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2007.04




毎年何かが起きる111cup開幕戦、今回は何が起きるか?

photograph by Jako


 
2007 111cup Rd.1 筑波

【予選】

タイヤの空気圧を当日の朝にチェックし忘れては困ると思い、過去ベストが出た時の空気圧に自宅で設定し、今回は走り終わるまで敢えて確認しないことにしてみたのだが...。

コースイン。

いつもなら1周目はサラッと走ってタイヤのグリップと内圧アップに努め、2周目はタイヤの暖まり具合を確かめる程度に攻めていた。 そして3周目には渾身のラップを敢行してベストタイムを纏めるというパターンなのだが、今回はコースインした時から前に1台居るのが気になったため、今までの1周目とは少し様子を変えてみた。

初っ端からガンガン行って追い抜き、自分のスペースを作ろうという作戦だ。 まだ時間は朝の8時、コースにはお日様が当たっていないところもあるし、路面温度も低いままだ。 タイヤの空気圧を見直しておけば良かったかも知れない。 だが、もう走り出してしまったので、このまま行くしかない。

1周目はそれなりのペースで走る事が出来たので、2周目からはイケルと踏んで1コーナーへ突っ込んでみた。 が、ブレーキングで前触れも無くフロントタイヤがロック。 唖然としている私を他所に、車はタイヤスモークの白煙を靡かせつつスポンジバリアへ。

やばい、止まらない!

対処が少し遅れたが、ブレーキの踏力を緩めてタイヤのグリップ回復を待つ。 こういう時の時間は長く感じる、数秒が過ぎたように思えた頃、やっとタイヤグリップが回復。

もっと早くグリップしろよ。
焦るじゃねーか。

と汚い言葉を脳内で吐きつつ、ステアリングを更に切り込む。 間一髪という程ではないが、結構アウトまで膨らんだものの1コーナーは無事クリア。 後ろを走ってた33号車殿、大変失礼いたしました。

直ぐさま気を取り直し、アタック再開。 幸いにしてフラットスポットは出来なかったようだ。 しかしこの周はもう取り返しがつかず、そつなく走っても7秒台。

何かおかしい、もう2周目なのに一向にタイヤのグリップが上がってこない。 先日の走行では、この内圧で良かったはずなのだが.....?

3周目でやっと少しグリップ感が出てきた。 続く4周目のタイムは5秒3。 よし、次は狙えるぞと思ったが、最後尾の軍団に迫ってしまいクリアラップは終了。 作戦大失敗。

横目で電光掲示板の順位表示をチェックする。 2位だ。

まぁ2位なら良いかな...という安易な気持ちと、5秒3ではベストタイムから1秒近くも遅れているではないかという意地を見せたい気持ちが錯綜。

タイヤを温存するか意地を見せるか悩んだが、どうしても納得が行かないので意地を通すことにした。 そうなれば作戦変更、いままで余り駆使したことがない意図的なクリアラップを作って走るしかない。

邪魔にならないようにスローダウンし、後続車の切れ目を伺ってみた。

数台が横を通り過ぎた頃、少し大きめの空間を見つけられた。 ここだ、ココしかない。 その後ろから来る車両の迷惑にならないよう気をつけつつスペースを確保し、バックストレートを全開で立ち上がって戦闘再開。

が、全開にするのが少し早かったようで完全なクリアラップには成らず、タイムは5秒2。 そして次の周は更に引っかかってしまい5秒5。 上手く行かない。 もう駄目か? だが折角だ、今日は最後まで走ってみよう。

その次は少し引っかかったものの5秒0。 更に欲を出して4秒台狙いで周回を重ねてみたが、再び少し引っかかって5秒1。 タイヤとエンジンの美味しいところは終わったようだ。

もう少し考えてクリアラップを確保すれば4秒台だったかも...と、後悔しても後の祭り。 まだ時間は残っているが予選アタックは自主的に終了とした。

予選終了後、某2人にタイヤの空気圧を率直に聞いてみた。

こんな事が聞けるところが111cupの良いところ。 そういえば、私の車の横で数人とコーナー攻略法を語り合っていたのだが、いつの間にか何人ものエントラントが集まって聞き入ってたのには笑わせて頂いた。

これほど和気藹々とした雰囲気は余りないと思う。 ピリピリしたところが無いのが111cupの良いところ。

と言うことで内緒の空気圧を2人から伺わせて貰ったのだが、私の考えとは余りにも違っていて腰が抜けそうだった。 彼らには私の焦った顔が滑稽だったはず。

それからの私は更に滑稽。 何度も空気入れとタイヤゲージを手に取り車の横に佇むのだが、心の何処かで「本当にやるのか?」と違う私がボソボソ言いやがる。 空気圧変更は悩みに悩んだ。

彼らの設定している空気圧に変更するのは操縦性にも影響が大きいはず、そのために決勝がグチャグチャになっても悔いが残る。 と、小心者の心がブレーキを掛け、結局はセコく中間空気圧に決定。

空気圧が決まればあとはガソリン補給だ。 そういえば予選で26リッターも入っていたのは私ぐらいか? いつもガソリンスタンドで調整しているはずなのだが、ベストな残量に成った試しがない。

自宅から筑波まで75キロ。 高速道路は普通に走ればリッター12キロ。 というのは解っているのだが、もし寝坊したり事故渋滞などのトラブルが発生した場合はリッター8キロだよな....などと入らぬ事を考え、更に安全側にと考えて入れると30リッターにもなってしまう。

だが今回も道程は順調で、75キロ走って5リッター弱しか減らなかった。 こういう時に限ってリッター15キロも走ったりする。

そんな事から26リッタースタートだったのだが、予選終了時にガソリン残量を確認し忘れてしまったため、パドックに戻って再びイグニッションをオンにしてメーターを見た。 すると残りは16リッター、よし、3リッター入れよう。 手早く携行缶から大体3リッターを補給。 よし、メーターはガソリン残量19リッターになった。(はずだった)


【決勝】

今回はフロントローの2番手で、クラス2位とのタイム差は約1秒。 12周のレースだから目一杯走っても15秒の差は付かない計算だ。 決勝タイムで2位との差が15秒以上有ると、次回はハンデ戦となり、決勝トータルタイムに15秒が加算されるルールなのだ。

脳天気な私はあまり深く考えず、決勝に向かった。

どうしてガソリンが25リッターも入ってるのだ? しまった、私の車は何故か止まっている時と走っている時とでは3リッターの誤差が生じるのだった。 それにしても誤差があるぞ。 そうか、止めたところは勾配があったような....。

今更気にしても仕方ない、頭を切り換えて行こう。 コースイン。 早速ウェービング開始だ。 まずはリヤタイヤを暖めてからフロントタイヤ、そしてブレーキ。 ある程度ウェービングをしたら、予選でタイヤに付いたタイヤカスを取りつつタイヤを発熱させるため各コーナーでドアンダーコーナリング。

が、このドアンダーを出すのが難しい。 いつもアンダー出さないように工夫しているためか、応用の利かない私はアンダーを意図的に出す事が出来なくなってしまったらしい。 なんて不器用なんだ。

やがてグリッドに着くと、一気に緊張感に包まれた。 心臓バクバク。 こうなると大抵ロクな事にならない。

グリッドに着いたのでフォーメーションラップに備えてエンジン停止。 開始1分前のレースクイーンが出るまで静かに待つが、この静寂が更に私を追い込んでいくのだ。

グリーンフラッグが振られた。 これからもう一周フォーメーションラップ。 更にウェービング走行してからグリッドに到着。

いつぞやのチョロは二度とゴメンだ。 しっかりとサイドブレーキを引き、エンジン回転を3000チョイ辺りにキープ。 シグナルを注視するが、今回はシグナルが見辛い。 この視線では背後に居る車の動きは全く掴めない。

アウト側からのスタートで良いポジションを得られたことは無いし、この位置からのスタート自体も上手く行った試しがない。 そんな事が更にプレッシャー。 でも、もうどうでも良いや、早くスタートしてくれ。

と思ったら5秒前の表示、アッと思う間もなくスタートになってしまった。

交差点で普通に発進するようなスタートになってしまった。 フライングよりは良いが、ダラダラとスタートしてしまったために1コーナー直前で漸く2速が吹けきった。 3速に上げようか迷ったが、幸いにして横に並ばれるまでのスタートダッシュを見せる車両は今回は居なかったので、シフトレバーには触らずにレヴに当てたままアプローチする事にした。

だが案の定失速。 こりゃ幸先良くないなぁ、と思っていたら背後にベッタリと車両が張り付いた。 そりゃそうだ。 失速しているところに3速で進入してきた車両が追いつかないはずがない。

バックミラーに後続車が大写しにはなったが、鼻先をねじ込まれるまでには成らず一安心。

決勝は4秒出すぞと意気込んだものの、2周目から8周目まで5秒0〜5秒3。 纏まっているといえば聞こえは良いが、もう一歩踏み込むことが出来なかったのが不甲斐ない。

9周目以降は最終コーナーでコースアウトした車両の土埃や80Rでコースアウトした車両の土煙などでコースが荒れたが、この頃には既に私の後ろに車両は全く見えなくなっていた。

トップを走る340Rがペースダウン。 連られて私もペースダウン。

オープニングラップからのタイムがコンマ3秒で収まったのはタイヤの空気圧が適切だったからなのか? 次回は例の空気圧で試す価値は有りそうだな。 などと考える余裕は有ったが、大事なことをすっかり忘れていた。

まだもう1周あると思っていたがチェッカーを振られてしまった。 結局総合2位、クラストップでレースは終了。 だが嫌な予感、それはクラス2位とのトータルタイム差。 最終周のバックストレートで時間調整をする予定だったのだが...

結局、お猿な二人は揃ってハンデを貰うことに。 次は高速コースのFSW。 15秒のハンデは痛い。

photograph by NARITO

※予選と決勝の車載動画に興味有る方は「動画室」に、111cupのリザルトは111cupのホームページへ。

我流


我流と言ってもミツオカのクルマのことではなく、自分のドライビングの事。 偉そうなことを書いている割に運転はヘボなので赤っ恥をかき続けて居るのだが、言うまでもなく私の運転方法は我流。

昔も今も我流だが、昔はただ闇雲に走っていたのが今との違い。 たとえばブレーキング。 最初は思いっきりコーナーに突っ込んでリヤを流しながら派手に走るのが凄いと思っていた。

時はまだ昭和の時代、某峠道で「アイツはすげぇブレーキングだ」という話が頻繁に出ており、私も負けずにレイトブレーキングの練習をした。 だが、これはゼロか1かというブレーキングだった。 車の運転はデジタルではないと言うことは、やっと最近になって解った次第。

今は0と1の間に幾つかのポイントが設けられるようになったかも知れない。

FD3Sの新車を購入して早々の頃、いい気になって箱根を走っていた時にスピンをした。 この時、いきなり一気にスピンしたと思ったが、最近になってソレは少し違っていたのではないかと思っている。

正確には、一気にスピンするような動作や外乱が生じたから、なのでは?、と。

荷重移動が激しければ一気に車は動く。 たとえば高速コーナーにフルブレーキングで入り、その瞬間にステアリングをバキ切りすればアンダーセッティングのオトッツァン車でもスピンするだろう。

これは極端な話だが、インフォメーションが感じられないような「急」がつく運転はダメだって事は、雨天や雪道運転では昔から言われていること。 雪の日はインフォメーションが少ないが、それを感じるように気をつけて運転する。 その領域を感じることが大事だと思う。

FDでスピンした時は初期型FDの神経質な特性もあると思うが、何もインフォメーションを感じる事が出来ずに一定の線を過ぎてしてしまったのでは無いだろうか。

では今はどんなインフォメーションを感じているか? 例えばタイトターン。 コーナリング中はステアリングからタイヤのグリップが感じられる。 稚拙な表現で申し訳ないが、私にはグググーッとフロントタイヤから「頑張ってますよ」、と聞こえる。 そして同様にリヤからも踏ん張っている感じが腰に伝わる。

更にそこからもう少し頑張らせると、タイヤからグリップ感が少し薄れ「あ、もうソロソロ限界です」と弱気な答えが「グググ−ッ」に混じって来る。

その薄れたグリップ感と言うのは、「グググーッ」の中に少し来る「ズリッ」という感覚。 それが「これ以上行っちゃダメです」と言う車からのお知らせと勝手に思っている。

ではそれを更に聞こえるようにするにはどうすれば良い? という事を最近はしているのだが、信号を捜してるウチに筑波のヘアピンなどは皆と違う走りに成ってしまった。 上手な人のタイムには敵わないが、どうやらソコソコなら纏められるようなので、そういう走り方も有りということだとコレまた勝手に都合良く解釈している。

まだ筑波は解りやすいが、解りにくいのは富士スピードウェイ。 ここを走り出してからは路面のウネリを意識するようになった。 ティルケのへそ曲がりな設計は奥がキツイコーナーや丘越えコーナーがワンサカというのはコレまでにも何度も書いたが、普通に荷重移動して走ろうとするとトラクションが何処かに行ってしまう。

それらを考えていたら、いつの間にか周囲を走る他の車両とは違うブレーキングやライン取りになってしまった。

恐らくもう少し試行錯誤していけば皆と同じ走り方に成っていくと思うが、何故そのラインなのか、何故そこでブレーキングなのかが解らない内は我流で走ってみて、少しずつ納得していこうと思っている。 そしてその過程が面白いと思っている。 楽しまなくては損だ。

攻略法を熟読し、書いて有るままを鵜呑みにして走ると上達も早いだろうが、なぜそういうラインやブレーキングなのかを解った方が自分自身の抽斗が増えると思っている。

マニュアル通りの走りをしていれば一定のレベルには達すると思うが、人それぞれの得意な走り方が有るだろうし、そして車によっても異なるだろう。 だからこそ我流の方法が有っても良いのでは?と思う。 時代錯誤も甚だしい中年オヤジなので、こんなのは今時の方法では無いことは百も承知。

と、言いつつ、ポールフレールのハイスピードドライビングという本を読んでみた。 この本、昔から一度読んでみようと思っていたのだが、アマゾンで中古本が破格値で売られていたことから衝動買い。

本に出てくる車両は今やクラシックカーばかりだが、内容としては中々面白かった。 賢い人が書いた文というのは難しくて理解できないところもあるのだが、自分なりに理解出来る箇所が多々あったのは収穫だった。

アクセルペダルリンケージ

2007.02月号で時間切れだったアクセルリンケージ。 ベアリングを使用しようと思っている可動部の加工と部品探しはまだなのだが、アクセルペダルのリンケージ部品は漸くみつける事が出来た。

それはプレストというレーシングカート関連機器設計・製作屋さんで、私と同じような血が流れている友人(変人)が見つけてくれた。

彼から既に取り付けたと連絡があり、方法を聞くと...フムフムなるほど。 では私は全長調整式のターンバックルタイプのピロリンクを製作しよう。

アクセルの位置は一度決めてしまえば殆ど弄る必要はないと思うが、その位置決めが純正形式では非常に厄介。 普通、この形状ならターンバックル式の筈なのに、ジョイントロッドは両口とも通常のネジ切り。 なのでシャフトを回しても全長は変わらないので調整時はイチイチ取り外さねばならない。

メカ好きとしてはターンバックル可動式に拘りたい。(というか、それが普通だろう)

ピロ部分は友人の意見によると注油式より無注油シールド型のほうが良いらしい。 多少高価には成るが、折角だ、少しおごってやろう。

まずは既存リンケージの測定。 支点間は150mmだ。 先方のホームページを閲覧すると既製品で丁度良いモノを発見。 これなら特注料金分の差額で、無注油+ステンレス部材が発注できる。

しかもメール便を利用すれば送料無料、送金も郵貯やネットバンクを利用すれば非常に安価。 なんて良心的な会社なんだ。 (まるで弊社みたいだ)

−以下、注文仕様−
T/BリンクAタイプ SLBM5M-146DM (@3,570)×1---\3,570-
<仕様>
ボルト径 :M5/穴径5mm
基本長  :146mm
調整範囲 :134mm〜158mm
ロッド材質:SUS304/100
両端形状 :無給油ピロボール右左ネジ、T/B調整式
------------------------
○小計---\3,570-
○消費税5%---\0-
○運賃---\0-()
○代引き手数料---\0-
○価格調整---▲0-
------------------------
●合計 \3,570-

ターンバックルが届いた。

こうなると居ても経っても居られない。 帰宅は其程早くなかったのだが、日付の変わる少し前頃から作業開始。 前日に飽きるほど弄り回したのだが、もう眺めているのは飽きた。

エリーゼの足下に潜るのは年々辛くなってきたが、そんなことは言っていられない。 ステアリングを外して仰向けに滑り込むと、やはりそこは絶望的な狭小スペース。 工具が振れないばかりでなく、体が殆ど動かせない。 それどころか、ちょっと気を緩めると体が前にズレ動いてしまい、ブレーキペダルの下に額が嵌ってしまう。

勿論這いずり出さねば成らないのだが、藻掻けばモガクほど頭は更に前へと進んでいくのだ。 アリ地獄のようだ。 そういえば車両購入後、初めて潜ったときはココで額を切ってしまったな。

脱出時は慌てず焦らず冷静に、Aピラーとダッシュボードを掴んで抜け出すのが一倍良いようだ。 私の車両はステアリングが脱着式なのでまだ少し作業しやすいが、もし脱着式でなかったら更に慎重に作業することをお薦めする。

と、そんな事を数度行いながら純正リンクを外して購入したリンクと全長チェック。 今回の物は全長調整が容易に出来るターンバックルなので其程気にすることもないが、取付の目安として取り外したリンクと同じ長さから始める方が良いだろうと思う。

両方をこうして比べてみると、純正の方が軽いのは当然としてメカ好きの心を擽るのはやはりターンバックル付きピロリンク。 やはりこうあって欲しい。

さて、では取付開始。(もう日付は変わった、少し急ごう)

今回用意したのは購入したリンクの他にM5サイズのボルトとナット。 ペダル側にもリンケージ側にもボルト頭にヘキサゴンレンチを使用するヘックスボルトの25ミリ長を使用した。 通常ボルトでも勿論支障ないのだが、狭い空間で締め付けする際にはヘックスを使用した方が工具が振りやすくて楽なのだ。

アクセルペダル側から取り付けるが、ピロに少しでも角度が付かないようオフセット角を弱くするため、取付部分にナットを2個間に挟んでみた。 これは先に取り付けた友人の入れ知恵。

だが、私の個体では延長しなくても角度的には苦しくないようなので、支点に余計な応力を掛けない方が良いかもしれない。 取付部分に余計な力が掛かって折れてしまっては元も子もないので。

その場合は20ミリのボルト長にしたほうが良いだろう。

やはり取付は狭い空間なので辛かったが、こんなときに役立つのが1/4吋サイズのショートラチェット。 ビットホルダーに六角レンチを銜えさせ、更にボールジョイントを延長ロッドに繋いでラチェットに装着。 これで何とか工具を振る場所が出来て締め付けが楽に出来た。

ココの部位をメガネレンチやスパナだけで取り付けるのは非常に苦労すると思う。 1/4のサイズのショートラチェットとソケット、廉価版工具でも精度的には十分だと思うので用意することをお勧めする。

それでも取り付けは大変だった。

さて、今度はリンケージ側。 取り付け部分にナットをあてがった瞬間に手が滑ってナットが落下。 落ちた所は私の耳の裏。 が、その角度にはどうやっても手が届かない。 中国雑伎団なら可能かも知れないが、中年のオッサンには無理。

仕方ない、一旦脱出。 しかし、こんなに何度も海老反りしていては腰が逝ってしまいそうだ。

気合いを入れて仕切直し。 今度はシッカリ取り付けられたが、やはりココも滅茶苦茶狭くて写真撮っている余裕など全くなし。 ナットを締めるのにラチェットを使いたいが、それすら入らない。 メガネレンチではチマチマして時間掛かるので、こんな時は板ラチェが重宝する。

そうそう、純正リンクを外す際には7ミリのスパナが必要になるのでお忘れ無く。 ピロを外す際にピロの根元にクビレがあるのでソコに噛ましておかないと外れないのだ。 私は7ミリを持っていなかったので薄口のロングノーズバイスクリップを使って外したが、途中で工具が瞼の少し上に落ちて来て焦った。

出来れば7ミリのコンビネーションレンチ、若しくは7ミリの板ラチェを用意して望むべきだろう。 この車両、結構7ミリのナットを使用しているので購入しておいて損はない筈だ。

そんなこんなで取付は完了。

だがココで安心してはイケナイ。 ここから最も時間の掛かるアクセル開度調整とペダル高さ調整が残っているのだ。

まずは今まで妥協していたペダル高さをターンバックルを使用して調節。 私の好みではペダルは以前の状態より少し高めがよい。 今まではヒールアンドトゥの時に大袈裟にペダルを煽らねばならず、偶に綺麗に回転が合わないときも有ったので。

これで後は可動部の樹脂ブッシュを小型ベアリングに組み替えられれば完成。 ミネベアのベアリングカタログをもう一度見直してみるか。

 

フロントスタビライザー改

私の落書帳に書き込みをしてくれた人に感謝している。 私は今まで足のセッティングはバネとダンパーだけでしか考えていなかったし、スタビまで弄ると訳が解らなくなるので見ないことにしていたのだが、先日のレースで友人が撮ってくれた写真を撮って愕然、何かをしなければならない衝動に駆られた。

そんな折、落書帳にはスタビの質問が有ったのだが、私は偉そうにスタビの変更は考えたことがないと書いた。 だが、正確には考えることが出来なかったというのが正しい。

では何故スタビを弄ろうかと思ったかというと、下の写真を見たからだ。

フロントに2.7度というキャンバーを付けているにも拘わらず、アウト側のフロントタイヤはポジキャンになっている。 しかもこの時にダンパーはストロークを使い切っていたらしく、バンプラバーに僅かに触れていると思われる痕跡があった。

アンダー症状が出ていることは何度も書いたが、この画像を見て考えたのはイン側のフロントに仕事をさせたいと言う事と、これ以上付けられないキャンバーとタイヤの減り方からして、ロールを少し押さえたらどうかと言う事だ。

ロールを減らすためにバネレートを上げる方法も有るが、それではアンダーが更にキツク成るだろう。 バネレートを変えずにロールを制御するには?

ということでスタビを弄ってみようかと言う事を落書帳が思い起こさせてくれたのだ。

早速ネットを検索するとArcからパイプスタビが有るようだ。 だが、リヤとセットに成っているらしいし、とても高価。 安易に試せる価格帯ではない。

ではと友人に問い合わせてみると、海外のサイトで通販ページに掲載されているという。 どれどれと閲覧すると確かにある。 うーむ、海外通販は面倒だし時間が掛かる。 英語力が乏しく、せっかちな私には向いていない。

困った時はグローリーさん。 社長に電話してスタビを入れた車両があるか聞いてみた。 すると社長は手始めに純正スタビを加工して試してみたらどうかと薦めてくれた。 それで具合が良ければ、それから製品を考えたらどうかと言うのだ。

なるほど。 その手があったか。

では行動。 が、自宅には10ミリのボルトを通せるようなドリル歯が無い。 それに馬に乗せて作業するのも辛そうだ。 結局、社長に協力して貰い、リフトの上で作業することにした。

まずは測定から。

純正の位置から24ミリ程度までなら取付穴を移しても装着は可能なようだ。 では下穴を開けよう。 いきなり10ミリの穴は無理だからだ。 私は無理をせず5種類のドリル歯を使い、順を追って穴を拡大加工してみた。

上が下穴状態で、下が加工終了後の完成画像。

果たして24ミリの移動でどの程度の効果が現れるかは走ってみないと解らないが、これで具合が良ければアフターパーツメーカーのスタビを購入するかも知れないし、このままセッティングして仕上げて行くかも知れない。

何れにしても時間は掛けるがお金は極力掛けない。(笑)

3回目の車検

3回目の車検を取得した。 特にアライメントなど弄らずサーキットスペックのまま出したが、ライトの光軸以外は問題なしだった.....と思ったら一つ有った、ウォッシャー液が片方の穴からしか出なかった。

が、片方でも出れば良いらしい。(笑)
ということで車検自体は無事取得完了。

今回車検を依頼したガレージ・ファイブワンさんは横浜の車検場に持ち込んだのだが、4月から車検時にマフラーの音量測定をすると係の人から言われたそうだ。

国交省のマフラー騒動の波及によるオカミからの指導かは定かではないが、えてしてこの手の規制は最初は見せしめに締めてくるモノである。 なにはともあれ、私は今月だったので問題なし。

ということで4月以降に車検取得を控えてる人、耳に挟んでおいた方が良いかも知れない。

 

エンジンオイル冷却対策

筑波ではスポーツ走行を2本走っても118度程度で収まる油温、それがFSWでは30分を2本走ると125度迄上がってしまう。 次回の111cupに向けてガンガンFSWを走ろうと思っているが、油温の為にクールダウンしなければならないのは避けたい。

そんな事から金属加工では毎回お世話になっている新座のアローレーシングさんに導風板の延長加工を御願いした。 元々付いている導風板もアローさんの加工品、ここは溶接が上手で惚れ惚れするような溶接痕を残してくれる。

今回は既存部材と同じ2ミリ厚のA5052で延長して貰ったのだが、作業の合間にアルミ板の材質特性などについて少し聞いてみた。 今回のA5052という部材は中程度の強度をもった最も代表的なアルミ合金で、溶接性・成形性が良好な一般的なアルミ板らしい。

そして強度のわりに疲労強度が高く、更に耐海水性が優れているということで私が心配した耐蝕性もソコソコらしい。

しかし溶接技術が高いオヤッサンの手をしても、さすがに2ミリ厚の突き付け溶接は無理だという。 熱で歪み、ベコベコに成ってしまうのが避けられないらしい。

そこでオヤッサンが考えたのがアルミ板を油圧プレスで折り曲げてリブを作り、それで強度を確保しようと言う方法だ。 うむ、さすが。

そんな加工をして貰っていながら、おやっさんはこの材料は縦弾性係数が低く熱膨張係数が高いという話をしてくれた。

熱膨張係数は解るが、縦弾性係数って何だ?

私は解らないことがあると顔に出る訳だが、今回も顔に出てしまったようで、おやっさんは「こいつ解ってねーな」という顔をして話はソコまで。 自分で調べろって事らしい。

早速調べてみるとヤング率の事だった。 それなら少し解る。 おやっさんの習った時代と私が習った時代で呼び方が違うらしい。(って書くと怒るだろうな)

縦弾性係数は、鋼材を引っ張った際に発生する「ひずみ」と「引張応力」の比例係数のことでkgf/cm2(今はSI単位が変わってMPaと言う)と表現する。 要は剛性が弱いってことが言いたかったらしい。

どのみち導風板には風圧に対する剛性が確保されていれば良いので、ヤング率が低くても問題なし。 重たいスチールに比べればアルミの方が向いているのは言うまでもない。 私が重要視するのは腐食性と重量なのだ。

これが加工前。

という長い前フリの末、40mm程延長して貰って出来たのが今回のもの。 やはり熱膨張係数が高いため、おやっさんの言うとおり少し歪んだが修正出来る範囲だった。 もし、そのまま突き付け溶接していたら使えないモノが出来ていただろう。

これでダメなら取り外してある水冷オイルクーラーを復活させようと企んでいる。 水冷オイルクーラーを取り付けるパーツは当然全て揃っているが、クーラントが零れてしまうのと、タダでさえ長いオイル配管にさらに抵抗になるモノを付けるのが嫌なだけ。

今回は導風板を弄る際に車を持ち上げるので、序でに排風側のガーニーフラップも新しいアルミアングルに交換した。 このアングルはホームセンターに売っているアルミアルマイト加工されたもので薄い割に非常に剛性有り。 これにゴムのフラップでも追加すれば更に排風されやすいかもしれない。

と、ここで友人から導風板がフロントノーズをリフト側に悪さするのではと言ってきた。 私もそんな気がしないでも無いが、抜けの悪い開口部の中でも大きい影響があるのだろうか?

スカスカに抜ける箇所で衝立のような導風板が有れば、彼の言うようにリフトする方向に大きな力が働くはずであるが、抜け道がとても狭小な箇所ではリフト方向の揚力は気にするほどではないと思っているのは甘すぎか?

それとフラットボトムに取り付けたガーニーフラップ的突起、これもフラップ後部に負圧を生じさせる目的で排熱対策として取り付けたのだが、考え的には開口部の直前に正圧部を作ることによって、直後の開口部で生じると思われる負圧で排風を促すつもりで作成してみたのだが....。

考えても解らないことは実走で確認するしかあるまい。

 

雑記

【ブレーキパッド】

前回のフロントブレーキパッド交換は去年の5/6に57,100kmで、この時はローターも一緒に交換している。 今回は1年持たなかったが距離にして13,000km、その使用勝手からすると驚異的なロングライフと思っている。

年間数十回もサーキットを走って13,000kmも持ったのだ。 だが、そうなると交換時期を忘れがちに成るのがイカン。 今回もレース直前に気が付いた。

どうもこの車はローター内側の方が減りが早いようである。 一番摩耗した箇所の残量は1ミリ半。 どうりで最近タッチが悪いと思った。 どうしても偏摩耗してしまうので、アタリが悪くなってしまうらしい。

しかし、いきなり新品をレースで使用する事になってしまい、気が重かった。 まだローター新品よりはマシだが、それでも嫌なものだ。 でも、次も同じように走行直前に気づく気がする。

 

【牽引フック】

エリーゼの場合、筑波・富士とも前後に牽引フックと消火器さえ装着していれば純正のロールオーバーバーが有効なロールケージとしてサーキットに認められており、スポーツ走行を走ることが可能だ。

各ショップから出ている牽引フック、これが意外と高い。 そんなときは、困った時のホームセンター。

なにか流用できる物は無いかと彷徨くと、アイボルトが各種ボルト径で売られている。 探してみるとピッタリの径があるではないか。 あまり大きいアイボルトでは路面と接触してしまうが、この程度では心配不要だ。

サーキット走行の装備で、これで文句を言われたことはない。 強いて言えば取り付け箇所が解りやすいようにビニールテープなどでテールカウルに矢印を書いておけば更に良いだろう。

 

今月の整備記録

エンジンオイル+エレメント交換 70,550km 2007.03.03 MOTUL 300V CHRONO 10w-40
フロントブレーキパッド交換 70,550km 2007.03.03 PFC#97
スタビ加工 70,920km 2007.03.30 取付ホール追加

ベストラップタイムの記録
 
各々の目標 筑波2000:1分03秒   筑波1000:38秒
(全てラジアルで) FSW:2分02秒  もてぎフルコース:2分16秒
FSWショートコース:32秒
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分4秒498(2006.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー

 
 
筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

富士スピードウェイ
 新コース
2分03秒925(2006.12 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー

 
ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

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