ひとりごと.gif

2005.10



111cupRd.4、エンジンは絶好調なのだが......


 
111cup Rd.4筑波


今回のレースは前回のレースで2位との決勝タイム差が15秒以上あった事から、 ルールによって今回ハンデとして+15秒が決勝タイムに加算される。

そのような理由から、どう頑張っても優勝は出来ないだろう。 しかし、そのお陰で全く緊張せずに済んだ事から、 キ○○マ小さい私には良かったか...。(笑)

それはそうと、最近アンダーオーバーがヤケに出るのは何故? と思いながら空気圧の調整や、 ダンパーの調整をしながら予選を走行したが効果無し。 運転の仕方が拙いのかと考えながら丁寧に走ってはみたが、 やはりアンダー&オーバー。

思い切ってダンパーセッティング変えてしまおうかとも思ったが、決勝で大外しした日には泣くに泣けない。 散々悩んだ揚げ句、ダンパーは大体いつも通りの無難なセッティングに戻したが、フロントのグリップ感が欲しかったので気温が上がる事を想定して若干低めのタイヤ空気圧とした。(やっぱり○ンタ○小さい)

今までのベストタイムがネオバで5秒5に対して、本日の予選は5秒7。嘆き悲しむほどには悪くないが、E3クラスのO氏に5/100秒負けてしまった。

予選開始から3周目と4周目に5秒7が立て続けに出たので、順位を示す電工表示板を確認すると2番手のタイム、しかもトップは定位置のE1チャンプ。 これで安心してクーリングラップを取ったのだが、その間に63番が私の上に表示された。

63番は今回のレースでは話題になっている新規参入の方、噂では色々と伺っていたし、ファクトリー体制を敷かれている事から「タダモノではない」とチェックしていたので直ぐに状況を把握した。

しかし先程も書いたがアンダー&オーバーが激しく、垂れたタイヤと相まって思った通りの動きをさせられない。 クリアラップを狙ってはみたが惨憺たる状態だったので、タイヤ温存とエンジンを休ませるべきと判断してアタック終了。

今回は結局エンジンを載せ替えて臨んだ事もあり(後述)、不安のないエンジン搭載によって予選でのラップタイムは微かに期待していたのだが...。

彼に負けてしまった事でスターティンググリッドは総合3位。しかしこの位置はシグナルよく見えるし、 1コーナーはイン側と結構良い。(スタートを失敗しなければ)

暫し仲間達皆んなと歓談をしていたら決勝スタートが近づいた。

私はスタートがヘタクソ。 今回はドキドキして無い分だけ良いが、どのように行えばスタートが上手く行くのだろう。 シグナルが変わるタイミングを見越してクラッチミートすれば良いのかも知れないが、もし、万が一フライングしてしまったらと思うと出来ない。

友人曰く「フッと、消える瞬間からミートすれば遅れない」と宣う。 そんなコンマ何秒かの間に頭と体が連動して動くモノなのだろうか? しかし彼は毎回スタートで素晴らしいダッシュを決めているので、強ち誇張でも無いようだ。

さて、フォーメーションラップも終わって隊列も揃ったようだ、5秒前の看板が出されて点灯したシグナルがブラックアウト。

スタート!

あらら、ちょっとストール気味。(これでも私的には可もなく不可もなくというレベル)

幸いにして前の二台も上手ではなかったようで安心。 しかし毎度素晴らしいダッシュを決めると書いた彼が後ろにいるのだ。

やはり今回も彼は素晴らしいスタート。(さすが)

今回は真横に並ばれるまでには成らず、なんとかグリッド位置を保ったまま1コーナーへ。 スタートでチラッと見たミラーでは斜め横にいた友人18番と19番もコーナー入口地点では後ろに居ることを確認。

これで一安心。

前を走る63番君のクルマは190psを誇る最新型111Rだが、 私の車両よりも100kg程重い。 一方、こちらは145psと非力だが中間トルクがフラットで扱いやすい上にギヤもクロス気味。

ということで、インフィールドの区間で詰めれば勝機有り!!
ベストタイムも100分の5差だ。

取り敢えず63番君の背後から彼の走りを観察。

重量が災いしてブレーキングが早い
立上りでは私のに比べて一瞬だけモタつく

まずは心理的プレッシャーを与えるためにハイビーム攻撃。 大人げない? いやいや心理的プレッシャーは紳士的攻撃ですよ。

運転が確実に荒くなってますよ、彼。

ここで私は調子こいて「抜くぞ・突っ付くぞ」という意思表示。 彼はどうやら1コーナーと2ヘアが車両的に不得意のようだ。 というか、比較的スピードの乗った後のコーナーで弱点が出る様だ。

しかしスピードの乗る区間では流石に190ps、とても追いつかない。

頑張ってブレーキングで詰めるしか無いか。 ということで、右回りのタイトターンで詰めてみるモノの、 私の車両は相変わらずのアンダー&オーバー。 やはり変だな、このクルマ。

コーナリングでは左前が沈みすぎると同時に、右のリヤがスッと上がってしまう。

しかし追いかけてる63番の車もカウンターあてまくりで、私ら2台でダサダサドリフト。 前のクルマはリヤが跳ねる感じで挙動が安定しないようだ。

相手の弱点は何となく解った。 彼がミスする瞬間を見逃さないように接近戦の準備だけはしておこう....と思ったら、 早速2ヘアでやってくれた。綺麗に立ち上がったかと思ったら、 ケツがツーッと流れてアクセルコントロール。

チャンス到来!

ラインが窮屈だけどイン側に入れるか? ううぅ....190psは伊達ではない。 スリップから外れるラインを取ってしまったので、彼の背後に付いた時には既にスリップの効果無し。 見る見る離されてしまった。

失敗だ。

同じ手がもう一度通じるかどうかは解らないが、この2ヘアか1コーナーが攻略ポイントのようだ。 そして数周後、また同じポイントで挙動が乱れた。

再びチャンス到来!

今度はケツを振ってる時間が長い。 迷わずステアリングを切り増ししてイン側に並んだ。 おっ、今回は加速で負けないぞ。 よほどアクセルコントロールで立て直したらしい。

アドレナリン全開っ
しかし、ここは裏ストレート。

190psが炸裂したら勝ち目が無いのは何度も脳裏に焼き付いている。 が、まだ加速が鈍いようだ。私はとっくに全開だ! 2速から3速にブチ込んでレブリミットギリギリまで全開。

なんとココの加速競争は互角。
パワーバンド外したな、彼。

4速になったらジリジリと向こうが進み始めたが、4速は一瞬。これは勝てないかな? と思ったが、最終コーナーのイン側が私。 ヤバイ右コーナーだけど、行くしか無い。

勝負っ!
.....あーっ、曲がんねーーっ

めちゃダサのヘロヘロコーナリングで結果的にブロックしてしまいました。(わざとでは無いので) 直線に戻ったところで平静を装って「ごめんねっ」と後ろに対して手を挙げておきました。

ここから頑張らないと突っ込まれどころ満載だ。 インフィールド、ここでグンと引き離さないと裏ストレートでアッサリやられてしまう。 ガンバリマスよ。

しかし、またまた1コーナーは右コーナー。(筑波は右コーナーばっかり) タイヤ鳴きまくりで情けないコーナリング。

が、ルームミラーに映る彼は思ったよりも近くにいない。

丁寧に走らなければならないが、なお且つ大胆にも走らないと負ける。 ラインは窮屈になるが、 タイトに回ってアクセル早めに開けられるラインに切り替える事にした。

その後2周ぐらい経った頃だっただろうか、彼との差がスーッと付いた。 後から聞いたらシフトレバーが折れてしまったらしい。運がこっちに向いてくれた?

接近戦バトルが楽しかったので少し残念。

ラスト2周はトップに追いつけるわけもなく淡々と走ってゴール。 見た目的には総合2位のクラストップだが、同じE2クラスの2位との差は今回14.8秒。 レギュレーションによるハンデ規定によって15秒加算されるから0.2秒差で2位。 もう少し頑張って攻めていればハンデを背負いながらも1位だった?

 

今回の決勝動画は2種類用意したが、どうも動画編集が綺麗に行かない。 納得できる映像ではないが、興味有る方はどうぞ。

ただし、今回もファイルサイズが大きいのでダウンロードには時間が掛かると思われる。

動画ファイルは友人の自宅サーバーをお借りしているので、同時接続すると途端に回線速度が落ちるはず。 通常は3メガ程度が実速度で出ているが、集中すると速度が低下すると思われるのでダウンロードしてから見て頂きたい。

2005 111cup Rd.4 決勝動画(wmv形式ファイル 130MB)

※後記
 帰宅して足を外してみたら、フロント左ショックがスカスカ。
 もっと早く気づけっての、私。

 決勝中にラジエター内に入っていたエアが抜けたようで、途中まで88度を示していた水温が80度で安定し、それに引っ張られる形で油温も115度で安定。 前日にラックを交換した際にオイルポンプのプランジャーにワッシャーを追加して頂いた事によって油圧も4キロで安定。 と、動力関係は概ね安心出来る状況となった。

 少し惜しいのはラッシュアジャスターが一つだけエアを噛んでいるのか、軽い打音を発している点だ。 これが無ければベストと言えるだろう。

 

ラジエター交換

最近クーラントが少しずつ減るようになり、何となく走行中にクーラントの甘ったるい香りが漂う事が有るようになった。

とうとう定番トラブルの一つであるラジエターの水漏れが始まったか?

空冷オイルクーラーに導風板加工をした後は、真夏のサーキット全開を連続走行しない限り水温が90度を超える事はなかったので安心していたが、最高気温34度という酷暑の中を30分全開にしたところ、水温表示が90度目前まで上昇してしまった。

やはり水温は80度台半ばまでに留まって欲しいところ。

今までは交換する気になれなかったが、若干の水漏れも有るようなので安心を買うためにラジエターの交換をする事にした。

いざ交換するとなると悩むのがラジエターの種類。

これがランエボやGTR、FDなどであれば、各メーカーによって循環方式やフィンのピッチ・コア形状など拘りの製品を選択出来る。 しかしエリーゼ用に国産車のような豊富な選択肢がある訳もなく、真鍮製2層式・アルミ製2層式・アルミ製3層式の3種類に大別された中から選定する事になる。

まずは価格と性能のチェックから。

真鍮製は安いところで58000円、アルミ2層は85000円に対してアルミ3層が95000円程度と真鍮の安さが際だっている。 が、純銅製を選択するのはアリかも知れないが、いまどき真鍮製は選択しないだろう。(かつてハチロクに乗っていた時は純銅製を入れていた)

金属の性質をザッと調べてみた。(専門分野の人が見たら大笑いネタだな..)

純銅 (C1020)  熱伝導率:0.92
純アルミ (A1050)  熱伝導率:0.61
真鍮 (1種 C2600)  熱伝導率:0.28

ただし、ラジエターに使用されているアルミ素材をA1050とするケースはレーシングマシンや拘りのショップオリジナルなど特殊な場合のようで、一般的にはA1050より10%程度強度の上がったA3003が使われているらしい。(私が調べた範囲ではアルミラジエターの素材説明まで明らかにしているサイトは見あたらなかった) そのA3003の場合には熱伝導率は0.50となるが、何れにしても真鍮の2倍ほどの熱伝導率は有る。

さて、では質量はどうか。

純銅 (C1020)  比重:8.9
純アルミ (A1050)  比重:2.7
真鍮 (1種 C2600)  比重:8.4

これも圧倒的にアルミが有利。 銅の比重が8.9で真鍮が8.4、それに対するアルミは2.7と軽い。 だが、ひとつ忘れてはいけないのが強度だ。1ミリ厚の板材を考えてみれば、アルミ材と真鍮材では強度の差は明らか。 ラジエターとしての必要強度を保つには金属単体の使用量はアルミの方が多く必要になる筈。

ではどのぐらいの強度差が有るのかと言う事で、例としてヤング率で比較してみた。

純銅 (C1020)  ヤング率:117Gpa
純アルミ (A1050)  ヤング率: 69Gpa
真鍮 (1種 C2600)  ヤング率:110Gpa

銅が117Gpa・真鍮が110Gpaに対し、純アルミが69Gpaということで、10%強度の高いA3003としても3割ほど真鍮より値が低いようである。 荒っぽい略算だが、強度を保つためにたとえ3割増しの材料を使ったとしても質量が半分以下なので真鍮より軽く出来る事には変わりがない。(しかしアルミ材で強度を確保すると肉厚になるため、伝導率が良くても厚みが増えた分は熱交換に時間がかかる?)

前置きが長くなった。
ハチロクの時の経験から、純銅が有れば多少重くても熱交換が早いのが有利とも思えるのでソレを選んだと思うが、今回は純銅が無ければアルミを選ぶ以外に物理的理由は見あたらない。

という訳だが、私は真鍮にした。
理由は簡単「安かったから」だ。



価格の安さで真鍮を選んだ私に工賃を払える余裕など無い訳で、今回は自分で取付けを行った。 これをショップに依頼する場合は工賃がかかるのだが、私がリサーチした範囲ではその工賃は5万から10万。 ラジエターと同等以上の価格が掛かる工賃だが、自分で取り付けをしてみると大変さが解る。 カウルの脱着とエア抜き、電動ファンの移設などを考えると妥当な価格だろう。

実は「ラジエター交換なんか楽勝さっ♪」と思いながら作業を開始したのだが、午前中に筑波のスポーツ走行をしてからの交換というのが拙かった。 持病の腰痛と闘いながらラジエターを交換する事となったのだが、5時間も掛かってしまった。

ではラジエター交換作業の様子をお伝えしよう。

まず作業に取りかかる前に必要な道具が揃っている事が条件になる。カウルを外したは良いがヘックスレンチが無かったり、リベットを外す事が出来なければ途中で作業中断となってしまうのだ。



幸いにして私は大抵の工具は持っているので心配していなかったが、事前に情報は仕入れておくべきである。 まぁ電動ファンをリベットで固定するためのハンドリベッターが無くてもM3かM4のボルト&ナット+ワッシャーが有れば用は足りるが、元々付いているリベットを外すための工具とヘックス+ヘキサゴンレンチは必要だ。

その他に注意する事として、とても手の入りにくい位置にある+(プラス)ネジが有るが、これを脱着するのにスタッビドライバーでは用が足りないのだ。 工具を振れる空間がないため、ネジを痛めずに脱着するにはビットの+(プラス)を使用するしかない。

ビットを1/4のソケットに入れ、ギアレンチ(ラチェットメガネ)に噛ませて回してやるのが一番良いと思う。 このとき、ギヤレンチはフレックスタイプ(首振りタイプ)だとより自由度が高まると思う。

またまた前置きが長くなったが、まずはカウルの取り外しから。

上に示したマニュアルの図にあるとおりだが、カウルを外すには5ミリのヘキサゴンが必要になる。 これがL型のヘキサゴンレンチでは作業が辛い。 出来ればボタンキャップボルトのヘキサを痛めないためにも、ボールタイプのヘキサゴンソケットか、通常のヘキサゴンソケットにフレキシブルアダプターを噛ませて回すのが良いだろう。

一番厄介なのがフロントのインナーフェンダー後側の中に隠れているボタンキャップボルトだ。

インナーフェンダーは取外す必要はないが、留めているネジ類は全て外す必要がある。その厄介なボルトを外すには、タイヤを外してからマッドフラップを外し、インナーフェンダーを留めているネジを外してから力業でインナーをズリ上げるのだ。ただし、丁寧に作業したい貴殿にはインナーを外す事をお奨めする。



そしてチラッと見えたボルトの頭にヘキサゴンソケットを当てて緩める。

少し緩めるとサイドシルとの合わせ目からガスケットのような擦れ防止材のシムがはみ出てくるが、車両によって厚みが違うかも知れないし、例によってロータスなので左右で厚みが違うかも知れないので、どのように付いていたのかメモしておく事。 そしてボルト類も殆ど間違う事はないと思うが、ワッシャーの数でチリあわせをしている箇所が有るので個別に纏めておく事をお奨めする。

インナーフェンダー下部のシルバーに見える箇所、これは石跳ねでFRPの劣化が起きてしまうのを少しでも防ごうとしてアルミテープを貼ってあるのだが、そろそろ取り替え時が来ているようだ。

此処まで外したら、アンダートレイの前側だけ外してからラジエターダクトとウィンドスクリーンバットレスのボルトを外す。 アンダートレイを後にすると顔の上に落ちてくる危険性があるので。

ウィンドスクリーンのボルトはラジエターフードの高さ調節も兼ねているため、ゴムのキャップが被っているが、無くしやすいので注意。 そしてその高さも念のために大体の位置を覚えておくと良いかも知れない。

余談だが、この高さ調節は固定するナットがボルトの頭と同じサイズなので工具が入らない。 フレックスタイプのギアレンチが良いだろう。 私は持っていないのでオフセットメガネをチマチマ回しながら締めたのだが。

やっとこれでカウルが外れるのだが、灯火類のメインコネクターを外す事を忘れずに。 当初私はメインコネクターだけで外れるとは知らず、全ての灯火類を外してしまい、非常に無駄な作業をして悔やんだのだった。

カウルを外すには一人での作業は辛い。 出来るだけ手伝って貰おう。 少し揺さぶりながら前に出しつつ外すのだが(一人で作業した事がないので解らないが)、非常に厄介だと思う。

ここまで30分ぐらい。 初めて外した時は配線を外したり無駄な作業をしたので1時間半近く掛かったが。 せっかくフロントセクションが露わになったのだから、普段は手が届かない箇所を観察。 

ドアのヒンジがギシギシ言う時があるのを思い出した。 こう言う時でないとグリスアップも難しい。 擦動面には抉られたような傷が入ってしまっていたので、古いグリスを拭き取ってから芋虫グリスを少し多めに塗ってやった。

 

さてと、ではラジエター本体を取り外そう。

シュラウドから外すのだが、ここで冒頭に書いたヘックスが登場する。 

シュラウドが外れたらホースバンドを外す。 当然だがクーラントが夥しく出てしまうが仕方ない。 自然環境に優しくしたいと思う貴殿、手伝って貰える人にクーラントを受けて貰っていただきい。

概ねクーラントが出たところでプラスネジで6箇所止まっているビスを外すと、車体からマウントと共にラジエターが外れるが、ここでスタッビドライバーでも辛い箇所が出てくる。 特にマスターシリンダーの所が厄介。

私は長いドライバーでオフセット角から無理矢理外してしまった。

あとは周辺の配線を外せばこの通り。

だが、マウントからラジエター本体を外す時に気を付けて欲しい点が1つ。 クリップを介してマウントに取り付けられているのだが、長年の風雨でクリップが錆び付いており、ラジエターからクリップを外す時に破壊してしまうのだ。

私は2個破壊してしまった。

画像で言うと下側の所だ。

次の作業は電動ファンの取り外し。 御覧のように純正はアルミのリベットで緊結されている。

リベットの取り外しには電動ドリルで揉み取る方法をとったが、器用な人ならベビーサンダーで裏側を飛ばしてしまう方法も有りか。

私は純正と同様のリベット留めとしたが、ボルト&ナットでも構わないと思う。

合計8箇所のリベット留めをしたのだが、虚弱体質の私には少々辛かった。 日が傾いてきて暗くなってきたので慌てはじめた頃である。 パートナーが居るのであれば代わりに握って貰うと後の作業が楽だ。

マウントにボルトで取り付けが終われば、ラジエター側の作業は終了となるが、クリップを2つほど破壊してしまったため、私は余計な作業をする事となった。

マウントを無理矢理開いた所に手を突っ込み、クリップの箇所にワッシャーとナットをセットするのだ。 これが上手く行かなくてイライラする。 冷静に考えたらボルトをラジエター側から突き出した方が楽だったかも知れない。

まぁクリップを破壊しなければ苦労はしないので、これから作業する方はクリップの取り外しは慎重に。

このラジエター、真鍮製ということだがフィンも真鍮なのだろうか?
銅だったら嬉しいのだが。

それはそうと、このセクションかなり汚い。

普段清掃しないところなので酷い汚れかただ。

時間がないので清掃はザッとだけ済ませて、取り付け完了。 フィンに緑青が発生してるのが見えるが、フィンを曲げたくなかったので高圧洗浄すらしなかった。 汚れが酷くなったら洗剤を掛けて高圧洗浄するつもり。

さてエア抜き作業をしなければ。

とりあえずクーラントのサブタンクをほぼ満水状態にして、更にクーラントを用意してエンジン始動。

エリーゼのサーモスタットはクーラントがリターンする位置に有るため、クーラントはエンジン始動と共にラジエター内に流入してくる。 そのため既にラジエター内にある大量の空気を押し出すため、エア抜きバルブを緩めておいてエンジンを始動させた。

瞬く間にバルブからはクーラントが噴出。

おっと、サブタンク内の水量も随分減っている。 クーラントを補給してからエア抜きバルブを締め、ラジエター回りからの水漏れがないか確認。

どうやら漏れは無いようだ。

あとは水温が上がってサーモが開くのを待ち、循環させた状態でエア抜きして完了。 私のような爆音マフラーはこう言う時には非常に迷惑。(多少でも音が小さくなるようにインナーサイレンサーを装着してはいたが)

水温が上がるまでの間に流出させたクーラントを水道水で洗い流した。 少しでも付着していると、漏れたクーラントが臭っているのかが解らないので。

最後のエア抜きの際はラジエター側だけでなく、エンジン側のパイプにあるエア抜きボルトからのエア抜きもお忘れ無く。 これでカウルを取り付ければ完了だが、この取り付けがメンドクサイ。 もう写真を撮る余力もないので省略。 チリあわせの為のワッシャーを間違えないように。

 

今までのラジエターより冷えてくれる事を期待して、テストドライブ。

が、高速道路の巡航では冷えてくれるどころか、今までより高い水温を示して居るではないか。 どういうことだ? エア抜きが十分でなかった? セコく真鍮にしたのが失敗?

まだエアが抜けきっていないと言う事だと自分を落ち着かせてテスト続行。

適法巡航速度から速度アップ。 すると今までなら徐々に上昇する温度域だったのが、逆に下降。 私はサーモを82度タイプにしてあるので、今までの通常の高速巡航では78度がクルージング水温なのだが、なんと70度近くまで一気に下降。

これは材料が薄い真鍮ならではか?

アルミでは材料の厚みがある分、放熱するまでの時間が掛かるようだが、材料自体が薄い真鍮や銅は冷却時間が短い。 これはメリットかも。

だが、全開時間が長くなれば熱伝導率の高い材質に軍配が上がると思ったが...ここで、筑波サーキットで外気温30度の時と34度の時にスポーツ走行したデータを参考としてあげておく。

外気温30度+1回目のスポーツ走行全開25分経過: 水温80度 油温110度
外気温34度+2回目のスポーツ走行全開25分経過: 水温86度 油温120度

2回目のスポーツ走行は1回目が終わって30分しか経っていないため、十分に冷えた状態ではないという事を付け加えておく。 また、エンジンオイルは1500kmほど使用したモチュールの300Vだが、その使用勝手の1/3は全開走行をしたものだ。

1回目の走行時データは嬉しい結果だったが、2回目の走行データはもう少し下がって欲しかったと言うのが正直なところ。

だが、今までの経験からすると外気温が30度を超えての2回目スポーツ走行では、水温が88度とか90度に達していた事から、少なく見積もっても2度の水温降下と言えるだろうか。

全くの同一条件では無いため何とも言えないが、水温で2度、油温で5度の下降をしている事は解ったので、純正のラジエターよりは冷えるようになったのだと思う。

尤も、良い方向に変わってくれなければ交換した意味は無いのだが。

一般道での使い勝手だが、渋滞でファンが回り出す温度域に達した状態で、そこから時速30キロ程度で動き出してくれると、80度台前半に水温が戻る時間に関しては純正アルミよりも随分と短い。 これは驚いた。

最後に高速適法巡航だが、サーキットを走ってエアが抜けたのか、純正アルミと同様の78度でクルージングできるようになった事を報告しておく。(油温は3度下降)

 

エンジン換装とステアリングラック交換

玄関に置いたまま家族から邪魔もの扱いされていたMGFの18k−vvcエンジン、やはりコイツを搭載する事にした。

元々のエンジントラブルは電気系統を一新して解決を見せては居たが、何となく気持ち悪いし、何年もエンジンを動かさずに鎮座させておいては良くないと言う事で、この期に載せ替えを決意。

そんな話を何気なく仲間内の掲示板に書き込んだら、丁度タイミング良くレースに出場している友人がVVCユニットを外したからvvcユニットを無償で譲ってくれるという。 

ということで友人の車両が入っているWOTY SPEEDへエンジン持込。 ヘッド回りは友人のvvcユニットを移植して載せ替える事となった。

購入したエンジン状態に一抹の不安を抱えたまま、自宅からエンジンクレーンでオデッセイに積載し工場に搬入。 このエンジン、随分とオブジェとして時が経っていたので埃まみれ。 一応、開口部の全てにガムテープを貼って塵芥の進入が無いようにはしていたが、温度差による結露だけは避けられない。

玄関という所はエンジンの保管には向いていないな。

 

持ち込んでから数日後、ショップから連絡有り。
「持ち込んだエンジンの状態は悪くないですよ」

ひとまず安心。(ほっ♪)

一応、購入エンジン搭載車両の状況は把握していたが、オタク的クルマ好きでは無かったようなので正しいメンテをしていたか不明だし、カーボン山盛りヘッドかと恐れていたのだ。

Tメカによると、「ピストントップにカーボンは殆ど付着していない状況で、オイル管理も悪くありません。 シリンダーをホーニングしたクロスハッチもしっかりしているし、悪くない状況だと思いますよ」とのこと。

更にO氏のVVCユニットの方が状態は更に良いそうなので、迷うことなく其方を使用させていただくことになった。

そして載せ替えなのだが....

載せ替えの際、少しトラブルがあった。 私の車両には空冷オイルクーラーが設置されているのだが、延々とフロント開口部まで配管を引っ張っているため、完全にオイルを抜いてしまうとオイルが回るのに時間が掛かるのだ。

また、このレイアウトはエンジン屋さんから見ると「ダメ」らしい。 そりゃそうだろう。 圧力損失は計り知れないし、配管からオイルが抜けてしまったら、オイルで満たされてからエンジンに供給されるまでの時間は、オイル潤滑無しで駆動しているのだから。

載せ替え直後、メカの方はプラグを外してセルによるクランキングで油圧の確認をされたのだが、数秒のクランキングでも油圧が上がってこなかったようだ。

結局、試行錯誤していただいてオイルが回る事を確認したのちにエンジンに火を入れ、油圧の確認をしていただいてから引き渡して頂く事となった。

 

今回は腰下はそのままでヘッドだけオーバーホール(メニュー的にはバルブの摺合せと、タイミングベルト交換、スチールリテーナー搭載)したのでナラシは不要。 と言う事だが、小心者の私は4000をリミットとして帰宅。 エンジンを下ろした事でウォーターラインに再びエアが混入したのか、クルージングで水温82度。 ちと高いな。

しかも渋滞ではアッと言う間に水温上昇、そしてそれに引っ張られて油温も上昇。 ひょっとして腰下に異常があるのかと小心者の私は気を揉むのであった。

これはレース前にサーキット全開テストしておかないと怖い。 ということで、筑波でテスト。

 

期待と不安が混在した状況でコースイン。 まずは様子見で5000シフト。 水温80度、油温95度。 

よし、全開カマシたろ。

....なんか巻き込んだり、アンダー&オーバーが出るなぁ。

今回は坊主になってしまったタイヤを新品にしたので、バリ山特有の挙動が出たのか?(ちょっと違う気がする)

結局水温は87度で油温120度の油圧3.5キロ。(油圧を少し上げて貰おう) 
気温27度としてはもっと安心出来る値が欲しい。(ラジエターはエアが抜けていないようだ)
タイムは6秒1でコレも失格。

全然良いところ無いどころか、更に追い打ち。

アンダー&オーバー+巻き込みが出るので走行後に躁舵系のチェックをしたら、なんと左フロントのタイヤにガタがあるではないか。 タイヤを手で左右に揺すると5ミリほどトーが変化するのだ。

しまった、明後日がレースなのにハブベアリングが逝ってしまった。

もう大慌て。

グローリーさんに電話したが今日は定休日。 だが、Sメカは「良いよ、持ってきな」との有難いお言葉。

2回目の走行券は購入済みだが、仕方ない。 このまま走ったらダメージ増大で明後日走れなくなってしまう可能性も有るのだ。 そそくさと撤収し、サーキットから横浜を目指した。

 

3時間は掛かるかと思ったが2時間半ほどで横浜都筑のショップに到着。 早速足回りのチェック。

「これ、ハブベアリングじゃないね」
「ラックだよ」

この期に及んでステアリングラックのガタかよ!

....もうダメ。

明後日の決勝は欠席決定。

 

絶望感に陥りながら翌日は仕事。 昨日休ませて頂いたので仕事は沢山あるが、どうしてもラックの事が頭から離れない。 ダメ元で知っているショップに電話した。 

「ラックの在庫は有りますか?」 ...有る訳がない。

エンジン換装をして頂いたwotyさんに電話。(この日、しかもwotyさんは定休日だ)

kさんが電話に出てくれたので経緯を説明したところ、在庫があるかも知れないとの事で調べて頂いた。 すると新品の在庫が有るという!!

しかも今はファクトリーカーの整備をしているが、それが終わり次第作業をしてくれると仰る。

こうなったら仕事に手が付かない。

午後から早退扱いにして貰って速攻で帰宅。 もう昼食なんて取ってる場合じゃない、着替えてwotyさんへ。

到着したのは3時過ぎ。

まだ水色のマシンを整備している。(しかも皆さんのお疲れ様子からして、徹夜していたのではと思われる)

到着早々、Tメカのチェック。

「これ、本当にラックのガタかなぁ」と仰る。 こう言うところで素人が口出ししちゃイケナイのだが、昨日グローリーさんでラックをマジマジと見ていて故障箇所の察しが付いてるだけに、我慢できずに口出し。(嫌な客だ)

メカさんのパーツチェックから始まった。

テキパキと取り外しが始まるかと思いきや、タイロッドエンドの取り外しに苦労してるようだ。 タイロッドエンドを留めているナットが空回りして取れなくなっている。

最終手段でナットクラッシャーの登場。 何とかナットを割り取ってタイロッドエンドがプーラーによって外された。

しかし、まだ難関は残っていた。

ラックを外すためにはラックの位置近くにあるナットサートを斫らないと脱着出来ないらしい。 このナットサート、シロッコファンのインテークフランジの直ぐ傍にあって確認しづらい。 何とかナットサートが使用されていない事を確認し、ラック側からブレーカーバーを鏨代わりにして削除完了。

そして次の難関は、ステアリングシャフトのユニバーサルジョイント取り外しと、ステアリングボスの取り外しだ。

ボスはmomoのアフターパーツに交換してあるが、これが純正ボスと違って華奢な作り。 これをステアリングをこじって外そうとしていたが、ボスのコラプシブルゾーンにダメージを与えそうと言う事で断念。

さて、ではどうやって外すか?

ステアリングのコラム回りを外す事を提案し、プーラーで取り外して頂く事となった。

少し苦労したようだが、プーラーのお掛けで簡単に外れてくれた。

 

さて、では取り外したラックはどうなっていたのだろうか?

御覧の有様。

ブーツの下から出てきたボールジョイントはグリスが無くなり、ボールの金属が擦れて摩耗していた。 だが、素手で確認しても明らかなガタは判断困難。 車体に装着された状態でタイヤを左右に動かすのが一番分かり易かった。

このトラブル、右回りの多いサーキットで縁石に乗り上げたりして発症したかと思われる。

一方こちらは新品ラック。 ラック&ピニオンのラックギヤは非常にスムーズだが、ボールジョイント部分は可成り堅い。 クリアランスがキツキツなのか?

ラックを交換するとアライメントを出し直さなくては成らない。

私の好みのアライメントに合わせて貰うのに時間が随分と掛かってしまった。 そしてアライメント調整の際に気を付けなければならないのがステアリングセンター。 今回はシャフトを外してしまったので、完璧にセンターがずれてしまうのだ。

ということで、前述のボス外しとなった。

さて、これで終了かと思われたが、ステアリングシャフトのユニバーサルジョイント取り付けボルトがクラッチペダルと干渉してしまった。 帰宅しようとしてエンジンを始動し、クラッチ切って半クラで工場からバックで出ようとしたら、ペダルが奥でロックされて焦った。

原因は直ぐに解明された。 ユニバーサルジョイントのロックボルトが長かったようで、クラッチペダルと干渉している。

一旦エンジンを止めて再調整。

今度こそ作業終了。 明日のレースに間に合わせて頂いたことに深く感謝。

 

今月の整備記録

エンジンオイル・フィルター交換 50,280キロ 2005.09.18 MOTUL 300V 10w-40 CHRONO
ミッションオイル交換 50,280キロ 2005.09.18 NUTEC NC-70+71ブレンド
エンジン換装 50,280キロ 2005.09.18 ヘッドのみOH済3万kmエンジン
ステアリングラック交換 50,500キロ 2005.09.22 純正新品(タイロッドエンドも交換)

ベストラップタイムの記録
 
各々の目標 筑波2000:1分03秒 (ラジアル4秒)  筑波1000:39秒
  FSW:2分03秒(ラジアル)  もてぎフルコース:2分14秒(ラジアル16秒)
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分5秒505(2005.06 エリーゼの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー

 
 
筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

富士スピードウェイ
 新コース
2分05秒243(2005.05 エリーゼの非公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

[表紙へ戻る]