箱根の散歩に付き合ってくれた友人が私の後を追いかけてくれたのだが、「バウンシングしてるね」と一言。 前から気になっていたリヤの減衰力を1ノッチ締め上げる方向に変更してみた。
オーバーステアが助長されるかと思いきや、逆にインリフトする伸び側が制御されてトラクションが掛かる。 すると今度はフロントのロールスピードとのバランスが良くない。 コーナリング体制に入る際、少しフロントのロールが早いのだ。
試行錯誤するのにお金は掛からないので、物は試しとフロントも1ノッチ締めてみたところ、シッカリと荷重を掛けてターンインする分には良い反応を示す。 だが、ブレーキングからターンインまでの動作にミスがあるとアンダーが出る。
上手くアプローチ出来るとコーナリングスピードが上がるようで、イン側のタイヤもしっかりと仕事をするようになり、4本のネオバからスキール音が聞こえる時もあった。
今までネオバの実力を使い切れていなかったのか。
だがフロントのキャンバーが適切でないのか、ステアリングの切り始めで路面を捉える手応えが薄くなった。 一方、高速コーナーなどのステアリングを切り込む角度が少ないところではタイヤの面圧が感じられて安心感がある。
果たしてどちらが良いのだろうか。
それにしてもサーキットでSを履いたときのダンパーセッティングと、箱根をネオバで走るときのセッティングが縮まった。 タイヤの性能は良くなって居たのだが、今まで私がそれを引き出す事が出来ずにトラクションを掛けられなかったのだろう。
先程のネオバセッティングは荷重移動を適切に行わないと綺麗に速く(私の腕では)走れないが、サーキットのセッティングにも上級者向けのセッティングが有るのだろう。 早くその領域に達したいものだ。
しかし....レース前に色々弄るべきでは無かったかも知れない。 今年初戦時のセッティングからは、車高もアライメントも減衰セットも変えてしまった。
111cup第3戦は予選・決勝とも惨敗。
予選はE1クラスで安定した戦績を残している車両が後方に着いていたので、しっかり引っ張って貰おうと思い、クリアラップを取れていたにも拘わらず進路を譲った。
しかし、この日の彼はキレがない。
直線スピードも伸びないし何か変だ。
と、異変に気付いたときは既にコースインから4周が過ぎ、タイヤのオイシイところは終わってしまった。 さらにココで赤旗中断。 しかもピットに並んだ私は「ほぼ最後尾」。
コースがクリアになって再び予選再開と成ったもののクリアラップは取れず、ただタイヤを消費するだけと判断した私は自主的に予選終了。 パドックに戻ってタワーの電光表示を見上げても私のゼッケンは表示が無い。 ということは予選で6番以内に居ないと言う事。
しかもライバルたちは電光掲示板にゼッケンが光っている。 しっかりとタイムを出しているようだ。 その後、公式予選結果が発表され、予選順位を確認すると7番だった。
そして決勝。
スタート時に少しストール気味になってしまい、1コーナーに行くまでに同じクラスの車両に抜かれて4位に後退。 前にいるのは本日絶不調の車両。 あきらかにエンジンが回っていない。
いつもであればスキ有れば差して行くのだが、予選で既に意気消沈しているからか、前の車が最終コーナーでスキを見せているにも拘わらず抜き倦ねているうちにライバルたちは数十メートル先を走行。
2周目にはバックストレートで前車を抜いたのだが、既にトップ集団とは差が開き、冷静さを欠いた私のドライビングは車載映像をお見せできる状態に無かった。 ライン取り・ブレーキング・ステアリングワーク、全て失格だ。
幸か不幸かクリアラップが取れているのだが、この有様では一気に差が縮まる事など有るはずもなく、ジワジワと滲み寄るのが精一杯。
レース後に後を走っていた方に言われてしまった。 「走りにキレがなかったね」と。
さらにもう一つ失敗していた。 それはオイルの量。 いつもと違うところでオイル交換を行ったのだが、サーキットでオイル量を確認して仰天。 ディップスティックのアッパーラインより遙か上までオイルが入っていたのだ。
この時点で既にレースは終わっていたのかも知れない。
先月号でフロントローターの摩耗を記事にした。 レース前にローター交換をしてアタリが付かなくて悔しい思いをするのは嫌なのでレースが終わってから交換したのだが、外して目の当たりにしたローターとパッドは明らかに偏摩耗していた。
念のためにローターの外れたハブを手で回してみた。 ほんの僅かだがゴロゴロとした感触がある。 どうしようか一瞬迷ったが、手元にハブベアリングのストックは有るので外してみる事にした。
ベアリングはイン側とアウト側に分かれるローラーベアリングなのだが、外側のベアリングが御覧の通り焼き付きを起こしていた。
先ほども書いたのだが、素手で回して見てもホンの僅かなゴロ付きだった訳なのだが、外してみるとコノ状態。 もし、このまま次のレースも走行して他のエントラントに迷惑を掛けたらと思うとゾッとした。
やはりエリーゼのハブベアリングは定期交換部品のようだ。
一方、ハブの方はと言うと段付きもなく偏摩耗もしていないようなので、手元には新同品が有ったのだが再利用とした。
この日はフロントだけ交換したのだが、リヤも恐らく寿命は近いはず。 フロントの左に寿命が来てから数千キロ後にリヤの左が逝ってしまった経緯がある。 リヤはデフが入っているからフロントのように手で回しただけでは判断できないのが辛い。
フロントのブレーキジャダーはベアリングの摩耗も関与していたかも知れないが、ローターをソリッドの新品にし、ベアリングも新品に変えてしまった今はジャダーが無く、非常に気分が良い。
ただ、ブレーキパッドを今回はフロントにフェロードのDS3000を入れたので、PFC#97に慣れてしまって居たために扱いづらく感じている。 PFC#97は少し熱が入らないと効かない点はDS3000と同じだが、新品ローターとの馴染みが出るまでは本来の力を発揮しないようである。
ところが後日、様々な作業をしているときに腰をやってしまった。 タイヤ交換をしているとき、腰に激痛が走り動けなくなってしまった。 ブレーキのアタリ付けどころか暫くは動く事も出来なかった。
今月の第4戦までに回復すると良いのだが。