先月は初っぱなから憂いを書いたが、もう少し明るい話題を書けば良かったかと後悔している。 笑う門には福来たる、だ。 私のように悲観的人間に神様は意地悪が好きなようで、今年も早々からトラブルに見舞われてしまった。 先月デフの唸り音は書いたが、タイヤのフラットスポットが原因と思って書かなかった振動が大きなトラブルを抱えていた。
例のキチガイインテに巻き込まれてスポンジバリアの餌食となった私の車両、外観上はミラーがもげてしまっただけで軽傷に喜んでいたのも束の間、帰路の高速道路では激しい振動に見舞われた。
スピンでフルロック、そのために激しいフラットスポットが出来てしまったと残り山が4分山(注:建築業界の4分山=12mmに非ず)も残っているタイヤを嘆いた。
しかしタイヤを新品に交換しても直らないでは無いか。 と言う訳で、原因の解りづらいトラブルが発生していることに気付いたのだった。
以前からデフからの音は気になっていた。 だがアクセルオフで、それも高速運転中でのみ発生するということで、ピニオンとファイナルの歯当たりが悪化しているのだろうとは思っていたが....。
上に書いたように、タイヤを新品にすれば振動は消えてくれると高を括っていた。 しかし新品タイヤを装着しても、その振動は収束してくれなかった。
ハブベアリングか、ファイナルギアかデフなのか? ドラシャが曲がっているようなダメージは無い。 少なくとも見た目は。
年明け早々の筑波スポーツ走行に向かう早朝に起きた(というか気付いた)のだが、このまま自宅へ戻っても出来るチェックは限られている。 こう言う時はショップに頼るしかない。 まだその日は1月7日。 年明けで営業を開始しているか解らないが、とにかく詳細チェックをしたい一心で高速道路の料金所をUターン、スポーツ走行の料金は泣く泣く諦めグローリーさんに向かった。
ショップはその日から営業と言う事で助かったが、新年のご挨拶も早々にトラブルの説明。 状況説明のため、タイヤを装着したままアンダーカバーのみ外してリフトアップ。 エンジンを始動しギアを5速に、そしてクラッチを繋ぎガダガタと異常振動する状況を確認。
大抵こう言う時は異常を再現できないパターンが多いのだが、今回はバッチリ再現できた。 と言っても全く嬉しくないが。
症状としてはとにかくデフ周りからガラガラと酷い音をたてている。 相手が回転物だから外からでは解りづらい。 ドラシャも曲がっている様子はない。
ハブベアリングで有って欲しかったが、ガタを確認しても許容範囲内。
外から見て解らなければバラすしかあるまい。
元々デフには不安があったのでミッションを割って貰うことにし、今回は預けて帰宅することとした。
ドラシャのデフ側ジョイントの辺りがシットリと湿潤状態なのが解る。 よく見ると左側のミッションケースも変色して居る。
デフは下の通り(と言っても画像では解らないが)無事。 ファイナルとピニオンも異常な歯当たりは無し。 ショップのSさんはリングギアの歯が欠けてるぐらいに思っていたらしい。
壊れていたのは左側のドラシャのジョイント部分だった。 つまり短い方のドラシャで、デフ側ブーツに隠された中に3つあるベアリングのウチ1つがバラバラ。
何度も縁石に当てて居るので経年劣化にクラッシュでトドメを刺したかと思うが、スポンジにめり込んだのは右側。 外から押されて破損したのではない。
右側のドラシャと比べると左側のソレは短く、デフからの角度がキツイ。 角度が付いているアームの状態で、タイヤがデフに押しつけられる方向に異常な力が掛かったのかと思われるが詳細は不明。 ごく普通に考えれば当たった側が壊れそうな気がするのだが?
何れにしてもサーキットでクラッシュすると平穏無事には済まないと言う事だ。
中のグリスが随分と減っていたとの事から、段々と劣化してガタが大きく成っていったとは想像できる。 終いにはグリスが切れて居た所に衝撃が加わって破損というパターンかと思われる。
残念ながらドラシャはジョイントからジョイントまでブーツ込みのアッセンブリー。 途方もなく高価なパーツで涙が出る。
それにしても振動が大きくて驚いた。
個々のブッシュは特段酷い劣化を起こしてる事でも無かったのだが、ついでなのでミッションマウントの反対側にある上部エンジンマウント類を一新した。
これが外したマウント類とブッシュだが、中央に移っている円形のものは手で簡単に取れるほど痩せてスカスカに成ってしまっていた。 グラグラとエンジンを始動させるとヘッドが揺れるのはコレが原因か?
ヘッドが揺れるのでクーラントラインが緩みやすいのか、最近はいつも甘い匂いを漂わせている私の車両、これで甘い香りが漂わなくなると嬉しいのだが。
ノーマルのブッシュに交換するのも面白くない。 ノーマルのブッシュと同価格程度に安くしてくれるなら、と言うことでウレタンのブッシュを作って貰った。 一つ上の画像で半透明に成っているブッシュだ。
しかし、これで完璧かと思ったがまだ微振動が出る。 デフからの異音は前のまま。 そりゃそうだ、デフやミッションは手を入れてないのだから。
何が原因なのか? 一旦冷静になってからエンジンの状態を詳細に観察すると、どうやらエンジン自体から振動が出ているようだ。 2000回転前後で固めたマウントさえも揺さぶる振動が出る。 エンジン自体の調子は悪くないし、音も若干タペット打音が出ている程度で大したことはない。
だが、アイドリングで大きいカムが入っているような不整脈があるのが気になる。
アイドリング辺りでクラッチを繋ぎ、アクセルを踏み込んで問題の2000回転を過ぎようとするとブルブルと振動が伝わり、若干加速が鈍る。 3000程度を過ぎると回転が勝って振動は減るが何かが起きているのは感じられる。
異常振動の原因は何か?
端的に考えればエンジン本体かも知れない。 だが、クラッシュの後からという事を考えるとフレームのどこかが外れて振動が助長されているのかもしれない。 それにしても、またまた厄介な問題を抱えてくれたもんだ。
エンジン内部だとしたら症状が悪化するだろう。 そうなればオイル消費や異音がしてくるはずだ。 フレームであればサーキット走行で何かを感じるだろう。
ということでサーキットを走ってみた。
暫く走ってなかったと言うのも有るが、ベストコンディションのこの時期にタイムが5秒9しか出ない。 やはりエンジンが微妙にコンディションを崩しているのか、それともフレームに微妙な傷害があるのか?
右コーナーでオーバーステアが出やすい。
ダンパーセッティングでリヤの減衰を上げてインリフトを制御してみた。
先程よりは大分良い。 だが、ケツが出やすい状態は変わらない。 エンジン自体はもう少しパワーが有ったような気がする。 ドライバーが鈍いので細かいことまでは解らないが、コーナリング中にトラクションを掛けるタイミングが若干ズレているのは解っていたので、単に腕が落ちただけかも知れない。
くっそー
全てがカチッと来てない事だけは確かなのだが、それが何かが解らない。 後日、クラッシュの為にアライメントが狂っているのではと見て貰ったが、左リヤは適正値よりインに少し付いている位の程度。 逆に安定方向ではないか。
この日のコンディションならば5秒6ぐらいを出せるはず。 コンマ3秒も遅いのでは話に成らん。 タイヤも良い状況だし、今から思うと単に腕が鈍っているだけとは思えない。 これでは今年の目標としている筑波のタイム、ネオバで5秒前半コンスタント、一発タイムで4秒としているのには遠く及ばないではないか。
何が原因なのだろう。
某ショップに相談がてら伺ってみた。
彼、アイドリングの状態を腕組みしながら暫く眺めてポツリ、
「スピンした時にオーバーレブしませんでしたか?」
スピンした時にオーバーレブさせるパターンが多々あるらしい。 いや、熱くなっていた私自身のシフトダウンでレブってる可能性も大いにあり得る。
そういえばエリーゼに乗り始めた頃、シフトミスでタコメーターの針が真下を向くほど回してバルブを曲げた時、エンジンはこんな感じのバラついた音を発していたような気がする。
そう思い始めてみるとバルブを曲げてしまった時のエンジンフィーリングと音が脳裏に甦ってきた。 まずは圧縮を計ってみようと思う。 それで異常が認められればヘッドを開け、バルブのアタリと曲がりのチェックをしなければ成らない。
エンジンの振動対策でマウントを交換したと書いたが、下側のこのブラケットがよく割れる。
幸いにして私の車は今のところ割れていなかったが、ブッシュ類を入れ替えるにあたって対策品を入れることにした。
何れも左側がノーマルで右側が対策品。 何処が違うかというとブッシュ廻りにフランジを溶接してあるのだ。 それだけではない、ブッシュ廻りもグルッと溶接し直してある。
確かに華奢な作りなので序でに交換するのは有りだろう。 折れてしまうとエンジンが揺れてマフラーまで折ってしまうはずなので。
Pラップの電池が寿命になった。 突然切れてしまった訳ではないが、徐々に液晶の表示が薄くなっていたのは解っていた。 だが、一旦取り付けてしまうと外すのが面倒。 両面テープで固定しているだけでは有るのだが。
クルマから外してしまえば交換は簡単。 6箇所の小さな+ネジを外せば裏蓋が外れる。 が、電池はどう外せば良いのか? 強いバネでフタと共に外れる訳でもないし、何処かにドライバーなどを入れ込む仕組みにも成っていない。
掌に叩きつけるようにして電池が動くのを期待した。 が、外れてくれない。 これ、ドライバーを入れる隙間を作るべきだ。 仕方ない、あまりやりたくはないが精密ドライバーを無理矢理電池の脇に差し込んでコジッて外した。
電池の仕様についてPラップのホームページを見たが大した事は書いていない。 電池の種類さえ解りづらい。 今回交換したのは4年目なので次回もそのぐらいは持つだろう、忘れないように電池の種類を書いておく、製品番号はCR2354が2個だ。
ミッションオイルを交換した。 今回はミッションをバラして貰ったので仕方なくなのだが、エリーゼのオイル交換はどれも面倒。 下に潜っても一筋縄では行かない位置に有る。
私はいつも上から漏斗とシリコンホースを接続して自然落下方式。 オイルシリンジで圧送する方法を以前やってみたが、下に潜った状態では一々補充するために這いずり出てこなければならないし、溢れた時に顔に掛かるのだ。
上からホースを脱着する際、必ず顔に掛かるのはお約束に成ってはいるが、圧送では半端でない量が掛かる。
いつも下に潜って入れる時はスロープを利用するが、スロープ上で傾いた車体にすると規定量より500cc程多く入るので注意。 多く入れても噴いてしまう。
クーラントのリザーバータンクキャップが寿命のようだ。 常にお漏らしを摺るようになってしまった。
以前から気になっていたクーラントの甘い香り、アンダーパネルを外して下からチェックしても漏れた形跡は見あたらなかったのだが、先日マジマジと眺めていたらリザーバータンクの下に白く結晶化した形跡を発見。
わざと多めにクーラントを補充して状況確認したら御覧の有様。 少しずつ漏れているのは一番解りにくいが、ここまで盛大に漏れてくれると解りやすいし踏ん切りが付く。 聞いた所によるとコノパーツはMGFの時から問題のあるパーツとして認識されていたらしい。
純正パーツは高いから嫌だなと思ったが、聞いてみると\1,166。 珍しく安価なパーツでホッとした。 それにしても、こんな簡単なトラブルなら何とも思わなくなった私、慣れとは恐ろしい。