ひとりごと.gif
全内容が私見であり、且つ素人の呟きである

2005.03



自分の走行は見えないが、こんなにタイヤが変形してロールしてるとは。


 
111cupRd.1その前に

コソコソと3時間ほど練習した甲斐が有ったようだ。 今回は予選・決勝とも走りに関しては致命的な失敗もなく終える事が出来たが、走り以外に関しても何事も無く...とは行かなかった。

前日からの雨が明け方まで残り、サーキットまでの道のりは完全ウェット。 しかし天気予報では気温も13度まで上がり、茨城は晴れるという予報だった。 その予兆か、明け方の都心は綺麗な晴天で気持ちがよい。 だが、さすがに早朝。 やはり暖房無しでは凍えてしまう。

ヒーターのスイッチを入れた。 しかしウンともスンとも言わない。 ブロワーモーターが逝ってしまったのだろうか。 走行風で僅かながら暖気は入ってくるが、ブロワーモーター無しでは停車してしまうと寒い。 ということで凍えながら筑波を目指す事となった。

ここで話は前日に戻る。

いつもレース前日には携行缶にガソリンを入れてサーキットに赴くのだが、自宅近くのセルフのGSに行き、いつものようにガソリンを給油しようとしたのだがノズルからガソリンが出てこない。

やがてバイトらしき兄さんが小走りでやってきて「携行缶には行政指導により給油できなくなったんです」と宣う。 そして、「フルサービスの店は○○に有りますから、そちらへ行って下さい」と。

確かに最近はガソリンなどを撒いて放火する事件も有った。 そんなことを発端とし、携行缶の持ち込みが禁止になったのだろうか。 なんにしても迷惑な話だ。 レースの時はベストウェイトで臨みたいので、ギリギリのガソリン積載量にしたい。

ということで当日の朝、仕方なく24時間営業のフルサービスGSにて携行缶へ給油。 給油して貰いながら、「そのうちフルサービスの店でも携行缶禁止になりそうだな」、と思った。

今回の111cupはインタークラブに参入されての開催。 ゲートをくぐるとパドックは古きよき時代の車両で溢れかえっており、事前に配られた自分の車を停める位置など完全に塞がれていた。 それどころかパドック内に車を止めるスペースさえ危うい。

誘導員に末端へ停めるよう指示され、ギリギリまで廃油置場に寄せて停めた。 しかし、停めてみるとココらは路面がギラギラしていた。 どうやら廃油を周囲に零した大馬鹿者がいるらしい。 おかげで私のタイヤは光彩を放っている路面に触れる事となってしまった。

なんだか嫌な予感。

それはともかく、今日はアクセルが妙に重い。 ワイヤーが錆びてしまったような感触だ。 踏み始めの部分が特に重く、スロットルのバルブが何処かと干渉して引っかかって開かない感じだ。 シリーズ1の樹脂スロットルに起こるというスティックのよう? よく調べてみるとエンジンが止まっている時はスロットルに重さはない。

だが一旦エンジンが掛かるとアイドリングでスロットルが張り付く。

あくまでも私見だが、全開率が多い私のエンジンはアクセル全開でスロットルが完全に全開になるよう調整してあるのだが、完全なる全開に拘ったため、全開時にワイヤーがパツパツに張ってあった。

それが原因でバタフライバルブのシャフトが捻れたか、摺動部に負担が掛かってガタが出てバルブの納まりが悪くなってしまったのではないかと思う。

その張り付き状況だが、アイドリング時からの踏み始めにジワッと回転を上昇させる事が出来ないのだ。 まだ免許取ったばかりの小僧が、アクセルの踏み方も解らずにグイッとアクセルを踏んでしまうような状況が避けられない。

これでは街中で発進するのでさえ気を遣う。 だが、今日はこの状態で戦うしかない。

 

111cupRd.1筑波

予選は残念ながら路面はウェット、しかも私らより前に走ったグループが路肩の土をコースに出してしまったり、古い車両に鞭打った為かオイルを噴出した個体もあり、路面の状況は可成り酷い。

こんな状態なので恐る恐る走り出してみる。 序盤で無理してコースアウトでもさせてしまったら全てが水の泡。 少し慎重に、だが攻めるべき箇所は果敢に走る。

予選1周目は慎重に走って新品タイヤの皮むきに専念。 故意にアンダーを出したりなどして路面チェックも兼ね、タイヤを暖めた。

少しペースアップしようかと思った2周目、この路面の餌食と成ってしまった車両がダンロップコーナーの出口、80Rの脱出ライン脇に佇んでいる。

ちょうどコーナーからの脱出を目指す視線位置に止まっており、見たくなくとも目が向いてしまう。 目が行くと車も行ってしまうため、此処はアクセルを緩めざるを得ない。

 

私は予選は最初の5周までが重要と思っている。 それ以降はタイムが出ないからだ。 もし出るとすれば路面状況やコース状況が好転した時だろう。

路面状況は時間とともに良くなっていると思っているが、いつがベストかは解らない。 だから今回は時間内目一杯走ってみようと決めた。 

4周目に6秒4。 
この路面としては評価できるタイムか?

8周目には6秒2。
クリアが上手く取れれば6秒前半で纏める事は出来るようだ。

3時間走ってみた練習走行でのベストは6秒3。 それはこの路面でも既にクリアした。 やはり新品のネオバはグリップする。 これがSタイヤだとタイヤを温存しないと美味しいところを決勝に持ち込めないため適当なところで切り上げるところだが、ネオバということで走り続けた。

既に残り数周しか残り時間はないが、路面状況はコースインした時と比べて随分と良くなった。 レコードラインはラバーが乗った...とまでは言わないが、先走者たちの汚したラインはかなり綺麗になった。 ただし、80Rの先にはストップしている車両が依然として佇んでいるので、此処だけは全開で行けない。

そして最後の最後にクリアラップが取れた。
結果は6秒140。

結果を見ると、やはり他のエントラントも終盤にベストタイムを出している。 皆、考える事は同じようだ。 誰一人として数周のアタックで終わらせた人は居ない。

 

今回は主催者の方針でスターティンググリッドは3−2−3のオールドタイプ。 狭い筑波で何も起きなければ良いが、何れにしてもフロントロウに位置するのは初めてだ。

しかしフロントロウと言えど、私の場所は良くない。 何が良くないかというと、シグナルがまるで見えないのだ。 頭を傾け、不自然な姿勢を取らないとシグナルが見えない。 しかも、この姿勢でレーシングスタートしなければならない。

見晴らしはよいが、シグナルは見え辛いしアクセルには違和感が有るし、と、平常心を保てずに焦っていたらアッという間に5秒前のボードが提示され、小心者の私は既にイッパイ・イッパイ。 そして見事にスタート失敗。

上位2台は私の前方に飛び出し、追い打ちを掛けるように私の後に居た車が私より前に出た。 1コーナーではその友人18番と並んで進入することと成ったが、当然アウト側の私が不利。

路面状況は一応主催者発表はドライという事だが、上の画像でレコードラインから外れた位置は依然として曇り空のために乾いていないのだ。 ということで、レコードラインから外れる事はとても危険な状況である。

1ヘア手前では先頭を追う車の動きなどにより、私は少し前に出させて貰えた。 よし、ここからはレコードラインから外れないよう慎重に。 前にいるのは上のクラスの2台なので、パワー差が有ることからドコまで後にいられるか解らないが、取り敢えずは挙動を観察しながら追従しよう。

裏ストレートでは全くついて行く事が出来ないが、2台はバトルモードで窮屈なラインを走っており、最終コーナーで追い縋ることが出来た。

さて、こうなると欲が出て前の二台が何か起こしてくれないかと悪魔の心が囁く。 と、そんな甘い考えを吹飛ばすかのように、96番が1コーナーでインに飛び込んで勝負有り。 すかさず私も仕掛けられないかと自己アピール。

数周遊んで貰ったが、私の手の内を読まれてしまったのか、先方も落ち着いたラインをトレースするようになり、徐々につけいるスキが無くなっていった。

タイム的には5秒後半でほぼ纏まっていたが、6周目に5秒741のベストタイム。 しかしベストタイムを境に徐々に差が開いて集中力低下。 こんな時に何故か仕事の事が頭を過ぎって2ヘアの進入を大失敗。 ブレーキングポイントをミスってしまった。

そして更にテンション下がってタイムも下落。 最後の2周はだらしない走りでチェッカーとなった。

オヤジレーシングのステッカーを貼ると勝てると聞いていたが、正にそれが効いたのかクラストップで走りきる事が出来た。 だがレース後半に課題を残した。 前走者が居ないのに窮屈なラインをトレースして居るし、最後まで集中力を持続出来なかったのは問題だ。

上の画像に私の決勝時車載カメラ映像をリンクしておいたので、興味がある人は御覧あれ。(表紙の画像はカーミット氏撮影)

 

ブロワーモーター

もう随分前からブロワーモーターの調子が悪く、異音とともにスポンジの細かい破片が室内に散乱する状態が続いていた。 だが、前項で述べたとおり止まってしまったのでは仕方ない。 ヒーターコアユニットのバラシは大変なので忘れる事にしていたのだが、重い腰を持ち上げる事となった。

まずはここで原因が掴めればラッキーという事で、アルミのフレキダクトを取り外してみた。 すると、シロッコファンの中に白いスポンジが張り付いているのが見えるではないか。 これなら何とかなるかも知れない。

先端の曲がったピンセットを狭い空間に入れて掻き出してみた。 恐らく華奢な手つきでないと作業は困難。 私でもキツかった。

こんなものが何処から入ったのか? ヒーターユニットの中にある断熱材が剥離して巻き込んでしまったのか? 原因の詳細は解らないが、これで一安心。(と思いたい)

しかし、これが原因でヒューズが飛んでしまったのだから、かなりの過電流が流れたのは間違いない。

ざっと清掃した後にヒューズを新しいものに差し替えてブロワーを回してみた。 非常にスムーズな音で軽やかに回ってくれた。 こういう時は気分がよいものだ♪

ついでにバッテリーターミナルに絶縁キャップを装着した。 以前、クラッシュした時にターミナルがフレームに接触してショートした事があるのた。 今まではビニールテープで絶縁していたが、熱と振動で定期的に保護し直さねばならなかった。 だが、ホームセンターで90円で売られているのを見た瞬間に衝動的に購入してしまった。 ビニールテープより安い。(笑)

 

ブレーキフルード

世の中に多数あるDOT4のブレーキフルード。 最近は頻繁に交換するため安価な物を少し纏めて購入し、サーキットを走るたびにエア抜きと称して300cc程度ずつ交換(継ぎ足し)をしていた。

だが、サーキット周回を重ねるとペダルの入り方が以前より深い事が気になる。 以前使用していたフルードの性能が良かったのか、またはパッドの性能が良かったのか、或いはフルードを送るピストンの劣化か?

ハードの交換が良いのは解っているが、お手軽なフルードの交換で済めばしめたもの。

さて、ここで少し確認。 選択基準としてDOT4かDOT5.1を購入していた訳だが、はたしてどのような基準なのだろうか。 色々と細かい基準はあるようだが、私の気になる点はドライ沸点とウエット沸点。(確か5%水分混入時の沸点がウェットだったように覚えている)

FMVSS No.116 DOT4 (=jis K2233 4種)
ドライ沸点230℃以上 ウエット沸点155℃以上

FMVSS No.116 DOT5.1(=jis K2233 5種)
ドライ沸点260℃以上 ウエット沸点180℃以上

基準によれば上記の数値ということらしい。

私が先輩方から聞き囓っていた内容では、DOT5.1は短期間での交換が必須で、性能を維持するためには頻繁な交換が必要。 ストリートならばDOT4で十分という事だった。 だが、少しフルード製造会社のサイトを閲覧してみたところでは、高性能品の方が耐久性が劣るという記載は見つけられなかった。

まぁ悪い事は書かないだろう。

だが、「吸湿性については6ヶ月後に1.5%程度劣化し、1年後には3%程度吸湿していると推定される」 という記載は見つけた。 私の使用方法では半年もそのまま使用すると言う事はあり得ないので、やはりフィーリングの良い製品を見つけ出す事が肝要のようである。

私にとっての良い製品とは、熱に対して強い事。 多少ハードな使用をしても性能が極端に劣化しない物、入力温度に対して変化の少ない物。

フルードによっては新規のタッチは素晴らしくても、熱が入ると極端に劣化する物も存在するし、初期タッチは一般的でも連続走行でも変化の少ない物があるようだ。 (あくまで私の主観であり、全てを試しても居ない事を断っておく)

最近は殆ど走り屋系の雑誌を買わなくなり、新製品に疎いオヤジに成ってしまったので、若いランナー達の間に隠れたブランドがあるかも知れないがご容赦を。

ということで前置きが長くなったが、比較的手に入りやすいと思われるフルードの性能と通販価格を調べてみた。

デルファイ(旧ロッキード)SUPER DOT4(DOT4)
ドライ沸点 270℃
ウエット沸点 173℃
参考価格 1Lボトル:1000円前後

巷で安売りしている筆頭。
実は5本で4000円(!)という安さに惹かれて購入してみたのだが...。

Seiken BF-4(DOT4)
ドライ沸点 260℃
ウエット沸点 160℃
参考価格 1Lボトル:1000円前後

峠を走り出した頃には専らコレを使用していた。 当時は他に選択肢も余りなかった。 デルファイの製品はコノ製品のフィーリングに似ていると感じたので、可もなく不可もなくと言う事か。

Seiken BF-5(DOT5.1)
ドライ沸点 270℃
ウエット沸点 185℃

昔はDOT5はシリコン系だから使えないと思いこんでいたが、いつの間にかグリコール系はDOT5.1という表記に成り、市場では使い分けがなされていた。 というか私の知識が足りないだけか。

ENDLESS DOT4(DOT4)
ドライ沸点 284℃
ウェット沸点 176℃
参考価格 1Lボトル:1750円

エンドレスと言えばRF-450と思いこんでいたが、普通のDOT4も有るらしい。 通販で間違って購入しそうだ。 ということで使用した事はないが、スペックを見る限りでは殆どDOT5.1の能力に近い。

ENDLESS RF-450(DOT4)
ドライ沸点 301℃
ウェット沸点 182℃
参考価格 1Lボトル:2400円

以前はこれをよく使っていた。少し高いが良い物だ。
完全にDOT5.1の性能なのにメーカーはDOT4として販売しているのは何故なのだろう。

ENDLESS RF-650(DOT5.1)
ドライ沸点 323℃
ウェット沸点 218℃
参考価格 1Lボトル:4350円

これ、知らなかった。 でも、凄く高価で私には使えない。

私の知る範囲でエンドレスのフルードが安かった通販はココ。
http://www.bomb-jp.com/pad.htm
いくら安いとは言っても650は別物。
幸いにしてエリーゼはブレーキが効かなくなってしまう程の現象は起きにくいライトウェイトなので、恐らくここまでの性能は私には要らないだろう。

TRUST BRAKE FLUID SUPER DOT4(DOT4)
ドライ沸点 318℃
ウエット沸点 210℃
参考価格 1Lボトル:2310円

これもよく使用していた。 何度もボトルデザインが変わるので、最近の奴は手元に来て初めて見た。 価格がネックだったが、探せば安いところが有るようで、
http://www.hirano-tire.co.jp/ ここで購入してみた。 もっと安いところも探せば見つけられるとは思うが。

実はまだ交換していないので断定は出来ないが、カチッとしたタッチが持続するのがコイツの特徴だったと記憶しているが、今でも変わらないのだろうか。 近々パッドを新調するので、それに併せて導入予定。 パッドもフルードも変わったら評価する事自体が無意味かも知れないが。

前から思っていたのだが、トラストのフルード製造元は何処なのだろう。 国産だとしたら数社しか製造元は無いと言う噂だ。 だとするとその製造元は自社ブランドで販売しないのは何故なのだろう。

メジャーなブランドに乗って販売した方が楽なのだろうか。 それとも製造元としては何かの問題があって、自社ブランドでは出せない理由があるのだろうか。 例えば耐久性とか、熱害テストとか。

CCI ゴールデンクルーザー DOT4
ドライ沸点 260℃
ウエット沸点 174℃

CCI ゴールデンクルーザー DOT5.1
ドライ沸点 270℃
ウエット沸点 185℃

セイケンの次に使用していたのがコレ。昔ながらの定番という事で。 実はここがチューニングメーカーのフルードに卸しているという噂を聞いた事がある。 タッチは好みなのだが、一旦熱が入った後のフィーリングがCCIは私に向いていなかった。 逆にコントロールしやすいという友人もいた。 やはり各々の好みで選択するしか無いようで。

その他、石油元売系やチューニングメーカー、自動車メーカー系やケミカル会社など様々なメーカーがあって書ききれない。 そういえばモチュールの5.1も悪くなかった。

改めて過去に使用したフルードを思い起こしてみると、ドライ沸点よりもウェット沸点の高いモノの方が良い印象がある。 また、定番と言われている老舗ブランドは外れがないのも事実。 実はチューニングメーカーの出しているモノは余り信用していないのだが、エンドレスのRF-450は良いフィーリングだった。(ブレーキ屋だからこそ?) また、トラストのSUPER DOT4は私に合っていたのを思いだし、450にするかと悩んだ末に今回通販で購入したというオチになった。

 

不幸の構図

もういい加減にして欲しい。
またオルタが逝ってしまった。

111cupを目前に控え、コソ練のため筑波に行って走っていたときの事だ。 その日の3本目、良い感じで走っていたら チカチカッ と、チャージングランプが点滅。 不幸中の幸いだったのが、以前箱根で逝ってしまった時のような「ご臨終」ではなく「危篤」状態だったこと。

ご臨終とはチャージランプが点灯し続ける状態で、もう発電してくれない状態を示し、危篤状態とは低回転であれば辛うじて発電してくれる状態を示す。

ということで何とか明るい内であれば帰還できそうだ。

しかしこの日は朝からメタメタ。 高速を降りる手前になって財布を忘れた事に気付いた。 高速を走りながらバッグをゴソゴソ。 携帯で話すと違法なのは承知しているが、バッグの中を検索するのも可成り危ない行為。 しかし捜索虚しく、財布は入っていなかった。

小銭入れだけは有ったが所持金は僅かに300円程度。 これではガソリンは愚か、吉野屋にも立ち寄れないではないか。 しかもガソリンは残り13リッター、家まで辿り着くギリギリの量だ。

まずは筑波に来ると思われる友人に電話。 O氏曰く 「まだ車直ってないよ〜」。 そうか、彼の車は修理中だった。 次に電話したのは「おやじレーシング」のY氏。...だが、電話に出て戴けなかった。 きっと運転中だろう。 仕方ない、サーキットまで行き、知人が居たら借金を懇願してみよう。

当日のスポーツ走行、こういう日に限ってコンディションは良く、通常であればアドレナリン噴出なのだが今はとにかく人捜しである。

パドック入口に車を止め、来場者全員をチェック。 目立たないように行動したつもりだが、かなり怪しい状態だったに違いない。

しかし知人達は見あたらない。 走行開始まであと45分というところでY氏とW氏が同乗でやって来られた。 どうやらBパドックに停めているらしい。 仲間内にトラブルがあり、その手配をしにいらしたのだ。

そんな事とは知らず、厚顔無恥な私。 挨拶もそこそこに借金を申し出た。 快く応じて下さったY氏、ありがとうございました。

さて時間が無い。 走り出すまで40分だ。

まずは走行券の購入。 前回は自分の予約番号も知らずに走行券を購入に来て受付のオネイサンに叱られた。 今回はシッカリとノートに記入して有るので問題なし。 3枚の走行券を受け取った。

次に燃料の調達ということで、サーキットからバイパス付近まで戻り、車と携行缶にガソリンを満たす。 こう言う時に限って更なるトラブルの追い打ちがある物だ。 自分に慌てず行動しろと言い聞かせて車を走らせた。 だが、ノートを受付に忘れてきてしまった事を帰宅した翌日に気付いたのだった。 情けない。

走行30分前にサーキット着。

車から荷物を下ろし、タイヤの空気圧チェックと減衰力設定、そして車載カメラの設定などの走行準備に追われる。 何か忘れた事はないかとチェックしていると時間は5分前。 気合いの入った連中がピットロードに並びだした。

これはイカン。
後方ではクリアラップが取れない。

減衰力については前回の状態でアンダーオーバーが顕著だったので、今回はこの設定をメインにと思っていたのに前回と同じ仕様のままコースインしてしまった。

だが、コンディションが良いのかクリアが取れれば6秒半ば程度でラップを刻めた。

しかしSタイヤならばアクセルをバンッと踏めるところが踏めない。 スーッと車体に与える変化が少ないように入力しないとトラクションが掛からないのだ。 Sタイヤに頼ったドライビングをしていたという事が良く解る。

アクセルは入れる時だけではない。

同様にアクセルオフにしてコーナーに侵入する際の抜き方にも注意が必要だ。 ステアリングもイワユル「ハギ切り」ではダメだ。 ジワッと入力しないとタイヤの方にキャパがない。

この辺りがSタイヤに乗ると下手になると言われる所以か。
私もシッカリ下手になって居るではないか。

そのあたりが解決できていない状態でアンダーだのオーバーだの語る事は出来ない。 このセッションはラジアルの特性というか、入力方法を考えた操縦に徹する事とした。 そしてその結果で減衰設定を考えよう。

ベストは6秒400。
2回目も敢えてセッティングを変えずに車の動きを観察してみた。

タイトコーナーでノーズが入りにくい。 ブレーキをリリースした瞬間にトラクションが抜けてしまう。 かといって意識して強めに荷重をかける姿勢作りをすると、今度はリヤがブレイクする。

箱根を散歩するバージョンと、サーキットをSタイヤで走るセッティングの中間を狙ってみたが、これではトラクションが抜けてしまうようだ。

最後の走行ではフロントに荷重が掛かりやすいように減衰を弱めてみた。 殆ど箱根のセッティングなのだが、これが走りやすかった。 走行中断になるまで5本走った内、3本が6秒前半で、ベストタイムは6秒375だった。

前回走った時よりも更にネオバは消耗している事を考えると、今回のタイムはマアマアか。 しかし、目標としている5秒7にはコンマ5秒以上の開きがあるのも事実。

さて、減衰変更をしたセットアップだが、意識した荷重移動をせずともノーズが入っていくように成った。 その割にテールもブレイクしない。 ドライバーに楽をさせてくれるセットアップだ。 ではもう一つリヤのトラクション重視に振ったらどのような動きをするだろうか。

と、思いながら6秒前半で纏まったPラップを見て考えていたら、何やら点いて欲しくないワーニングが点滅してるではないか。

目を疑った。

またオルタだ。
「いい加減にしてくれ!」
いったい何個壊せば気が済むのだ。

何回転まで回して平気かは解らないが、幸いにして危篤状態なので自走は出来る。

レースは来週。 悠長に構えている時間はない。 明日も明後日も予定が入っているし、仕事も忙しくて休めない。 レース前日に重要作業なんて考えたくもない。

私の携帯にリストアップされているエリーゼに強い店に電話を掛けた。 今日作業できるか話をしたところ、グローリーさんは早めに来れば作業してくれるとのこと。

だが私は一人で筑波から都筑のグローリーまで行った事が無い。 首都高が苦手な田舎者なのだ。 軽く道程説明を受けるものの、理解できていない。 途中で何かあったらと言う事もあり、一気に不安が頭を過ぎる。

しかし偶然にも筑波に居合わせていたwotyの社長さんが都筑まで先導して下さると言う。 なんと有難いお言葉。 ご厚意に甘え、彼の乗っているレーシングカートを積んだトラックの後を走らせて頂いた。

幸いにして首都高名物の渋滞もないようで、今回は湾岸経由ではなく環状線経由で用賀まで首都高で行き、少し環八を走って第三京浜というコースだった。

肝心の危篤状態オルタは3000回転まではチャージしてくれていたので、空いている高速を大体100キロ程度で走りきる事が出来た。 時間にして1時間半で到着。 割と速く着いたと言えるだろう。

早速リフトに車を乗せ、オルタ交換開始。



日が傾くにつれて気温は急激に下降。 外で作業しているS氏には申し訳ないが、私はストーブの前から離れられなくなっていた。 固めた足のセットのまま自走してきたら頭痛が激しくなり、お手伝いをする事も出来なくなっていた。 (気を紛らわすために会話はしたが、その会話も次第に減る始末)

正味1時間程度で交換作業終了。
その頃にはすっかり日は暮れてしまっていた。



今回は保証付きのオルタに交換して頂いたが、また壊れてしまうのだろうか。 原因は何なのだろう。 エキマニに近いため熱害だろうと考えるのが一般的だと思うが、某ショップの社長さんもオルタに風を当てるように考えた方が良いとアドバイスしてくれた。

ちょっと本気で考えてみようか。

しかし私の車は故障のデパートだ。 対策を施しても、保証期間が終わった頃に壊れる気がする。 毎月、トラブル報告が無い月の方が少ない程だ。 私と同じ車に乗っていても全く壊れない車両もある。 私が壊しているという噂があるが、扱い方が拙いのだろうか。

 

不幸の構図2

京都の某先生が2シーター初期型シルビアをベースにバリッとした車を作られており、それが完成したというのでお披露目を兼ね、浜名湖で上手い鰻を食べながら談笑しようという企画があった。

10時半に浜名湖集合ということで、2月26日の6時頃に自宅を出発。 途中で工事渋滞が少しあったものの、このぐらいは想定内。 何事もなく無事に時間通りに到着。

東京と比べて浜名湖は少し暖かい、これならオープンでも大丈夫そう。

シルビアに試乗させて頂いたが、2リッターに実重量900キロはトルクも十分、ソレックス+ファンネルが奏でる漢の響きが心地よい。 エンジンが意志を持ち、「回せ・走れ」と唆されているようで昔の不良の匂いがする。 そんな談笑を愉しんだ後に早速鰻屋へ移動となった。

一番上等の鰻重を注文。 しかし待てど暮らせど鰻は来ない。 天然の鰻を注文を受けてから調理するので時間が掛かるようだ。 暫し待たされたが、とろけるような鰻に舌鼓を打ち、一段落したところでマリーナのような所へ移動。

此処で再び談笑。 やがて楽しい時間は過ぎ、時間は午後3時。 さてそろそろ帰りましょうということで、三ヶ日インターから東へ向かう者、西へ向かう者。 インターで手を振ったりホーンを鳴らしたりして別れる。 いいね、こう言うのも。

と、楽しいのは此処まで。
この後の試練を私は知るはずもないのだ。

静岡インターまで一緒だったFDと別れた辺りから道路内の案内板に降雪の文字が見えた。 そして、沼津インターで強制的に下ろされる事に。

暫く前までは渋滞情報だけが書いてあり、渋滞十数キロと書いてあったのがアレヨあれよという間に通行止め。 法定速度を無視して全開で行けば間に合ったかも、と、悔やんだ。

降りるのに三十分待たされた沼津インターだが、降り口の前で定期航路バスを含む数台がUターンして本線に戻って居るではないか。 ん? なんだ? 希望者は行けるのか? と、私も彼らに続いてUターン。

しかし本線を暫く行くと裾野インターの辺りからチラチラしていた雪はやがて本降りとなり、御殿場インター付近では一面の銀世界。 時間は19時を過ぎていたが、ここからが更に長く辛い道のりだった。

まず、インターが近づいて減速のために軽くブレーキングした所でアッという間にスピン。 幸いにして後続車が居なかったので事なきを得たが、もし後続車が居たらと思うとゾッとする。

沼津で宿泊先を考えるべきだった。(既に後の祭りだが)

雪足は更に凄い事になり、吹雪と行って良い程だ。 しかも一時間で100メートルしか動かないのには参った。 追い打ちを掛けるようにガソリンも残り少ない。

このまま路肩で夜を明かすにもガソリンが無い事には凍死してしまう。 いや、もう路肩に車を寄せる事など不可能だ。 積雪は20センチ楽に超え、私の車の車高の倍以上も積雪が有る。 やがて牛歩の車にも雪が積もり始めた。

とにかく前の車が踏みしめた轍から外れないように、しかもアイドリングで慎重なクラッチミートをせねばならない。 ハイパワーセダンが不用意にアクセルを踏んだらしく、クルクルと回っている。 ブレーキもままならない。 迂闊に踏むとロックして制動距離が伸びるし、前車とクラッシュするかもしれない。 筑波の最終コーナーより確実に難しい。

どのぐらいの時間を掛けたのか記録していないが、やっとの思いで御殿場インターを降りた。 まずはガソリンだ。 フィスコに行く時に立ち寄っているスタンドで満タンに。 これで取り敢えず明日の朝までは凍死しないだろう。

冗談抜きでそんな状況なのだ。

御殿場インター第一出口から246に向かう路線、ここは再びビッシリと車の列。 私の車に視線が突き刺さる。 好きこのんで来てる訳じゃないんだ、とにらみ返してやりたいが既に気力もない。

だがこの辺りの道は少し知っている。 246への抜け道へと向かったが、道はとんでもない状況だった。 だが車を路肩に置き去りになど出来ない。 細心の注意と操作で、なんとか前に車を進める。 だが、もう限界だ。

そして跨線橋でついにスタック。

どんな慎重にクラッチミートしても虚しく後輪が空転してしまう。 罵声を承知の上で後のドライバーにお願いして押していただいた。 路肩に寄せようかと思ったが、明日の朝になっても寄せてしまったら二度と出られないと思い、ドライバーの好意を裏切るように私はそのまま突き進み、何とか138号と246の交差点までこぎ着けた。

普通の乗用車が楽に進めるところも軽量なエリーゼはタイヤに荷重が掛からず、僅かながらずつトラクションが抜けているのが解る。 もう事故を起こさないように走るのが精一杯。 このまま東京方面に行くのは無理だ。 この先の246はアップダウンがかなりある。

咄嗟の判断で沼津にお店を持つH氏に携帯で電話。 道交法違反などと言ってられない緊急事態だ。

この時既に20時半。

車を西に向けて沼津に待避する事にした。 しかし雪は相変わらずで、路面はシャーベット状。 アイドリングでミートしてアクセルは入れない。 そしてセカンドに入れてアイドリングのまま少しスピードを上げる。

こんな状態だが、幸いにして二車線有るのでハザードを炊いて周りに徐行をアピール。 この先に登り坂がない事を祈りながら、固められた雪が点在する道を走る。 時速は20も出ていない。 時間は刻々と過ぎていったはずだが、余りにも集中して運転したため時間の感覚が既にない。

裾野市を過ぎて沼津市に入った辺りから路面から雪が消えた。 と、同時に肩の力が抜けたのを覚えている。

彼のお店に着いたのが22時半。 7時間半の道程だったが事は終わっていない。 だが、この晩は彼の好意によりご自宅に厄介になり、暖かい風呂と布団で休む事が出来た。 疲れもあって直ぐに眠りにつけた。

そして翌日。

ネットで路面状況と混雑状況をチェックしたが、状況は好転していない。 ニュースではお昼過ぎに開通すると言っている。 だが、不吉な雲が箱根方面を覆っており再び降り出す可能性もある。

中央道にはチェーン規制も出ていないので名古屋回りで迂回する手はある。 しかし、時間が掛かりすぎる。

JHの一般道情報では246の渋滞も大したこと無いようなので、十時を過ぎたところで彼のお店から下道で東京を目指す事とした。

だが順調だったのは裾野市手前まで。

あっという間に、全く動かない無間地獄のような渋滞の渦に飲み込まれた。 御殿場インターへの入り口付近には午後1時前頃に来たが、まだ開通していない旨を知らせる電光表示。(しかし1時半には開通したらしい)そこから大井松田インターまで20キロなのだが、なんと高速に乗ったのは午後4時で帰宅は午後六時。 渋滞の平均時速は七キロ。 早歩き程度のスピードだった。

下の画像は御殿場から大井松田方面に行く246。 翌日の午後1時過ぎ位だが、路肩の30センチ程度の積雪が見えるだろうか。 あちこちに傷ついた車両が放置してある。 ボンネットがくの字に成っているマーク2も居た。



教訓
エリーゼは雪道に於いて戦闘力ゼロ。
状況が好転するまで無理は禁物。
降り出してしまったら、動ける内に待避せよ。

今月の整備記録

トランスミッションオイル交換 39,980キロ 2005.02.18 NUTEC NC-70 75w90

ベストラップタイムの記録
 
各々の目標 筑波2000:1分03秒 筑波1000:39秒 もてぎフルコース:2分14秒
 
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(2002.03 ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒192(2004.03 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分5秒741(2005.02 エリーゼの公認記録
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 
クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー

 
 
筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
 
富士スピードウェイ 1分55秒28(2002.04 ロードスターでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

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