いつの頃からだったろうか? 高速道路を疾走中(...とは言っても周囲の流れより多少速い程度)に於いて段差を越えた時、背後から「カチン」という金属同士の衝突音が聞こえていた。
普段の街乗りでは3点式のシートベルトを装着しており、4点式ハーネスは腰の辺りからフルバケットシートの外側に垂らしていた。 そのままではカチャカチャとアルミの内装に干渉して喧しいので、バイクに荷物を縛り付ける時に使用するフック付きゴム紐を流用し、テンションを掛けて干渉しないようにしていた。
そのフック部分が高速域ではフロアと干渉するのだろうと思い込み、音のする原因を追及しなかった。 しかし最近はアクセルのオンオフでも背後から音がするようになった。
実はこれも高を括っていた。 4点ハーネスのショルダー部分をフルバケの背中に回し、カラビナという登山用品などで使うステンレス製のフックを利用して差込口2つを纏めていたのだが、これが似たような音を出すのだ。
しかし症状は悪化の一途。
これは何か起きているに違いないと遅まきながら気づき、グローリープロモーションさんというショップに相談した。 そして早速なにが起きているのか実走チェックしたところ、「エンジンマウントが怪しい」と言う事になり、サイドブレーキを引いた状態でバックにギヤを入れてクラッチを繋ぎ、故意にエンジンを揺らしてみたのである。
ここで私のエンジンはアイドリング時に揺れが大きい事を思い出した。 てっきりエンジンコンディション(各所のバランスなど)が好ましくないと思っていたのだが...
とにかく大きく揺れる事に驚いた。 このまま使用していたらエキマニの蛇腹が裂けてしまうだろう。 エキマニ本体にクラックが入るかもしれないとさえ思った。 いや、実際には目に見えない疲労が来ているかも知れない。
そうか、オイルフィルターのアタッチメントが折れたのは、これが原因だったのかも知れない。 段差を通過した時の金属衝突音は、この車を購入して暫くの頃から聞こえていたのだ。 だとすると、元々のパーツの強度というか材質に問題があるのか?
とにかく、エンジンマウントが要因の一つであるような気がする。
とにかく今はどのマウントが逝かれているのか探すのが先決。 まだマウントでは無い可能性も残っている。
エリーゼのマウントは横置ミッドシップ、縦置きのFRほど単純ではない。 まぁ、この車は全てに於いて面倒な作りになっているようなので最近は驚かなくなって来ては居るが、プライベーターが一人で交換するのはかなり厄介だ。
まずは確認しやすく、よく折れると聞いているオイルパンのステーを確認したが、クラックも皆無。 ここでは無いようだ。
しかし、ここのステーを確認するだけなら比較的簡単だが、ブッシュが逝かれているかとどうかを確認するためにはブッシュ自体を外して確認せねばならない。 そのためにマフラー(触媒)を外さねばならないのだから閉口する。 私のエキマニは集合部が差込式なので、それ以後だけを外せば済むので少し楽だったかもしれない。 何しろこれが一体式のエキマニであれば、あの狭いスペースでエキマニとマフラーを外さねばならないのだから。
次にタイミングベルト側のマウントをチェック。 2個のブッシュと1つの受側部分にも異常なし。 それにしてもマジマジと見ると変わったマウントだと思う。 私の知識が少ないだけだとは思うが、こんな形は始めて見た。
一通り見たが、変形や硬化ひび割れは認められ無かった。 変な話しだがチェックして不具合が見あたらないと不安になる。 大量に不具合があっても困るのだが、チェックして全て良好だと、一体どこが悪いのだろうと今度は精神的に不具合が出てしまう。
最後に残ったのがミッション側。 ここがまた厄介なのだ。 エンジンを上から吊るか、下から持ち上げないと挟み込まれたマウントが外せない。 今回は車体をリフトで持ち上げて、したからミッションジャッキを使用して持ち上げた。
これが外したマウント。 画角的に広角レンズで撮ったのもあり、上側が痩せて見えるが実際に少し痩せている。 しかし、一見しただけでは何が起きているか解らない。
ところが、表面のゴムを捲ってみると御覧のありさま。 ストロボを焚けば解りやすく撮れたと思うが、少し興奮していて頭が回らなかった。 それはともかく、驚いたのはブッシュの中身が無くなっているのだ。
此処にはこのようにパイプのカラーが収まり、ボルトによって挟込むように取付けられる。
そして、エンジンにトルクが掛かるたびに捩れ、このように動いてゴムを蝕んでいたのだろう。 このような動きをした挙げ句、干渉した部分が削れて金属特有の光沢が出ていた。
この干渉が「カチン」という甲高い音を出すためには相当な速度で動いていたのだろう。 これで何が起きていたかは予想が付いた。 あとはパーツを交換して実走しなくては解らない。
こうして新品マウントに交換した結果、不愉快だった音は解消された。 だが、もっと早くに気が付いていれば、あの火災も起きなかったかと思うと非常に悔しい。
先にも書いたが、段差通過時やトラクションを掛けた時に金属音が発生しているのであれば、貴殿の車両も此処を疑って欲しい。 もしかしたら既に蝕まれているかもしれない。 マフラーに掛かる負担は相当であるし、オイルクーラーを装着していれば言うまでもない。 私と同様の使い勝手ならば2万キロ持たない事も有るのだ。
この日は筑波サーキットの2003年最終営業日。 誰も居ないだろうと思ったのだが、雑誌(ビデオ)の取材で撮影とテストをしている車両が沢山居た。
プロドライバーがショップのワークスマシンをドライブしているのだから迫力が無い訳がない。 少し早めに到着したのだが、良い時間潰しが出来た。
オーテックツカダさんのBNR32。 ラジエターがリヤに付いているのが特徴で、勿論、フル軽量化と補強。 私が乗っていた頃のBNR32からは随分と進化しているようだ。
こちらはHKSさんのランエボ。 カーボンパーツ満載で如何にもワークスという感じ。 私は1コーナーが苦手。 なので進入から脱出までのライン取りなどを参考にさせて貰ったのだが、そういうライン有り?..という走り方もあり意外だった。
こちらも32のR。 どうも32Rとロドスタ、そしてハチロクは私が乗っていたのも有って見ていてワクワクしてしまう。 でも、この32は進入でリヤがインリフトし、全くトラクションが掛からずドライバーが苦労していた。
そう、ドライバーは織戸氏や谷口氏など雑誌やビデオで有名な人のよう。 私は解らないが、解る人はヘルメットで判別出来るだろうか。
これもインリフトしていたが、FFだから或る程度は仕方有るまい。 一緒に走っていた車両が化け物のような馬力を持った車両なので少し迫力には欠けるが、逆に私にはライン取りなどをジックリと観察出来る良いチャンスだった。
やはり先程の四駆のライン取りは不思議なラインだな。
これが一番凄かった。 何が凄いかというと音なのだ。 シーケンシャルシフトなので加速時の音が途切れないのも威圧感が有るのだが、もっと凄いのが排気音。 NAかと思わせるような高温で透き通った音色なのだ。
あまりの迫力に見入ってしまったと言うより聞き入ってしまったほど。
肝心な私の走行会の方はと言うと、ソツ無くこなして終了。(笑)
久しぶりに筑波を走ったのもあるが、目標としている4秒台に乗せることなく、ハチロクに煽られつつ終了。
正直なところ、クリアラップを取れなかったのも有るがアグレッシブな走りを忘れてしまったようだ。 もっと積極的な走りをしないと今年は2位も取れないかも知れない。
そう、ハチロクと言えば物凄い86が居たので載せておこう。 友人の話では3SGのドライサンプエンジンで、レアなF3用マグネシウムのヘッドカバーが付いており、スロットルはスライドバルブなんだとか。
リヤにはカーボンのディフューザーが付いてるし、ブレーキはフロントにAPの6ポッド、リヤはブレンボの4ポッド。 こんなのが3ナンバーで正規登録されてるんでビックリ。
しかし、ハチロクもSタイヤで4秒。
頑張らねば....