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2019.03



2019筑波職人GPに参戦

 サーキットへのいざない

今ではサーキット走行に相当傾倒している私だが、こんな私も初心者の時は「サーキットは敷居の高いところ」と言う意識が非常に高かった。 扉書に記載の通り、周囲全員が上級者に見えて場違いな所に来てしまったかと少し後悔した。

高校生の時は峠小僧。 週末に成ると単車で峠道を走るのが楽しくて、50ccの小さな単車で小遣いが続く限りガソリンを入れて通った。 これは大学生に成っても継続したが、周りの影響でサーキットにも行くように成った。 しかしサーキットを走行するのはお金がかかり、大きな単車では続けられないことからRZ125という小型な単車で走行したが、それでも小遣いでは足りずにアルバイトをするように成った。

小さな排気量で大きな単車を追いかけ回すのが楽しくて暫く続けたが、峠道でも大きな単車を125で追いかけ回すのが痛快だった。 やがて大学を卒業することに成るのだが、周りが4輪車に移行する中、私は30歳近くまで単車中心に楽しんでいた。

友人が夜な夜な箱根の峠道に車で行くのに付合い、助手席に乗って居たのだが、やがて私も車に興味が出て大学を卒業する際に自分の車を購入した。 それがワンダーシビック、E-AT型。 その頃、関東の峠ではAE86が全盛期。 そこに関西では大人気のワンダーシビックに乗って行ったのだが、何の技術も持たない私では峠を走る連中に全く歯が立たなかった。

私は車に向いていないと思いつつ、ポルシェ911や初期型ユーノスロードスターなどに乗ってはいたが、運転が下手なまま雰囲気のみ楽しんでいた。 そんな折にスカイラインのGT-R(BNR32)が復活し、どうしても欲しくて無理して購入。 BNR32は最高に楽しく、箱根へ頻繁に通うようになり、やがて峠友達も増えてサーキット走行にも興味が出てきた。

だが、冒頭に書いたように、いざサーキットに行ってみると「敷居の高さ」に萎縮。 今思い返すと、日光サーキットというミニサーキットなのもあり86に追いつかない。 荷重移動を知らないのでアンダー出まくりで曲がらず、ノーマルブレーキもフェード。 完全に直線番長で痛いヤツだった。

それでも上手くなりたくて日光サーキットに何度か行き、その中に雨の時が合った。 まだ私はパワースライドなど出来ず、グリップ走行の初歩的な範疇のみで車に頼って走っていたのだが、速度に少し慣れたからか無謀なのかは今では定かではないが、コーナーでスライドコントロールが初めて出来て嬉しかったのを覚えている。

非常にレベルの低い走りだったが、アクセルを踏んでテールスライドしながら少しコントロール出来たのが楽しくて、雨なのにガンガン走り回った。

それから車が滑ることの恐怖心が少し減り、ドライでも徐々にコントロールが出来るように成ると共に、自分でトー調整したりキャンバーつけたりして、その変化を体が覚えていった。 これは公道では試すことが出来なかった事。

峠を走るのが楽しいのは私も理解できるが、やはり限界域での走りは公道では無理がある。 対向車が来るかも知れないし、ブラインドコーナーの先には景色を見るために止まっている車や人がいるかも知れない。 勿論、違法な速度で違法な行為なので褒められることではない。

まだサーキットを走ったことがなく、自分には無縁と思っている人が多いと思うが、その重い腰を上げて是非ともサーキットを走ってみて欲しい。 恥ずかしいほど下手だった私が回数を重ねることで少しずつ色々なことを覚え、少しは早く走れるように成った楽しさを、是非とも貴兄にも経験して欲しい。

ノーマルの車でも十分に楽しめる。 特にロードスターやロータスならノーマルでも確実に楽しめる。 スピンしたって良い。 いや、寧ろスピンして欲しい。 危ないと思ったらブレーキを思いっきり踏んでしまえば、大抵はコース内にとどまってくれる。 下手に立て直そうとするとお釣りをもらったりして大破する事もあるので、先ずはブレーキで止めてみて欲しい。

可能なら、ジムカーナ場のようなところで定常円旋回することを強く薦める。 昔書いたが、私の師匠がジムカーナ場を借りてくれ、定常円旋回を飽きるほど行うことでアクセルコントロールを覚えた。 カウンター当てたまま円を描けるようになれば、もう初心者からは脱せるはず。 その感覚を体に覚えさせて欲しい。

そのような練習会はネットが普及した今なら探すのも簡単だろう。 私の古い友人が今でも富士スピードウェイの駐車場などで練習会を開催しているようなので、興味があるなら紹介する。 サーキットを走るような爽快感はないが、安くて半日楽しめて運転技術も確実に向上するので一度は体験しておいて欲しい。 どのような操作をするとスピンモードに成るかも覚えて損はないし、一般道で降り注いだ危険を避けるにも役に立つはず。

そんな車の動きを少しでも感じるようになればしめたもの。 そのうち、テールスライドしたら体が勝手にカウンターを当てるように成るし、車を効率よく前に進めるためのロスが少ないアクセルコントロールも出来るように成る。 そして4つのタイヤの状態を感じながら、車と相談しながら前後左右の荷重移動を上手く操り、所有する車をねじ伏せる爽快感を是非とも味わって欲しい。

走れば走るほど上達し、ラップタイムも走る度に自己ベストを更新する。 ラップタイムに一喜一憂しすぎるのは良くないが、先ずは何も考えずに気楽にサーキットへ来てみては如何だろうか。

 

 2019筑波職人GPとメンテナンス

筑波サーキット公式イベントとして、「筑波職人GP」という企画を2019年の1月と2月限定で開催されていた事をご存知だろうか。 今年のみなのか今後も続くのかは定かではないが、筑波サーキットを愛する者として、この企画に乗らない手はない。 そのような事からエントリーしたのだが、エントリーと言っても小難しいことは一切なく、スポーツ走行時にタイム計測機を借りて装着するのみ。

タイヤはラジアルタイヤが基準と成っているが、Sタイヤでも1.5秒のハンデを背負えば走行可能。 あとはファミリー走行の基準を逸脱しない車両であれば問題なし。 2月末で締め切るということから、まだ集計が済んでいない走行分が有るかも知れないが、私が参加しているカテゴリーでは良いところに居るようだ。 ご存知のように私の車は1.8リッターだが、参加クラスは2リッターオーバーのクラス。 

https://www.tsukuba-circuit.jp/ride-drive/time-attack.html#sec01

レギュレーションではラジアルタイヤであればハンデなしという事から、2回ほど昨年1年レースで使用したネオバで走ってみたが、タイムは1秒8と目を見張るタイムは得られなかった。 欲が出て巷で評判の良いA052を入手して走行したのだが、ファミリー走行枠では思うようにクリアラップが取れずに撃沈。 

タラレバでは0秒7だったが、結果は上記の通り。 何とか0秒台に入れたかったのだが無念の結果と成った。 拙い走りの動画も撮影たしので晒しておくが、ロガーでは何とか0秒台に乗っているのが悔しい。 1分切りを目標にしている方々からすれば鼻で笑われるが、0秒台という響きが欲しかったというのが本音だ。

 

このA052、良く出来ていると思う。 既に多くの方が履いて走行しておられるので私如きがインプレするのも烏滸がましいが、思っていたより乗心地が良く、静粛性もSタイヤ特有のゴーという音は皆無。 ネオバよりも静かかも知れない。 しかし、タイヤの山は低く浅溝と言われる部類。 新品ネオバが7ミリに対して此方は5ミリ。

12周ほど全開で走行した後のA052、やはり減り方はネオバとは異なるがSタイヤのように表面が溶けて削り取られるような状態ではなかった。 走行時には少しゴツゴツした感触があり、これは空気圧が少し高かったのかも知れない事から、もう少し空気圧は試行錯誤して美味しいところを探してみるつもり。

上の写真は両方共に負担の大きい左側に装着していたもの。 角の削れ方はSタイヤのそれに近いと思うが、思っていたより摩耗は少ない。 これでワイヤー出るまで美味しいところが続くのであればアリだと思う。 ラップタイムを見てみると12周連続走行しても極端にタイムが落ちるようなタレは無く、エンジンやコース状況の美味しい時間帯が継続していれば15分程度では音を上げないと言えるだろう。

ところで、貴兄はブレーキキャリパーのメンテナンスは実施しているだろうか。

恥ずかしながら、私はローター交換やパッド交換の際にキャリパーの清掃は疎かになっていた。 そこで今回はキャリパーのピストンを突き出させてダストなどを可能な限り清掃した。 すると僅かに引きずり気味だったのが解消され、走行時に動力が掛からない惰性走行は劇的に改善した。 

これはローターにもパッドにも、そしてラップタイムにも良い結果となる事から是非とも貴兄も実施しては如何だろうか。 その際、パッドを固定しているピンも清掃というか研磨することをお薦めする。 ここに汚れが堆積しているとパッドがスムーズに動くことが出来ず、パッドの偏摩耗にも繋がるのは想像がつくと思う。 私はご覧のようにドリルに咥えさせて軽く研磨した。

ここで幾つか注意。 ピストンを突き出させすぎるとピストンが外れてしまい、キャリパーからフルードが漏れ出すと共にエアが混入してフルードの全交換となる。 また、清掃の際にブレーキクリーナーを使用するとシールを痛めてしまうため、中性洗剤などによる清掃をお薦めしておく。 勿論、シールにクリーナーが掛からなければ問題ない事から、使用する際は上手に使用していただきたい。

開幕戦前に可能な範囲は万全な状態に改善したいため、点火プラグも交換した。

私は高価なイリジウムプラグではなく、安い標準プラグを使用しているのだから、もう少し頻繁に交換すべきだった。 これで少しは動力性能が改善できるだろうか。 エアクリーナーも清掃しなければ成らないが、手元にある1年使用したクリーナーは未だ手付かず。 清掃自体は簡単なのだが装着するのが一苦労、レース前に重い腰を上げなければならない。

 

 雑記

車の点火プラグを交換した際に、W800の点火プラグが新車のまま4万キロを超えていることに気付いた。 これは拙い。

こちらも標準プラグを用意した。 巷ではイリジウムプラグを使用している方が多いが、私には違いを感じられないことから、最近は専ら標準プラグを使用している。 しかし4万キロ無交換は駄目だ。

見事に使用限界を超えており、猛省。 点火部の電極が丸く摩耗している。 最近、エンジン始動の際にセルモーターを回す時間が少し長くなったのは、これが原因だろう。 コイルに負担が掛かっていたのだと思う。 W800は点火プラグの交換が面倒なのだが、これは拙かった。

まず燃料ポンプのカバーを外してから配管を外す。 これがまた厄介で、赤いロックが外れにくいのだ。 尤も、燃料ホースが簡単に外れては成らないことから、これはこれで仕方ないのかも知れない。

そしてポンプ前方の電源ケーブルも外す。

そしてタンクを後方に引いて台座から外れたら持ち上げるのだが、燃料の残量計コネクターが有るのでタンクが落ちないように注意しながらコネクターを外す。

そして、忘れていたドレンホース。 これは幸いなことにタンクを持ち上げたら外れてくれた。

プラグの交換自体は簡単。 だが、車載工具にプラグレンチは入っていないため、自分で用意する必要がある。 W800のプラグホールは深いので専用工具が無いと外すことは出来ない。 プラグは2輪も4輪も一般的には共通の対角16ミリなので、1つ持っていて損はないと思う。 私はKTCのマグネットの付いたソケットレンチタイプを愛用しているが、プラグホールの深さによって手持ちのエクステンションを合わせれば難なく交換可能だし、ラチェットを使用するため狭いところでも確実に作業が出来るので重宝している。

ここで序にエアクリーナーも清掃した。 これも随分と放置してしまったので酷いことに成っていた。

清掃してスッキリ。 しかしこのエアクリーナー、ブローバイガスの還元のためオイルまみれと成るのだが、キャッチタンクを装着してオイルミストを分離させてやりたい。 おそらく、スロットルも確認していないがオイルでベトベトだろう。

一昔前はブリーザーパイプと呼ばれていたホースで大気開放していたが、流石に今どきにそれは宜しくない。

 

 

 今月の整備記録

   消耗品交換パーツリスト(エクセルデータ)
    http://enthusiast.eos111.com/ELISE phase1 PartsList.xls

エリーゼ
オイル&エレメント交換  171,260km タクマイン匠 10W-40 
プラグ交換 171,260km NGK BKR7E
   
W800  
プラグ交換 41,600km NGK CR8E
エアクリーナー清掃 41,600km

■ ベストラップタイムの記録
筑波サーキット
 コース2000

1分1秒020(2019.02 エリーゼ Sr.1 111S改の公認記録)
 F195/50R15 R225/45R16 A052
 ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
 ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
 JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
 GTウイング+自作スプリッター
 EMERALD K3 コンピューター

筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(2002.05 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
日光サーキット 44秒129(2001.03 ロードスターNA8Cでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
富士スピードウェイ
 旧コース
1分55秒28(2002.04 ロードスターNA8Cでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(2003.02 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

富士スピードウェイ
 レーシングコース
2分00秒101(2018.07 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 F195/50R15 R225/45R16 AD08R
 ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
 ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
 JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
 GTウイング+自作スプリッター
 EMERALD K3 コンピューター
富士スピードウェイ
 ショートコース 
33秒6(2004.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

33秒706(2006.04 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD07
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+アローレーシングマフラー
 

ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分16秒479(2004.11 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(2003.10 エリーゼ Sr.1 111Sの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
袖ケ浦
 フォレスト
 レースウェイ
1分12秒753(2018.01 エリーゼ Sr.1 111S改の非公認記録)
 F195/50R15 R225/45R16 AD08R
 ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
 ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
 JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
 GTウイング+自作スプリッター
 EMERALD K3 コンピューター
鈴鹿サーキット
 フルコース
2分27秒488(2018.12 エリーゼ Sr.1 111S改の非公認記録)
 F195/50R15 R225/45R16 AD08R
 ライドモーターワークスによるチューニングエンジン+JENVEY4スロ+ハイコンプピストン+ハイカム
 ナイトロン全長調整式3ウェイ減衰調整ダンパー+アイバッハバネ
 JAN SPEED LARGE BOAエキマニ+EPマフラー
 GTウイング+自作スプリッター
 EMERALD K3 コンピューター
スポーツランド菅生 1分44秒200(2011.07 エリーゼ Sr.1 111Sの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 Neova AD08
 フォースダンパー+アイバッハ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+テクニカルガレージササキマフラー

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