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2003.11



戦い終わってホッと一息 111CUP Rd.5 final


111CUP Rd.5 もてぎ東コース

前日の祈りは届かず、111CUP最終戦のもてぎは雨だった。

前回の4戦目は雨でキャンセル(敵前逃亡)した。 今回は111カップの最終戦でもあり、第4戦のような台風でもない。 そして私は総合ポイント争いからは脱落しているし、茂木はエスケープゾーンが確保されている。 そんな訳で草木も眠る丑三つ時に起床し、シトシトと降っている雨を怨みながらボディカバーをめくった。

シッカリとワックスを掛けて磨き込んであったため、雨粒が玉となって抑揚のあるボディの上を流れる。

汚したくないなぁ。

車を汚すのは嫌いなのだ。 あろう事か、現代の車なのにコイツと来たら雨漏りを起こしやがる。(まだ何が原因か掴んでいないが、近日中にカウルを外して確認する予定)

まぁ最終戦だし…と、さっき考えたことを復唱して自分を納得させる。 今回の開催場所は比較的遠方であることと、雨ということで往路のアベレージが上がらないことも考慮して早目に出発した。 慎重に、とにかく慎重に闇夜の街へとステアリングを向けたのだが、やはりウェットな路面では感触は届きにくい。

外環道に乗るまでは自宅からホンの僅かな距離なワケだがカナリ緊張した。

料金所で支払いを終えて外環に上がった。 周りは三桁km/hペースが多い。 そんな中、私は制限速度をほんの僅かに上回る程度で左側のレーンを走った。

追越車線を走る車輌の飛沫が前方視界を悪化させる。 三郷ジャンクションが遠い。 そして常磐道へ入った。 いつもならココを巡航していると仲間に出会うのだが…と、時計に視線を移すと余裕たっぷりだった。

どうやら早朝の移動であれば三時間見ておけば十分らしい。
守谷のサービスエリアに仲間の姿は無かった。

早めに出た理由、実は単独で茂木に行った事が無いので不安なのだ。 前日に地図では確認したが、情けないコトにその地図を持って来るのを忘れた。 ということで迷っても困らないように早目に水戸インターを目指す。 相変わらず雨は降っているが随分と小粒に成った。 天気予報では午後から晴れると言う。

このまま止んでくれないかな。

水戸インターを降りた。
確かスタンドの有る一つ目の交差点を右折した記憶が有る。 違ったか? 見落としたのか? おかしい、見あたらない。 前方に県道52号線の表示。 確かコレを進めば県道51号線に当たって、後は道成りのはず。

しかし進んでみると道幅は狭くなる一方で、なんとも心許ない。

とうとう車一台しか通れない程になって引返そうとした時に道幅が広く成った。 ホッと安心したところで腹が減っている事に気付いた。 ゲンキンなものだ。

しかし、そういえばコッチに来てからコンビニを見ていない気がする。 「○○商店」のような店はあるがまだ開いていない。 まぁ時間が時間だし、まだ目的地まで10キロ以上あるのだからコンビニぐらい幾らでもあるだろう。

という想いも虚しく目的地に着いてしまった。
10キロ走ってコンビニが1軒もない町って…

ゲートを潜った。 誰も居ないだろうと思っていたが54番がいた。 さすがシリーズチャンプ王手の男。 気合いが違う。

しかも彼の車を見ると、完璧な雨対策をしているではないか。

彼は幌なのだが、ボディと幌の繋ぎ目にはガムテープで目張りがしてある。 そして、サイドウィンドー上部にはバイザー風の庇がガムテープで作られている。

なるほど。

これならば曇り止めの為に少し窓を下げても雨水の侵入は防げる訳だ。 シリーズ1の車両は窓を目一杯閉めた状態でもAピラーに透間が出来る。 ここから容赦なく雨水が侵入するのだ。 これは私のようなハードトップ使用でも同様だから困ったモノだ。

早速、真似させて貰う事にした。 だが外気温がこの季節としては低めなので室内が曇ることは無いと判断し、Aピラーの上端部(一番漏れるところ)のみガムテープで目張りをした。 (このページのトップ画像の通り)

時間が経ち、仲間が集まってきた。 口々に「また雨だねぇ」と愚痴が出ている。 「あれ、ケムさん今回は雨でも出るの?」などと意地悪な輩も居たりする。

御覧の通り、私の予選出走順は2番目。 雨脚が強まる中にブリーフィングも終わり、予選は54番について行こうかな…などと考え始めていた。

そして予選開始。

主催者側からの遵守事項としてライト点灯を告げられた。 このようなコンディションでは言われなくても点灯するべきだと思うね。 一般道でも霧が出ているのにライト点灯していない車両をよく見かけるのだが、自分がココにいると言う意思表示が如何に大事かと言う事を解っていないドライバーが多くて恐い。

この画像は暗い状態で走ってる居るのが良く表現されていると思う。
カメラマンに感謝。(HALさんアリガトウ)
画像的には雨の走行シーンってイイかも。

最初は「雨かよ(怒)」と思っていたが、走ってみると危険なほどスリッピーでも無く、自制心が有れば安全を確保出来る事がわかって楽になった。

54番と一緒にコースインしてクリアラップを取れたのが吉と出たのだと思うが、予選で総合5番手は上出来。

18番は気合いが入りまくってオーラが出てたな。 彼はレース経験が豊富な上、常に周囲を見ながら自分の間合いを確保できる人。 よし、今日は彼について行ってみよう。 私はどう足掻いてもシリーズで4位止まりだから失うものはない。 だからと言って無理するつもりは毛頭無いのだが。

しかし52番は素晴らしい走りをしたようだ。 彼の車は120馬力エンジンにクロスしていないミッションを搭載しているシリーズ1のスタンダード。 このグリッドに位置するというのは本当に素晴らしいと思う。

朝のブリーフィングで今回は危険回避のためにローリングスタートだと聞いた。 私には経験がないが、確かにウェットでのシグナル方式による通常スタートは危険だろう。 更にローリングも「2列としない事」と追加注文が入っていた。

一瞬忘れかけていたが、「今日は安全に楽しめれば良い」と思って居たのを思い出したおかげで、本当に今回は息苦しい重圧に苛まされることもなく決勝を迎えたのであった。

ローリング状態でストレートを立ち上がって来てグリーンフラッグ。 この前の時点から既にレースはスタートしていたらしい。 詳しくは書かずに於こう。(次回、このような機会があれば私も狙うのだ)

前車との間隔が開きすぎ。 アクセルを前車との車間保持の為にコントロールしていたのだが…迂闊だった。 スタートラインを跨ぐ頃には、同じクラスの18番は遙か前方。 彼は先行逃げ切りの必勝パターンを手に入れたね。

まぁいい。 今日は気楽に走るのだ。

それにしても同色が3台連なっていると観戦者は解りづらいだろうな。 などと呑気な事を考えながらダウンヒルを下って1コーナーにアプローチする。 先頭集団は2コーナーへと消えていった。

いや、1台がユックリとイン側に巻き込んでいる。
横を通過した時に再確認。 ん? 18番だ!

先程までの平穏モードから一気にスイッチオン。
そう、今、私はクラストップを走っているのだ。

しかしサスガ18番。 オープニングラップが終わる前に54番をパスしてバックミラーに大きく映っている。 そうか、54番は年間チャンプを手堅く掴む作戦か。 彼が戦闘モードに入ってくれれば私の勝機も有ったかも知れない。 しかし、彼が本気だと私もパスされる可能性が有るのだが。

兎にも角にも18番は背後にいる。
凄いプレッシャー。

前には52番が居る。 彼にプレッシャーを与えて抜くチャンスを伺い、後ろの18番を押さえる。 そんな事が出来る筈がない。 いつインを刺されるか気が気でない私はいつの間にかライン取りが「インチョロ」走りに成ってしまっていた。

なにしろ18番は鬼神のような形相で追っかけてくるし仕掛けてくる。
肝っ玉の小さい私はビビリ捲り。

それでも何とか52番を直線でパス。 少しタイトな右コーナーに差し掛かった。

しまった、インに着くのが早すぎた。 辻褄を合わせようとコーナーをタイトなターンで描こうとしたが路面が許してくれなかった。 テールが流れてタイムをロスするカウンターステア。 車体半分まで差が縮まってしまった。

そして次のコーナーは彼がイン側。

3速から4速で回る高速コーナーで私はベストラインを取れない。 しかもウェット。 思った通り18番は私が通ろうと思ったラインに乗っている。

「おおっ、そこを攻めてくるかい」

車体はまだ私が先行していた。 私、そのラインに乗りたかったので「行かせてくれよ」と寄せてみたが、「ダメ」と言われた…ような気がした。 勝負有り(というか私の負け)。

後で聞いたら、全く同じような事を思っていたらしいので笑ってしまった。

しかし、ここで勝負有りじゃ情けない。 少しは意地を見せようと頑張ってみたのだが、彼は2コーナーでハーフスピンしてから頭の中のブレーカーが飛んでいたらしい。(本人談) ジリジリとでは無く、グングンと離されていくのだ。

アドレナリンが出終わって冷静になった私。 バックミラーを確認すると、黄色い54番はストレート1本とは言わないが、かなり後方にいる。 一人旅になってしまった。

目的物が居なくて淡々と走ると駄目だ。 闘争心というか守りの走りにスイッチしてしまったので、途端にタイムが上がらなくなった。 こういう状態はとても危険である。 

これはイカンと気を取り直し、攻める気持ちを奮い立たせた……と、書きたい所だが、アドレナリンは使い果たしてしまったようで熱い気持ちが出てこない。 (歳とったか?)

するとトップの車(スポーツエリーゼ)がコースアウトしている。 そして後半には更にもう1台のスポエリが最終コーナーでスピン。 コースに戻るのに苦労している。

あれ?
もしかして総合2位?

よーし、頑張るゾ♪

と、思っていると後方から2台のスポエリが迫ってきたので譲ってしまった。 ここで規定周回終了。 結局いつもどおりのクラス2位。

また2位か。
でも、少しレース慣れして成長した気がするな。

順位やタイムを上げるためにはアグレッシブに攻めないといけないのだが、攻め倦ねてミスしたら全て終わり…と、思うと踏めない。

無茶して踏んでいるのでは無く、持っている抽斗を開けられる諸兄は凄い。 各戦で優勝した人達、そしてクラスを越えて総合優勝した人、さらにシリーズチャンプを取った人達、「おめでとう」。

 

エリーゼスーパーテック Rd.5 筑波2000

前週のもてぎと打って変わってスーパーテックの最終戦は晴天。

スーパーテックに出走するのは1戦以来の御無沙汰だったのだが、こちらのクラス分けは更に辛辣。 たまたま出してしまった4秒台が記録されており、私はエクシージやチューニングエリーゼに混じって走らねばならない。

ならば少しでも良いコンディションで予選を走り、スターティンググリッドを上げておく方が有利に違いない。

そんな姑息な拙策を考えていた私は再び早朝に自宅を出発。 守谷SAに着くと私しか居ない♪ ふふふ、作戦成功だ。 用をたして出発しようとするとエントラントがポツリポツリ。

しまった、出るチャンスを逸してしまった。
と、思っていたら54番が出発。 おっ、これはイカン。 私も出ねば!(笑)

途中、54番がガソリンスタンドで給油している横を通過♪

しかし、私も給油せねばならない。 筑波を走るときに毎回利用している対向車線のシェルに車を入れる。 横を54番とエクシージが通過。 今回は何故か少しばかり気合いが入っていたのか、他車が気になる気になる…

今回はサーキット手前にあるコンビニで食料と飲み物を調達してゲートイン。 が、54番が先着していた。 今回もまた2着だ。 73番はいつも後ろに隠れてしまって存在感が少ないと思うのは私だけだろうか?

予選1周目は54番の次、そして後方には空力パーツで武装したオレンジの96番。 この96番、エンジンは私らの111Sと同じVVCエンジンを搭載しているのでバックストレートでは殆ど一緒だったが、最終コーナーやダンロップ下などはブレーキ踏まないのかと思うような驚異的なスピードでアプローチしていた。

こういう速い車両が迫ったときには素直に譲りましょう。 頑張っても無駄だし、ラインも乱れて誰の得にも成らないどころか、寧ろ危険。 偶に居ますね、背後の車両の方が速いのにパスさせてくれない人。(おまえだ! と、言われてたりして。)

これは後方から明らかにタイムの速い車両が来たのでラインを開けている所。 9番が左側の私に視線を向けて挙動を確認してるの解ります? 本当に上手な人は抜かれるときにラインは開けても速度は下げないような走りをするらしい。 抜くのも抜かれるのにもテクニックが必要という事。

この時の9番はベストラインではないものの、ダンロップの手前と奥の80Rを上手く使ってアプローチスピードで落ちた分を補ってましたよ。 その後、前方にダンゴ状態を発見したときにはスローダウン。

予選は短時間の勝負だからクリアラップを作るのもワザの一つ。 こういうのも上手くなっておかないとね。

クリアラップがうまく取れたのも有って、今回は久々の4秒台。 でも、もう少しクリアラップが続いたらコンマ2秒ほど詰める自信は有った。 と、書いておこう。(笑)

いや、実際に余裕があったのだ。 いつぞやに筑波の最終でスポンジに突っ込み、最終コーナー恐怖症に陥っていたのだが、ダンパーをオーバーホールしてから車の動きが戻ったので安心して攻められた。

ただし、予選後半は路面の温度が天候の良さによって上昇。 まさか此程にまで温間の空気圧が変化するとは、と言うほどタイヤ空気圧は上昇していた。

予選結果はクラス6位で総合13位。
なんと4秒台が10台という混戦ぶり。

私と54番のタイム差は1/1000。 負けは負け。 強いなぁ、54番。 18番は私の後ろのグリッド。 また、いつものようにロケットスタートで抜かれるだろう。 右から来るのか、それとも左か? 気になって仕方ない…というか情けない。

しかし、後ろを気にしていると前方に私の居場所が無くなる。 1コーナーを立ち上がるまで、いや、1ヘアを立ち上がるまではイツモ以上に気を付けよう。 フォーメーションラップの時にこんな事を考えていた。

1分前。
ヤバイ、心臓がバクバクしてきた。

あっという間に5秒前。 あれ? ギヤを1速に入れたかな? 不安になって一旦ニュートラルにして1速を確かめるようにギヤを押し込む。 

5秒前にやることでは無い。(猛省)

54番も何やら焦っている様子。 でも彼の慌てぶりを見たら「ホッ」として落ち着きました。

レッドシグナル消灯…スタート!
スタート下手なのは解っているので私的にはストールしなければOK。

しかし、1コーナーまで届く前に18番が既に横に来ている。 併走して1コーナーに進入。 前後左右にギッシリ状態で非常に危険。 誰かがミスしたら総崩れですからね。 1秒間に3回はミラーを見たかな? ということで3倍緊張した。(当社比)

しかも2列のままS字を経て1ヘアピンに進入。 お互いに引かない。 でも18番だから大丈夫。 このヘアピンでは私がイン側♪ しかも18番の前走車が少しだけミス。

「よし、もらったぜー」
進路を塞がれた彼は私の2つ後ろに着いた模様。

ここで4秒後半グループの戦いが熾烈に、と、書きたいところだがペースが遅い。 パワーのある車がコーナーではマージンを取って直線では全開加速。 この手をやられてしまうとパワーで劣る111Sは辛い。

コーナーの進入では鼻先を入れられそうだが、無理をすると後方の車両に刺されてしまう。非常に歯痒い状態が続く。

私の居る位置をアピールするためと、前走者にプレッシャーを与えるためにライトオン。 しかし完全にリズムが狂ってしまって走行ラインが変。 これでは前週の111カップと同じ「インチョロ」走行である。

御覧の通り、連結状態でレースは進行していった。

暫くこのままレースは進行したが、前走者の1台がミス。 すかさずパス。 しかし、前半でライン取りを間違えたのが災いし、タイヤのグリップが極端に落ちているのを痛感。 こじって走ったためにタレてしまった。 更に前車に付きすぎてフレッシュエアを当てられなかったのもあり、水温油温も上昇してパワーもダウン。

まずい。

このままではスキだらけだ。 戦期を伺って後ろから刺されるのは時間の問題だろう。 だが今回は少し違うようだ。 後続車も何やら色々あるようで苦労している模様。 残り周回は2周。 なんとかこのまま押さえられるかも知れない。

「押さえる」と言う言葉が出てしまった。 
攻めから守りに入った瞬間である。

アグレッシブな走りで無くなったのが解る。 ブレーキングポイントが近い。 アクセルを開けるのが遅い。 予選の1秒落ちぐらいだろうか。

背後に2台を従えてチェッカーフラッグ。

ゴールラインを越えた途端にドッと汗が出て、鼻の横を伝って顎から滴った。 初めて同じ車種の友達より先にゴールラインを踏んだ瞬間だった。

 

エビスサーキット 東コース

自宅から280キロ。 二本松は遠かった。

私のロドスタ嫁先の友人に誘われてエビスへ行った。 走り屋向けのビデオで見たことのあるコースだが、走るのも直に見るのも今回が初めて。 現地に到着し、この看板を見た時……申し訳ないが笑ってしまった。

この日はエビスマイスターのHさん貸し切りで東コースを占有走行。 しかし、東京を出たときから天候は雨。 また雨だ。 天気予報では晴の筈なのだが、どうも私は雨に好かれているらしい。

一日占有となると100周近く走れると聞いていたので、残り溝の僅かなSタイヤしか手持ちの無い私は迷うことなくラジアルを履いていった。 初コースならばタイムアタックというよりはコース攻略を楽しんだ方が良いだろうと考えたのだ。

この日の参加者は10台程度。 中にはKさんという有名なプロドライバーもいらっしゃる。 耐久レースのための練習だそうだ。 1台のロードスターを3人で交代して練習走行をする計画らしい。 ノーマルの1600エンジンにSタイヤを履いて8秒台とか。

よし、目標は8秒台だ。

先程、タイムアタックではなくコース攻略を楽しむと思ったばかりなのにイイ加減な思考能力である。

コースへたどり着くまで敷地内を走るのだが、トラやライオンが居る。 サファリパークなのは解っているが、妙な感覚。 動物園の中にサーキットなのか、サーキットの中に動物園なのか? 動物にストレスは掛からないのだろうか。

しかし、まだ天気は回復しない。 予報では朝から晴れの筈なのにと再び天を仰ぐ。 しかも相当に寒い。 だが、参加者達はセミウェットを歓迎している方もいた。

コースを見渡してみた。
メインストレートは凄い勾配だ。

噂には聞いていたがアップダウンが激しい。 なんでも日本一のアップダウンらしい。 ストレートの下の方が見えない。

4人乗りでトランクの付いている車両はタイヤ交換を始めている。 私とロドスタの友人はタイヤ交換が無いので、あっという間に用意完了。 もうイツでも走れる状態だが、紹介して貰った立場でズケズケとトップ切ってコースインする心臓は持ち合わせていない。

主催者から「もう走ってイイですよ」と声を掛けて頂いた。

よし、行くかっ!

ヘルメットを被ってグローブを付け、4点ハーネスをもう一度締め上げる。 準備完了。

コースイン。

路面が荒い。 ライン取りもコーナーの感じも全く解らないので、様子見で数周流す。 何となくコースレイアウトが解ってきたところでペースアップ。 Pラップが働いてくれないのでラップタイムがサッパリ解らない。

とりあえず10周程度走ってピットイン。
タイムは事務室のモニターに表示されていた。

10秒後半。 これってどうなの?

ダウンヒルからのタイトコーナー、登り坂の上のヘアピン。 いかにスムーズに繋げるか、トラクションを有効に掛けるか、の勉強にはとても良いと思うがエスケープゾーンが狭いのでスピードの乗る区間はアクセルを踏みきれない。

少し頑張ってみた。 案の定、ダウンヒルでロックしてコースアウト。 タイヤスモークで車内が臭い。 このダウンヒルは手強いな。 フロントに荷重が掛かり過ぎるので気を付けないとリヤが抜けてトラクションが掛からない。 格好悪いオーバーステアを何度か演じてしまった。

ジムカーナで有名な方のコース攻略法を一夜漬けしてきたのだが、ここはクリップをゾーンとして捉える事と書いてあった。 すり鉢状に成っているので縦にもGを掛けるようにイン側をうまく使う必要があるらしい。 書くのは簡単なのだが。

その前の1コーナーの次にあるS字、ヨーが残りやすく、スピードを落とさずに直線的に駆け抜けるラインを探すのが難しかった。 ロドスタではノーブレーキでクリアできるという噂も聞いたことがある。 どうやらココはコース幅を目一杯つかってヨーを残さずにスピードを乗せていく走り方がタイムアップの鍵と見た。

となると1コーナーの立上りが重要で、アウトに孕んだりスピードが低い状態で立ち上がると、先程コースアウトしたダウンヒルのタイトターンまでにスピードが乗らない。 50メートル看板が一つの目安となるが、ラジアルタイヤが暖まっていないと50の手前でブレーキングしても間に合わない時があるぐらいのダウンヒルである。

最終コーナー前の高速ターンはシビレル。 恐らくベストラインは1つなのだろうが、色々なラインで走ってみた。 初めのウチは3速でブレーキングして進入していたが、4速のチョンブレ、若しくはアクセルオフだけで行ける気がする。 しかし、コース外側に出ると只事では済まない様相を呈しているので攻めすぎは危険。

そこから登り坂に続くセクションではタイトターンなのだが、コース幅が広いのと出口が登り坂ということで攻め方が掴みづらい。 アウト側にある縁石から大きく奥に外れたラインで立ち上がった時も有った。 セカンドでタイトに立ち上がるライン取りとサードで大きく回るラインを試してみたが、どちらがベストか解らない。

しかしハプニングは突然やって来た。

昼食を敷地内のレストランで済ませ、皆さんとも和んで会話をしていた時だった。 プロの方と一緒に居た方がフロント左キャリパーの異変に気が付いて下さったのだ。 ブレーキパッドを止めているノックピンのようなパーツが外れ掛かっていたのである。

そういえば右コーナーで異音がしていたような気がする。

ホイールは少し削れてしまったが、割れてしまったりピンが曲がったりせずに済んだ。 不幸中の幸いというか、本当に運が良かった。 このピンを止めているクリップが取れてしまっていたのだった。 来場者にワリピンを戴いて一安心。 こんな事も有るから気が抜けない。

この時は眩しいほど天気が良かったのだが、風が強い。 ルーフの上に乗せておいたヘルメットが風で飛ばされるほどである。 幸にしてリヤフードの上に当たって止まったから良かったが、もしルーフから落ちてしまったらヘルメットを交換しなければ成らなかった。

そんな事もあって午後からは少し萎えてしまったが、2時頃には天気もいつの間にか下り坂。 ポツポツと降り出した雨が次第に強くなって本降りになった。 4時までの走行枠なので残り時間が少ない。 路面は濡れて黒く鈍く光っている。

だが、黒い雨雲では無く「じきに上がるでしょう」というみんなの声。 さすがに皆さん慣れていらっしゃる。 次第に小降りになって上がったのだ。 ふと、南の空を見ると虹が架かっていた。 鮮やかな1本と、ウッスラとした1本の合計2本。

虹を見たのはイツ以来だろう。

虹が出たと言う事は太陽光が射している証拠。 而して雨は上がり走れる状態になった。 試してみたい事があったので真っ先に飛び出したのは私である。 朝の時点で控えめにしようと思っていたのは何処のドイツ?

結局結果は9秒228。

8秒台は出せなかったモノの、充実した一日となった。 帰路は3時間半。 睡魔に襲われそうになった。 やはり遠いのであった。(^^;;

 

メンテ

メンテというかトラブルもあるが一通り御紹介しようと思う。 

1.パンク
2.ライトカバー破損
3.防虫ネット
4.エアクリ清掃
5.アイドルアップ不良(ストール)

まずはパンクから。

レース前日にタイヤを履き替えて居るときに気が付いた。

ラジアルタイヤを外してSタイヤを履こうとしたとき、何やら鈍く光る物体をトレッド上に発見。 頭の飛んだ木ねじのようだ。 短い木ねじなら良いのだがと言う希望も虚しく、ペンチで抜こうとすると「シュー」と空気が漏れる音がした。 典型的なパンクである。

ガソリンスタンドなどで手軽なパンク修理を依頼すると、釘などを引き抜いた後にリーマーで穿られ、そこにゴムの釘状になったものを接着剤を使って差し込む方法をとられる事がある。

これは絶対にやめよう。 スチールラジアルタイヤの特徴であるトレッド下にあるスチールベルト(最近はワイヤーと呼ばれているもの)を破損させられる。 このスチールベルトがタイヤの剛性を担っているのだ。 これが破損したらどうなるか解るはず。

時間も金もが多少掛かるので厄介だが、少なくともタイヤを軋ませる走りをする可能性があるなら、タイヤを一旦外して裏面からパッチを貼るタイプを選択して欲しい。 私が御世話になっているタイヤ屋さんは時間にして20分、料金も1000円程度だった。 しかも、すぐに走行しても支障がないと言う。

実際、このタイヤでエビスを走ったのだが、何も問題はなかった。 ショルダーが一部剥離したが、パンク修理していないタイヤだった。(それも問題だよ、ブリヂストンさん)

2番目は番外編。

レースでテールツーノーズをしていたら前車の跳石でライトカバーが割れてしまったのだ。 ライトカバーだけでなく、ボディの至る所に跳石の傷とタイヤカスによる黒いスジが付いてしまっている。

昔、フロントカウルに付いた傷は勲章だと思っていた小僧の時期があったものだが、やはり車は綺麗な方がいい。 

3番目は防虫ネット。

少しでも冷却系に寄与しようと思って、ラジエターの前に付いている格子状のグリルとドライビングランプを外しているのだ。 S1のスタンダードや160などは細かい網目のエキスパンドメタルをコーティングしたモノが付いているが、111Sは樹脂製の30φの石が通過してしまうほどの格子が付いているのだ。

この格子ではゴミや虫は容赦なく入ってくる。 而もなまじグリルがあるために清掃も行い辛い。 秋になると色々なモノがベンチレーターから出てくる。 夏は熱気しか出ないのでベンチレーターを閉じていたのだが、秋の気配が深まってくると夜明け前は寒い。 ということでヒーターの出番となる訳だが、夏のウチに堆積した虫とタイヤカスやゴミがブロワーモーターで攪拌されて出てくる。 

まだ出てくればよい。

ブロワーモーターが回らなくなったら修理せねばならない。 今まで色々なモノが出てきた。 トンボ、タイヤカス、石、スポンジ…枚挙に暇がない。 何度も異音を発生させているので、ブロワーモーターの羽根には既に傷が着いていると思う。

フロントウィンドーの曇りを取ろうとしてベンチレーターを開けたとき、トンボがゴソゴソと出てきたときには驚いた。 しかもブロワーで中途半端なミンチになっているのだ。

まず用意したのがステンメッシュ。 ホームセンターで200ミリ角ほどの大きさのものを切り売りしている。

因みに、下に置いてあるアルミのレンジバネルはトランクフードからの雨水流入防止カバー。 これならば走行後の熱いエンジンルームに入れても問題ないのだ。

ただ、耐久性はイマイチだ。

防虫ネット作りは至って簡単。 先のステンメッシュをエアの取り入れ口の合う大きさにカットして貼り付けるだけ。

貼り付けには液体パッキンか2液性のエポキシ接着剤が良いと思う。 (合成ゴム系の接着剤でも問題ないとは思う)

このように貼り付ける訳であるが、微妙な曲面を成しているので、予め曲面に沿った形状に成型しておくと良いと思う。 私はそれを怠ったので固着するまで御覧のようなガムテープで固定していた。

この時は5分硬化の2液混合型エポキシを使用したが、1時間も経てば養生テープを剥がしても大丈夫だった。

これでゴミや虫は防げるようになったが、砂や網にぶつかってミンチ状になった虫の破片は進入するようである。 入り込んだ細かいゴミを掃除する時には剥がさなければ成らない。

フロントフードを上げ、アルミのフレキシブルダクトを手で引っ張り、室内へ導かれる箇所に網を付ける方が良かったかも知れないが、網を綺麗に張ることが出来なかった。 それで安易な方を選んでしまった。

ガーゼをそのダクトに被せたことが有るのだが、ラム圧が掛かりにくく、ブロワーモーターを入れないと風が入りにくくなったので取り外したのだが、ストッキングのような薄手のものでは混入物が入ったときに破れてしまうだろうし、ソレを吸い込んでブロワーに巻き込んだら厄介だ。

ダクトに合わせた網を自作するのがベストだと思う。 若しくは私が取り付けた網をビス留め式にして取り外し可能にしておけば問題はない。

4番目はエアクリ清掃。 前にも紹介しているが、リクエストがあったので再掲。 

私の車両に購入時から付いていたエアクリーナーはitgというメーカーの専用品らしい。 買うと8万もする代物だ。 おそらく最初から付いていなければ買わなかっただろう。(笑)

噂ではトヨタのEP82のエアクリを多少加工すれば装着できるという。 82も過去の車に成りつつあるから、検討している人は急いだ方が良いかも知れない。

汚れ落としにはマジックリン。 侮る無かれ、コレ最強也。

私のクリーナーはスポンジ式だが、K&Nなどのコットン湿式やブリッツなどのステンメッシュ方式にも共通と思って良いだろう。 ペーパーフィルターの乾式のタイプはセッセと新品に交換するしかない。

マジックリンを用意したら原液をクリーナーに降り注ぎ、暫くしたら満遍なく手揉みして浸透させる。 次にぬるま湯を用意して揉み洗い。 数千キロしか走行していなくても驚くほど汚れが出てくる。 私のクリーナーは外気をダクトで直接繋いでいるからかも知れないが。

暫く揉み洗いしたらインマニ側から大量の水で濯ぐ。 私は濯ぎを浴槽の中で行ったのだが浴槽の掃除がもの凄く大変だった。 なのでお奨めしない。

念のためにもう一度原液を掛けて揉み洗い。 今度は白い泡しか立たないはずだが、気の済むまでやっていただきたい。(画像では、まだ汚い泡が出ているが)

次に乾燥。

実はコレが厄介なのだ。 スポンジの奥深く、K&Nのクリーナーを使っている人であればコットンの奥深くに入り込んだ水分は容易に乾燥してくれないのである。

このようにタオルでくるんで揉んでやると殆どイイ線まで乾いてくれる。 表面に網が掛かっているタイプはドライヤーを併用すると早いが火傷に注意。 私は火傷した。 表面のメッシュが思っているよりも熱を持つのだ。

仕上にはエンジンオイルを薄く塗って終了。 2サイクルオイルが良いと聞いたことがあるが、新品のエンジンオイルでも良いと思っている。 廃油を使う愚者は居ないと思う。 K&Nやメーカーが推奨しているオイルがある場合は推奨方法を執るのが良いと思うが、スポンジ式はエンジンオイルで十分である。

試しにK&Nにエンジンオイルを使用したことがあるが、濾過率というか通過率が格段に落ちるようである。 キャブの時に燃料を吸いすぎて混合気が濃くなってしまった程である。 あのメーカーには純正の赤いオイルを使用するのが良いと思う。

最後にアイドル不調。

アイドリング不調というかストールで悩んでいる方が多いと聞いた。 私も購入後に悩んだ。 アイドリングが500回転ほどに落ちてストールしやすくなる時が有ったのだ。 

原因はインマニの横に付いているエアバイパスバルブ(と言うのが正式名称かどうかは知らない)だった。 ゴム管でバイパスされている先に着いている5センチほどの装置である。

アイドリングに必要なエアと、急激にエンジン回転が落ちない仕組みになっている装置だ。 これをバラして清掃することで調子が戻った。 作業自体は簡単なので、清掃することをお奨めする。 エアクリーナーを越えて来たゴミが入る場合と、ブローバイガスがスラッジとなって固着するパターンがあるようだ。 

 

リコール情報

LCIより2003.09.25に正式なアナウンスがあった。

エンジンコントロールモジュールの防磁性が不足しているため、点火装置への電磁干渉により失火が発生して未燃焼ガスが排出されることがある。そのため、触媒が過熱し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

と、言う物である。
詳細は上の画像にリンクを張ったので辿って頂きたい。

この画像のようにプレートが取り付けられていれば対策済。 私の車両のように正規輸入車は対策済という事であったが、私の車両には装着されていないように思ったので、LCIから資料を取り寄せて貰ったのが上のイラストである。

取付方法も伺っているので参考までに。

参考と言えば、他にもリコールが出ているので、気になる方はLCIに連絡することをお奨めする。 (サイトに書かれていない情報もある)

今月の記録

エンジンオイル+エレメント交換 23,400キロ(Silkolene Pro4 plus)
エアクリーナー洗浄 23,400キロ

ベストラップタイムの記録
 
各々の目標 筑波2000:3秒 筑波1000:39秒 茂木フルコース:16秒
 
 
筑波サーキット
 コース2000
1分6秒683(ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改

1分4秒463(エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

1分8秒7(エリーゼの公認記録
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ

 
 
筑波サーキット
 コース1000 
41秒709(ロードスターでの公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス44 足廻り改
 
 
日光サーキット 44秒129(ロードスターでの公認記録)
 205/50−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 エンジンノーマル(ロムチューンのみ有) 足廻り改
 
 
富士スピードウェイ 1分55秒28(ロードスターでの非公認記録)
 215/50−15 アドバン A048 (Mグレード)
 195/55−15 BS RE540S ソフト(Sグレード)
 1928ccエンジン+ソレックス 44 足廻り改 ※手計測データ

1分50秒772(エリーゼの非公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー

 
 
ツインリンクもてぎ
 フルコース
2分17秒665(エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 
 
ツインリンクもてぎ
 東コース
1分52秒006(エリーゼの公認記録 ウェット)
 195/50−15・225/45−16 A048 (Mグレード)
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 
 
エビスサーキット
 東コース
1分09秒228(エリーゼの公認記録)
 195/50−15・225/45−16 RE−01
 クァンタムダンパー+スィフトバネ+スティック対策スロットル
 WOTY SPEEDエキマニ+マフラー
 

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