今年もいよいよ開幕。
初戦は筑波2000。 このコース、かつては得意と思いこんでいたコースだが、昨年のレース予選時、最終コーナーをミスってスポンジバリアに吸い込まれてから攻められなく成ってしまったのだ。
それまでは最終コーナーで車が横を向いても必要な量だけカウンターをあててクリアする事が出来たのだが、クラッシュしてからは恐怖心が先立ってしまうようになり、タイヤや車体の限界に至るまでアクセルを入れられないのだ。
以後、最終コーナー恐怖症を克服するために何度も筑波を走ったのだが、やはり心のリミッターはなかなか解除出来ず、過去に出したベストタイムには遠く及ばなくなっていた。
何度も過去の「乗れていた」頃の筑波走行ビデオを見て、以前の私の走りを思い出させるようにした。 そして、私のライバルでもある友人達の筑波走行映像(後ろ姿)を穴が開くほど繰り返し観察し、自分に足りないところは何かを見つけるために走行ラインを研究した。
研究したからといって一朝一夕で直る筈も無いのだが、最近少し攻められるようには成った。 何よりもコーナーへのアプローチ方法を意識するようになったのが大きいと思う。
少しは考えながら走れるようになったのかも知れない。 走行中に回りを見ながら自分の位置を確認することも覚えて来たし、少しは成長したか?
レースは予選の前から始まっている。 と、書くと大袈裟か。
元来早起きが得意な私は筑波開門と同時にAパドックに入場。 というのも111cupの予選は早い者順にコースイン出来るのだ。
1番乗りしたは良いが、パドックのどこに並んで良いか解らず、悩んだ末にコース寄りの先頭に車を付けた。 しかしこれは間違いで、後から来た猛者達に先を越されてしまった。
慌てて車を移動させたもののグリッドは4番目、あぁ、何やってんだ...まぁ4番目ならクリアラップは確保出来るから良しとしよう...と自分を慰めた。
それよりも次の悩みは路面状態とタイヤの空気圧、そしてダンパーの減衰力調整だ。
前日は3月下旬というのに雪混じりの天候、しかも日付が変わる頃まで降っていた。 それが今朝は気温が若干上がったため、常磐道は都心から利根川を越える前から濃霧が出て、路面は前夜の雨と夜露が混じってウェット。
気温は5度ぐらいだろうか。 かなり寒い。
まずはタイヤの空気圧からチェック。
前の終末にセットアップした時より0.1キロ少ない値をゲージが示す。 いつもの冷間時空気圧に上昇させた。 が、何となく路面の温度上昇が鈍いような気がして、更に0.05キロほど高めにセットしてみた。
右回り主体の筑波の場合、私は左の後輪を基準にするとフロントは0.05キロ高めで、右側は左より0.05キロ高めにしているのだが、今日は左右を一緒にしてみた。 この根拠はない。(笑)
次はダンパー。
オーバーホールしてから縮み側の初期応答から高い減衰力を示すように成った私のQUANTUM、少し弱めのセットの方が具合が良いようだが、今日の路面のコンディションは難しい。 いつもより更に減衰を弱め、ロールさせて曲げるセッティング寄りにしたほうが良いかもしれない。(1ノッチの違いがわかるほど敏感では無いのだが)
自信がない時は変更しない。
ということで、いつもと同じ減衰設定でセット完了。
自信満々でセットした訳ではないところが悲しい。 私の足を作り上げた友人はホンの僅かな動きも理解しているし、どうすればよいかの答えも解っている。 だから何時も的確なセットアップをヤツは出してくる。 羨ましい限りだ。(寝惚けて街乗りセッティングで走ってしまった事も有るのだが)
私の場合は走ってみて具合が良かった所が基準。 あとは適当。 例えばアンダー気味だったらフロントの減衰を1ノッチ下げたりするだけ。(これじゃダメなのは解っているが..)
さて、そろそろ予選の時間。 私らの前に走ってくれた走行会が1枠有ったお陰で、レコードラインはドライに近づいたようだ。
エンジン始動。 ヘルメットを被りハーネスを締め上げ、ビデオの電源を入れてグローブを填める。 ここで気が付けば良かったのだが、ビデオの状態が室内撮影用セッティングになっていたのだ。そんな事とは思っても居なかった。
私の2つ前に並んでいたゼッケン6番はラジエターが不調なのか、到着してからクーラント漏れにメカの方が対応に追われていてコースイン出来ない状態のようだ。 私の前に止まっていた81番は「先行って下さい」と謙虚な発言をされたので、遠慮無く前に行かせて戴こうとしたら、私の前に横の列から1台入ってきた。 おい誘導員、何やってんだよ。 57番は隣の列の先頭に並んで待機しているだけなのだが、誘導してゲートインするように移動させられてる。 ソリャ無いだろ。(泣)
まぁそれでも私は3番手。 それにコースインのトップは昨年のE2シリーズチャンプ54番。 ヤツに着いていけ
(れ) ば予選上位に入れるはず。
今回は上の画像のように若干霧が出ているため、予選走行中の全車にライトオンが義務づけられた。
先導車が居るのが解るだろうか。 そのため予選とは言っても1周目はかなりのスローペース。 そういえば決勝はローリングスタートと言っていた。 確かにローリングスタートは1コーナーの進入クラッシュというリスクは減るけども、どうなのだろうか....私的にはスタートが下手なのも有り、リスクが減って賛成なのだが。
1コーナー出口でハーフスピンしてる車両が居る。 最初から気合い入ってるなぁ。(笑)
上にも書いたが、今回の予選模様を動画でお届けしようと思ったのだがカメラの露出モードをミスってしまい、室内モードにしたまま録画してしまったので真白な映像しか撮れてない。 まぁ、雰囲気しか解らないだろう。(最初のスローペースはカット)
さて、2周目から様子を見ながらアタック開始しようと思ったら、57番は路肩走行で進路を譲ってくれた。 あとから本人に聞いたところ、コースインが順当で無かったため自主的に自分本来の位置に後退したらしい。 嬉しいね、この気持ち。
コースはまだ所々濡れてる。 そのため54番も私も思い切って全開には出来なかったのだが、それほど恐れなくても良い感じだ。 よし、ペースを上げよう。
まずは54番の後ろで5秒9、54番は私が後ろにいるのを嫌がっているのか(笑)ペースが遅い。 3周目のアタックからは前後入れ替わり、私が先頭になって5秒1。
今日は何だかヤケに車が絶好調♪
トラクションが思うように掛かってコーナリングがバッチリだ。
4周目は気持ちよく攻められた。 タイムは...何と4秒192!!
E2クラスのコースレコード!!
Pラップが壊れたかと思い、何度も確認したほどのタイム。 これは出来すぎ。(笑)
次の周回も少しミスをしたが、それでも4秒5。 しかし、もうクリアラップは取れない状態。 それでも取り敢えず攻めのポジションは取ってみるものの、周回の何処かで必ず引っかかる。
ベストな走りが出来ないのであればタイヤを減らすのを避けようと思い、規定時間になる前にコースアウトした。
しかし、相当舞い上がっていたようで、ビデオのスイッチを切り忘れたほど。 この時、ビデオの画像チェックしておけば露出オーバーにも気付いた筈なのだが仕方ない。 良い走りを出来た時に限って露出オーバーだったりするのだ。 以前、フィスコでベストタイムを出した時も露出オーバーだった。
そんな浮き足だった私も、クルマを降りてタイヤの空気圧チェックだけは欠かさない。
そうか、クーリングラップを取ってコースアウトしてもこの程度の数値か。
このぐらい高めのエアの方が良い感じなのかも知れないな。 などと思っていると、某ショップ店長さんに「速かったねぇ」などと声を掛けられた。 一時はトップだったらしい。 まぁ、E1クラス相手に4秒台では相手になるはずも無いのだが。
でも嬉しい。
何度も結果表を眺めてしまうほど、このタイムは嬉しかった。
こうなると現実味の無かった目標値の3秒台も、もしかしたら...などと思うから私は大甘なのだ。
前日にライバルの走りと自分の欠点をチェックしたのが良かったかも知れない。 右回りのコーナーはマァマァのラインを通れるように成った気がする。 1ヘアピンは相変わらずヘタクソなのだが、最終コーナーをスライドさせて走れるようになったのが大きい。
今回は雨のもてぎで1回だけ経験があるローリングスタート。
しかも先導車つき。
これはスタートが苦手な私としてはありがたいのだ。 レース経験豊富な猛者達は口々に不満の声を漏らしているが、私は口にこそ出さなかったが一人ホッと安心していた。
何しろクラスのポールポジション。 今朝までは楽しく走れれば良いと無欲だったのだが、このタイムとポジションで俄然やる気が出てきた。 が、浮き足だってはイケナイ。
こうなると先頭に居る200馬力エリーゼの「おぢさん」が、どんな作戦でスタートを切るかが問題。 スタートラインまでユックリ走って一気に全開! となったら、私より上位4台はその運動性能で私を突き放すだろう。
そうなると私は背後にいるE2軍団の餌食に成る可能性が高いのだ。 E2の彼らとは同じギアレシオ、同じエンジン、うーん、どうしよう...と考えている間にペースカーがコースアウト。
そう、コースインしてからこんな事を考えていたのだった。(笑)
ポールシッターの「おぢさん」、先導車が居なくなった最終コーナー入口から既に全開。 マフラーからの咆吼が轟く。
私は慌ててシフトダウン、そして全開。 私のクルマも吠える。(ビデオに慌てぶりがアリアリと映っていた)
やばい、ピッタリ背後にウルサイ2台がくっついている。
前を走るは340R、超軽量のハイスペックマシン。
ついていくだけで精一杯。
でも、私の後ろではE2の2位争いが激化。 御陰様で私との車間は開く一方。 これはかなり有利な展開♪
なんだかゼッケン10番は車がフラフラしてる様子。 18番のプレッシャーは容赦無いからなぁ。(笑) と思ったら18番が2位に躍り出てきてしまった。
これは良くない展開だ。
と、思ったら最終コーナーで18番はドリフト大会。(これは珍しい)
お陰でまた少し間隔が開いてリラックス出来た。
しかし、18番は恒例のライト点灯でオラオラァ〜っ...という状態。
うむむ...プレッシャーに負けないよう、私も攻めに転じなければ。
目の前にいる340にペースアップを迫り、「隙あらば上に行くぞ」 というファイティングポーズをとるため私もライトオン。
先程から340の後ろに居るのだが、自分としてはまだ少し余裕があった。 直線では少し離されるが、コーナーでは追いつけるのだ。
今日はタイヤのグリップが良い。
今年生産の048Mコンパウンドは一味違う。(本当か?)(笑)
まだ少し車間があるから大丈夫。 と、思っていたら前走車がちょっとだけミス。 つられて私もアクセルを緩めた。 しかし、たったこれだけで18番は背後にググッ。(泣) レースは何があるか解らない。 ワンミスが命取りなのだ。
此処で考えた。 下手なブロックラインで後続を気にするより、レコードラインを走っていれば、余程の事がない限りクロスラインは使えないし、前を走る私の方にアドバンテージが有るはず。
ということで窮屈なラインを走らず、予選時のようにレコードラインをなぞる事に決定。
先程からPラップでラップタイムを確認しているのだが、1分4秒3程度で周回を重ねている。 決してスローペースではない。
いや、むしろ私的には自己ベストで走り続けているのだ。
終盤、あともう少しというところで周回遅れ車両が現れ始めた。 どうしてもベストラインを外さざるを得なくなり、周回タイムが一気に1秒近く遅くなった。
これは後ろを走ってる車両にはチャンスな筈。
早くチェッカー振って欲しい...
ゴール。
やった! クラストップでゴールだ。
今回のような事がもう一度有るとは思えないが、自分の走りを忘れないようにして走る事が良い成績に繋がるようだ。 今回の経験を大切にしようと思う。
折角のクラス優勝なのだが、決勝シーンも真っ白な動画しか撮れていない。 ローリングスタートによる最終コーナー全開直前のところからの映像だが....残念。