これだけ何回も壊れてくれたのでは対策しない訳にはいかぬ。 而もコイツは夏場の暑い時期に限定されず、冬季でもブローする。 季節に関係ないという事は熱ではなく振動が原因かも知れないし、高回転維持が問題なのかも知れない。
だが、エキマニと5ミリのクリアランスしか無いのであれば、まずは熱害から疑うのが常道だろう。 ということで、今回の工作はオルタの熱対策。 純正ノーマルのエキマニに装着されていた遮熱板を参考に、一工夫しようというのが魂胆だ。
まずはオルタにアクセスしやすくするためにインナーフェンダーの取外し。 いつもながら知恵の輪のような手数を踏まないと外れてくれずイライラする。 何度も外している筈なのだが、最近は痴呆が発症し始めているのか一向に覚えられず、素早くできないのが悲しい。
今回、VVCエンジンのウィークポイントの一つかも知れない、カムプーリーのゴムダンパー(正式名称不詳)もチェックしておくことにする。 因みにエキゾースト側だけがダンパー入りである。
タイミングベルトのサイドカバーは数本のボルトを緩めることで外れるが、これまたカバーを狭い箇所から取り出すのに苦労する。 少し力業を使って外しても割れなかったため、気が短い人は(自己責任で)私のような力業も有りだ。
さて、何処を点検するかというと...下の画像にあるプーリー内側の黒いゴムが解るだろうか。 この外側に重量物が取り付けられており、カムプーリーの弾み車ダンパーの役目をしているようなのだが、このゴムが裂けてしまう事があるのだ。
それが起きるとタイミングベルトが暴れてコマ飛びを起こし、バルタイがずれてバルブキッスというシナリオのようだ。 実際、私の友人が経験している。 同じくレースに参加している別の友人は最近エンジン不調を訴え、点検したところゴムダンパーの数カ所に亀裂が入っていた。(残念ながら見せては戴いたが画像はない) 某ショップのメカの談話によると過去にも数例起きているという。
だが、今回の私のような点検でゴムに異常がなければ一応安心して良いようだ。 年に一度程度の割合で点検しておくと良いかも知れない。 因みに自宅にストックしてあるMGF
VVCエンジンも調べてみたのだが、こいつは少しゴム形状が違った。 リブ状に成っている所以外はゴムが刳り抜かれていた。
メーカーのコストダウンなのか、少しでも強度を上げるためなのかは不明だが、後発エンジンのエリーゼ搭載分のほうが改良されているのだろう。(と、信じたい) 何れにしてもクラックがあったら即交換したほうが良いようだ。
さて、プーリーダンパーの無事を確認したところでオルタの熱対策に取りかかる事にする。
まずはエキマニの遮熱だ。 ノーマルでは断熱を兼ねた遮熱板がオルタにセットされているのだが、エキマニ交換によって取り付かなくなってしまった事から、前述したようにエキマニとオルタの間隔は5ミリという至近距離にも拘わらず遮熱無しの状態だったのだ。 今回改めて確認するとクリアランスが僅かな事から、素人工作でステンレスやアルミのプレートで制作するのは少々厄介。
何を使って加工すれば効果的で楽か? しかもお金を掛けずに安く済ませたい。
台所に使用する油跳防止のアルミ材を真っ先に考えた。 だが、強度が足りないため、継続使用には向いていない。 いつも走り終わった後にエンジンの上には油跳防止アルミ板を置いてフードを閉めているのだが、1年程度使うと徐々に痛んでくる。 止まっている状態で痛むモノを使う訳には行かない。
だがコイツ、走り終わった直後でも溶ける心配もなく、雨の日にはプラグホールに入る雨を遮断出来るので、私のような屋根無しガレージユーザーにはオススメである。 トランクに常時積んでいても嵩張らないのも良い点だ。
何か無いかとパーツ倉庫をゴソゴソ漁ってみると、アルミのフレキダクトが2種類有った。 一つは薄肉の自由度が高いアルミ箔のアコーディオンタイプのダクトで、もう1つは台所換気扇ダクトや給湯器の排気ダクトなどにも使用するシャーリングタイプの蛇腹ダクト。 何かに使えそうだと某工事現場から戴いてきた設備用ダクトだ。
この厚手の蛇腹ダクトを切り裂いてあてがう事にしてみた。 カッターやハサミで容易に加工出来るが、切り口が鋭利になっているため怪我をしないように注意が必要。
これをオルタとエキマニの間に挟み込むのだが、国産のオルタと違って端子に絶縁カバーが着いていないので、この際、(先月号のバッテリーのように)端子にカバーを装着するか、バッテリーを外して安全策を講じた方が良いと思われる。
薄手のアルミ材に電流が走ると、発熱する恐れがあるだけでなく、赤熱して周囲を焦がしたり火災に至る可能性もある事をお忘れ無く。
非常に狭い空間なので多少の擦過傷を覚悟しなければ装着出来ないかも知れないが、さらに厄介だったのが固定するためのステンレスタイラップ。 目視で確認しながらの作業は事実上不可能なため、タイラップ装着に手こずった。
取り付けが終わってシゲシゲと眺めていたら、これで作業終了というのは物足りない気がする。 もう少し積極的に冷却してやりたくなった。 遮熱したことで逆に放熱出来ないかも知れないのだ。 幸いにして近くに冷却外気導入に丁度良い箇所がある。 これを利用しない手はあるまい。
こちらには曲げ加工のしやすいアルミ箔タイプのフレキダクトを使用した。 固定はタイラップで楽勝。 車種によってはエアコンのコンプレッサーがあったり、空冷オイルクーラーを装着しているケースもあるだろうからケースバイケースだと思うが、スタンダードな車両ならば装着は容易だろう。
これで走行していればダクトから外気がオルタに直撃するようにセット出来た。 オルタのプーリーベルトにダクトが巻き込まれないようにシッカリとタイラップなどで固定するのだが、エキマニに近いところは前述のステンタイラップが良いだろう。
外気導入によって余計なゴミが混入して壊れたら笑えないが、とりあえず装着して千キロ程度走ったが、今のところサーキット走行を含めて支障は出ていない。 ただ、エンジンルーム内へのフレッシュエア導入口を左右とも使用してしまったので、エンジンルーム温度上昇は避けられないだろう。
次なるトラブルは温度上昇によるエンジンルーム内のハーネス類硬化、断線かも知れない。
リニューアルした富士スピードウェイが来月から本格的に始動するのに合わせ、以前のコースライセンスを所有していた人たちに向け、優先更新と下見走行が開催された。
快晴の土曜日。 今年初めての箱根散歩の後、遠足気分でライセンスの更新に向かった。 初めて通る東ゲートは広くて綺麗。 そこから場内に伸びる道も綺麗で道幅も広い。 思わずスピードを上げて走りたくなるような道だが、制限速度は30キロ。 工事関係車両が制限速度遵守で移動していたのが印象的だった。
さすがトヨタ、こういうことは徹底している。
フィスコという呼び方はしないのかも知れない新しい富士スピードウェイ。 旧東ゲートがメインゲートに成ったのだが、入口は解りやすいもののコースまでのアクセスや観客席への誘導サインについては初めての人にも解りやすいサインとは言い難い。
仕事柄なのかも知れないが、ユニバーサルサイン意識が足りないと思った。 今の世の中、初めて入場した人に解りやすいサインを作って当然。 トヨタ傘下に入ったので厳しい品質チェックが有ると期待した施設だったが、かなり幻滅した。
海外の有名なサーキット設計者ティルケと三菱地所とのコラボということで、国内の叩き上げ担当者の意見が通りにくかったとすれば残念。 もっと利用者に優しい施設とするべきだ。 トヨタはコマーシャルなどで人に優しいことを諄い程アピールしているのに、この有様では失笑を買う。
パドックへ行く誘導路にサインが一切無いのは混乱を招くのでは?と思う。 何度か通っている内に頻度の高い利用者は覚えてしまうと思うが、初めての利用者でも迷うことなく利用出来るのが当然だろう。 ライセンス講習と言う事で観客席の方には行かなかったが、一般利用者ゾーンは配慮が成されているのだろうか。
まだまだサーキットに於ける利用者とは「使わせてやる」という立場なのだろうか。 誰にでも使いやすい誘導サインは係員という人的配置を省け、それはコストダウンに繋がるとともに利用者に喜ばれるという2つの利益があるのだが。
少々辛口になったが、世界に誇るサーキットになるために頑張って貰いたい。
話をコースに移そう。
噂に聞いていた新しいフィスコ...(やはり言い慣れたフィスコと書くことにする)...、以前より窮屈に感じるという噂の真相はどうなのだろうか。
いわゆるランオフエリアが広く取ってあり、車の大破や人命に関わる事故を少なくしようと言う意図がとれる。 だが以前の迫力がないのは私も同感。
ここでF1が開催出来るように成ったと係の方が説明していたが、同じ設計会社のマレーシア(セパン)や上海のサーキットのような道幅は無理だったのだろうか。
尋常でないスピードで走るF1に対してこのコース幅とランオフエリアは安全では有るかも知れないが、並んで進入するには道幅が狭いだろう。 コーナー進入時の激しい競い合いが見られないような気がする。
前のコースが良かったとは言わないが、良かった点を生かす方法でリニューアルして欲しかった。
ただ、路面は良いと思う。 旧コースの直線は路面にウネリがあり、最高速度付近で走るのには緊張を強いられたが、どうやらそれは過去の話になりそうだ。 舗装工事はどこの会社が下請けに入ったのだろう。
ということで金魚の糞のようにダラダラと繋がった状態で下見走行をさせて貰ったが、なんと路面にオイルが撒かれていたり、クラッシュしている車両があったりと、マナーの悪さにガッカリ。 そういえば講習に遅刻しても堂々と講習室に入ってくる人も居た。
百聞は一見に如かず。 下見走行の動画(515MB)を撮ってきた。 興味のある人は御覧戴きたいが、プロバイダーがアクセス制限を敷いているかも知れない。 画質と動画サイズに拘ったために500MBを超える容量になってしまった。 アクセスが集中すると接続出来ない事があるようだ。
また今回は可変ビットレートを採用したが、マシンの性能によってはコマ落ちするという報告も受けている。 動画編集に不慣れなためご勘弁戴きたい。