取り付けボルトを外してバネを引き抜く。
取り付けは逆の順序。
ところで今回フロントバネは以前のまま。 ということはリヤのバネレートアップによって、ポン付けではリアの車高が上がってしまう。 恐らく1ミリは上がってしまうだろうから、作業の一番最初かバネを外す前に予め車高調整のナットを緩めて調整できるようにしておく。
今回はコーナーウェイトを計測してみた。 私が乗った状態でフロントはリアよりフレームで4ミリ下がりとしているのだが、その左右水平状態でどのような重量がタイヤの下に掛かっているのか興味がある。
今回は燃料が30リッターほど入っていて761.5キロ。 燃料無しなら車重は730キロ程度だろうか。
左右のバランスデータに注目するとフロントは左が重くてリヤは右が重い。 対角線上の反対側が重いので、車高によるバランスは非常に厄介。 右前を下げると左後ろが軽くなってしまうのだ。
今回は時間の都合で左右と前後の車高調整のみとしたが、今度は私が乗った状態で左右の重量合わせをやってみようと思う。 恐らく車高はバラバラになると思うが、それで操縦性がガラッと変わるなら面白いではないか。
と、そんな作業をしながら暑さに負けてダラダラとバネ交換をしたので、結局1時間以上掛かってしまった。
そして翌週、サーキットテスト。 が、自宅を出るときは曇り空だったのに筑波へ向かう常磐道に乗る頃には空が泣き出した。 天気は雨。 路面は完全ウエット。折角早起きして筑波1000のフリー走行でセッティングを出そうと思ったのに。
あまりに雨脚が強くて、室内は浸水。 そしてエンジン不調。 フードから入った水が原因でプラグコードがリークしてしまったらしい。
が、神様は見放しては居なかったようで、2000を予約してある午後からは急激に天候は回復。 時折見せる太陽のお陰で路面はほぼドライに。
これだけでも嬉しかったのだが、気になる感触はワリと良い感じ。 が、いつも糠喜びばかりなので少し慎重に検証してみようと思う。
タイムは平凡だったが、我慢が要らないと言うと解って貰えるだろうか。 少しアンダーは出るが、踏める足にはなった。 今まで公道ではレスポンスよく曲がってくれていたのだが、サーキットではアプローチでテールが出てしまい、アプローチで無理やり姿勢制御を行ってアクセルを早く踏む事によってリヤのトラクションを稼いでいたが、今回は素直にアプローチしてクリップから踏んで脱出というセオリー通りの走りが出来る。
と、これがファーストインプレッション。
30分後に第2回目のトライ。 少し冷静になって挙動を感じてみると、全体的に限界が低くフロントはやや外に逃げる感じがあるがリヤはもう少し粘って欲しい。 そしてしなやかさが無いように感じるのはリヤバネが硬いからだろうか。
しかし今回は減衰は何も弄らず終了。 前回の妥協セットのままなのに、動きは全く別物。 これだから難しいけど面白いのだ。 (面白いと思って居ないと辛すぎるので)
しかし待てよ、フロント7.14キロでリヤが9.82キロと言う組み合わせは聞いたことがないな。 先日まで試していた8.93では柔らかくてオーバーステア、今回は少しアンダーが強くて9.82キロと言う事は、もしかしたら9.38という525LBS/inというバネがマッチしているのかも知れない。
前後3キロ差というのは何かが根本的に間違っている? でも気持ちよく走れるなら私にはソレがベストということ。 (な、はず)
しかし、もう自宅にはバネがゴロゴロ。 コレクターではないのだが、こんなに細かいレート差のバネを持っているのは異常。 と、言いつつ来月のレースが終わったら525のバネを付けているかも。
いや、まずは走り込みだな。
と言う事でレース前の週末筑波で最後のセッティング。 フロントのアンダーを無くしてみようと、フロントの伸び側減衰を1ノッチ締めてみた。
が、これが大失敗。 以前のようなオーバーステアでリヤの減衰をどう弄ろうとオーバーステアは解消せず。 とても乗れたモノではない。 レース前週ということでライバル達が見ている中で冴えない走りしか出来ない自分が情けない。
何度かピットインしながら減衰調整をしてみたが全て裏目。
そして走行時間終了。
このままでは駄目だ。 セッティングノートを取り出して、前回のセッティングに変更。 そしてラスト枠の走行開始。 よし、コレなら戦える。 だがやはりリヤのしなやかさが無く、全体的に限界が低い。
レースはこのセッティングで行くしかないが、いくら夏とはいえベストから2秒2も遅い。 今日の気温なら1秒5程度の落ち込みでないと駄目だ。 せめてあとコンマ5秒。 夏の時期に5秒台はレース以外では出したことはないが、去年は練習でも6秒2程度は安定して出せていた。
しかし今日のベストは必死に走って6秒6。 ライバル達も殆ど同じで去年のようなアドバンテージはない。 次回のレースは前回のような失態だけは晒したくないので今回の仕様で走るが、最終戦にはライバル達を凌駕するための何かを考えなくては。 一か八かではなく、安定した確実さの有る速さを手に入れたい。
勿論111cupはお遊びの草レース。
遊びだが真剣に取り組むから面白いのだ。
・ドラシャブーツ
先月号で飛び散ったドラシャのグリス、原因はブーツの切れ。 しかしグイッと引っ張ってみないと解らないような切断箇所なのだが、結果は先月号の通り。 消耗部品なんですかね。
・新品タイヤ
久しぶりにタイヤを購入した。 去年貰った章典タイヤのネオバにスリップサインが出てしまったので。 去年3セット使用した事を考えると、今年は8月で1セットと、やはり絶対的な走行量が少ないのは明らか。
そして、その履き潰したネオバは今まで履いたどのネオバよりもフィーリングが悪く、ブロック飛びも起こした。 たまたま製造ロットが良くなかったのかも知れないが。
が、地元の安価な店で購入したネオバ1セット、フロントは今年の31週と最新の製造品だったのだが、リヤはフィーリングの良くなかった去年の46週品。 やはり225/−45−16というサイズは捌けが悪いのだろう。 それに対して195/50−15は対象車種が多く、回転がよいらしい。
手元にあるレース本番用の2006モデルとはグリップが違うと思うのだが、横浜タイヤさんは毎年微妙な変更をしているのだろうか?
しかしホイールは酷い汚れだな。 解ってはいたが、見て見ぬふり。 PFCのパッドを使うとダストがこびり付いて取れなくなるのだ。 ブラシで洗ってもビクともしない。 そろそろレジェーロの販売元であるJIMさんに出して塗装しなくては、と思ってからずいぶん経つ。
以前にも紹介したが、JIMさんに出せばダストは綺麗に削り取ってから再塗装してくれるらしい。
・林道ツーリング
夏場は単車で林道が最高に気持ちいいのと先月号に書いた。 で、仲間に声を掛けて大名栗に行く前にコッソリと一人で練習走行。
大名栗は完全復活。 前回、命の危険を感じた箇所は何事もなかったかのように綺麗に直されていた。
これで気をよくして、翌週は友人と行ったのだが生憎と雨天。 それでも折角だからと林道に入ると、初心者には酷なズルズル状態。 しかもゴーグルは曇って見えにくいし。 と、頑張って登っていたら、ブラインドコーナーの向こうにクレバス。
何とかかんとかクリアしたと思ったら更に深いクレバス。 クレバスからは脱出したが、ステアリングを取られて転倒。 あーあ、やっちゃったと思って居たら右足から煙が。 焦げ臭い匂いがしたと思ったら、足が熱い。
エキマニとフロントタイヤの間に脹ら脛が挟まってしまった。 体勢が悪くて中々立ち上がれず、空豆サイズの火傷をしてしまった。
火傷も痛いけど、モトクロスパンツとカッパが駄目になったのが痛い。 ナイロン・ビニール系素材は溶けて皮膚に付くと厄介。(患部はご想像に任せます)